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59話、本当の母へ伝えるは、懺悔と愛娘の現在
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ファートと一時的な別れを交わした、次の日の昼下がり。家にヴェルインとアルビスが来た後、私は沼地帯の一角にある、小さな湖の畔へ一人で訪れていた。
目的はもちろん、サニーの家族と予想した骸骨を埋葬する為。辺り一帯は白い花に囲まれているし、その花を管理しているゴーレム達が居るので、魔物や獣の気配は一切無い。
目の前にあるは、静かに佇んでいる湖。周りを囲んでいるは、そよ風に体を揺らしている純白の花々。ここが迫害の地だという事を忘れるような、とても平和に満ちた空間だ。
「ここにしよう」
墓を作る場所を決め、肩に置いていた荷物を地面に置き、その場にしゃがみ込む。本来ならば、この人が生まれた土地に埋葬するべきなのだが……。
調べる方法は一切ないし、この人が死んでしまってから、少なくとも五年以上は経過している。せめて名前さえ分かれば、まだ探しようはあったかもしれない。
墓を掘る方法は、魔法や道具を使わず、私自らの手で掘る。この人が余裕を持って横たわれる大きさで、他者に掘られぬよう、それなりの深さまで。
早速掘るべく、地面に指を突っ込んでみる。元は沼地帯ともあってか土質はかなり柔らかく、素手でも問題なく掘り進められそうだ。
「今からあなたの墓を作りますので、もう少しだけ待っていて下さい」
背後に置いてある、一枚布に包まれている骸骨に語り、両手を使って掘り進めていく。当然、返事はない。だが、語らずにはいられないのだ。
無意味なのは分かっているけども、とにかくあの人を安心させてやりたい。私はあの人に、相当恨まれているだろうからな。進捗具合も兼ねて、逐一語っていこう。
さて、この作業は何時間掛かるだろうか。いや、そんな事は考えてはいけない。決して妥協せず、この人が安眠できるような墓を作り上げてやるんだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ハァハァハァ……。や、やっと、掘れた……」
作業を初めてから、もう何時間が経った? 周りの白い花達が、薄っすらとオレンジ色に染まりつつあるから、今は夕暮れ時。少なくとも四時間以上は経過していそうだ。
その間に、爪は二枚欠け、一枚は剥がれてしまったが……。なんとか墓を掘り終える事が出来た。骸骨の身長は私よりやや小さめなので、直径は約百八十cm。深さは、おおよそ八十cmの墓だ。
出来たばかりの墓を、息を荒げながら確認した後。痛みと疲労で震えが止まらない泥まみれの手を、湖で綺麗に洗う。
「グッ……、傷口がしみるな……」
水の冷たさは新薬の副作用のせいで感じぬものの、両手を湖に入れた瞬間、劈くような痛みが走った。手を動かすごとに、鈍痛と鋭い痛みが交互に襲ってくる。
が、あの人が心に受けた痛みは、こんな生易しい痛みではないはずだ。きっと何か深い理由があり、断腸の思いで我が子を捨てざるを得ない状況になり。
不本意に狼に食われてしまい、私が余計な捨て台詞を吐き、更に追い打ちをかけてしまったんだ。でなければ、手紙を添える必要もないし、死んでからも尚、私を恨む事もなかっただろう。
自分に言い聞かせつつ立ち上がり、背中側のローブで濡れた手を拭き取る。墓の前に戻り、事前にクロフライムから貰った大量の白い花を、墓の中に隙間無く敷き詰めていく。花の寝床が出来上がり、これでようやく前準備が整った。
次に、夕日を浴びている一枚布を丁寧に広げていき、例の骸骨を出す。骨はバラバラになっているので、頭蓋骨から順番に並べていかなければ。
「遅くなってすみません。今から埋葬を始めます」
謝りを入れつつ頭蓋骨を両手で持つ。骨の順番を間違えないようにしないと……。じゃないと、この人が落ち着いて眠りに就けないからな。
頭、頸椎、肩、肋骨、骨盤、腕、手先、両足の順番に、形を整えながら並べていく。……間違ってはいないはず。スケルトンの骨の配置は、確かこうだった。
並べ終わると、私がお守り代わりとして常に持っているサニーの似顔絵を、綺麗に広げてから腹の部分に添えた。これで後は、埋葬するだけだ。
骨の位置がズレないよう、足先から丁寧に土を盛っていく。足が隠れたら、腰まで。腰が隠れたら、首まで。首が隠れたら、頭蓋骨の周りから土を盛っていき、最後に顔を覆う。
骨が全部隠れると、掘り返した土を完全に戻し、上から軽く押し込む。そして、湖で痛みを我慢しながら手を洗い、再び墓の前へ行った。
