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第四話 女王陛下の弱点と『思い出のレモンパウンドケーキ』
しおりを挟む十月。
空気が、ガラス細工のように、澄み渡る季節。
真夏の、あの、まとわりつくような湿気と熱気は、すっかりと姿を消し、代わりに、乾いて、ひんやりとした風が、街を吹き抜けていく。太陽の光も、夏のそれとは、まるで違う。肌を焦がすような、挑戦的な光ではなく、どこか、優しく、そして、物悲しい、斜めの光。その光は、あらゆるものの影を、長く、長く、地上に引き伸ばしていた。
そんな、ある日曜日の午後だった。
空は、朝から、厚い、灰色の雲に覆われていた。それは、泣き出すのを、ずっと、我慢しているかのような、重く、沈んだ空だった。そして、昼過ぎ。ついに、我慢の限界が来たかのように、雨が、降り始めた。
夏の、すべてを洗い流すような、激しい夕立ではない。秋の、冷たい雨だ。しとしと、しとしと、と、まるで、世界の終わりまで、降り続くかのように、単調なリズムで、雨粒が、アスファルトを叩いている。気温も、ぐっと、下がった。半袖では、もう、肌寒い。
私は、自分の部屋の窓辺に立ち、そんな、雨の日の、静かな街を、ぼんやりと眺めていた。
アパートの裏手にある公園の木々は、その葉を、少しずつ、赤や、黄色に染め始めている。雨に濡れた、その葉の色は、いつもより、深く、そして、鮮やかに見えた。道端に、忘れられたように咲いている、コスモスの、細い茎が、雨の重みに、耐えるように、しな垂れている。
どこからか、金木犀の、甘い香りが、湿った空気と共に、流れてきた。あの、胸が、きゅっとなるような、切ない香り。秋が、深まっている証拠だった。
その時だった。
隣の二〇二号室から、ピアノの音が、聞こえてきたのは。
いつもの、女王陛下が弾く、超絶技巧の、華麗なリストや、情熱的なショパンとは、明らかに、違う。
その音色は、今日の、この、冷たい雨のように、どこまでも、悲しく、そして、メランコリックだった。一つ一つの音が、まるで、涙の粒のように、ぽつり、ぽつりと、こぼれ落ちてくる。それは、私が、名前を知らない曲だったが、その旋律に込められた、深い、深い、哀しみが、壁を、通り抜けて、私の心にまで、じんわりと、染み込んでくるようだった。
いつも、あれほど、傲岸不遜で、自信に満ち溢れ、世界を、その足元に、ひれ伏させているかのような、あの、女王陛下から、発せられている音とは、到底、思えなかった。
ピアノの音は、やがて、一つの、不協和音を残して、ぷつり、と途絶えた。
そして、その後に訪れたのは、雨音だけが支配する、重い、静寂だった。
私は、いてもたっても、いられなくなった。
(なにか、あったんだろうか)
ただ、ただ、心配だった。
私は、カーディガンを一枚、羽織ると、自分の部屋を、そっと抜け出し、隣の、二〇二号室のドアの前に、立った。
コン、コン、コン。
三度、ノックする。
いつもなら、「お待ちしておりましたわ、ひよこ豆」という、芝居がかった声が、すぐに、返ってくるはずなのに、今日は、何の、応答もなかった。
もう一度、少しだけ、強く、ノックする。
すると、数秒の、長い、長い、沈黙の後、内側から、か細い声が、聞こえた。
「どなた」
その声は、いつもの、女王陛社の、張りのある声ではなく、まるで、か弱い、少女のような、頼りない声だった。
「こむぎです。花巻こむぎ。あの、ピアノの音が、聞こえたので。なにか、あったのかな、と」
私の言葉に、また、沈黙が落ちる。
ドアを、開けてくれるのだろうか。それとも、追い返されてしまうのだろうか。
数秒後。カチャリ、と、小さな音がして、鍵が開いた。そして、ドアが、ゆっくりと、開かれた。
そこに立っていたのは、紛れもなく、女王陛下だった。
