寄せ集めの英雄と、涙を隠した君の笑顔。この世界の結末は俺たちが決める!

Gaku

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第二章:すれ違う心と、見えない刃

第14話:守れなかった拳、守りたい背中

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凍りついた空気が、肌を刺す。
いや、実際に気温が下がったわけではない。むしろ、先程まで源が放っていた、燃え盛るような怒りの熱は、その質量を増し、密度を高め、今やこの廃道場そのものを一つの巨大な焼却炉に変えようとしていた。湿った畳の匂いも、降り続く雨漏りの音も、今はもう感じない。ただ、目の前の男が放つ純度百パーセントの殺意だけが、五感の全てを支配していた。

「その名を、二度と口にするな」

地を這うような低い声。それは市場でチンピラどもを一喝した怒号とは全く異質の、温度というものが一切感じられない、絶対零度の響きをしていた。
『流水館』。
そのたった四文字の言葉が、彼の心の奥底に眠っていた獣の、最後の枷を破壊してしまったらしい。駿は、自分の失言を悟ると同時に、目の前の男がもはや対話の通じる相手ではないことを、本能で理解した。
源の纏う空気が、陽炎のように揺らめく。違う、空気が揺れているのではない。彼自身から発せられる凄まじいまでの圧力が、空間そのものを歪ませているのだ。駿が持つ、空間を歪曲させる能力。その比ではない、純粋な生命エネルギーの奔流が、源という器から溢れ出し、周囲の理(ことわり)を捻じ曲げている。

「しまっ……!」

駿が後退しようとした時には、もう遅かった。
源の姿が、掻き消えた。
否、消えたのではない。常人には目で追うことのできない速度で、踏み込んできたのだ。床板が悲鳴を上げるよりも速く、彼の巨体は駿の懐深くまで潜り込んでいた。
風切り音すらない。音すら置き去りにするほどの、沈黙の一撃。
振り上げられた拳が、まるで巨大な鉄槌のように、駿の顔面へと迫る。市場で見せたものとは比較にならない。これは本気の、殺意を込めた一撃だ。受ければ頭蓋骨ごと粉砕されるだろう。
死ぬ。
その二文字が、脳裏を稲妻のように駆け巡った。恐怖で全身の血が凍りつく。しかし、その極限の集中の中で、駿の掌が、意志よりも早く動いていた。
空間を、歪ませる。
しかし、ただ歪ませるだけでは間に合わない。拳の軌道を逸らすのではなく、拳と自分の顔の間にある空間そのものを、ぐにゃりと引き延ばす。まるで分厚い水飴の層を作るかのように。
「ぐっ……!」
源の拳が、引き延ばされた空間にめり込む。凄まじい抵抗。しかし、源の怒りの力は、その抵抗すらも力ずくで貫き、捻じ伏せようとする。空間が軋み、ガラスのような悲鳴を上げる。
ドゴォォンッ!
拳は、駿の顔の数センチ脇を通り抜け、背後の柱に叩きつけられた。轟音と共に、道場を支えていたであろう太い柱が、根元から粉々に砕け散る。衝撃波が駿の体を打ち、彼は吹き飛ばされて床の上を無様に転がった。

「かはっ……! げほっ、ごほっ……!」

肺から空気が根こそぎ絞り出される。受け流したはずの拳の余波だけで、全身の骨が悲鳴を上げていた。痺れる右腕は感覚がなく、ただ熱い鉄の棒を突っ込まれたように痛む。
手も、足も出ない。
これが、本物の強者。これが、過去という名の鬼に憑りつかれた男の、破壊の衝動。
道場の隅で、千夏たちが息を呑んでいるのが分かった。小夜はヤタを強く抱きしめて震え、栞は分厚い眼鏡の奥で、信じられないものを見るかのように目を見開いている。
「逃げて……!」
駿は、喉から絞り出すように叫んだ。自分には、この男を止めることなどできはしない。ならば、せめて仲間だけでも。
しかし、源はもう仲間たちなど見ていなかった。その血走った瞳は、床に蹲る駿だけを、獲物として捉えている。ゆっくりと、一歩、また一歩と、死刑執行人のように近づいてくる。
もう一度、あの拳が来る。次は、防げない。
恐怖が、足の震えとなって現れる。逃げろ、と本能が警鐘を鳴らす。立て、走れ、生き延びろ、と。
だが、駿は動けなかった。動かなかった。
震える足に、叱咤するように力を込める。砕けた柱の破片で切ったのか、手のひらから生温かい血が流れている。その痛みが、不思議と駿の意識を研ぎ澄ませた。
彼は、逃げなかった。
恐怖で心臓が張り裂けそうになりながらも、涙で滲む視界で、まっすぐに源の目を見据えた。
そして、叫んだ。