このままではあまりにも寂しいので、ここに来る前に作った花束を、墓の中央に置く。そのまま両手を前に合わせ、黙祷を始めた。
三十秒では足りない。一分でも以ての外。せめて十分以上はやらないと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
黙祷に全神経を集中させていたせいか、時間の流れの感覚が曖昧になり、周りから流れてくるあらゆる環境音が聞こえなくなった。
そろそろ、この人に全ての経緯を話し、謝らなければ。そう決めた私は、瞑っていた瞼を開け、墓を視界に捉えた。
「自己紹介がまだでしたね。私は魔女のアカシックと申します。あなたと会うのは、これで二度目になりますね」
墓を作る前から手探りだったが……。敬語は、こういう喋り方だった、よな? 敬語で喋る機会なんてほとんど無かったから、合っているのかまったく分からない。
「たぶん覚えているでしょうが、一度目にあなたと会ったのは、針葉樹林地帯の入口付近でです。あの時私は、あなたにとんでもない捨て台詞を吐いてしまいました。恨まれて当然の結果だと思っています」
五年以上も前。とにかく自分の事しか考えていなかった私は、この人に八つ当たり紛いな捨て台詞を吐いてしまった。当時の記憶は鮮明に覚えているので、もちろん言った内容も覚えている。
「全てが愚行だったのは充分に理解しています。許してほしいだなんて、これっぽっちも思ってはいません。ですが、あなたに謝らなければ、私の気が済まないんです」
謝って済む問題ではない。このあまりにも重い罪は、一生背負って生きていく事になるだろう。完全なる自業自得だ。
「耳障りであれば、無視をしてくれても構いません。では、謝ります。約五年前、不本意に死んでしまってからも尚、追い打ちをかけるような捨て台詞を吐いてしまいまして、本当にすみませんでした」
声を張り、頭を思いっきり下げる私。十秒、二十秒、そして三十秒程が経過すると、私は頭をゆっくり上げた。
「すみませんが、ここからは少し語らせて下さい」
これから語る内容は、この人が赤ん坊を手放した後の話だ。ちゃんと私なりに愛情を注ぎ、サニーがスクスクと元気に育っている事を伝えて、少しでも安心させてやらねば。
「あなたが針葉樹林地帯で手放した赤ん坊は、今も私が育てています。私と一緒に金色の長髪で、青い瞳をした少女が居ましたよね? その子がそうです。名前は『サニー』。青い瞳を晴天の青空に見立て、眩しい笑顔を太陽に例えて、そう名付けました」
当時は名前なぞ付けるつもりはなかったが、『おい』とか『お前』と呼んでいる内に違和感を覚え、ちゃんと考えて、意味を込めて名付けた名前だ。
今では深い愛着が湧いているし、『サニー』と名付けてよかったとさえ思っている。
「好きな料理はシチューで、趣味は絵描きです。もう五歳になりました。とても元気でやんちゃに育っています。サニーは、すごくお利口なんですよ? 難しい事を教えてもすぐに理解して覚え、自分の物にしていっています。しかも分からない事があれば、即座にその事について質問をしてくるんです。とても偉いですよね」
だが、最近では知識が豊かになってきたせいで、質問は減っていくばかり。なので質問が始まると、すぐに教えたくなってしまうんだ。
「知り合いもちゃんと居ます。私が街へ買い出しに行っている間、サニーの世話をしてくれているウェアウルフ。紳士的な態度で、ある意味サニーが命を救ってあげたゴーレム。そして、この地で最強の一角であるブラックドラゴン。全員が全員、サニーを我が子のように慕っています」
この異色な組み合わせは、サニーが居なければ集まる事は決してなかった。サニーと出会っていなければ、今でも私は一人で、新薬と新魔法の開発に勤しんでいただろう。全て間違ったやり方でな。
「そしてサニーは、私が忘れていた事を全て思い出させてくれて、正しい道へと導いてくれました。私も捨て子なのですが、幼少期の頃に一つの決心をしたんです。それは、『私と同じような立場に居る人達を、少しでも幸せにしてあげる事』です」
『私達と同じような』とは言わず、『私と同じような』と骸骨に伝える。『私達』だとピースも含まれてしまうが、ピースについては話すのはやめておこう。この人にはまったく関係のない話だ。
「魔女である私が出来る事は、光属性の魔法で温かな癒しの光を与えたり、体に良い薬を無償で分け与える事です。あなたへの手向けとなるかは分かりませんが……。私が覚えている最上位の光属性の魔法を、贈らせて頂きます」
私が覚えている最上位の光属性の魔法、『フェアリーヒーリング』。効果は秘薬に劣るものの、瀕死を脱する回復力があり、毒、呪い等の状態異常も取り除く事が出来る優れものだ。
