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第7章:過去の嘘と、真実の絆
第34話:嘘つきたちの挽歌 〜最も残酷な嘘は、最愛の形をしている〜
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季節の針が、強制的に冬へと進められたようだった。
「幻霧の谷(ミスト・ホロウ)」の最深部。 そこには、色彩というものが存在しなかった。 視界を埋め尽くすのは、鉛色の空と、谷底から湧き上がる乳白色の濃霧だけ。 紅葉した木々の美しさも、秋風の寂寥感も、ここにはない。あるのは、生きている者の体温を根こそぎ奪い去ろうとする、絶対的な冷気と死の気配だけだった。
地面は凍りつき、踏みしめるたびに霜柱が悲鳴のような音を立てて砕ける。 吐く息は白く濁り、霧と同化して消えていく。
「……はぁ、はぁ、くそっ! キリがねぇぞ!」
レオンの怒号が、霧の中に吸い込まれていく。 彼の自慢の赤髪は汗と泥で汚れ、肩で荒く息をしている。剣を握る手は、寒さと疲労で震えていた。
彼らの目の前に立ちはだかるのは、巨大な悪夢だった。 魔獣「ミラージュ・ラフレシア」。 霧を実体化させ、無数の触手として操る精神寄生型の捕食者。 物理的な攻撃は霧を切り裂くだけで手応えがなく、魔法を撃ち込んでも、拡散する霧によって威力が分散されてしまう。
「私の魔力も……もう、限界ですぅ……」
僧侶のセラが、その場に膝をついた。 彼女の法衣はボロボロに裂け、癒やしの光を生み出す杖の輝きは、風前の灯火のように頼りない。 盗賊のボルグも、左腕をだらりと下げていた。毒霧を吸い込んだのか、顔色は土気色で、立っているのがやっとの状態だ。
「エリーゼ! 解析はまだか!?」 レオンが叫ぶ。
「やってますわ! でも……!」
エリーゼは杖を構えながら、歯噛みした。 計算できない。 この霧は、ただの水蒸気ではない。魔力そのものが変質した、生きた結界だ。こちらの術式を読み取り、リアルタイムで構造を変えて無効化してくる。 彼女の天才的な頭脳をもってしても、このカオス(混沌)を数式に落とし込むことができなかった。
(どうして……私の計算が通じないの……!)
焦りが思考を鈍らせる。 彼女の指には、あの日レオンがくれた青いガラスの指輪が嵌められていた。 「必ず全員で生きて帰る」。その契約の証。 けれど、現実は残酷なほど冷徹に、彼らを追い詰めていた。
ズズズ……。
巨大な花弁が脈打ち、新たな霧の触手が鎌首をもたげる。 数は、十、二十……いや、無数。 全方位からの包囲網。 逃げ場はない。魔力も尽きた。体力も限界だ。
詰み(チェックメイト)。 誰の目にも、それは明らかだった。
「……ここまで、か」
レオンが、ふっと剣を下ろした。 その声は、諦めではなく、何かを決断した男の響きを帯びていた。
「レオン?」 エリーゼが不安げに彼を見る。
レオンは懐を探り、一枚の古びた羊皮紙を取り出した。 緊急脱出用の「転移魔法陣(スクロール)」。 高価で貴重なアイテムだが、この状況を打開できる唯一の希望。
「あった! それを使えば……!」 エリーゼの顔に希望が灯る。
だが、レオンは首を横に振った。
「これの定員は一人だ。魔力が劣化しててな、質量的に一人分しか飛ばせねぇ」
エリーゼの笑顔が凍りつく。 一人。 ここにいるのは四人。 つまり、三人は残らなければならない。この死の谷底に。
沈黙が落ちた。 霧が蠢く音だけが、不気味に響く。
その沈黙を破ったのは、視線の交錯だった。 レオンが、ボルグを見る。 ボルグが、セラを見る。 セラが、レオンを見て、静かに微笑む。
言葉はなかった。 けれど、一瞬のアイコンタクトで、彼らの意思は完全に統一されていた。 長く苦楽を共にしてきたパーティだからこそできる、音のない会話。 そして、その結論は――あまりにも残酷で、愛に満ちたものだった。
「……おい、エリーゼ」
レオンが、低い声で呼んだ。 彼がエリーゼの方へ歩み寄ってくる。
「はい、何ですの? 術式を書き換えれば、あるいは二人くらいは……」
エリーゼが言いかけた、その時。
ドンッ!!