「やっぱり……あんたは、最強なんかじゃない!」

絞り出した声は、情けなく震えていた。しかし、その言葉は、確かにこの廃道場の震える空気を切り裂いた。
源の足が、ぴたりと止まる。その獣のような瞳が、怪訝そうに細められた。
駿は、咳き込みながらも、言葉を続けた。
「強いよ、あんたは。めちゃくちゃ強い! 俺なんか、あんたの前に立ってるだけで、小便ちびりそうだ!」
自嘲気味に笑う。だが、その目は真剣だった。
「でもな、それはただの暴力だ! 怒りに任せて、ただ壊してるだけじゃないか! 最強ってのは、そんなんじゃないはずだ!」
「……黙れ」
「黙るかよ! 本当は、ただ怖いだけじゃないのか! あんたは、何かに怯えてる! だから、最強っていう鎧を着て、自分を守ってるだけだ!」
「黙れと言っているッ!!」
源が再び踏み込む。先程よりも速い。だが、今度の駿は、その動きをただ恐怖するだけではなかった。彼の瞳は、源の拳ではなく、その奥にある瞳の揺らぎを、確かに捉えていた。
「また、何かを失うのが、怖いんじゃないのか!」
その言葉が、引き金だった。

――桜が、舞っていた。
道場の開け放たれた窓から、春の風と共に、無数の花びらが舞い込んでくる。ひらひらと、まるで祝福するかのように。
『源! まだまだ、そんなものか!』
汗を光らせ、弾けるような笑顔で木刀を構える、一人の女性。自分と同じ、流水館の道着を纏った、誰よりも強く、誰よりも優しい女性。美咲。
『うるさい! お前こそ、腰が高いぞ!』
軽口を叩きながら、打ち合う。木刀がぶつかる乾いた音が、鳥のさえずりと共に、澄んだ空に響き渡る。あの日々は、永遠に続くと信じていた。

――血の匂いが、した。
道場は燃え、壁は崩れ、床は仲間たちの血で赤黒く染まっていた。
その中心に、彼女は立っていた。
血錆鉱の力に心を蝕まれ、その瞳からは光が失われ、ただ獣のような破壊衝動だけが宿っていた。口元には、乾いた笑みが張り付いている。
『……助けて』
声にならない、魂の叫びが聞こえた気がした。
しかし、自分は動けなかった。彼女のあまりの変貌ぶりに、彼女がもはや自分の知る美咲ではないという恐怖に、足が縫い付けられたように動かなかった。
ただ、見ていることしか、できなかった。
自分の、無力な拳を、握りしめることしか。

「う……ぁ……」
源の動きが、確かに、一瞬だけ止まった。振り上げた拳が、空中で微かに震えている。彼の瞳に、過去の残像が陽炎のように揺らめいていた。
駿は、その千載一遇の隙を見逃さなかった。
恐怖を振り絞り、痛む体を引きずるようにして、一歩、源へと踏み込む。
「あんたの苦しみは、力がなかったことじゃない!」
叫びは、もはや恐怖に震えてはいなかった。それは、確信に満ちた、魂からの叫びだった。
「彼女を失った悲しみに、苦しみに、ちゃんと向き合えなかったことだ!」
源の肩が、びくりと大きく跳ねた。
図星だった。彼が、自分自身にすら、何年も何年も隠し続けてきた、心の最も柔らかな場所。膿み、爛れ、見ないふりをしてきた、傷の核心。
「その悲しみを! 武器への怒り! 力が足りなかった自分への怒りにすり替えて! ただ、逃げてるだけじゃないか!」
その言葉は、刃となって源の心の鎧を切り裂き、深く、深く突き刺さった。
そうだ。
力が足りなかったんじゃない。怖かったのだ。彼女を失ったという、耐え難いほどの悲しみに、心が押し潰されてしまうのが。その巨大な喪失感という闇に、飲み込まれてしまうのが。
だから、逃げた。
悲しみを、もっと分かりやすい「怒り」という感情に変換した。全ての血錆鉱をこの世からなくせば、この苦しみは消えるはずだ。もっと強く、誰にも負けない最強の拳士になれば、二度とこんな思いはしないはずだ。
そうやって、自分に嘘をつき続けた。
悲しみに蓋をするために、怒りの炎を燃やし続けた。しかし、燃やせば燃やすほど、心は渇き、焦げ付いていくだけだった。苦しみは、少しも消えはしなかった。
苦しみの原因は、外にあるのではなかった。恋人を失ったという過去そのものでもなく、その事実を受け入れられず、「力が足りなかった自分」と「全ての血錆鉱」への怒りに執着し続ける、自分自身の心。それこそが、自分を縛り付けていた牢獄の、正体だったのだ。

