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第7章:過去の嘘と、真実の絆
第32話:完璧な計算と、予測不能な夕食 〜欠けているからこそ、誰かと繋がることができる〜
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季節の移ろいというものは、グラデーションのように曖昧で、それでいてある日突然、明確な境界線を越えることがある。
王立魔導学院の窓から見える景色は、あの春の嵐のような桜吹雪から一転して、むせ返るような緑に覆われていた。 初夏。 太陽の高度が上がり、日差しが肌を刺すような熱を帯び始める季節。風には湿り気と、若草をすり潰したような青臭い匂い、そして雨上がりの土の匂いが混じり合い、世界全体が発酵し始めたかのような濃厚な生命力を放っていた。
その「生」のエネルギーは、静寂を愛する象牙の塔の住人にとって、頭痛の種以外の何物でもなかった。
「……暑苦しい」
エリーゼ・フォン・ヴァイデマンは、研究室の窓辺でため息をついた。 彼女が言っているのは、気温のことだけではない。 彼女の完璧で、静寂で、予測可能だった日常を土足で踏み荒らす、あの「台風」のような連中のことだ。
あれから数週間。 レオンたちは、本当に毎日やってきた。 雨の日も、風の日も、時には衛兵に追いかけられながらも。 「焼き芋が美味く焼けたから」「変な形の雲を見たから」「ただ暇だったから」。 理由はいつも小学生レベルで、論理的整合性のかけらもない。 彼らはエリーゼの研究室を「秘密基地」か何かと勘違いしているらしく、勝手にくつろぎ、お菓子を食べ、散らかして帰っていく。
そして、エリーゼ自身もまた、その騒音に慣れ始めてしまっている自分に戸惑っていた。 彼らが来ない日は、時計の針の音がやけに大きく聞こえる。 数式に没頭していても、ふと「今日は何を持ってくるのかしら」と考えてしまっている。 それは、彼女が長年かけて築き上げてきた「孤独の城壁」が、内側から溶け始めている証拠だった。
そして今日。 ついに彼女は、彼らのしつこさと、自身の内側にある「未知への好奇心」に根負けし、彼らの「冒険」に同行することを承諾してしまったのだ。
***
「よっしゃあ! 出発だァァァ!!」
レオンの雄叫びが、初夏の森にこだまする。 王都から少し離れた、「さえずりの森」の奥地。 今回の依頼は、街道に出没する「オークの群れ」の討伐だ。 Aランクパーティを目指す彼らにとって、それは通過点に過ぎない初歩的なクエストのはずだった。
しかし、エリーゼにとっては違った。 彼女にとって、これは「実験」であり、「証明」の場だった。 自分の知識と魔法が、実戦というカオスな状況下でどれだけ通用するか。そして、自分が「足手まとい」ではなく「有益な存在」であることを証明しなければならない。
「皆さん、聞いてください」
森の入り口で、エリーゼは羊皮紙を広げた。 そこには、地形図と、緻密な計算式、そして完璧なタイムスケジュールが書き込まれている。
「オークの生態データと、この森の地形、そして本日の風向きと湿度を計算に入れた結果、最適解が導き出されました」
彼女は、指示棒(実際には落ちていた木の枝)で図面を指した。
「まず、ボルグが風下から接近し、音響玉を使って敵をこの谷間へ誘導します。推定所要時間は三分二十秒。次に、セラが光魔法で目くらましを行い、敵の視界を奪います。その隙に、私が上空から広範囲氷結魔法を展開し、敵の足を止めます。最後に、レオンが動けなくなった敵を各個撃破。……被弾率ゼロ、魔力消費効率最大、所要時間五分四十五秒の完璧な作戦です」
エリーゼは胸を張った。 完璧だ。 このプラン通りに動けば、誰も怪我をせず、汗もかかず、スマートに勝利できる。 これこそが「知性」ある戦い方であり、彼女の存在意義だ。
「……へぇ、すげぇな」 レオンが羊皮紙を覗き込む。 「お前、こんな細かい字、よく読めるな。俺なら三分で寝る自信がある」 「読んでください。そして頭に叩き込んでください。いいですか、絶対に私の合図があるまでは……」
「よし! わかった! 作戦名は『ガンガンいこうぜ』だな!」
レオンはニカっと笑うと、剣を抜き放った。
「は?」
「行くぞ野郎どもォ! オークどもをビビらせてやれェェ!!」
エリーゼが制止する間もなかった。 レオンは、猪突猛進という言葉を擬人化したような勢いで、森の奥へと駆け出してしまったのだ。 隠密行動? 誘導? そんなものは彼の辞書にはない。 あるのは「見つけたら殴る」という、原始的な本能のみ。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! 計算が! タイムスケジュールが!」 エリーゼが叫ぶが、レオンの背中はもう見えない。
「あーあ、行っちゃった」 ボルグが肩をすくめる。 「諦めなよ、お嬢。あいつに『待て』ができるなら、今頃王宮騎士団長にでもなってるって」 「あらあら、レオン君ったら元気ですねぇ。私たちも行きましょうか~」 セラがのんびりと杖を持って歩き出す。
エリーゼは、手元の完璧な作戦図を握りしめた。 クシャリ、と紙が歪む音が、彼女のプライドが傷つく音のように響いた。
(バカなの!? 野蛮人なの!? 私の計算をなんだと思っているの!?)