もちろん効果を最大限に発揮すべく、詠唱付きでやる。……詠唱を唱えるなんて、約六十年振りぐらいだろうか? 柄にもなく緊張してきてしまった。
……よし、やるぞ。一旦深呼吸をし、全ての覚悟を決めた私は、右手をゆっくりと前にかざした。
目的はもちろん、サニーの家族と予想した骸骨を埋葬する為。辺り一帯は白い花に囲まれているし、その花を管理しているゴーレム達が居るので、魔物や獣の気配は一切無い。
目の前にあるは、静かに佇んでいる湖。周りを囲んでいるは、そよ風に体を揺らしている純白の花々。ここが迫害の地だという事を忘れるような、とても平和に満ちた空間だ。
「ここにしよう」
墓を作る場所を決め、肩に置いていた荷物を地面に置き、その場にしゃがみ込む。本来ならば、この人が生まれた土地に埋葬するべきなのだが……。
調べる方法は一切ないし、この人が死んでしまってから、少なくとも五年以上は経過している。せめて名前さえ分かれば、まだ探しようはあったかもしれない。
墓を掘る方法は、魔法や道具を使わず、私自らの手で掘る。この人が余裕を持って横たわれる大きさで、他者に掘られぬよう、それなりの深さまで。
早速掘るべく、地面に指を突っ込んでみる。元は沼地帯ともあってか土質はかなり柔らかく、素手でも問題なく掘り進められそうだ。
「今からあなたの墓を作りますので、もう少しだけ待っていて下さい」
背後に置いてある、一枚布に包まれている骸骨に語り、両手を使って掘り進めていく。当然、返事はない。だが、語らずにはいられないのだ。
無意味なのは分かっているけども、とにかくあの人を安心させてやりたい。私はあの人に、相当恨まれているだろうからな。進捗具合も兼ねて、逐一語っていこう。
さて、この作業は何時間掛かるだろうか。いや、そんな事は考えてはいけない。決して妥協せず、この人が安眠できるような墓を作り上げてやるんだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ハァハァハァ……。や、やっと、掘れた……」
作業を初めてから、もう何時間が経った? 周りの白い花達が、薄っすらとオレンジ色に染まりつつあるから、今は夕暮れ時。少なくとも四時間以上は経過していそうだ。
その間に、爪は二枚欠け、一枚は剥がれてしまったが……。なんとか墓を掘り終える事が出来た。骸骨の身長は私よりやや小さめなので、直径は約百八十cm。深さは、おおよそ八十cmの墓だ。
出来たばかりの墓を、息を荒げながら確認した後。痛みと疲労で震えが止まらない泥まみれの手を、湖で綺麗に洗う。
「グッ……、傷口がしみるな……」
水の冷たさは新薬の副作用のせいで感じぬものの、両手を湖に入れた瞬間、劈くような痛みが走った。手を動かすごとに、鈍痛と鋭い痛みが交互に襲ってくる。
が、あの人が心に受けた痛みは、こんな生易しい痛みではないはずだ。きっと何か深い理由があり、断腸の思いで我が子を捨てざるを得ない状況になり。
不本意に狼に食われてしまい、私が余計な捨て台詞を吐き、更に追い打ちをかけてしまったんだ。でなければ、手紙を添える必要もないし、死んでからも尚、私を恨む事もなかっただろう。
自分に言い聞かせつつ立ち上がり、背中側のローブで濡れた手を拭き取る。墓の前に戻り、事前にクロフライムから貰った大量の白い花を、墓の中に隙間無く敷き詰めていく。花の寝床が出来上がり、これでようやく前準備が整った。
次に、夕日を浴びている一枚布を丁寧に広げていき、例の骸骨を出す。骨はバラバラになっているので、頭蓋骨から順番に並べていかなければ。
「遅くなってすみません。今から埋葬を始めます」
謝りを入れつつ頭蓋骨を両手で持つ。骨の順番を間違えないようにしないと……。じゃないと、この人が落ち着いて眠りに就けないからな。
頭、頸椎、肩、肋骨、骨盤、腕、手先、両足の順番に、形を整えながら並べていく。……間違ってはいないはず。スケルトンの骨の配置は、確かこうだった。
並べ終わると、私がお守り代わりとして常に持っているサニーの似顔絵を、綺麗に広げてから腹の部分に添えた。これで後は、埋葬するだけだ。
骨の位置がズレないよう、足先から丁寧に土を盛っていく。足が隠れたら、腰まで。腰が隠れたら、首まで。首が隠れたら、頭蓋骨の周りから土を盛っていき、最後に顔を覆う。
骨が全部隠れると、掘り返した土を完全に戻し、上から軽く押し込む。そして、湖で痛みを我慢しながら手を洗い、再び墓の前へ行った。
このままではあまりにも寂しいので、ここに来る前に作った花束を、墓の中央に置く。そのまま両手を前に合わせ、黙祷を始めた。
三十秒では足りない。一分でも以ての外。せめて十分以上はやらないと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