強い衝撃が走った。 レオンが、エリーゼの胸を乱暴に突き飛ばしたのだ。
「きゃっ!?」
エリーゼは無様に地面に転がった。 泥が口に入り、冷たい水がドレスに染み込む。 何が起きたのか分からない。 顔を上げると、そこには見たこともないほど冷たい目で彼女を見下ろすレオンがいた。
「邪魔だ、どけよ」
吐き捨てるような言葉。
「え……?」
「聞こえなかったか? 邪魔だって言ってんだよ。この役立たずが」
エリーゼの思考が停止する。 レオン? 何を言っているの? 私だよ、エリーゼだよ。あなたの仲間だよ。
「けっ、やっぱり連れてくるんじゃなかったぜ」
ボルグが、侮蔑に満ちた笑みを浮かべて鼻を鳴らした。 彼は負傷した腕を庇いながら、エリーゼを睨みつける。
「天才だか何だか知らねぇけどよ、肝心な時にビビって計算もできねぇような奴は、ただの足手まといなんだよ! お前のせいで俺たちはこんな目に遭ってるんだ!」
「そ、そんな……私は……」
「もううんざりなんですぅ」
セラの声。 あんなに優しかった彼女が、今はゴミを見るような目でエリーゼを見ていた。
「あなたの魔法、綺麗ですけど……実戦じゃ何の役にも立ちませんね。プライドばかり高くて、扱いにくくて……正直、迷惑でした」
三人の言葉が、鋭利な刃物となってエリーゼの心臓を刺し貫く。 役立たず。 足手まとい。 迷惑。
それは、エリーゼが幼い頃から最も恐れていた言葉だった。 利用価値がなくなれば捨てられる。 理解されなければ排除される。 その恐怖から逃げるために、必死で勉強し、完璧を目指してきたのに。 信じていた仲間たちから、その言葉を投げつけられるなんて。
「う、嘘……嘘よ……」
エリーゼは首を振った。涙が溢れて視界が滲む。 嘘だと言って。 昨日の夜、お守りをくれたじゃない。 海に行こうって、約束したじゃない。
「嘘じゃねぇよ! 現実を見ろ!」
レオンが怒鳴り、エリーゼの襟首を掴んで引きずり起こした。 そして、地面に展開した転移魔法陣の上に、彼女を乱暴に放り投げた。
「お前一人で逃げろ。俺たちは、お前みたいな足手まといがいなくなれば、どうにかして切り抜けるからな」
「いや……嫌よ! 一緒じゃなきゃ嫌!」
エリーゼは魔法陣から這い出そうとする。 だが、レオンは剣の柄で、魔法陣の起動スイッチを叩いた。
ブゥン……!
魔法陣が輝き始める。 青白い光の壁が立ち昇り、エリーゼの体を包み込んでいく。 空間が歪み、重力が消失する感覚。
「待って! レオン! ボルグ! セラ!」
エリーゼは叫びながら手を伸ばした。 光の壁の向こうで、魔獣の触手が三人に殺到するのが見えた。 数十、数百の触手が、津波のように彼らを飲み込もうとしている。
彼らは逃げようとはしていなかった。 三人で肩を並べ、エリーゼに背を向け、魔獣の前に立ちはだかっていた。 盾になるために。 時間を稼ぐために。
レオンが、背中を向けたまま、右手を少しだけ上げた。 震える手。 その指が、不器用に二本、立てられる。 『Vサイン』。 勝利のサイン。あるいは、ピースサイン。 それは彼らがクエストを達成した時、いつも交わしていた合図だった。
けれど、エリーゼの耳に届いたのは、彼の最後の罵声だけだった。
「消えろォォォッ!!!」
ドォォォォン!!