彼女はヒールのあるブーツで地面を踏みしめ、怒り肩で彼らを追った。 こうなったら、彼らが失敗して泣きついてくるのを見届けて、「ほらご覧なさい」と言ってやるしかない。
しかし。 戦場に到着した彼女が見たのは、予想外の光景だった。
ドゴォォォォン!!
爆音と共に、オークが空を飛んでいた。 魔法ではない。物理的に、殴り飛ばされて飛んでいるのだ。
「うぉぉぉぉ! 気合だァァァ!!」
レオンが、雄叫びを上げながらオークの群れの中央で暴れ回っていた。 剣を使っているのかどうかも怪しい。剣の腹で殴ったり、蹴り飛ばしたり、時には頭突きをかましたりしている。 それは「剣術」ではなく「喧嘩」だった。 泥だらけになり、返り血を浴び、それでも彼は楽しそうに笑っている。
「おいボルグ! 右から来るぞ! 足引っ掛けて転ばせろ!」 「へいへい、人使いが荒いねぇ!」 ボルグが影のように移動し、オークの死角から足を払う。 「セラ! 回復頼む! 擦りむいた!」 「はいは~い、痛いの痛いの飛んでいけ~(物理防御アップ)」
めちゃくちゃだ。 エリーゼの計算など、何一つ守られていない。 陣形は崩壊しているし、魔力効率は最悪だし、そもそも被弾しまくっている。 美しくない。スマートじゃない。
けれど。 彼らは、勝っていた。 圧倒的な熱量と、言葉にしなくても通じ合う阿吽の呼吸で、数で勝るオークたちを蹂躙していく。 そこには、数式では表せない「勢い」と「信頼」があった。
(……なんなの、これ)
エリーゼは、杖を構えたまま立ち尽くしていた。 入る隙がない。 自分の完璧な魔法など、この泥臭い乱戦の中では、味方を巻き込む危険性があるだけで、役に立たない。
私は、ここにいる意味があるの? 彼らにとって、私は「必要」なの?
その時、一匹のオークが、包囲を抜けてエリーゼの方へ突進してきた。 手負いの獣。殺気立った瞳。 エリーゼはハッとして詠唱を始めようとするが、焦りで言葉が出てこない。 (計算……距離……角度……間に合わない!)
