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第10章:スラムの黒猫たち
第46話:冬の掃き溜めと、小さな太陽 〜闇はゆりかごである〜
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冬の王都は、巨大な生き物の死骸のようだった。
特に、ここ「最下層」と呼ばれるスラム街においては、その表現は比喩ですらなかった。 空からは、色彩を失った灰色の雪が、絶え間なく降り注いでいる。それは天からの祝福などではなく、地上にへばりつく薄汚いシミを隠そうとする、神様の気まぐれな隠蔽工作のように見えた。 風が吹くたびに、腐りかけた板切れやボロ布で作られた家々が、死に損ないの老人のような軋み声を上げる。ヒュウ、ヒュウと吹き抜ける風音は、誰かのすすり泣きにも似ていて、聞く者の体温をごっそりと削り取っていく。
地面は、泥と排泄物と得体の知れないゴミが混じり合い、凍りついてカチカチになっていた。踏みしめると、ジャリッという不快な音が靴底から伝わってくる。 この場所にあるのは、「生きる」という能動的な営みではない。ただ「死んでいない」という受動的な状態が、延々と続いているだけだった。
そんな、世界の掃き溜めのような場所の片隅に、一枚のボロボロの帆布(はんぷ)で覆われただけの、粗末なテントがあった。 かつては荷馬車のカバーだったのだろうその布は、油汚れと煤(すす)で黒ずみ、ところどころ破れた穴から、容赦なく冷気が吹き込んでいた。
「……寒い」
テントの中で、少年が呟いた。 キース。後の盗賊団「黒猫」のリーダーとなる少年だ。 まだ十代半ばの彼は、痩せこけた体にサイズの合わない薄手のコートを何枚も重ね着し、膝を抱えて震えていた。吐く息は白く濁り、唇は紫色に変色している。 彼の手はあかぎれだらけで、爪の間には落ちない泥が染み付いていた。
「寒いんじゃねぇよ、キース。痛いんだよ、これは」
隣で丸太のような体を小さく丸めているのは、大男のボルグだ。 彼は、どこかで拾ってきたらしい穴だらけの毛布にくるまっていたが、その巨体を隠しきれず、足首がはみ出していた。 空腹でお腹が鳴るたびに、彼は不機嫌そうに眉間のしわを深くする。
「腹減ったなぁ……。なぁキース、俺の胃袋がストライキ起こしそうだぜ。『これ以上空っぽの状態が続くなら、自分自身を消化し始めます』ってよ」 「馬鹿なこと言ってないで寝ろ。寝てれば腹は減らない」 「寝てても減るもんは減るんだよ! 夢の中でご馳走食っても、目が覚めた時の絶望感がすげぇだけだしな!」
ボルグが叫ぶと、テントの隅で体を動かしていたもう一人の少年、ティックがくすりと笑った。 彼は小柄で身軽そうな体つきをしていて、今は手慰みに小石をお手玉のように放り投げている。
「夢ならいいじゃんか。俺なんて昨日、巨大なパンに追いかけられる夢見たぜ? 食おうとしたらパンの方から『お前をイースト菌の餌にしてやる』って逆襲されてさぁ」 「なんだその悪夢。お前の脳みそ、栄養失調で腐り始めてんじゃねぇの?」 「失敬な。これは豊かな想像力の産物だっつーの」
彼らの会話は、軽口を叩いているようでいて、その実、深刻な飢餓状態を紛らわすための必死の抵抗だった。 最後にまともな食事をしたのは、いつだったか。 昨日、市場のゴミ捨て場から拾ってきた腐りかけのリンゴの芯。あれが最後だ。 口に入れた時の酸っぱい味と、その後に襲ってきた腹痛の記憶だけが、鮮明に残っている。
キースは、テントの隙間から外を覗いた。 雪はまだ降り続いている。 この雪が止むまでは、仕事(スリやかっぱらい)に出ることもできない。人が外を歩かないからだ。 つまり、今日も飯にはありつけないということだ。
「……クソみたいな世界だな」
