小さな町の不思議・怖い話

みつか

文字の大きさ
25 / 65

足跡

しおりを挟む
暖かくなると鳥が沢山飛ぶようになる。
小さい頃の話。

小さな川で、友達数人と遊んでいた時の事。

男の子の1人が
「お~い!こっち見てみろよ!」
呼ぶ声がする。近づくとそこには小さな鳥の足跡が。

「ニワトリかな?段々上の方に行ってるよ!でも、数多くね?」

言われてみたら、数え切れないほどの足跡。
放し飼いで、その辺に逃げているニワトリはせいぜい2、3羽だ。
足2本に対して同じ所をウロウロしたとしても、異常な程の数。
川の底の泥に足跡として残っている。

ニワトリ自体見かけない。
川幅1メートル程の小さな川。水も少ない。
好奇心旺盛な子供たちは、足跡を追いかけて上流に向かって歩き出す。
4人でバラバラに探す。

「あっ!ここにある!ねぇねぇ……これさっきのより大きいよ?」

「えっ?どれどれ?」

バシャバシャと走って皆集まる。
「本当だ~!!おっきい~。」

さっきの足跡の倍は大きい3本線の足跡。
「お前が書いたんじゃないの?」
疑う者も居る。

「違うよ~!棒無いだろ!その辺にもあるんじゃない?探そうぜ!」

3本の足跡 Ψ  ←(ちょうどこんな感じの)
鳥なら、2つで1対のはずが大きい跡は近くに見当たらない。
1本足の鳥?

足元をよく見てみんなで探す。

「ないな~。やっぱりお前が書いたんじゃ……?」

「違うって!」

喧嘩になりそうになりながら、必死に新しい足跡を探す。
小さい足跡は、ちょこちょことあちらこちにある。
最初に発見した場所から、10メートル程上流、橋の下でソレを発見する。

「おーい!皆!!こっちこっち!!」

それは、30センチ位の大きさ。
どう考えても、鳥ではない。

30センチの大きさの物とその半分の大きさの物が橋の下で歩き回った様に散りばめられている。

「凄い!!絶対これ鳥じゃないよな!!こんな大きい鳥見たことないもん!」

「そうだね!凄いね!!」

「もっと探そうぜ!行き先探そう!」

「そうだね!アレ見つかるかもだしね!!」

5人の子どもたちは、探検隊気分。
《アレ》はケンムンの事。外で名前を出してはいけないので、徹底していた。
(名前を出したら、向こうの世界に連れて行かれるから。❨たぶん❩)

人が書いたにしては、まっすぐで綺麗な足跡。不気味にさえ思えてくる。

∈ ψ ∧ ∠ ∋ ∨ ψ  ∧

色んな方向に、大小様々足跡がある。
(↑みたいなイメージ)

進んだであろう方向に向いている足跡を探し追っていく。
橋を越えて、上流。川幅が狭くなる場所。
竹や木々が多く生え、昼間でも少し暗くなる場所へ向かって歩いた跡がある。
川の上流、山へと進む場所。
「なぁ、……まだ行くの?」

1人が少しビビっている。

「せっかくここまで来たのに?もう少し行こうぜ!」

「……(真剣に探している)」

「う、うん。(ちょっと怖くなってきている)」

「……な、なぁ……戻ろうぜ。なんか……行ったらいけない気がする。」

5人目の男の子は、何かを感じているようだった。

暖かい昼間なのに、冷たい風が吹き抜ける。

皆怖じ気づく。まごまごしていると

「コラッ!危ないだろ!!上(陸)で遊ばんね!ハブが出るどや!!」

地域のおじさんに見つかった!

「やばい!逃げろ!!」

ひゃーっと皆、来た道を戻る。

バシャバシャと走って逃げる。

秘密基地。テトラポットの影に隠れておじさんの様子を見てみる。

おじさんは追いかけて来なかった。

「危なかったな……!」

「うん!」×3

なんとなく、皆足跡を探すのを辞めた。
冷たい風が吹いた瞬間に、皆“ナニ”かを感じたようだった。これ以上踏み込んではイケナイと……。

薄暗い川の先、立ち入っていたら何が起きていたのだろうか?

(あの増えてた1人は何処に行ってしまったのだろう?)


大人になった今、私はあの場所に近づこうとは思わない。


他の皆は気づかなかったようだが、薄暗い川の先に……川幅いっぱいに広がる大きな足跡。
未だに忘れられない光景だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

コウの怪異日誌

覧都
ホラー
主人公コウが経験する。不思議な体験記です。 不思議な出来事に興味がありましたら。 どうぞ。

それなりに怖い話。

只野誠
ホラー
これは創作です。 実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。 本当に、実際に起きた話ではございません。 なので、安心して読むことができます。 オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。 不定期に章を追加していきます。 2026/1/3:『おかのうえからみるけしき』の章を追加。2026/1/10の朝8時頃より公開開始予定。 2026/1/2:『そうしき』の章を追加。2026/1/9の朝4時頃より公開開始予定。 2026/1/1:『いえい』の章を追加。2026/1/8の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/31:『たこあげ』の章を追加。2026/1/7の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/30:『ねんがじょう』の章を追加。2026/1/6の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/29:『ふるいゆうじん』の章を追加。2026/1/5の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/28:『ふゆやすみ』の章を追加。2026/1/4の朝4時頃より公開開始予定。 ※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。

百物語 厄災

嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。 小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

奇談

hyui
ホラー
真相はわからないけれど、よく考えると怖い話…。 そんな話を、体験談も含めて気ままに投稿するホラー短編集。

少し怖いホラー短編集(文字数500以下)

仙 岳美
ホラー
文字数500以下のショート集です、難しく無いので気楽にどうぞ。

夜にも奇妙な怖い話2

野花マリオ
ホラー
作品のホラーの中で好評である続編であります。 作者が体験した奇妙な怖い体験や日常的に潜む怪異や不条理を語ります。 あなたはその話を読んでどう感じるかはお任せいたします。

怖いお話。短編集

赤羽こうじ
ホラー
 今まで投稿した、ホラー系のお話をまとめてみました。  初めて投稿したホラー『遠き日のかくれんぼ』や、サイコ的な『初めての男』等、色々な『怖い』の短編集です。  その他、『動画投稿』『神社』(仮)等も順次投稿していきます。  全て一万字前後から二万字前後で完結する短編となります。 ※2023年11月末にて遠き日のかくれんぼは非公開とさせて頂き、同年12月より『あの日のかくれんぼ』としてリメイク作品として公開させて頂きます。

処理中です...