「させねぇよッ!!」
横合いから、赤い影が飛び込んできた。 レオンだ。 彼はエリーゼとオークの間に滑り込み、剣でオークの棍棒を受け止めた。 ガキンッ! 重い金属音。火花が散る。
「レオン……!?」
「ボーっとしてんじゃねぇよ天才! お前の頭は飾りか!?」 レオンは歯を食いしばりながら叫んだ。 「来るぞ! 氷漬けにしてやれ!」
その言葉に、エリーゼの思考がクリアになった。 彼は、私を守ったのではない。 私に「トドメを刺す機会」を作ったのだ。 私を信頼して、背中を預けてくれたのだ。
エリーゼは杖を突き出した。 迷いはない。計算はいらない。 ただ、目の前の敵を止めるという意思だけを込めて。
「……凍りなさい!!」
瞬間、絶対零度の冷気が放たれた。 オークの足元から氷柱が伸び、その巨体を一瞬にして氷像へと変えた。 レオンがバックステップで回避していなければ、彼ごと凍らせていただろう。
「うおっ! あっぶねぇ! 殺す気か!」 レオンが文句を言いながらも、ニカっと笑った。 「でも、ナイスだ! さすが天才!」
その笑顔に向けられた瞬間、エリーゼの胸の奥で、固く結ばれていた何かが、少しだけ解けた気がした。 計算通りじゃなくても。泥だらけでも。 「結果オーライ」という言葉が、これほど心地よく響くなんて知らなかった。
***
戦いが終わり、夕暮れが森を染める頃。 一行は川辺でキャンプを張ることになった。
オーク討伐の報酬は予想以上に多く、レオンたちは上機嫌だ。 エリーゼは、疲労困憊だった。 慣れない長距離移動。予想外の戦闘。そして精神的な消耗。 ドレスの裾は泥で汚れ、綺麗にセットしていた髪も乱れている。 「完璧」からは程遠い姿。
「さーて、飯にするか! 腹減って死にそうだ!」 レオンが焚き火の前で伸びをする。 「今日は特別だ。俺たちが獲ってきた『とっておきの肉』があるぜ」
そう言って彼らが取り出したのは、謎の巨大な肉塊だった。 見たこともない色をしている。毒々しい紫色の斑点がある。
「……それは何ですの?」 「これは『バジリスクの尻尾』だ! 滋養強壮にいいらしいぞ!」 「絶対に食べたくありません」
「じゃあスープは任せた! お前、魔法で火加減とか調整できるんだろ? きっとすげぇ美味いスープが作れるはずだ!」
レオンが無茶振りを投げてくる。 スープ。 エリーゼは固まった。 彼女は、魔薬の調合なら目をつぶっていてもできる。毒薬の生成もお手の物だ。 だが、「料理」というジャンルにおいて、彼女の経験値はゼロだった。 実家では使用人が全てやっていたし、学院では食堂があった。 自分で鍋を火にかけたことすらない。
だが、ここで「できない」とは言えなかった。 戦闘では彼らに助けられた。ここで役に立たなければ、本当にただの「足手まとい」になってしまう。 プライドが、彼女を突き動かした。
「……ふん。料理など、化学実験の一種に過ぎませんわ。温度と分量さえ間違えなければ、誰にでもできます」
彼女は自信満々に鍋の前に立った。 野菜を切る。大きさは不揃いだが、まあいい。 肉を入れる。 そして、味付けだ。
(塩分濃度は〇・八%が人間が最も美味しいと感じる数値……。香草は臭み消しのために……これも、これも入れておきましょう。相乗効果で旨味が増すはずです)
彼女は、実験室でポーションを作るのと同じ感覚で、次々と材料を投入した。 見たこともない色のキノコ(魔力を含んでいて綺麗だったから)。 希少な薬草(体力回復効果があるから)。 そして、隠し味に、少しの魔力を込めて「美味しくなる魔法」をかけた。
グツグツと鍋が煮立つ。 だが、漂ってくる匂いは、食欲をそそる香りではなかった。 硫黄のような、あるいは実験室の失敗作のような、鼻をつく刺激臭。 鍋の中身は、禍々しい紫色に変色し、ボコッ、ボコッという不穏な音を立てて泡立っている。
「……できたわ」
エリーゼは、震える声で宣言した。 どう見ても失敗だ。計算は完璧だったはずなのに、出来上がったのは「毒の沼地」だった。
「お! できたか!」 レオンたちが集まってくる。 そして、鍋の中身を見た瞬間、全員が沈黙した。
「……おい、天才」 ボルグが顔を引きつらせる。 「これは何だ? 俺たちへの拷問器具か?」 「ス、スープですわ! 栄養価は計算されています!」 「色がヤバいって! 毒沼スライムが溶けた色してるぞ!」
ボルグの容赦ないツッコミが、エリーゼの心に突き刺さる。 やっぱり、駄目だった。 私は何もできない。魔法が少し使えるだけで、生活能力は子供以下だ。 彼らは呆れているだろう。幻滅しただろう。 「使えない奴だ」と、心の中で見下しているに違いない。
