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野花怪異談N⑦巻【完結】
74話「ウラミハラシマスター」
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「1」
ーー浦見原ミックスジュースバー店ーー
「いらっしゃいませ」
ここの店は大人の雰囲気が楽しめるミックスジュースバーであり、未成年でも気軽に入れる場所でもある。
そんなマスターである浦見原礼治の作るミックスジュースは格別だが客との会話が好評である。
なぜなら彼との会話とするとスッキリするらしい。
そんな常連客である彼女もこのマスターとよく会話するのだ。
「マスター、聞いてくれる?うちのバカ上司がさー。おまえ可愛げないとか、バカだなぁとかハラスメントをよくして笑ってるの!!あいつの笑顔を一度切り裂きたい!!」
「……では、お造りしましょう」
と、マスターは早速柑橘系のあっさりとしたミックスジュースをお出しする。それを飲んだ女性客はスッキリしたのかそのままお会計をして店を出た。
ーー数日後ーー
「マスターありがとう♪先日話したバカ上司、愛人と密会バレて奥さんから逃げてそのまま階段転げ落ちて顔に3針縫うキズついたわ。おかげで世間に公にできないまま退職してせいせいしたわ。はいこれ、サボテンフルーツね」
「ありがとうございます」
と、その女性客が帰った後、その顔にキズをついた男が来店したが、怨み節を聞いたがそのまま帰宅して二度と来店することはなかった。
「2」
「いらっしゃいませ」
浦見原の元に次々と客が訪れて会話する。
そんな場所に場違いな老婆がこの店にやってくる。
「ご注文は?」
「そうですね。私、甘い物はあまり得意じゃないからひかめな物で」
「わかりました」と、浦見原はりんごとレモンや梅などを掛け合わせたさっぱりとしたミックスジュースをお出した。
「あら、美味しい。私好みだわ」
老婆は喜んで浦見原が造るミックスジュースを飲み干した。そこで浦見原と会話する。
「そうですか……オレオレ詐欺に引っかかりましたか」
「詐欺にかかった寝たきり主人にも何度も私に謝罪するんです。今後どうすればいいのやら……」
浦見原と老婆はいくつか話した後、お会計を済まして店を出た。
ーー数ヶ月後ーー
「いらっしゃいませ」
そこに以前店を訪れた老婆がやってきた。
「マスター話を聞いてありがとうございます。オレオレ詐欺した犯人は捕まりました。そしてマスターの勧めで宝くじ購入したら一億円当選しましたの。一応私たちには使い切れないから半分は寄付しましたわ。これはお気持ちです。ミートボールカステラです」
「ありがとうございます。娘と一緒に食べます」
「娘さんにもよろしく伝えてください」
と、老婆の身体がスゥーと透明になり忽然と姿を消した。
「3」
「あーあ。1億円もらいそこになったな」
「まーま。よかったじゃないの、感謝されて」
浦見原礼治の店で楓とその親友である浦見原虹とお客がもらったミートボールカステラを食べる。
そんな彼女も怪談語りをするライバルだった。
「いらっしゃいませ?」
と、場違いな強面の男性が現れてきた。
「マスターよ?こいつを怨み晴らしてくれよ」
と、カウンターテーブルに大量の札束と写真が乱雑に置かれる。
「誤解なきよう言いますが私はお客様の会話を聞いてるだけですよ?」
礼治は嘘をついてない。全ては娘の虹が勝手に怨みを晴らしてるだけに過ぎないから。
「ああん?黙って引きうければいいんだよ?ここは怨みを晴らしてくれんだろ?もっともおまえさんの怨み晴らしたババアは今頃深い海のコンクリート底だからな。ははは」
と、強面男性はそのまま帰っていた。
その時、楓達は黙っている事柄なく怨みを晴らすべく動いた。
「4」
ーー????事務所ーー
彼は憤りを感じていた。
浦見原の店で怨みを晴らすべく金を積んだがご丁寧に彼の事務所に返却されていた。
それも計算のうちである。
いつか浦見原の店を潰そうと考えていた。
そこで部下達を使って店を潰しに向かうとする時、彼の事務所に謎の女性が現れる。
「なんだ?おまえは?」
その女性は和服を着た白粉肌を身につけていた。
その女性からあふれる黒い蟲が出てきて事務所内に全て覆われていく。
彼らの悲痛な叫びや助けは届かない。
そしてその事務所にいた彼らの行方は未だ知らず。
ーー八木家ーー
「ただいま」
ちょうど八木楓が帰宅する。