キースは吐き捨てた。 彼らは知っていた。 この世界には、「幸せになる権利」を持った人間と、そうでない人間がいることを。 城壁の向こう、暖かい暖炉と柔らかいベッドがある家で暮らす人々にとって、この雪は「ホワイトクリスマス」の美しい演出かもしれない。 だが、キースたちにとって、この雪は「死刑宣告」と同義だ。
人生は、思い通りにならない。 欲しいものは手に入らず、避けたいものは向こうからやってくる。 寒さ、飢え、暴力、病気。 それらがデフォルト(標準)設定であり、温かさや満腹感といったものは、バグ(不具合)のように稀にしか発生しない例外事項なのだ。
「なんで俺たちだけ」と恨む気力すら、もう枯れ果てていた。 ただ、この理不尽なシステムの中で、呼吸を続けることだけが、彼らに課された唯一のタスクだった。
その時。 ザッ、ザッ、という雪を踏む足音が近づいてきた。
「……誰だ?」
ボルグが瞬時に身を起こし、枕元に隠していた錆びた鉄パイプを握る。ティックもナイフを取り出し、低い姿勢で入り口を睨んだ。 この街では、不用意な訪問者は敵でしかない。 人買いか、衛兵か、あるいは他のゴロツキか。
テントの入り口がめくられた。 吹き込む冷たい風と共に、小さな影が入ってきた。
「……ただいま」
入ってきたのは、少女だった。 アンナ。彼らと同じ孤児であり、この「家族ごっこ」の最後の一人だ。 彼女の栗色の髪は雪で濡れ、頬は凍傷になりそうなくらい赤く腫れ上がっていた。 だが、彼女の様子がいつもと違った。 彼女は、胸元に大きな塊を抱きかかえ、それを自分のボロボロのコートで必死に隠していたのだ。
「アンナ! お前、こんな吹雪の中どこ行ってたんだよ!」 キースが駆け寄る。 「死ぬ気か!? 手、氷みたいじゃねぇか!」
アンナはガタガタと震えながら、それでも抱えている「何か」を決して離そうとしなかった。 その瞳には、恐怖と、そして狂気にも似た強い光が宿っていた。
「……拾ったの」 「は? 何をだよ。食いもんか?」 ボルグが期待して覗き込む。
「違う」 アンナは首を横に振った。そして、ゆっくりとコートの前を開いた。
そこにあったのは、食料でも、金目のものでもなかった。 薄汚れた布にくるまれた、生き物。 小さな、本当に小さな――赤ん坊だった。
場が凍りついた。 外の気温よりも冷たい沈黙が、テント内を支配する。
「……おい」 キースの声が震えた。 「アンナ、お前……正気か?」
「路地裏のゴミ捨て場に……捨ててあったの」 アンナは早口でまくし立てた。視線が泳いでいる。 「泣いてなかった。寒さで、声も出せなくなってて……このままじゃ死んじゃうと思って……」
「だから連れてきたのか!? ここに!?」 ティックが叫んだ。 「馬鹿じゃねぇの!? 俺たちだって明日食うもんがないんだぞ! ガキ一人増やしてどうすんだよ! 共倒れだろ!」
正論だった。 あまりにも正しすぎる、残酷な正論。 自分たちの命さえ維持できない状況で、他人の命、しかも手のかかる赤ん坊を背負い込むなど、自殺行為以外の何物でもない。
「わかってる! わかってるけど……!」 アンナが泣き出した。 「でも、温かかったの! 抱っこしたら、まだ心臓が動いてて……置いてこれなかったの!」
キースは頭を抱えた。 最悪だ。 この世界は、どこまで意地が悪いんだ。 捨てられた赤ん坊。よくある話だ。このスラムでは、犬猫の死骸より子供の死骸の方が多いとさえ言われている。 親が育てられずに捨てる。あるいは、望まぬ妊娠の結果、ゴミのように廃棄する。 それがこの世界の「仕様」だ。 それにいちいち心を痛めていたら、生きていけない。
「……戻してこい」 キースは冷徹に言った。 「今すぐだ。元の場所に戻してこい。俺たちには関係ない」
「キース!」 「うるせぇ! 感情で動くな! 俺たちが生きていくためには、余計な荷物は捨てるしかねぇんだよ!」