魔獣の触手が、三人を叩き潰した。 紅蓮の炎が舞い上がる。 ボルグが隠し持っていた爆裂魔法石を、自爆覚悟で起爆させたのだ。
燃え盛る炎。 崩れ落ちる岩盤。 そして、炎の中に消えていく、三人の背中。
「あ……あぁ……」
エリーゼの視界が、涙と光で真っ白に染まる。 伸ばした指先は、誰にも触れることができないまま、虚空を掴んだ。
転移が完了する。 景色が反転し、世界が裏返る。
最後に彼女の網膜に焼き付いたのは、冷たい冬の谷底で、命を燃やして輝く炎の色と、嘘つきたちの背中だった。
***
次の瞬間。 エリーゼは、王都の路地裏に転がっていた。 石畳の冷たさが頬に触れる。 腐った生ゴミの臭いと、冬の乾いた風の匂い。
静かだった。 あの轟音も、熱気も、罵声もない。 ただ、日常の静寂だけがある。
「……う、そ……」
エリーゼは体を起こそうとしたが、力が入らなかった。 左手の薬指に、青いガラスの指輪が光っている。 『必ず全員で生きて帰る』。 その契約は、永遠に破られた。
彼女は一人、生き残ってしまった。 役立たずで、足手まといで、迷惑な存在として。 彼らに捨てられ、彼らを犠牲にして。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
路地裏に、魂を吐き出すような慟哭が響き渡った。 その叫びは、冬の空に吸い込まれ、誰にも届くことはなかった。
これが、魔女エリーゼの「過去」。 彼女が心を閉ざし、世界を拒絶するようになった、始まりの終わりの物語。 彼女はまだ知らない。彼らの罵倒が、彼女を生かすための精一杯の「愛の言葉(嘘)」であったことを。 その真実を知るまで、彼女は長い長い冬の時代を、一人きりで過ごすことになる。
「幻霧の谷(ミスト・ホロウ)」の最深部。 そこには、色彩というものが存在しなかった。 視界を埋め尽くすのは、鉛色の空と、谷底から湧き上がる乳白色の濃霧だけ。 紅葉した木々の美しさも、秋風の寂寥感も、ここにはない。あるのは、生きている者の体温を根こそぎ奪い去ろうとする、絶対的な冷気と死の気配だけだった。
地面は凍りつき、踏みしめるたびに霜柱が悲鳴のような音を立てて砕ける。 吐く息は白く濁り、霧と同化して消えていく。
「……はぁ、はぁ、くそっ! キリがねぇぞ!」
レオンの怒号が、霧の中に吸い込まれていく。 彼の自慢の赤髪は汗と泥で汚れ、肩で荒く息をしている。剣を握る手は、寒さと疲労で震えていた。
彼らの目の前に立ちはだかるのは、巨大な悪夢だった。 魔獣「ミラージュ・ラフレシア」。 霧を実体化させ、無数の触手として操る精神寄生型の捕食者。 物理的な攻撃は霧を切り裂くだけで手応えがなく、魔法を撃ち込んでも、拡散する霧によって威力が分散されてしまう。
「私の魔力も……もう、限界ですぅ……」
僧侶のセラが、その場に膝をついた。 彼女の法衣はボロボロに裂け、癒やしの光を生み出す杖の輝きは、風前の灯火のように頼りない。 盗賊のボルグも、左腕をだらりと下げていた。毒霧を吸い込んだのか、顔色は土気色で、立っているのがやっとの状態だ。
「エリーゼ! 解析はまだか!?」 レオンが叫ぶ。
「やってますわ! でも……!」
エリーゼは杖を構えながら、歯噛みした。 計算できない。 この霧は、ただの水蒸気ではない。魔力そのものが変質した、生きた結界だ。こちらの術式を読み取り、リアルタイムで構造を変えて無効化してくる。 彼女の天才的な頭脳をもってしても、このカオス(混沌)を数式に落とし込むことができなかった。
(どうして……私の計算が通じないの……!)
