無詠唱? キャンピングカーで大冒険。虐げられた少女を拾った俺は、規格外の力と文明の利器で彼女を全力で救う件

Gaku

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第14章:エルフの森と銀色の車

第69話:真夏の逃避行と、初めての「ごめんなさい」〜被る泥は、一輪の笑みを咲かせるために静かに降り注ぐ雨である〜

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 季節は、容赦なくその熱量を増していた。  空を見上げれば、抜けるような青色を背景に、巨大な入道雲がもくもくと立ち上っている。  真夏日。  太陽は慈悲なく地上を照らしつけ、白い石畳からの照り返しが、街全体の輪郭を陽炎のように揺らめかせている。  窓を開ければ、屋台から漂うスパイシーな肉の焼ける匂いと、人々の活気ある声が熱風と共に流れ込んでくる。それは「生きている」というエネルギーの奔流そのものだった。

 屋敷の一室で、アリアは窓の外を睨みつけていた。  怪我はだいぶ癒えた。だが、相変わらず部屋に軟禁状態だ。  瞬(シュン)という人間に「看板を下ろせ」と言われ、少しだけ心が軽くなった気はする。だが、長年染み付いた人間への不信感が、そう簡単に消え去るわけもない。

「……暑い」

 アリアは不機嫌そうに呟いた。エルフの森は、夏でも涼やかな風が吹いている。こんな蒸し風呂のような環境は耐え難い。

 バンッ!  突然、ドアが勢いよく開いた。

「よう! リハビリの時間だぞ!」

 入ってきたのは、いつもの能天気な笑顔を貼り付けた瞬だった。  彼は手に、妙に大きなつばの広い帽子と、地味な色合いのマントを持っていた。

「……リハビリ? 私はもう歩けるわ」 「部屋の中をウロウロするのはリハビリとは言わねぇよ。外の空気を吸って、太陽を浴びる。それが一番の薬だ」

 瞬は、持ってきた帽子をアリアの頭に強引に被せた。  すっぽりと顔が隠れる。

「な、何をするの!?」 「変装だよ。その目立つ金髪と長い耳を隠すんだ。……さあ、行くぞ」

「行くって、どこへ?」 「街だ。デート……じゃなくて、社会科見学だな」

 アリアは絶句した。  街へ出る? この私が? 人間の巣窟へ?  それに、私は王宮の監視下にある捕虜(のようなもの)だ。勝手に出歩けばどうなるか。

「馬鹿なことを。見つかれば……」 「見つからなきゃいいんだよ。ゼイクたちは今、昼寝してる。行くなら今だ」

 瞬はニカっと笑い、アリアの手を引いた。  その手は熱く、有無を言わせない力強さがあった。

「ちょ、待っ……!」

 抵抗する間もなく、アリアは連れ出された。  これは「戒律破り」だ。ルールを無視した暴挙だ。  だが、瞬の背中からは「そんなの関係ねぇ」という強烈な自由のオーラが漂っていた。

 ***

 屋敷の裏口を抜け、路地裏を通って大通りに出た瞬間。  アリアは、圧倒的な「音」と「匂い」の波に飲まれた。

「いらっしゃい! 安いよ安いよ!」 「こっちの果物は朝採れだよ!」

 市場は、人でごった返していた。  エルフの里の静寂とは対極にある、無秩序な喧騒。汗臭さと、食べ物の匂いが混じり合った濃厚な空気。  アリアは思わず顔をしかめ、マントの襟で鼻を覆った。

「……うるさい。臭い。品がないわ」  彼女は瞬の背中に隠れるようにして歩く。  人間たちは、大声で笑い、肩をぶつけ合い、欲望を隠そうともしない。なんて野蛮な生き物たちなのだろう。

「そう言うなよ。ほら、これ食ってみろ」

 瞬が屋台で買ってきたものを突き出した。  木の棒に刺さった、肉の塊。炭火で焼かれ、香辛料がたっぷりと振られている。

「……何よこれ」 「『串焼き』だ。この屋台の親父、腕がいいんだよ」

 アリアは躊躇ったが、瞬が「あーん」と口を開けて待っているので、仕方なく一口かじった。  ジュワッ。  肉汁が溢れ出す。ピリッとしたスパイスの刺激が、舌を駆け巡る。  野生的で、荒々しい味。けれど――。