キースはアンナの肩を掴み、揺さぶった。 心を鬼にするしかなかった。 ここで情けをかければ、全員が死ぬ。それは計算でもなんでもなく、厳然たる事実だ。
「嫌よ……嫌!」 アンナが抵抗する。 「この子はモノじゃない! 生きてるの! 戻したら死んじゃう!」
「知ったことかよ! 俺たちだって捨てられたんだ! 誰も助けてくれなかっただろ! なんで俺たちが助けなきゃいけないんだよ!」
キースの叫びが、テント内に木霊した。 そうだ。俺たちも捨て子だ。 親の顔なんて知らない。名前すら、自分で適当につけたか、誰かに呼ばれた渾名をそのまま使っているだけだ。 世界は俺たちを見捨てた。社会は俺たちをゴミ扱いした。 そんな世界で、善意なんてクソの役にも立たない。
ボルグが重い口を開いた。 「……キースの言う通りだ、アンナ。俺たちには無理だ。ミルク代もねぇ、オムツもねぇ。……ここで凍え死なせるより、教会かどっかの前に置いてきた方が、まだ生き残る確率はあるかもしれねぇぞ」
教会の前。 それは気休めの提案だった。この寒空の下、教会の扉が開く前に凍死するのがオチだ。 でも、そうでも言わなければ、自分たちの良心が押し潰されそうだった。
アンナは泣き崩れた。 赤ん坊を抱きしめたまま、床にうずくまる。 赤ん坊は、ぐったりとして動かない。顔色は白く、唇は青ざめている。もう手遅れかもしれない。
「……ごめんね」 アンナが赤ん坊に囁く。 「ごめんね……助けてあげられなくて……ごめんね……」
その光景は、キースの胸を鋭利な刃物でえぐられるように痛めつけた。 正しい判断をしたはずだ。 間違っていないはずだ。 なのに、なぜこんなに苦しいんだ。 なぜ、自分の手が汚れているような気がするんだ。
その時だった。
――ふにゃ。
微かな、本当に微かな声がした。 猫の鳴き声よりも小さな、弱々しい音。
アンナの腕の中で、赤ん坊が動いた。 ゆっくりと、小さな手が持ち上がり、空を掴むように彷徨う。 そして。 その手が、キースのコートの裾を、ちょこんと掴んだ。
「……っ!」
キースは息を呑んだ。 見下ろすと、赤ん坊が目を開けていた。 澄んだ、ビー玉のような瞳。 まだ焦点も合っていないだろうその瞳が、じっとキースを見つめている。
汚い男だ。 何日も風呂に入っていない、泥棒の少年だ。 自分を見捨てろと言った、冷酷な人間だ。
それなのに。 赤ん坊は、キースを見て――笑った。
にぱっ、と。 花が咲くように。 雲間から太陽が顔を出すように。 何の疑いもなく、何の計算もなく、ただ純粋な「喜び」として、微笑んだのだ。
ドクン。 キースの心臓が、早鐘を打った。
匂いがした。 この掃き溜めのようなテントの中に充満していた、腐敗臭やカビの臭いではない。 甘い、ミルクのような匂い。 陽だまりのような、柔らかい匂い。 それは「生命」そのものの香りだった。
「……な、なんだよ……こいつ」
キースの声が震える。 動けなかった。 その小さな手が、コートの裾を握る力は、驚くほど弱かった。 簡単に振りほどける。 指一本で弾き飛ばせる。 なのに、まるで巨大な鎖で繋がれたかのように、キースはその場から一歩も動けなかった。
「……笑った」 ティックが呆然と呟く。 「おい、見ろよボルグ。こいつ、俺たちの顔見ても泣かねぇぞ。目が悪いんじゃねぇか?」 「……馬鹿野郎、赤ん坊ってのは魂を見るんだよ」 ボルグが鼻をすすった。あの大男が、目を赤くして泣きそうになっている。
キースは、ゆっくりと膝をついた。 そして、震える指で、赤ん坊の小さな手に触れた。 冷たい。でも、奥底に確かな熱がある。 握り返してみる。 その手は、キースの汚れた指を、全力で握り返してきた。 「離さないで」と言うように。 「ここにいたい」と言うように。
(……ああ、クソッ)
キースは悟った。 負けた、と。 この理不尽な世界に対して、論理的で冷徹な判断を下そうとした自分の理性が、この「笑顔」一つに完敗したのだと。