今日の彼女は、月の光を、そのまま、ドレスにしたかのような、淡い、銀色の、シルクを身にまとっている。だが、いつものような、輝くティアラは、そこになかった。夜会巻きに結われた髪も、心なしか、少しだけ、乱れているように見える。
そして、なにより、その表情が、違っていた。
いつもの、自信に満ち溢れた、不敵な笑みはない。ただ、ひたすらに、静かで、そして、どこか、遠くを見ているような、虚ろな目をしていた。
「ごめんなさい。今、少し、取り込んでいて」
彼女は、そう言って、ドアを、閉めようとした。その、か細い姿は、あまりにも、痛々しく、私は、思わず、そのドアに、手をかけていた。
「あの!」
私の、突然の行動に、女王陛下は、驚いたように、目を見開いた。
「なにか、私に、できることは、ありませんか」
それは、ほとんど、衝動的に、口から、飛び出した言葉だった。
「私、女王陛下に、たくさん、助けてもらいました。だから、今度は、私が。なにか、温かいものでも、作りましょうか? 私が、一人で」
それは、師弟関係にあった、私達の間で、初めて、私が、自発的に、発した、提案だった。
女王陛下は、私の言葉に、しばらく、きょとんとしていたが、やがて、その、強張っていた、口元が、ふ、と、わずかに、緩んだ。
「お入りなさい」
彼女は、そう言って、私を、部屋の中へと、招き入れた。
部屋の中は、いつもと、雰囲気が、まるで違っていた。
照明は、落とされ、窓の外の、灰色の、冷たい光だけが、室内を、ぼんやりと、照らしている。空気が、重い。そして、静かだ。いつもの、あの、華やかで、生命力に満ち溢れた空間ではなく、まるで、時が止まってしまったかのような、静謐な、空間。
部屋の隅にある、グランドピアノの蓋は、開かれたままになっていた。譜面台の上には、一冊の、古びて、黄ばんだ、楽譜が、置かれている。
女王陛下は、窓辺の、ベルベット張りの椅子に、力なく、腰を下ろした。その、膝の上には、先程の、楽譜が、広げられている。
私は、彼女の、その、悲しげな横顔を、ただ、見つめることしか、できなかった。
しばらく、沈黙が続いた。聞こえるのは、窓を叩く、雨音だけ。
やがて、女王陛下が、ぽつり、と呟いた。
その声は、ほとんど、独り言のようだった。
「レモンの、香り。懐かしいわね」
その言葉を、私は、聞き逃さなかった。
レモン。
そうだ。レモンを使った、お菓子を作ろう。
酸っぱくて、爽やかで、そして、太陽の匂いがする、お菓子。この、重く、沈んだ空気を、吹き飛ばしてくれるような、元気の出る、お菓子を。
「女王陛下」
私は、彼女の前に、そっと、跪いた。
「パウンドケーキを、焼きませんか。レモンの、パウンドケーキを。私が、焼きます。女王陛下は、そこで、見ていてください」
私の、その言葉に、彼女は、ゆっくりと、顔を上げた。その目に、ほんの少しだけ、光が、戻ったような気がした。
彼女は、何も言わずに、こくり、と、小さく、頷いた。
それは、私にとって、初めての、一人きりの、挑戦だった。
私は、キッチンの中心に立ち、深呼吸を、一つした。大丈夫。私には、女王陛下から、授かった、たくさんの、魔法がある。
まずは、バターと、砂糖。これを、白っぽく、ふんわりとするまで、混ぜ合わせる。パウンドケーキの、基本中の、基本だ。
ボウルに入れた、常温のバターを、ハンドミキサーで、クリーム状にする。そこに、砂糖を加え、さらに、混ぜ続ける。空気を含んで、バターが、白く、そして、軽くなっていく。
次に、卵。これも、常温に戻しておく。冷たい卵を、一度に加えると、バターと、分離してしまうからだ。溶きほぐした卵を、少しずつ、少しずつ、バターのボウルに加え、その都度、徹底的に、混ぜ合わせる。乳化。水と、油を、繋ぐ、魔法。艶やかで、滑らかな、クリーム色の生地。
そして、今日の主役、レモン。
