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屋根の上
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数十年前の話。
小さな地域に中学校がある。
民家が近くにあるが、高低差があり民家の屋根のてっぺんが校庭の端から見える屋根と、とても立派な家は瓦の屋根がしっかりと見える。
段差がある訳では無いが、緩やかな高低差で中学校の方が高い位置にある。
ボール等が家に飛んでいかないように、数段のブロック塀があり、その上に乗り越え不能な高さの網フェンスが立っていた。
いつものつまらない授業。校庭を眺めたりしている生徒もいる。恨めしい位のいい天気。春の暖かい陽気に外に出て遊びたくなる陽気だ。
(日なたぼっこにちょうど良いのにな)
小さな集落の為、生徒は10人程。皆、朝からそんな風に思っていた。
「ほらっ!集中して!」
先生の説教が飛ぶ。皆、黒板に向かう。静寂の中、廊下側の男性生徒が声を上げる。
「屋根に人が立ってる!!おいッ見てみ!」
驚いた生徒は、一斉に黒板から外に目を向ける。
「まじか!ふるチンじゃん!!やばい!何か持ってない?アレ!」
先に見つけた子が、実況中継を始める。
先生の静止も聞かず、数人の生徒は席を立ち廊下側の窓に張り付く。
「げっ。本当に素っ裸じゃん!女子見てみろよ!チンちん丸見え~!大人のチンちんすげぇ~!!」
男子生徒は、大興奮。女子生徒も数人興味津々に見る者もいた。
「おーい!!何してるの~?変態じゃ~ん。恥ずかしくないの~?」
ひとりの男子生徒が、大きな声で話しかける。というか、正確には煽った。(もっと酷い事を言っていたような気もする)
「止めなさい!見ないよ!!」
先生が怒る。他の学年(2、3年)は気づいていないようだった。
聞き入れない生徒と、怪しいおじさん(真っ裸)先生は
「校長室に行ってくるから!教室から出ないで!!」
怒鳴るように話すと、校長室へ走っていく。
裸の屋根の上の男性は、よろけながらこちらの声に気づくと、瓦の屋根をふらつきながら仁王立ちになる。手には何かを持っている。
遠目には何を持っているのか分からなかった。
瓦屋根のてっぺんに登り、ふらふらしながら中学校側へにじり、にじりと近寄ってくる。
「おい、ヤバくない?まさかあのオッサンこっち来ようとしてる?」
不安になる者や
「来れるもんなら来てみろよ~ふるチンのおっさ~ん!!」
煽る者もいる。
煽られ怒ったのか、手に持っていた物を振り上げ中学校のフェンスに近づく。
陽の光にキラリと光ったのは、手に持った包丁だった。
見ていた皆、青ざめる。
刃物を持った本当に危ない人だ。
先生が走って戻って来る。
「ほらっ!見てないで!!教室に戻って窓と戸閉めるよ!」
「先生……あの人包丁持ってるよ……」
冷静を装い、先生が警察を呼んだことを伝える、授業の再開を促す。
が、刃物を持った裸の男がすぐ近くに居るのだから、勉強どころではない。
屋根を降りて、走ってくれば学校の敷地はすぐだ。
少々おかしな人だからか、屋根からフェンスを越えて侵入したいらしい。道路から来れば3分もかからない距離だ。
遠くの方からパトカーのサイレンと救急車のサイレン。
赤い光が家に反射している。警察が必死に説得している。
実況する男子。
「警察来た~!!頑張れ!警察!」
皆ドキドキだ。
屋根に登り、警察が説得する。暫く色々話をしていたようだが、自ら下へ降りて確保されたらしい。
静寂が訪れ、先生の声が響く。
「はいっ!授業始めるよ!!」
普通に授業を再開しようとする先生もヤバい人に見えてくる……。
普通に何事も無く授業が始まる。
いつものつまらない時が流れる。
学校終わりの夕方。母に話すと、母も朝に出逢っていたらしい。
母談。
ミーティングを忘れていて、朝遅刻寸前。
苦手な山道を車で急いでいると、峠の向こう側から全裸の男性が走って行った。
急いでいたし、裸という特殊な格好。数人の運転手達は目を丸くして走り抜ける男性を見送ったのだとか……。
ケータイのない時代。衝撃的な瞬間だったと話す。
その後、自宅の屋根の上に全裸で上がり事件を起こしたらしい。
人怖の実話である。
小さな地域に中学校がある。
民家が近くにあるが、高低差があり民家の屋根のてっぺんが校庭の端から見える屋根と、とても立派な家は瓦の屋根がしっかりと見える。
段差がある訳では無いが、緩やかな高低差で中学校の方が高い位置にある。
ボール等が家に飛んでいかないように、数段のブロック塀があり、その上に乗り越え不能な高さの網フェンスが立っていた。
いつものつまらない授業。校庭を眺めたりしている生徒もいる。恨めしい位のいい天気。春の暖かい陽気に外に出て遊びたくなる陽気だ。
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「ほらっ!集中して!」
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「おい、ヤバくない?まさかあのオッサンこっち来ようとしてる?」
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「来れるもんなら来てみろよ~ふるチンのおっさ~ん!!」
煽る者もいる。
煽られ怒ったのか、手に持っていた物を振り上げ中学校のフェンスに近づく。
陽の光にキラリと光ったのは、手に持った包丁だった。
見ていた皆、青ざめる。
刃物を持った本当に危ない人だ。
先生が走って戻って来る。
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「先生……あの人包丁持ってるよ……」
冷静を装い、先生が警察を呼んだことを伝える、授業の再開を促す。
が、刃物を持った裸の男がすぐ近くに居るのだから、勉強どころではない。
屋根を降りて、走ってくれば学校の敷地はすぐだ。
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遠くの方からパトカーのサイレンと救急車のサイレン。
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