こんなゴミ溜めのような場所で。 俺たちのようなゴミクズに向かって。 笑ってくれる存在が、この世にいたなんて。
「……名前は?」 キースがボソリと聞いた。
アンナが顔を上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔で笑った。 「……書いてあったの。服に。『ミーシャ』って」
「ミーシャか」 キースは、その名前を口の中で転がした。 悪くない響きだ。
「……キース? まさか……」 ティックが恐る恐る尋ねる。
キースは立ち上がった。 その目には、先ほどまでの諦めや絶望の色はなかった。 代わりに宿っていたのは、狂気にも似た、燃えるような「覚悟」の炎だった。
「飼うぞ」 キースは宣言した。
「はあ!? マジかよ! 飯どうすんだよ!」 「俺の分を減らす。お前らも減らせ」 「ふざけんな! 俺は育ち盛りだぞ!」 「うるせぇ! 文句がある奴は出て行け!」
キースは怒鳴ったが、その口元はニヤリと笑っていた。 ティックも、文句を言いながらもナイフをしまい、ポケットから最後に残っていた干し肉の欠片を取り出した。 「……ちっ、しゃーねーな。ほらよ、これ齧らせとけ。固いけど味はするだろ」 「赤ん坊に干し肉食わせる馬鹿がいるか! お湯でふやかせ!」 ボルグがティックの頭を叩く。
テントの中の空気が変わった。 寒さは変わらない。貧しさも変わらない。 だが、そこには確かに「熱」が生まれた。 「守るべきもの」ができたという、目的意識の熱だ。
キースは、ミーシャの頬を指でつついた。 ぷにぷにと柔らかい。 壊れそうで、儚くて、でも何よりも尊い感触。
「いいか、よく聞け」 キースは、仲間たちを見回して言った。
「今日から俺たちは、ただの浮浪児じゃねぇ。この子の『家族』だ」
彼は、自分の胸を叩いた。
「世界がこの子を捨てたんなら、俺たちが世界を敵に回してでも守る。金が必要なら奪う。ミルクが必要なら盗む。……悪魔に魂を売ってでも、この子が明日も笑っていられるようにするんだ」
それは、社会への宣戦布告であり、そして自分たちの運命への反逆宣言だった。 ただ生き延びるためだけに這いつくばっていた虫ケラたちが、初めて「生きる意味」を見つけた瞬間だった。
「『黒猫』だ」 キースが言った。 「不吉の象徴だって言われて、石を投げられる野良猫。……上等じゃねぇか。俺たちにぴったりだ」
「黒猫……か。悪くねぇな」 ボルグがニカっと笑う。 「俺たちゃ闇に紛れて生きる。でも、この小さな太陽だけは、絶対に沈ませねぇ」
アンナが、ミーシャを抱きしめて泣き笑いする。 ミーシャは、何も分からずに、ただキャッキャと声を上げて笑った。
テントの外では、雪がまだ激しく降り続いていた。 風がテントを揺らし、隙間風が吹き込む。 相変わらずの極寒だ。 けれど、寄り添い合う四人と一人の中心には、目には見えないけれど、暖炉よりも温かい火が灯っていた。
これが、彼らの始まり。 後に王都を騒がせ、アリスに「雑魚キャラ」と罵られ、そして瞬に救われることになる盗賊団「黒猫」の、誰にも知られていない結成秘話。
仏教では、苦しみの原因は「執着(愛)」にあると説く。 愛するものができれば、失う恐怖が生まれる。守りたいと願えば、思い通りにならない現実に苦しむことになる。 彼らはこの日、ミーシャという「執着」を手に入れたことで、果てしない修羅の道へと足を踏み入れたのだ。
けれど。 その苦しみを背負ってでも、彼らは「愛すること」を選んだ。 それが、ゴミ溜めの中で見つけた、たった一つの光だったから。
翌朝。 雪が止み、雲の切れ間から朝日が差し込んだ。 真っ白に染まったスラム街は、汚いものが全て隠され、一瞬だけ綺麗な雪原のように見えた。 キースは、朝日に向かって細められたミーシャの瞳を見て、誓った。
(絶対に、死なせねぇ。この子が大人になって、恋をして、幸せになるまで……俺たちが、泥をかぶり続けてやる)