恥ずかしさと情けなさで、エリーゼの目頭が熱くなる。 穴があったら入りたい。いや、このまま転移魔法で自分の塔に逃げ帰りたい。
「ごめんなさい……私、料理なんてしたことがなくて……」 彼女はうつむき、声を絞り出した。 「やっぱり、私なんて足手まといね。帰ります……」
彼女が背を向けようとした、その時。
ズズッ。
音がした。 振り返ると、レオンが器にその「紫色の液体」をよそい、豪快に口をつけていた。
「っ!? レオン、やめなさい! 死にますわよ!」 エリーゼが慌てて止めようとする。
レオンは一気に飲み干し、どん! と器を置いた。 彼の顔色が、青から紫、そして赤へと信号機のように変化する。 そして。
「……まっず!!!!」
森の鳥たちが飛び立つほどの大声で叫んだ。
「なんだこれ!? 靴下の煮汁か!? 舌が痺れるぞ!」 「だから言ったでしょう! 捨ててください!」 エリーゼが泣きそうになって叫ぶ。
だが、レオンはニカっと笑った。 その笑顔は、不味さで歪んでいるが、嘘のない快活なものだった。
「でも、元気は出るな!」 彼は自分の力こぶを叩いた。 「体がカッカしてきやがった! さすが魔女の特製スープだ、薬効成分だけはすげぇ!」
「え……?」
「おいボルグ、お前も飲め! 罰ゲームだ!」 「ふざけんな! お前一人で死ね!」 「あらあら、じゃあ私がいただきましょうか。……あら、意外と癖になるお味ですぅ」 セラが平気な顔で飲んでいる(彼女の味覚も大概おかしい)。
焚き火を囲んで、馬鹿騒ぎが始まった。 不味いスープを押し付け合い、笑い転げる彼ら。 そこには、「失敗」を責める空気など微塵もなかった。 むしろ、その失敗さえも「面白いネタ」として楽しみ、共有してくれている。
エリーゼは、呆気にとられていた。 私の世界(計算式)では、「失敗=無価値」だった。 完璧でなければ意味がない。役に立たなければ居場所がない。 そう思っていた。 けれど、彼らの世界は違った。 凸凹で、不格好で、失敗だらけ。でも、それが噛み合って、温かい場所を作っている。
「ほら、エリーゼも食えよ」 レオンが、焼けた肉を差し出した。 それは黒焦げだったが、スープよりはマシな匂いがした。
「完璧じゃなくていいんだよ」 セラが、優しくエリーゼの手を握った。 彼女の手は温かかった。 「できないことがあってもいいの。そのために仲間がいるんだから。エリーゼちゃんが料理できないなら、レオンくんが肉を焼けばいいし、ボルグくんが木の実を採ってくればいい。私たちは、パズルのピースみたいに、凸凹でちょうどいいんですよ」
パズルのピース。 仏教でいう「縁起」の世界観。 独立して完璧な存在などない。互いに支え合い、欠けた部分を補い合うことで、初めて全体として機能する。 「私一人で完璧にならなきゃ」という執着(苦)が、フッと軽くなるのを感じた。
エリーゼは、差し出された黒焦げの肉を受け取った。 一口かじる。 苦い。硬い。筋っぽい。 宮廷料理人が作る食事とは比べ物にならないほど粗末な味。
けれど。 今まで食べたどんな料理よりも、美味しかった。 喉を通る時、熱い塊となって、冷え切っていた心の空洞を満たしていく。
「……不味いですわ」 エリーゼは、涙を隠すように微笑んだ。 「でも……悪くない味です」
「だろ!?」 レオンが得意げに笑う。
焚き火の火の粉が、夜空に向かって舞い上がる。 満天の星空。 虫の声と、仲間の笑い声。 エリーゼの中で、世界の方程式が書き換わった音がした。
『完璧=正解』ではない。 『不完全+不完全=調和』。 そんな、非論理的で、愛おしい数式へ。
彼女は、そっとレオンの横顔を見た。 焚き火に照らされたその顔は、子供のように無邪気で、そして誰よりも頼もしく見えた。 この瞬間が、永遠に続けばいいのに。 柄にもなく、そんな「願い(執着)」を抱いてしまうほどに、この夜は温かかった。
だが、夜は必ず明ける。 そして季節は巡る。 この幸せな時間が、砂時計の砂のようにサラサラと落ちていくことを、彼女はまだ知らないふりをしていたかった。
夏草の匂いが、夜風に乗って鼻をくすぐる。 それは、エリーゼが初めて知った、「役立たずの自分」が許された夜の匂いだった。
王立魔導学院の窓から見える景色は、あの春の嵐のような桜吹雪から一転して、むせ返るような緑に覆われていた。 初夏。 太陽の高度が上がり、日差しが肌を刺すような熱を帯び始める季節。風には湿り気と、若草をすり潰したような青臭い匂い、そして雨上がりの土の匂いが混じり合い、世界全体が発酵し始めたかのような濃厚な生命力を放っていた。