「……!」  美味しい。  エルフの繊細な料理にはない、暴力的なまでの旨味が、脳髄を直撃した。

「どうだ?」 「……悪くはないわね。少し、味が濃いけれど」 「だろ? 汗かいた時は塩分補給だ!」

 瞬は次々と、アリアの知らない世界を見せていった。  冷たい井戸水で冷やした真っ赤な果実水。  砂糖をまぶした揚げ菓子。  色とりどりの雑貨が並ぶ露店。

 最初は警戒していたアリアも、次第にその熱気に引き込まれていった。  人間たちは、確かに騒がしい。けれど、そこには嘘のない「生」のエネルギーがあった。  彼らは今日を生きるために働き、笑い、食べている。その姿は、エルフたちが森の中で静かに瞑想する姿よりも、ずっと鮮やかに見えた。

 広場に出ると、人だかりができていた。  大道芸人が、火を吹くパフォーマンスをしているのだ。  ボオォォッ!  巨大な炎が空に舞い上がり、観客が「わあぁっ!」と歓声を上げる。

 アリアは、目を丸くした。  魔法ではない。ただの口から油を吹く芸だ。  なんて馬鹿げた、なんて無意味な。  けれど、その馬鹿げたことに、大人も子供も目を輝かせている。

 芸人が、今度は三つのボールをお手玉し始めた。  と思ったら、わざと一つ落として、大袈裟に転んでみせる。  ドッと笑いが起きる。

「……ふふっ」

 思わず、アリアの口から笑い声が漏れた。  あまりにも滑稽で、間抜けで。  気がつけば、彼女は帽子の下で、クスクスと笑っていた。

 瞬が、それを見ていた。  彼は満足そうに頷き、小さな声で言った。

「『楽しい』に種族は関係ねぇだろ?」

 アリアがハッとして瞬を見る。

「美味いものは誰が食っても美味い。面白いものは誰が見ても面白い。……それが真実だ」

 難しい理屈はいらない。  ただ、同じ場所で、同じものを見て、同じように笑う。  それだけで、心の壁なんて簡単に飛び越えられるのだ。

 その時だった。

「そこまでだ!!」

 鋭い怒号が、楽しい時間を切り裂いた。  人混みをかき分けて現れたのは、銀色の鎧を着た王宮騎士団の一隊だった。  先頭には、顔を真っ赤にした隊長と、青ざめたゼイクがいる。

「見つけたぞ! 英雄シュン! 貴様、重要人物を連れ回して何をしている!」

 楽しい時間は、終わりを告げた。  アリアは、瞬の後ろに身を隠した。現実に引き戻される恐怖。  また、あの冷たい部屋に戻されるのか。

 瞬は、悪びれもせずに手を挙げた。 「よお、ゼイク。散歩してただけだって」 「散歩だと!? 無断外出は厳禁だと言ったはずだ!」

 ***

 屋敷に戻された後、リビングでお説教タイムが始まった。  王宮からの使者、騎士団長、そしてゼイクとエリーゼ。  大人たちが全員、鬼の形相で瞬を取り囲んでいる。

「万が一、彼女に逃げられたらどうするつもりだったんだ! 国際問題になるぞ!」 「彼女の安全が第一だとあれほど言ったでしょう! もし暴漢に襲われでもしたら……!」 「君の軽率な行動が、国を滅ぼす引き金になりかねないのですよ!」

 罵声が飛ぶ。  それは正論だった。瞬の行動は、リスク管理の観点からすれば最悪の愚行だ。  アリアは、部屋の隅で小さくなっていた。  自分のせいで、彼が責められている。  私がついて行ったから。私が笑ってしまったから。