その誓いが、やがて彼らを、あの雨の夜のローゼンバーグ邸へと導くことになる因果の糸だとは、まだ誰も知る由もなかった。
特に、ここ「最下層」と呼ばれるスラム街においては、その表現は比喩ですらなかった。 空からは、色彩を失った灰色の雪が、絶え間なく降り注いでいる。それは天からの祝福などではなく、地上にへばりつく薄汚いシミを隠そうとする、神様の気まぐれな隠蔽工作のように見えた。 風が吹くたびに、腐りかけた板切れやボロ布で作られた家々が、死に損ないの老人のような軋み声を上げる。ヒュウ、ヒュウと吹き抜ける風音は、誰かのすすり泣きにも似ていて、聞く者の体温をごっそりと削り取っていく。
地面は、泥と排泄物と得体の知れないゴミが混じり合い、凍りついてカチカチになっていた。踏みしめると、ジャリッという不快な音が靴底から伝わってくる。 この場所にあるのは、「生きる」という能動的な営みではない。ただ「死んでいない」という受動的な状態が、延々と続いているだけだった。
そんな、世界の掃き溜めのような場所の片隅に、一枚のボロボロの帆布(はんぷ)で覆われただけの、粗末なテントがあった。 かつては荷馬車のカバーだったのだろうその布は、油汚れと煤(すす)で黒ずみ、ところどころ破れた穴から、容赦なく冷気が吹き込んでいた。
「……寒い」
テントの中で、少年が呟いた。 キース。後の盗賊団「黒猫」のリーダーとなる少年だ。 まだ十代半ばの彼は、痩せこけた体にサイズの合わない薄手のコートを何枚も重ね着し、膝を抱えて震えていた。吐く息は白く濁り、唇は紫色に変色している。 彼の手はあかぎれだらけで、爪の間には落ちない泥が染み付いていた。
「寒いんじゃねぇよ、キース。痛いんだよ、これは」
隣で丸太のような体を小さく丸めているのは、大男のボルグだ。 彼は、どこかで拾ってきたらしい穴だらけの毛布にくるまっていたが、その巨体を隠しきれず、足首がはみ出していた。 空腹でお腹が鳴るたびに、彼は不機嫌そうに眉間のしわを深くする。
「腹減ったなぁ……。なぁキース、俺の胃袋がストライキ起こしそうだぜ。『これ以上空っぽの状態が続くなら、自分自身を消化し始めます』ってよ」 「馬鹿なこと言ってないで寝ろ。寝てれば腹は減らない」 「寝てても減るもんは減るんだよ! 夢の中でご馳走食っても、目が覚めた時の絶望感がすげぇだけだしな!」
ボルグが叫ぶと、テントの隅で体を動かしていたもう一人の少年、ティックがくすりと笑った。 彼は小柄で身軽そうな体つきをしていて、今は手慰みに小石をお手玉のように放り投げている。
「夢ならいいじゃんか。俺なんて昨日、巨大なパンに追いかけられる夢見たぜ? 食おうとしたらパンの方から『お前をイースト菌の餌にしてやる』って逆襲されてさぁ」 「なんだその悪夢。お前の脳みそ、栄養失調で腐り始めてんじゃねぇの?」 「失敬な。これは豊かな想像力の産物だっつーの」
彼らの会話は、軽口を叩いているようでいて、その実、深刻な飢餓状態を紛らわすための必死の抵抗だった。 最後にまともな食事をしたのは、いつだったか。 昨日、市場のゴミ捨て場から拾ってきた腐りかけのリンゴの芯。あれが最後だ。 口に入れた時の酸っぱい味と、その後に襲ってきた腹痛の記憶だけが、鮮明に残っている。
キースは、テントの隙間から外を覗いた。 雪はまだ降り続いている。 この雪が止むまでは、仕事(スリやかっぱらい)に出ることもできない。人が外を歩かないからだ。 つまり、今日も飯にはありつけないということだ。
「……クソみたいな世界だな」
キースは吐き捨てた。 彼らは知っていた。 この世界には、「幸せになる権利」を持った人間と、そうでない人間がいることを。 城壁の向こう、暖かい暖炉と柔らかいベッドがある家で暮らす人々にとって、この雪は「ホワイトクリスマス」の美しい演出かもしれない。 だが、キースたちにとって、この雪は「死刑宣告」と同義だ。