その「生」のエネルギーは、静寂を愛する象牙の塔の住人にとって、頭痛の種以外の何物でもなかった。
「……暑苦しい」
エリーゼ・フォン・ヴァイデマンは、研究室の窓辺でため息をついた。 彼女が言っているのは、気温のことだけではない。 彼女の完璧で、静寂で、予測可能だった日常を土足で踏み荒らす、あの「台風」のような連中のことだ。
あれから数週間。 レオンたちは、本当に毎日やってきた。 雨の日も、風の日も、時には衛兵に追いかけられながらも。 「焼き芋が美味く焼けたから」「変な形の雲を見たから」「ただ暇だったから」。 理由はいつも小学生レベルで、論理的整合性のかけらもない。 彼らはエリーゼの研究室を「秘密基地」か何かと勘違いしているらしく、勝手にくつろぎ、お菓子を食べ、散らかして帰っていく。
そして、エリーゼ自身もまた、その騒音に慣れ始めてしまっている自分に戸惑っていた。 彼らが来ない日は、時計の針の音がやけに大きく聞こえる。 数式に没頭していても、ふと「今日は何を持ってくるのかしら」と考えてしまっている。 それは、彼女が長年かけて築き上げてきた「孤独の城壁」が、内側から溶け始めている証拠だった。
そして今日。 ついに彼女は、彼らのしつこさと、自身の内側にある「未知への好奇心」に根負けし、彼らの「冒険」に同行することを承諾してしまったのだ。
***
「よっしゃあ! 出発だァァァ!!」
レオンの雄叫びが、初夏の森にこだまする。 王都から少し離れた、「さえずりの森」の奥地。 今回の依頼は、街道に出没する「オークの群れ」の討伐だ。 Aランクパーティを目指す彼らにとって、それは通過点に過ぎない初歩的なクエストのはずだった。
しかし、エリーゼにとっては違った。 彼女にとって、これは「実験」であり、「証明」の場だった。 自分の知識と魔法が、実戦というカオスな状況下でどれだけ通用するか。そして、自分が「足手まとい」ではなく「有益な存在」であることを証明しなければならない。
「皆さん、聞いてください」
森の入り口で、エリーゼは羊皮紙を広げた。 そこには、地形図と、緻密な計算式、そして完璧なタイムスケジュールが書き込まれている。
「オークの生態データと、この森の地形、そして本日の風向きと湿度を計算に入れた結果、最適解が導き出されました」
彼女は、指示棒(実際には落ちていた木の枝)で図面を指した。
「まず、ボルグが風下から接近し、音響玉を使って敵をこの谷間へ誘導します。推定所要時間は三分二十秒。次に、セラが光魔法で目くらましを行い、敵の視界を奪います。その隙に、私が上空から広範囲氷結魔法を展開し、敵の足を止めます。最後に、レオンが動けなくなった敵を各個撃破。……被弾率ゼロ、魔力消費効率最大、所要時間五分四十五秒の完璧な作戦です」
エリーゼは胸を張った。 完璧だ。 このプラン通りに動けば、誰も怪我をせず、汗もかかず、スマートに勝利できる。 これこそが「知性」ある戦い方であり、彼女の存在意義だ。
「……へぇ、すげぇな」 レオンが羊皮紙を覗き込む。 「お前、こんな細かい字、よく読めるな。俺なら三分で寝る自信がある」 「読んでください。そして頭に叩き込んでください。いいですか、絶対に私の合図があるまでは……」
「よし! わかった! 作戦名は『ガンガンいこうぜ』だな!」
レオンはニカっと笑うと、剣を抜き放った。
「は?」
「行くぞ野郎どもォ! オークどもをビビらせてやれェェ!!」
エリーゼが制止する間もなかった。 レオンは、猪突猛進という言葉を擬人化したような勢いで、森の奥へと駆け出してしまったのだ。 隠密行動? 誘導? そんなものは彼の辞書にはない。 あるのは「見つけたら殴る」という、原始的な本能のみ。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! 計算が! タイムスケジュールが!」 エリーゼが叫ぶが、レオンの背中はもう見えない。
「あーあ、行っちゃった」 ボルグが肩をすくめる。 「諦めなよ、お嬢。あいつに『待て』ができるなら、今頃王宮騎士団長にでもなってるって」 「あらあら、レオン君ったら元気ですねぇ。私たちも行きましょうか~」 セラがのんびりと杖を持って歩き出す。
エリーゼは、手元の完璧な作戦図を握りしめた。 クシャリ、と紙が歪む音が、彼女のプライドが傷つく音のように響いた。
(バカなの!? 野蛮人なの!? 私の計算をなんだと思っているの!?)