彼女は何事もなかったかのように冷蔵庫からヤギプリンを取り出してその甘味を味わっていた。
ウラミハラシマスター 完
ーー浦見原ミックスジュースバー店ーー
「いらっしゃいませ」
ここの店は大人の雰囲気が楽しめるミックスジュースバーであり、未成年でも気軽に入れる場所でもある。
そんなマスターである浦見原礼治の作るミックスジュースは格別だが客との会話が好評である。
なぜなら彼との会話とするとスッキリするらしい。
そんな常連客である彼女もこのマスターとよく会話するのだ。
「マスター、聞いてくれる?うちのバカ上司がさー。おまえ可愛げないとか、バカだなぁとかハラスメントをよくして笑ってるの!!あいつの笑顔を一度切り裂きたい!!」
「……では、お造りしましょう」
と、マスターは早速柑橘系のあっさりとしたミックスジュースをお出しする。それを飲んだ女性客はスッキリしたのかそのままお会計をして店を出た。
ーー数日後ーー
「マスターありがとう♪先日話したバカ上司、愛人と密会バレて奥さんから逃げてそのまま階段転げ落ちて顔に3針縫うキズついたわ。おかげで世間に公にできないまま退職してせいせいしたわ。はいこれ、サボテンフルーツね」
「ありがとうございます」
と、その女性客が帰った後、その顔にキズをついた男が来店したが、怨み節を聞いたがそのまま帰宅して二度と来店することはなかった。
「2」
「いらっしゃいませ」
浦見原の元に次々と客が訪れて会話する。
そんな場所に場違いな老婆がこの店にやってくる。
「ご注文は?」
「そうですね。私、甘い物はあまり得意じゃないからひかめな物で」
「わかりました」と、浦見原はりんごとレモンや梅などを掛け合わせたさっぱりとしたミックスジュースをお出した。
「あら、美味しい。私好みだわ」
老婆は喜んで浦見原が造るミックスジュースを飲み干した。そこで浦見原と会話する。
「そうですか……オレオレ詐欺に引っかかりましたか」
「詐欺にかかった寝たきり主人にも何度も私に謝罪するんです。今後どうすればいいのやら……」
浦見原と老婆はいくつか話した後、お会計を済まして店を出た。
ーー数ヶ月後ーー
「いらっしゃいませ」
そこに以前店を訪れた老婆がやってきた。
「マスター話を聞いてありがとうございます。オレオレ詐欺した犯人は捕まりました。そしてマスターの勧めで宝くじ購入したら一億円当選しましたの。一応私たちには使い切れないから半分は寄付しましたわ。これはお気持ちです。ミートボールカステラです」
「ありがとうございます。娘と一緒に食べます」
「娘さんにもよろしく伝えてください」
と、老婆の身体がスゥーと透明になり忽然と姿を消した。
「3」
「あーあ。1億円もらいそこになったな」
「まーま。よかったじゃないの、感謝されて」
浦見原礼治の店で楓とその親友である浦見原虹とお客がもらったミートボールカステラを食べる。
そんな彼女も怪談語りをするライバルだった。
「いらっしゃいませ?」
と、場違いな強面の男性が現れてきた。
「マスターよ?こいつを怨み晴らしてくれよ」
と、カウンターテーブルに大量の札束と写真が乱雑に置かれる。
「誤解なきよう言いますが私はお客様の会話を聞いてるだけですよ?」
礼治は嘘をついてない。全ては娘の虹が勝手に怨みを晴らしてるだけに過ぎないから。
「ああん?黙って引きうければいいんだよ?ここは怨みを晴らしてくれんだろ?もっともおまえさんの怨み晴らしたババアは今頃深い海のコンクリート底だからな。ははは」
と、強面男性はそのまま帰っていた。
その時、楓達は黙っている事柄なく怨みを晴らすべく動いた。
「4」
ーー????事務所ーー
彼は憤りを感じていた。
浦見原の店で怨みを晴らすべく金を積んだがご丁寧に彼の事務所に返却されていた。
それも計算のうちである。
いつか浦見原の店を潰そうと考えていた。
そこで部下達を使って店を潰しに向かうとする時、彼の事務所に謎の女性が現れる。
「なんだ?おまえは?」
その女性は和服を着た白粉肌を身につけていた。
その女性からあふれる黒い蟲が出てきて事務所内に全て覆われていく。
彼らの悲痛な叫びや助けは届かない。
そしてその事務所にいた彼らの行方は未だ知らず。
ーー八木家ーー
「ただいま」
ちょうど八木楓が帰宅する。
彼女は何事もなかったかのように冷蔵庫からヤギプリンを取り出してその甘味を味わっていた。
ウラミハラシマスター 完
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