人生は、思い通りにならない。 欲しいものは手に入らず、避けたいものは向こうからやってくる。 寒さ、飢え、暴力、病気。 それらがデフォルト(標準)設定であり、温かさや満腹感といったものは、バグ(不具合)のように稀にしか発生しない例外事項なのだ。
「なんで俺たちだけ」と恨む気力すら、もう枯れ果てていた。 ただ、この理不尽なシステムの中で、呼吸を続けることだけが、彼らに課された唯一のタスクだった。
その時。 ザッ、ザッ、という雪を踏む足音が近づいてきた。
「……誰だ?」
ボルグが瞬時に身を起こし、枕元に隠していた錆びた鉄パイプを握る。ティックもナイフを取り出し、低い姿勢で入り口を睨んだ。 この街では、不用意な訪問者は敵でしかない。 人買いか、衛兵か、あるいは他のゴロツキか。
テントの入り口がめくられた。 吹き込む冷たい風と共に、小さな影が入ってきた。
「……ただいま」
入ってきたのは、少女だった。 アンナ。彼らと同じ孤児であり、この「家族ごっこ」の最後の一人だ。 彼女の栗色の髪は雪で濡れ、頬は凍傷になりそうなくらい赤く腫れ上がっていた。 だが、彼女の様子がいつもと違った。 彼女は、胸元に大きな塊を抱きかかえ、それを自分のボロボロのコートで必死に隠していたのだ。
「アンナ! お前、こんな吹雪の中どこ行ってたんだよ!」 キースが駆け寄る。 「死ぬ気か!? 手、氷みたいじゃねぇか!」
アンナはガタガタと震えながら、それでも抱えている「何か」を決して離そうとしなかった。 その瞳には、恐怖と、そして狂気にも似た強い光が宿っていた。
「……拾ったの」 「は? 何をだよ。食いもんか?」 ボルグが期待して覗き込む。
「違う」 アンナは首を横に振った。そして、ゆっくりとコートの前を開いた。
そこにあったのは、食料でも、金目のものでもなかった。 薄汚れた布にくるまれた、生き物。 小さな、本当に小さな――赤ん坊だった。
場が凍りついた。 外の気温よりも冷たい沈黙が、テント内を支配する。
「……おい」 キースの声が震えた。 「アンナ、お前……正気か?」
「路地裏のゴミ捨て場に……捨ててあったの」 アンナは早口でまくし立てた。視線が泳いでいる。 「泣いてなかった。寒さで、声も出せなくなってて……このままじゃ死んじゃうと思って……」
「だから連れてきたのか!? ここに!?」 ティックが叫んだ。 「馬鹿じゃねぇの!? 俺たちだって明日食うもんがないんだぞ! ガキ一人増やしてどうすんだよ! 共倒れだろ!」
正論だった。 あまりにも正しすぎる、残酷な正論。 自分たちの命さえ維持できない状況で、他人の命、しかも手のかかる赤ん坊を背負い込むなど、自殺行為以外の何物でもない。
「わかってる! わかってるけど……!」 アンナが泣き出した。 「でも、温かかったの! 抱っこしたら、まだ心臓が動いてて……置いてこれなかったの!」
キースは頭を抱えた。 最悪だ。 この世界は、どこまで意地が悪いんだ。 捨てられた赤ん坊。よくある話だ。このスラムでは、犬猫の死骸より子供の死骸の方が多いとさえ言われている。 親が育てられずに捨てる。あるいは、望まぬ妊娠の結果、ゴミのように廃棄する。 それがこの世界の「仕様」だ。 それにいちいち心を痛めていたら、生きていけない。
「……戻してこい」 キースは冷徹に言った。 「今すぐだ。元の場所に戻してこい。俺たちには関係ない」
「キース!」 「うるせぇ! 感情で動くな! 俺たちが生きていくためには、余計な荷物は捨てるしかねぇんだよ!」
キースはアンナの肩を掴み、揺さぶった。 心を鬼にするしかなかった。 ここで情けをかければ、全員が死ぬ。それは計算でもなんでもなく、厳然たる事実だ。
「嫌よ……嫌!」 アンナが抵抗する。 「この子はモノじゃない! 生きてるの! 戻したら死んじゃう!」