黙祷に全神経を集中させていたせいか、時間の流れの感覚が曖昧になり、周りから流れてくるあらゆる環境音が聞こえなくなった。
そろそろ、この人に全ての経緯を話し、謝らなければ。そう決めた私は、瞑っていた瞼を開け、墓を視界に捉えた。
「自己紹介がまだでしたね。私は魔女のアカシックと申します。あなたと会うのは、これで二度目になりますね」
墓を作る前から手探りだったが……。敬語は、こういう喋り方だった、よな? 敬語で喋る機会なんてほとんど無かったから、合っているのかまったく分からない。
「たぶん覚えているでしょうが、一度目にあなたと会ったのは、針葉樹林地帯の入口付近でです。あの時私は、あなたにとんでもない捨て台詞を吐いてしまいました。恨まれて当然の結果だと思っています」
五年以上も前。とにかく自分の事しか考えていなかった私は、この人に八つ当たり紛いな捨て台詞を吐いてしまった。当時の記憶は鮮明に覚えているので、もちろん言った内容も覚えている。
「全てが愚行だったのは充分に理解しています。許してほしいだなんて、これっぽっちも思ってはいません。ですが、あなたに謝らなければ、私の気が済まないんです」
謝って済む問題ではない。このあまりにも重い罪は、一生背負って生きていく事になるだろう。完全なる自業自得だ。
「耳障りであれば、無視をしてくれても構いません。では、謝ります。約五年前、不本意に死んでしまってからも尚、追い打ちをかけるような捨て台詞を吐いてしまいまして、本当にすみませんでした」
声を張り、頭を思いっきり下げる私。十秒、二十秒、そして三十秒程が経過すると、私は頭をゆっくり上げた。
「すみませんが、ここからは少し語らせて下さい」
これから語る内容は、この人が赤ん坊を手放した後の話だ。ちゃんと私なりに愛情を注ぎ、サニーがスクスクと元気に育っている事を伝えて、少しでも安心させてやらねば。
「あなたが針葉樹林地帯で手放した赤ん坊は、今も私が育てています。私と一緒に金色の長髪で、青い瞳をした少女が居ましたよね? その子がそうです。名前は『サニー』。青い瞳を晴天の青空に見立て、眩しい笑顔を太陽に例えて、そう名付けました」
当時は名前なぞ付けるつもりはなかったが、『おい』とか『お前』と呼んでいる内に違和感を覚え、ちゃんと考えて、意味を込めて名付けた名前だ。
今では深い愛着が湧いているし、『サニー』と名付けてよかったとさえ思っている。
「好きな料理はシチューで、趣味は絵描きです。もう五歳になりました。とても元気でやんちゃに育っています。サニーは、すごくお利口なんですよ? 難しい事を教えてもすぐに理解して覚え、自分の物にしていっています。しかも分からない事があれば、即座にその事について質問をしてくるんです。とても偉いですよね」
だが、最近では知識が豊かになってきたせいで、質問は減っていくばかり。なので質問が始まると、すぐに教えたくなってしまうんだ。
「知り合いもちゃんと居ます。私が街へ買い出しに行っている間、サニーの世話をしてくれているウェアウルフ。紳士的な態度で、ある意味サニーが命を救ってあげたゴーレム。そして、この地で最強の一角であるブラックドラゴン。全員が全員、サニーを我が子のように慕っています」
この異色な組み合わせは、サニーが居なければ集まる事は決してなかった。サニーと出会っていなければ、今でも私は一人で、新薬と新魔法の開発に勤しんでいただろう。全て間違ったやり方でな。
「そしてサニーは、私が忘れていた事を全て思い出させてくれて、正しい道へと導いてくれました。私も捨て子なのですが、幼少期の頃に一つの決心をしたんです。それは、『私と同じような立場に居る人達を、少しでも幸せにしてあげる事』です」
『私達と同じような』とは言わず、『私と同じような』と骸骨に伝える。『私達』だとピースも含まれてしまうが、ピースについては話すのはやめておこう。この人にはまったく関係のない話だ。
「魔女である私が出来る事は、光属性の魔法で温かな癒しの光を与えたり、体に良い薬を無償で分け与える事です。あなたへの手向けとなるかは分かりませんが……。私が覚えている最上位の光属性の魔法を、贈らせて頂きます」
私が覚えている最上位の光属性の魔法、『フェアリーヒーリング』。効果は秘薬に劣るものの、瀕死を脱する回復力があり、毒、呪い等の状態異常も取り除く事が出来る優れものだ。
もちろん効果を最大限に発揮すべく、詠唱付きでやる。……詠唱を唱えるなんて、約六十年振りぐらいだろうか? 柄にもなく緊張してきてしまった。
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