彼女はヒールのあるブーツで地面を踏みしめ、怒り肩で彼らを追った。 こうなったら、彼らが失敗して泣きついてくるのを見届けて、「ほらご覧なさい」と言ってやるしかない。
しかし。 戦場に到着した彼女が見たのは、予想外の光景だった。
ドゴォォォォン!!
爆音と共に、オークが空を飛んでいた。 魔法ではない。物理的に、殴り飛ばされて飛んでいるのだ。
「うぉぉぉぉ! 気合だァァァ!!」
レオンが、雄叫びを上げながらオークの群れの中央で暴れ回っていた。 剣を使っているのかどうかも怪しい。剣の腹で殴ったり、蹴り飛ばしたり、時には頭突きをかましたりしている。 それは「剣術」ではなく「喧嘩」だった。 泥だらけになり、返り血を浴び、それでも彼は楽しそうに笑っている。
「おいボルグ! 右から来るぞ! 足引っ掛けて転ばせろ!」 「へいへい、人使いが荒いねぇ!」 ボルグが影のように移動し、オークの死角から足を払う。 「セラ! 回復頼む! 擦りむいた!」 「はいは~い、痛いの痛いの飛んでいけ~(物理防御アップ)」
めちゃくちゃだ。 エリーゼの計算など、何一つ守られていない。 陣形は崩壊しているし、魔力効率は最悪だし、そもそも被弾しまくっている。 美しくない。スマートじゃない。
けれど。 彼らは、勝っていた。 圧倒的な熱量と、言葉にしなくても通じ合う阿吽の呼吸で、数で勝るオークたちを蹂躙していく。 そこには、数式では表せない「勢い」と「信頼」があった。
(……なんなの、これ)
エリーゼは、杖を構えたまま立ち尽くしていた。 入る隙がない。 自分の完璧な魔法など、この泥臭い乱戦の中では、味方を巻き込む危険性があるだけで、役に立たない。
私は、ここにいる意味があるの? 彼らにとって、私は「必要」なの?
その時、一匹のオークが、包囲を抜けてエリーゼの方へ突進してきた。 手負いの獣。殺気立った瞳。 エリーゼはハッとして詠唱を始めようとするが、焦りで言葉が出てこない。 (計算……距離……角度……間に合わない!)