「知ったことかよ! 俺たちだって捨てられたんだ! 誰も助けてくれなかっただろ! なんで俺たちが助けなきゃいけないんだよ!」
キースの叫びが、テント内に木霊した。 そうだ。俺たちも捨て子だ。 親の顔なんて知らない。名前すら、自分で適当につけたか、誰かに呼ばれた渾名をそのまま使っているだけだ。 世界は俺たちを見捨てた。社会は俺たちをゴミ扱いした。 そんな世界で、善意なんてクソの役にも立たない。
ボルグが重い口を開いた。 「……キースの言う通りだ、アンナ。俺たちには無理だ。ミルク代もねぇ、オムツもねぇ。……ここで凍え死なせるより、教会かどっかの前に置いてきた方が、まだ生き残る確率はあるかもしれねぇぞ」
教会の前。 それは気休めの提案だった。この寒空の下、教会の扉が開く前に凍死するのがオチだ。 でも、そうでも言わなければ、自分たちの良心が押し潰されそうだった。
アンナは泣き崩れた。 赤ん坊を抱きしめたまま、床にうずくまる。 赤ん坊は、ぐったりとして動かない。顔色は白く、唇は青ざめている。もう手遅れかもしれない。
「……ごめんね」 アンナが赤ん坊に囁く。 「ごめんね……助けてあげられなくて……ごめんね……」
その光景は、キースの胸を鋭利な刃物でえぐられるように痛めつけた。 正しい判断をしたはずだ。 間違っていないはずだ。 なのに、なぜこんなに苦しいんだ。 なぜ、自分の手が汚れているような気がするんだ。
その時だった。
――ふにゃ。
微かな、本当に微かな声がした。 猫の鳴き声よりも小さな、弱々しい音。
アンナの腕の中で、赤ん坊が動いた。 ゆっくりと、小さな手が持ち上がり、空を掴むように彷徨う。 そして。 その手が、キースのコートの裾を、ちょこんと掴んだ。
「……っ!」
キースは息を呑んだ。 見下ろすと、赤ん坊が目を開けていた。 澄んだ、ビー玉のような瞳。 まだ焦点も合っていないだろうその瞳が、じっとキースを見つめている。
汚い男だ。 何日も風呂に入っていない、泥棒の少年だ。 自分を見捨てろと言った、冷酷な人間だ。
それなのに。 赤ん坊は、キースを見て――笑った。
にぱっ、と。 花が咲くように。 雲間から太陽が顔を出すように。 何の疑いもなく、何の計算もなく、ただ純粋な「喜び」として、微笑んだのだ。
ドクン。 キースの心臓が、早鐘を打った。
匂いがした。 この掃き溜めのようなテントの中に充満していた、腐敗臭やカビの臭いではない。 甘い、ミルクのような匂い。 陽だまりのような、柔らかい匂い。 それは「生命」そのものの香りだった。
「……な、なんだよ……こいつ」
キースの声が震える。 動けなかった。 その小さな手が、コートの裾を握る力は、驚くほど弱かった。 簡単に振りほどける。 指一本で弾き飛ばせる。 なのに、まるで巨大な鎖で繋がれたかのように、キースはその場から一歩も動けなかった。
「……笑った」 ティックが呆然と呟く。 「おい、見ろよボルグ。こいつ、俺たちの顔見ても泣かねぇぞ。目が悪いんじゃねぇか?」 「……馬鹿野郎、赤ん坊ってのは魂を見るんだよ」 ボルグが鼻をすすった。あの大男が、目を赤くして泣きそうになっている。
キースは、ゆっくりと膝をついた。 そして、震える指で、赤ん坊の小さな手に触れた。 冷たい。でも、奥底に確かな熱がある。 握り返してみる。 その手は、キースの汚れた指を、全力で握り返してきた。 「離さないで」と言うように。 「ここにいたい」と言うように。
(……ああ、クソッ)
キースは悟った。 負けた、と。 この理不尽な世界に対して、論理的で冷徹な判断を下そうとした自分の理性が、この「笑顔」一つに完敗したのだと。
こんなゴミ溜めのような場所で。 俺たちのようなゴミクズに向かって。 笑ってくれる存在が、この世にいたなんて。
「……名前は?」 キースがボソリと聞いた。