 瞬は、言い訳をしなかった。  「でも」とも「だって」とも言わなかった。  彼はただ、神妙な顔で、深々と頭を下げていた。

「すいませんでした。俺の責任です」

 潔い謝罪。  だが、彼は顔を上げた時、真っ直ぐに騎士団長の目を見て言った。

「でも、あいつには太陽の光が必要だと思ったんです」

「なっ……!」

「ただ部屋に閉じ込めて、安全を確保したって、心は死んだままだ。……俺は、あいつに『ここは悪い場所じゃない』って教えたかった。それだけです」

 騎士団長が言葉に詰まる。  瞬の言葉には、規則や理屈を超えた、人間としての「情」があった。  
 相手を思うがゆえの行動であり、その結果としての叱責を、彼は甘んじて受け入れている。自分の正当性を主張して相手を論破するのではなく、罪を被ってでも守りたいものがあるという姿勢。

 アリアは、その姿を呆然と見ていた。  最強の英雄と呼ばれる男が。
たかだかエルフ一人のために、頭を下げ、泥をかぶっている。

 信じられなかった。  プライドの高いエルフには、理解できない行動だった。  どうして、そこまでしてくれるの?  私はあなたを罵倒したのに。

 ***

 夜。  説教から解放された瞬は、リビングのソファでぐったりと沈み込んでいた。  流石に堪えたらしい。ため息をつきながら、天井のシャンデリアを見上げている。

 そこへ、アリアが近づいてきた。  足音を忍ばせて。

「……バカな人」

 アリアの声に、瞬が顔を向ける。  彼は疲れた顔で、けれどいつものようにニカっと笑った。

「おう、よく言われる」

「なんで、あんなことをしたの? 怒られるってわかっていたでしょう?」  アリアは問い詰めた。理解したかった。この男の行動原理を。

「わかってたけど……」  瞬は体を起こし、アリアを真っ直ぐに見つめた。

「今日、お前が一回笑っただろ? あの大道芸を見て」

 アリアの心臓が跳ねた。  見ていたのか。あの、ほんの一瞬の隙を。

「その一回の笑顔は、あいつらの説教百回分より価値がある。……俺の中ではな」

 損得ではない。  ルールでもない。  ただ、彼女が笑ってくれたこと。その事実だけで、彼は「やってよかった」と思っているのだ。

 アリアの瞳が揺れた。  視界が滲む。  この人は、私のことを「エルフ」として見ていない。外交の道具としても見ていない。  ただの、「笑ってほしい女の子」として見てくれている。

 彼女の中で、何かが崩れ落ちた。  それは、人間に対して築いていた、分厚く冷たい心の壁だった。

「……楽しかった」

 アリアは、震える声で言った。  絞り出すような、小さな声。

「トウモロコシも、果実水も……あの大道芸も。……楽しかった。ありがとう」

 そして、彼女は深く頭を下げた。  エルフの誇り高い頭を、人間の前で。

「そして……ごめんなさい」

 謝罪。  それは、彼女が初めて見せた「弱さ」であり、同時に「強さ」だった。  自分のために傷ついてくれた人への、心からの償い。  他者の痛みを自分の痛みとして感じる心――「自他一如」。  その共感が生まれた瞬間、二人の間にあった種族の溝は、完全に埋まった。

 瞬は、驚いたように目を丸くし、それから優しく笑って、ポンとアリアの頭に手を置いた。

「ありがとうだけでいいんだよ、もっと言えば、楽しかったならそれだけでいい」

 彼は、子供をあやすように言った。

「怒られるくらい、安いもんだ。……お前が楽しかったなら、今日は最高の一日だったってことだ」

 アリアは、こらえきれずに涙をこぼした。  瞬の手の温もりが、頭から全身へと染み渡っていく。  人間は怖い。人間は汚い。そう教わってきた。  でも、この手は温かい。  この人のそばなら、安心できる。

 その夜、アリアは初めて、この屋敷を「敵地」ではなく「居場所」だと感じた。  不器用で、お人好しで、無茶ばかりするけれど、誰よりも温かい人間たちがいる場所。

 窓の外では、夏の虫たちが静かに鳴いていた。  嵐のような一日は終わり、穏やかな夜が、二人の心を包み込んでいた。
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