焦りが思考を鈍らせる。 彼女の指には、あの日レオンがくれた青いガラスの指輪が嵌められていた。 「必ず全員で生きて帰る」。その契約の証。 けれど、現実は残酷なほど冷徹に、彼らを追い詰めていた。
ズズズ……。
巨大な花弁が脈打ち、新たな霧の触手が鎌首をもたげる。 数は、十、二十……いや、無数。 全方位からの包囲網。 逃げ場はない。魔力も尽きた。体力も限界だ。
詰み(チェックメイト)。 誰の目にも、それは明らかだった。
「……ここまで、か」
レオンが、ふっと剣を下ろした。 その声は、諦めではなく、何かを決断した男の響きを帯びていた。
「レオン?」 エリーゼが不安げに彼を見る。
レオンは懐を探り、一枚の古びた羊皮紙を取り出した。 緊急脱出用の「転移魔法陣(スクロール)」。 高価で貴重なアイテムだが、この状況を打開できる唯一の希望。
「あった! それを使えば……!」 エリーゼの顔に希望が灯る。
だが、レオンは首を横に振った。
「これの定員は一人だ。魔力が劣化しててな、質量的に一人分しか飛ばせねぇ」
エリーゼの笑顔が凍りつく。 一人。 ここにいるのは四人。 つまり、三人は残らなければならない。この死の谷底に。
沈黙が落ちた。 霧が蠢く音だけが、不気味に響く。
その沈黙を破ったのは、視線の交錯だった。 レオンが、ボルグを見る。 ボルグが、セラを見る。 セラが、レオンを見て、静かに微笑む。
言葉はなかった。 けれど、一瞬のアイコンタクトで、彼らの意思は完全に統一されていた。 長く苦楽を共にしてきたパーティだからこそできる、音のない会話。 そして、その結論は――あまりにも残酷で、愛に満ちたものだった。
「……おい、エリーゼ」
レオンが、低い声で呼んだ。 彼がエリーゼの方へ歩み寄ってくる。
「はい、何ですの? 術式を書き換えれば、あるいは二人くらいは……」
エリーゼが言いかけた、その時。
ドンッ!!
強い衝撃が走った。 レオンが、エリーゼの胸を乱暴に突き飛ばしたのだ。
「きゃっ!?」
エリーゼは無様に地面に転がった。 泥が口に入り、冷たい水がドレスに染み込む。 何が起きたのか分からない。 顔を上げると、そこには見たこともないほど冷たい目で彼女を見下ろすレオンがいた。
「邪魔だ、どけよ」
吐き捨てるような言葉。
「え……?」
「聞こえなかったか? 邪魔だって言ってんだよ。この役立たずが」
エリーゼの思考が停止する。 レオン? 何を言っているの? 私だよ、エリーゼだよ。あなたの仲間だよ。
「けっ、やっぱり連れてくるんじゃなかったぜ」
ボルグが、侮蔑に満ちた笑みを浮かべて鼻を鳴らした。 彼は負傷した腕を庇いながら、エリーゼを睨みつける。
「天才だか何だか知らねぇけどよ、肝心な時にビビって計算もできねぇような奴は、ただの足手まといなんだよ! お前のせいで俺たちはこんな目に遭ってるんだ!」
「そ、そんな……私は……」
「もううんざりなんですぅ」
セラの声。 あんなに優しかった彼女が、今はゴミを見るような目でエリーゼを見ていた。
「あなたの魔法、綺麗ですけど……実戦じゃ何の役にも立ちませんね。プライドばかり高くて、扱いにくくて……正直、迷惑でした」
三人の言葉が、鋭利な刃物となってエリーゼの心臓を刺し貫く。 役立たず。 足手まとい。 迷惑。
それは、エリーゼが幼い頃から最も恐れていた言葉だった。 利用価値がなくなれば捨てられる。 理解されなければ排除される。 その恐怖から逃げるために、必死で勉強し、完璧を目指してきたのに。 信じていた仲間たちから、その言葉を投げつけられるなんて。
「う、嘘……嘘よ……」
エリーゼは首を振った。涙が溢れて視界が滲む。 嘘だと言って。 昨日の夜、お守りをくれたじゃない。 海に行こうって、約束したじゃない。
「嘘じゃねぇよ! 現実を見ろ!」
レオンが怒鳴り、エリーゼの襟首を掴んで引きずり起こした。 そして、地面に展開した転移魔法陣の上に、彼女を乱暴に放り投げた。
「お前一人で逃げろ。俺たちは、お前みたいな足手まといがいなくなれば、どうにかして切り抜けるからな」
「いや……嫌よ! 一緒じゃなきゃ嫌!」
エリーゼは魔法陣から這い出そうとする。 だが、レオンは剣の柄で、魔法陣の起動スイッチを叩いた。
ブゥン……!