アンナが顔を上げ、涙でぐしゃぐしゃになった顔で笑った。 「……書いてあったの。服に。『ミーシャ』って」
「ミーシャか」 キースは、その名前を口の中で転がした。 悪くない響きだ。
「……キース? まさか……」 ティックが恐る恐る尋ねる。
キースは立ち上がった。 その目には、先ほどまでの諦めや絶望の色はなかった。 代わりに宿っていたのは、狂気にも似た、燃えるような「覚悟」の炎だった。
「飼うぞ」 キースは宣言した。
「はあ!? マジかよ! 飯どうすんだよ!」 「俺の分を減らす。お前らも減らせ」 「ふざけんな! 俺は育ち盛りだぞ!」 「うるせぇ! 文句がある奴は出て行け!」
キースは怒鳴ったが、その口元はニヤリと笑っていた。 ティックも、文句を言いながらもナイフをしまい、ポケットから最後に残っていた干し肉の欠片を取り出した。 「……ちっ、しゃーねーな。ほらよ、これ齧らせとけ。固いけど味はするだろ」 「赤ん坊に干し肉食わせる馬鹿がいるか! お湯でふやかせ!」 ボルグがティックの頭を叩く。
テントの中の空気が変わった。 寒さは変わらない。貧しさも変わらない。 だが、そこには確かに「熱」が生まれた。 「守るべきもの」ができたという、目的意識の熱だ。
キースは、ミーシャの頬を指でつついた。 ぷにぷにと柔らかい。 壊れそうで、儚くて、でも何よりも尊い感触。
「いいか、よく聞け」 キースは、仲間たちを見回して言った。
「今日から俺たちは、ただの浮浪児じゃねぇ。この子の『家族』だ」
彼は、自分の胸を叩いた。
「世界がこの子を捨てたんなら、俺たちが世界を敵に回してでも守る。金が必要なら奪う。ミルクが必要なら盗む。……悪魔に魂を売ってでも、この子が明日も笑っていられるようにするんだ」
それは、社会への宣戦布告であり、そして自分たちの運命への反逆宣言だった。 ただ生き延びるためだけに這いつくばっていた虫ケラたちが、初めて「生きる意味」を見つけた瞬間だった。
「『黒猫』だ」 キースが言った。 「不吉の象徴だって言われて、石を投げられる野良猫。……上等じゃねぇか。俺たちにぴったりだ」
「黒猫……か。悪くねぇな」 ボルグがニカっと笑う。 「俺たちゃ闇に紛れて生きる。でも、この小さな太陽だけは、絶対に沈ませねぇ」
アンナが、ミーシャを抱きしめて泣き笑いする。 ミーシャは、何も分からずに、ただキャッキャと声を上げて笑った。
テントの外では、雪がまだ激しく降り続いていた。 風がテントを揺らし、隙間風が吹き込む。 相変わらずの極寒だ。 けれど、寄り添い合う四人と一人の中心には、目には見えないけれど、暖炉よりも温かい火が灯っていた。
これが、彼らの始まり。 後に王都を騒がせ、アリスに「雑魚キャラ」と罵られ、そして瞬に救われることになる盗賊団「黒猫」の、誰にも知られていない結成秘話。
仏教では、苦しみの原因は「執着(愛)」にあると説く。 愛するものができれば、失う恐怖が生まれる。守りたいと願えば、思い通りにならない現実に苦しむことになる。 彼らはこの日、ミーシャという「執着」を手に入れたことで、果てしない修羅の道へと足を踏み入れたのだ。
けれど。 その苦しみを背負ってでも、彼らは「愛すること」を選んだ。 それが、ゴミ溜めの中で見つけた、たった一つの光だったから。
翌朝。 雪が止み、雲の切れ間から朝日が差し込んだ。 真っ白に染まったスラム街は、汚いものが全て隠され、一瞬だけ綺麗な雪原のように見えた。 キースは、朝日に向かって細められたミーシャの瞳を見て、誓った。
(絶対に、死なせねぇ。この子が大人になって、恋をして、幸せになるまで……俺たちが、泥をかぶり続けてやる)
その誓いが、やがて彼らを、あの雨の夜のローゼンバーグ邸へと導くことになる因果の糸だとは、まだ誰も知る由もなかった。
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