「させねぇよッ!!」
横合いから、赤い影が飛び込んできた。 レオンだ。 彼はエリーゼとオークの間に滑り込み、剣でオークの棍棒を受け止めた。 ガキンッ! 重い金属音。火花が散る。
「レオン……!?」
「ボーっとしてんじゃねぇよ天才! お前の頭は飾りか!?」 レオンは歯を食いしばりながら叫んだ。 「来るぞ! 氷漬けにしてやれ!」
その言葉に、エリーゼの思考がクリアになった。 彼は、私を守ったのではない。 私に「トドメを刺す機会」を作ったのだ。 私を信頼して、背中を預けてくれたのだ。
エリーゼは杖を突き出した。 迷いはない。計算はいらない。 ただ、目の前の敵を止めるという意思だけを込めて。
「……凍りなさい!!」
瞬間、絶対零度の冷気が放たれた。 オークの足元から氷柱が伸び、その巨体を一瞬にして氷像へと変えた。 レオンがバックステップで回避していなければ、彼ごと凍らせていただろう。
「うおっ! あっぶねぇ! 殺す気か!」 レオンが文句を言いながらも、ニカっと笑った。 「でも、ナイスだ! さすが天才!」
その笑顔に向けられた瞬間、エリーゼの胸の奥で、固く結ばれていた何かが、少しだけ解けた気がした。 計算通りじゃなくても。泥だらけでも。 「結果オーライ」という言葉が、これほど心地よく響くなんて知らなかった。
***
戦いが終わり、夕暮れが森を染める頃。 一行は川辺でキャンプを張ることになった。
オーク討伐の報酬は予想以上に多く、レオンたちは上機嫌だ。 エリーゼは、疲労困憊だった。 慣れない長距離移動。予想外の戦闘。そして精神的な消耗。 ドレスの裾は泥で汚れ、綺麗にセットしていた髪も乱れている。 「完璧」からは程遠い姿。
「さーて、飯にするか! 腹減って死にそうだ!」 レオンが焚き火の前で伸びをする。 「今日は特別だ。俺たちが獲ってきた『とっておきの肉』があるぜ」
そう言って彼らが取り出したのは、謎の巨大な肉塊だった。 見たこともない色をしている。毒々しい紫色の斑点がある。
「……それは何ですの?」 「これは『バジリスクの尻尾』だ! 滋養強壮にいいらしいぞ!」 「絶対に食べたくありません」
「じゃあスープは任せた! お前、魔法で火加減とか調整できるんだろ? きっとすげぇ美味いスープが作れるはずだ!」
レオンが無茶振りを投げてくる。 スープ。 エリーゼは固まった。 彼女は、魔薬の調合なら目をつぶっていてもできる。毒薬の生成もお手の物だ。 だが、「料理」というジャンルにおいて、彼女の経験値はゼロだった。 実家では使用人が全てやっていたし、学院では食堂があった。 自分で鍋を火にかけたことすらない。
だが、ここで「できない」とは言えなかった。 戦闘では彼らに助けられた。ここで役に立たなければ、本当にただの「足手まとい」になってしまう。 プライドが、彼女を突き動かした。
「……ふん。料理など、化学実験の一種に過ぎませんわ。温度と分量さえ間違えなければ、誰にでもできます」
彼女は自信満々に鍋の前に立った。 野菜を切る。大きさは不揃いだが、まあいい。 肉を入れる。 そして、味付けだ。
(塩分濃度は〇・八%が人間が最も美味しいと感じる数値……。香草は臭み消しのために……これも、これも入れておきましょう。相乗効果で旨味が増すはずです)
彼女は、実験室でポーションを作るのと同じ感覚で、次々と材料を投入した。 見たこともない色のキノコ(魔力を含んでいて綺麗だったから)。 希少な薬草(体力回復効果があるから)。 そして、隠し味に、少しの魔力を込めて「美味しくなる魔法」をかけた。
グツグツと鍋が煮立つ。 だが、漂ってくる匂いは、食欲をそそる香りではなかった。 硫黄のような、あるいは実験室の失敗作のような、鼻をつく刺激臭。 鍋の中身は、禍々しい紫色に変色し、ボコッ、ボコッという不穏な音を立てて泡立っている。
「……できたわ」
エリーゼは、震える声で宣言した。 どう見ても失敗だ。計算は完璧だったはずなのに、出来上がったのは「毒の沼地」だった。
「お! できたか!」 レオンたちが集まってくる。 そして、鍋の中身を見た瞬間、全員が沈黙した。
「……おい、天才」 ボルグが顔を引きつらせる。 「これは何だ? 俺たちへの拷問器具か?」 「ス、スープですわ! 栄養価は計算されています!」 「色がヤバいって! 毒沼スライムが溶けた色してるぞ!」