「……あ……」
源の固く握りしめられていた拳から、力が抜けていく。
指の隙間から、握り潰された皮膚が裂けて流れた血が、ぽた、ぽたと床に滴り落ちる。
彼の、固く閉ざされていた心のダムが、音を立てて決壊した。
「う……あ……ぁ……」
その巨躯が、ゆっくりと、しかし抗いようもなく、ぷるぷると震え始める。
そして。
「おれは……おれは……ッ!」
その目から、まるで堰を切ったように、大粒の涙が、ぼろぼろとこぼれ落ちた。
最強を名乗り、誰にも頼らず、怒りの仮面で心を武装してきた男が、まるで迷子の子供のように、声を上げて泣き始めた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
言葉にならない嗚咽が、雨漏りの音しか響かなかった廃道場に、悲しく、そしてどこか解放されたように、響き渡った。

その慟哭が、どれくらいの時間続いただろうか。
駿は、ただ黙って、一人の男が長年抱え込んできた悲しみの全てを吐き出すのを、見つめていた。千夏も、栞も、小夜も、何も言わずに、その光景を静かに見守っていた。
やがて、嗚咽が少しずつ収まり、源が膝から崩れ落ちようとした、まさにその時だった。

バキィィィンッ!!

凄まじい破壊音と共に、廃道場の古びた戸が、外から蹴破られた。
雨と風が、薄暗い道場の中へと吹き込んでくる。そして、その風と共に、十数人の殺気を纏った男たちが、なだれ込んできた。
「見つけたぜ、武器破壊魔! 俺たちの商売の邪魔してくれた礼を、たっぷりしてやる!」
下卑た笑い声。その手には、あの赤黒く鈍い光を放つ、血錆鉱の武器が握られていた。源を始末しに来た、密売組織の連中だった。
最悪のタイミングだった。
源は、心の鎧を脱ぎ捨てた、今が最も無防備な状態だ。駿も、先程の攻防で体力を使い果たし、腕もまだ痺れている。千夏は戦闘タイプではないし、小夜と栞に至っては、本物の殺気を前にして、顔面蒼白になっている。
「へへっ、噂の最強拳士も、泣きべそかいちゃ形無しだな!」
リーダー格の男が、嘲笑を浮かべながら、じりじりと距離を詰めてくる。
絶望的な状況。誰もが、そう思った。
だが。
膝から崩れ落ちかけていた源が、ゆっくりと、その顔を上げた。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃの、情けない顔。しかし、その目に宿る光は、先程までの虚勢に満ちたものでも、怒りに狂ったものでもなかった。
それは、まるで嵐が過ぎ去った後の、雨上がりの空のように、どこまでも静かで、澄み渡っていた。
彼は、震える駿を背にかばうように、ゆっくりと立ち上がる。その動きには、一切の迷いがなかった。
「……もう、間違えねぇ」
静かな、しかし、道場の床を震わせるほどに重い呟き。
源は、ゆっくりと構えを取る。
それは、以前のような、全てを破壊し尽くさんとする殺意に満ちたものではなかった。両の足は、まるで大地に深く根を張った大樹のように、どっしりと据えられている。両の拳は、ただ静かに、そこにあるものを守ろうとする、不動の決意に満ちていた。
彼は、初めて「破壊」のためではなく、「守る」ために拳を握った。
それは、彼が苦しみの原因と向き合い、過去の呪縛から解放され、未来へと向かう、小さく、しかし、何よりも確かな一歩だった。
密売人たちが、そのただならぬ気配に一瞬怯む。
その隙に、源は静かに踏み出した。
その背中は、駿の目には、今まで見たどんな「最強」よりも、遥かに大きく、そして力強く見えた。

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