魔法陣が輝き始める。 青白い光の壁が立ち昇り、エリーゼの体を包み込んでいく。 空間が歪み、重力が消失する感覚。
「待って! レオン! ボルグ! セラ!」
エリーゼは叫びながら手を伸ばした。 光の壁の向こうで、魔獣の触手が三人に殺到するのが見えた。 数十、数百の触手が、津波のように彼らを飲み込もうとしている。
彼らは逃げようとはしていなかった。 三人で肩を並べ、エリーゼに背を向け、魔獣の前に立ちはだかっていた。 盾になるために。 時間を稼ぐために。
レオンが、背中を向けたまま、右手を少しだけ上げた。 震える手。 その指が、不器用に二本、立てられる。 『Vサイン』。 勝利のサイン。あるいは、ピースサイン。 それは彼らがクエストを達成した時、いつも交わしていた合図だった。
けれど、エリーゼの耳に届いたのは、彼の最後の罵声だけだった。
「消えろォォォッ!!!」
ドォォォォン!!
魔獣の触手が、三人を叩き潰した。 紅蓮の炎が舞い上がる。 ボルグが隠し持っていた爆裂魔法石を、自爆覚悟で起爆させたのだ。
燃え盛る炎。 崩れ落ちる岩盤。 そして、炎の中に消えていく、三人の背中。
「あ……あぁ……」
エリーゼの視界が、涙と光で真っ白に染まる。 伸ばした指先は、誰にも触れることができないまま、虚空を掴んだ。
転移が完了する。 景色が反転し、世界が裏返る。
最後に彼女の網膜に焼き付いたのは、冷たい冬の谷底で、命を燃やして輝く炎の色と、嘘つきたちの背中だった。
***
次の瞬間。 エリーゼは、王都の路地裏に転がっていた。 石畳の冷たさが頬に触れる。 腐った生ゴミの臭いと、冬の乾いた風の匂い。
静かだった。 あの轟音も、熱気も、罵声もない。 ただ、日常の静寂だけがある。
「……う、そ……」
エリーゼは体を起こそうとしたが、力が入らなかった。 左手の薬指に、青いガラスの指輪が光っている。 『必ず全員で生きて帰る』。 その契約は、永遠に破られた。
彼女は一人、生き残ってしまった。 役立たずで、足手まといで、迷惑な存在として。 彼らに捨てられ、彼らを犠牲にして。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
路地裏に、魂を吐き出すような慟哭が響き渡った。 その叫びは、冬の空に吸い込まれ、誰にも届くことはなかった。
これが、魔女エリーゼの「過去」。 彼女が心を閉ざし、世界を拒絶するようになった、始まりの終わりの物語。 彼女はまだ知らない。彼らの罵倒が、彼女を生かすための精一杯の「愛の言葉(嘘)」であったことを。 その真実を知るまで、彼女は長い長い冬の時代を、一人きりで過ごすことになる。
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