ボルグの容赦ないツッコミが、エリーゼの心に突き刺さる。 やっぱり、駄目だった。 私は何もできない。魔法が少し使えるだけで、生活能力は子供以下だ。 彼らは呆れているだろう。幻滅しただろう。 「使えない奴だ」と、心の中で見下しているに違いない。
恥ずかしさと情けなさで、エリーゼの目頭が熱くなる。 穴があったら入りたい。いや、このまま転移魔法で自分の塔に逃げ帰りたい。
「ごめんなさい……私、料理なんてしたことがなくて……」 彼女はうつむき、声を絞り出した。 「やっぱり、私なんて足手まといね。帰ります……」
彼女が背を向けようとした、その時。
ズズッ。
音がした。 振り返ると、レオンが器にその「紫色の液体」をよそい、豪快に口をつけていた。
「っ!? レオン、やめなさい! 死にますわよ!」 エリーゼが慌てて止めようとする。
レオンは一気に飲み干し、どん! と器を置いた。 彼の顔色が、青から紫、そして赤へと信号機のように変化する。 そして。
「……まっず!!!!」
森の鳥たちが飛び立つほどの大声で叫んだ。
「なんだこれ!? 靴下の煮汁か!? 舌が痺れるぞ!」 「だから言ったでしょう! 捨ててください!」 エリーゼが泣きそうになって叫ぶ。
だが、レオンはニカっと笑った。 その笑顔は、不味さで歪んでいるが、嘘のない快活なものだった。
「でも、元気は出るな!」 彼は自分の力こぶを叩いた。 「体がカッカしてきやがった! さすが魔女の特製スープだ、薬効成分だけはすげぇ!」
「え……?」
「おいボルグ、お前も飲め! 罰ゲームだ!」 「ふざけんな! お前一人で死ね!」 「あらあら、じゃあ私がいただきましょうか。……あら、意外と癖になるお味ですぅ」 セラが平気な顔で飲んでいる(彼女の味覚も大概おかしい)。
焚き火を囲んで、馬鹿騒ぎが始まった。 不味いスープを押し付け合い、笑い転げる彼ら。 そこには、「失敗」を責める空気など微塵もなかった。 むしろ、その失敗さえも「面白いネタ」として楽しみ、共有してくれている。
エリーゼは、呆気にとられていた。 私の世界(計算式)では、「失敗=無価値」だった。 完璧でなければ意味がない。役に立たなければ居場所がない。 そう思っていた。 けれど、彼らの世界は違った。 凸凹で、不格好で、失敗だらけ。でも、それが噛み合って、温かい場所を作っている。
「ほら、エリーゼも食えよ」 レオンが、焼けた肉を差し出した。 それは黒焦げだったが、スープよりはマシな匂いがした。
「完璧じゃなくていいんだよ」 セラが、優しくエリーゼの手を握った。 彼女の手は温かかった。 「できないことがあってもいいの。そのために仲間がいるんだから。エリーゼちゃんが料理できないなら、レオンくんが肉を焼けばいいし、ボルグくんが木の実を採ってくればいい。私たちは、パズルのピースみたいに、凸凹でちょうどいいんですよ」
パズルのピース。 仏教でいう「縁起」の世界観。 独立して完璧な存在などない。互いに支え合い、欠けた部分を補い合うことで、初めて全体として機能する。 「私一人で完璧にならなきゃ」という執着(苦)が、フッと軽くなるのを感じた。
エリーゼは、差し出された黒焦げの肉を受け取った。 一口かじる。 苦い。硬い。筋っぽい。 宮廷料理人が作る食事とは比べ物にならないほど粗末な味。
けれど。 今まで食べたどんな料理よりも、美味しかった。 喉を通る時、熱い塊となって、冷え切っていた心の空洞を満たしていく。
「……不味いですわ」 エリーゼは、涙を隠すように微笑んだ。 「でも……悪くない味です」
「だろ!?」 レオンが得意げに笑う。
焚き火の火の粉が、夜空に向かって舞い上がる。 満天の星空。 虫の声と、仲間の笑い声。 エリーゼの中で、世界の方程式が書き換わった音がした。
『完璧=正解』ではない。 『不完全+不完全=調和』。 そんな、非論理的で、愛おしい数式へ。
彼女は、そっとレオンの横顔を見た。 焚き火に照らされたその顔は、子供のように無邪気で、そして誰よりも頼もしく見えた。 この瞬間が、永遠に続けばいいのに。 柄にもなく、そんな「願い(執着)」を抱いてしまうほどに、この夜は温かかった。
だが、夜は必ず明ける。 そして季節は巡る。 この幸せな時間が、砂時計の砂のようにサラサラと落ちていくことを、彼女はまだ知らないふりをしていたかった。
夏草の匂いが、夜風に乗って鼻をくすぐる。 それは、エリーゼが初めて知った、「役立たずの自分」が許された夜の匂いだった。
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