国産の、ワックスを使っていない、美しい、黄色のレモン。その皮を、専用のおろし器で、すりおろしていく。シャリ、シャリ、という、小気味よい音と共に、キッチンに、爽やかで、鮮烈な、レモンの香りが、一気に、広がった。その香りは、この、陰鬱な、雨の日の空気を、浄化していくかのようだった。
すりおろした、レモンの皮を、生地に加える。
次に、粉類。米粉と、アーモンドプードル、そして、ベーキングパウダー。合わせて、ふるいにかける。
その時だった。私は、棚の隅に、小さな、小瓶が、あるのに、気づいた。黒い、ケシの実。ポピーシードだ。
そうだ。これを、入れたらどうだろう。
プチプチとした、食感が、アクセントになるはずだ。そして、白い生地の中に、黒い粒々が、散らばっている、その見た目は、きっと、可愛らしい。
「女王陛下。これ、入れても、いいですか?」
私が、尋ねると、椅子に座ったまま、ぼんやりと、こちらを見ていた彼女は、「お好きになさい」と、力なく、答えた。
私は、そのポピーシードを、大さじ一杯ほど、粉類に、加えた。
そして、それを、バターのボウルに、一気に、加え、ゴムベラで、さっくりと、切るように、混ぜ合わせていく。練らないように。粉っぽさが、なくなったら、そこで、止める。
艶やかで、美しい、パウンドケーキの生地が、完成した。
クッキングシートを敷いた、パウンド型に、生地を流し込む。
最後に、ゴムベラの先で、生地の、真ん中に、すっ、と、一本の、筋を入れる。こうすることで、焼いている間に、そこから、綺麗に、ぱっくりと、割れて、美しい、山の形になるのだ。
百八十度のオーブンへ。
焼き時間は、四十分。
オーブンが、静かに、駆動を始める。
私は、キッチンの後片付けをしながら、時折、椅子に座る、女王陛下の様子を、盗み見た。彼女は、まだ、膝の上の、古い楽譜を、見つめていた。その横顔は、雨に濡れた、石像のように、静かで、そして、悲しげだった。
やがて、オーブンから、天国のような、香りが、漂い始めた。
バターと、砂糖が焼ける、甘い、甘い、香り。そして、レモンの、爽やかで、食欲をそそる、香り。その、二つの香りが、混じり合い、この、重く、沈んだ部屋を、少しずつ、温かい、幸福な空気で、満たしていく。
女王陛下が、ふと、顔を上げた。その鼻が、くん、と、動いたのが、分かった。彼女も、この、魔法の香りに、気づいたのだ。
チーン!
焼き上がり。
オーブンから、取り出した、パウンドケーキは、完璧だった。
真ん中から、綺麗に、ぱっくりと、口を開け、全体が、美しい、黄金色に、輝いている。
だが、まだ、完成ではない。
最後の、仕上げ。
小さな、ボウルに、粉糖を入れ、レモンを、ぎゅっ、と絞って、果汁を加える。それを、スプーンで、練り混ぜると、白く、とろりとした、アイシングが、出来上がる。
まだ、熱々の、パウンドケーキの上に、その、アイシングを、とろり、と、かける。
熱で、溶けたアイシングが、ケーキの、亀裂の中に、じゅわ、と、染み込んでいく。そして、冷めると、表面が、シャリっとした、砂糖の、薄い、ヴェールになるのだ。
ケーキの、粗熱が取れるのを待って、私は、それを、厚めに、スライスした。
湯気が、ふわり、と、立ち上る。レモンの香りが、さらに、強く、香った。
温かい、紅茶を、淹れ直す。
そして、その、一切れのケーキと、紅茶を、女王陛下の前に、そっと、差し出した。
彼女は、しばらく、その、湯気の立つ、ケーキを、見つめていた。
そして、小さなフォークを手に取り、ほんの、少しだけ、ケーキを、口へと運んだ。
その瞬間、彼女の目に、明らかな、変化が、見えた。
驚き。
そして、懐かしさ。
彼女の、その、固く、閉ざされていた表情が、ほんの少しだけ、和らいだ。
「美味しい」
それは、いつもの、芝居がかった、大げさなものではない。ぽつり、と、こぼれ落ちた、心からの、一言だった。
「温かい。レモンの味が、するわ」
彼女は、そう言うと、また、一切れ、ケーキを、口に運んだ。
そして、窓の外を、眺めながら、ぽつり、ぽつりと、語り始めた。
「昔、住んでいたの。ヨーロッパの、ある、街に。その家の、庭にはね、大きな、大きな、レモンの木が、あったのよ。夏になると、黄色い実が、たわわに実って。風が吹くと、庭中が、この、匂いで、いっぱいになったわ」
彼女は、遠い、遠い、過去を、見つめていた。
「その庭で、よく、ピアノを弾いた。今日の、この雨の日は、なんだか、あの頃のことを、思い出してしまって」
そこまで言うと、彼女は、ふっ、と、自嘲するように、笑った。
「らしく、ないわね。私としたことが」
私は、何も言わずに、ただ、黙って、彼女の、空になった、ティーカップに、新しい、温かい紅茶を、注いだ。
教える者と、教わる者。女王と、ひよこ豆。
その関係が、今、この瞬間、少しだけ、変わったような気がした。
ふと、気づくと、雨は、完全に、上がっていた。
厚い、雲の切れ間から、西日が、差し込み始めている。その、黄金色の光が、部屋の中に、温かい、光の筋を、作り出していた。
「ありがとう、こむぎ」
女王陛下が、私の顔を見て、静かに、そう言った。
その声は、もう、いつもの、力強く、そして、少しだけ、優しい、女王陛下の声に、戻っていた。
私は、ただ、にっこりと、笑い返した。
言葉は、いらなかった。この、温かい、パウンドケーキが、そして、雨上がりの、光が、私達の、すべての、心を、語ってくれていたから。
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### **女王陛下直伝『思い出のレモンパウンドケーキ』**
**【材料】(パウンド型1台分)**
* 無塩バター: 100g(常温に戻しておく)
* 砂糖(グラニュー糖またはきび砂糖): 90g
* 卵: 2個(常温に戻しておく)
* 国産レモン(ワックス不使用): 1個
* **A** 米粉(製菓用): 80g
* **A** アーモンドプードル: 20g
* **A** ベーキングパウダー: 小さじ1
* ポピーシード: 大さじ1(お好みで)
* **アイシング(グラス・ア・ロー)**
* 粉糖: 40g
* レモン果汁: 小さじ1~2
**【作り方】**
1. **準備**:バターと卵を常温に戻す。型にクッキングシートを敷いておく。オーブンは180℃に予熱する。
2. ボウルにバターを入れ、ハンドミキサーでクリーム状になるまで混ぜる。砂糖を加え、白っぽくふんわりとなるまですり混ぜる。
3. 溶きほぐした卵を、4~5回に分けて加え、その都度、分離しないようによく混ぜ合わせる。
4. レモンの皮をすりおろして加え、混ぜる。(※この香りが、沈んだ魂を、呼び覚ますのですわ)
5. **A**の粉類を合わせてふるい入れ、ポピーシードも加えて、ゴムベラで、底から返すように、さっくりと混ぜ合わせる。粉っぽさがなくなったら、混ぜるのをやめること。
6. 生地を型に流し入れ、表面を平らにならす。ゴムベラで中央に一本、筋を入れると、綺麗に膨らみます。
7. 180℃のオーブンで35~40分焼く。竹串を刺して、生の生地がついてこなければ焼き上がり。
8. **仕上げ**:ケーキが熱いうちに、アイシングを作る。粉糖にレモン果汁を少しずつ加え、とろりとするまで混ぜる。
9. 焼きあがったパウンドケーキの上に、熱いうちにアイシングをかける。粗熱が取れたら、型から外して完成。
**【女王陛下からのワンポイント・アドバイス】**
* 「ポピーシードの代わりに、アールグレイの茶葉を、大さじ一杯、加えるのも、また、乙なものですわ。それは、午後の、物憂げなティータイムに、完璧に、寄り添ってくれることでしょう。悲しみもまた、人生の、一つの、スパイスなのですから」
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