小麦アレルギーで絶望してたら、隣の女王様に「ひよこ豆!」と叱咤され、米粉スイーツで人生逆転します」シーズン2

Gaku

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第五話 炎のコンテスト!『挑戦の米粉シュークリーム』(前編)

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十月の終わり。世界はまるで、巨大な画家の手によって、その色彩を日々塗り替えられているかのようだった。ついこの間まで、生命の力強さをこれでもかと誇示していた木々の深い緑は、いつしかその役目を終え、今は燃えるような鮮烈な赤や、目に眩しいほどの鮮やかな黄色、そして寂寥感を誘う落ち着いた褐色へと、その姿を静かに変えている。北風がひと吹きするたびに、カサ、カサリと、乾いた葉が心地よい音を立てながらアスファルトの上を滑り、まるで名残を惜しむかのようにダンスを踊りながら舞い上がっていく。

空は、どこまでも高く、澄み渡っていた。それは夏の、じっとりとした湿気を含んだ白っぽい青ではない。まるで上質なインクを一滴、静かな水面に垂らしたかのように、どこまでも深く、そして吸い込まれそうなほどの紺碧の青が広がっている。空気はひんやりと肌を撫で、その心地よい緊張感が思考をクリアにしてくれる。乾燥しているがゆえに、その透明度は驚くほど高く、遠くに見える街の輪郭や山の稜線までもが、まるで手の届く場所にあるかのように、くっきりと鮮明に見えた。

日の光は、夏のそれとは比較にならないほど柔らかく、そして優しい。その黄金色の光が、私が住むアパートの古い廊下に差し込むと、長年使い込まれた床のリノリウムは、夏のようにぬるりと光を反射するのではなく、まるで職人の手で丁寧に磨き上げられた琥珀のように、静かで温かみのある深い光沢を放っていた。その光景を眺めているだけで、心が穏やかに満たされていくのを感じる。

私の日々は、この秋の空のように、穏やかだった。

自分の誕生日のために、自分の手で、自分のためのバースデーケーキを創り上げた、あの一件以来、私の心の中には、確かな、そして決して揺らぐことのない自信が、深く、強く、根を下ろしていた。お菓子作りは、もはや単なる趣味の領域を超えていた。それは、言葉にするのが苦手な私にとって、自分という人間を表現するための、かけがえのない大切な言葉そのものだった。粉をふるい、バターを練り、卵を泡立てる。その一つ一つの工程が、私の感情や思考を形にしていくプロセスであり、焼き上がったお菓子は、私の分身とも言える存在だった。

SNSでの発信も、変わらずに続けていた。初めは数えるほどしかいなかったフォロワーは、少しずつ、しかし確実に増え続けていた。私が作る、プロの作品のように洗練されてはいない、どこかいびつで不格好だけれど、愛情だけはたっぷりと込めた温かみのあるお菓子に、「見ているだけで幸せな気持ちになります」「レシピ、真似して作ってみました!」という、温かいコメントが寄せられるようになった。キーボードの向こう側にいる、顔も知らない誰かからの優しい言葉。その一つ一つが、私の心を、秋の柔らかな日差しのように、ぽかぽかと温めてくれるのだった。

そう、私の世界は、完璧に、満ち足りていた。この小さなアパートの一室で、好きな時に好きなだけお菓子を作り、それを誰かが喜んでくれる。それ以上の幸せがあるだろうか。いや、ない。私は心からそう信じていた。

あの、一本の、メッセージが、私の静かな世界に波紋を投じるまでは。

それは、雲一つない秋晴れの、穏やかな土曜日の午後のことだった。お気に入りのマグカップに淹れた紅茶を片手に、いつものようにスマートフォンの画面を眺めていた私の指が、ふと、止まった。画面の隅に表示されたDM(ダイレクトメッセージ)のアイコンに、見慣れない赤い「1」の通知が灯っている。誰だろう。友人からの連絡だろうか。軽い気持ちでアイコンをタップし、そして、その送り主の名を目にした瞬間、私の心臓が、大きく、ドクンと跳ねた。

『Keiichi Tachibana』

橘圭一。その名前を知らないグルテンフリースイーツの世界の住人はいないだろう。まるで芸術品のように完璧で、繊細で、そして革新的なグルテンフリースイーツを作り出す、プロのパティシエ。私が、一方的に、その圧倒的な才能への嫉妬と畏怖を込めてライバル視し、そして心の奥底では、焦がれるほどに憧れていた、あの人からのメッセージだった。

(なぜ? どうして、橘さんが、私に?)

頭が真っ白になる。震える指で、何度もタップし損ねながら、ようやくメッセージを開いた。そこに綴られていたのは、彼の作るお菓子そのものを体現したかのような、洗練され、そしてどこまでも丁寧な言葉だった。

『花巻こむぎ様
突然のご連絡、失礼いたします。パティシエの橘圭一と申します。
いつも、あなたの投稿を、興味深く、拝見しております。花巻さんのお菓子には、卓越した技術だけではない、見る人の心を惹きつける、温かい魅力がありますね。その素朴な温かさは、私にはない、素晴らしい才能だと感じています。
実は、今度、オンラインで、このようなコンテストが開催されるのですが、ご存知でしょうか』

メッセージには、一枚の、息をのむほどに美しいウェブページのリンクが添えられていた。誘われるようにクリックすると、画面には、きらびやかで、躍動感のある文字が踊っていた。

『第五回 グルテンフリー・スイーツ・アワード 開催決定!』
『今年のテーマは「希望のぷちガトー」。あなたの創造力で、世界に新しい希望の光を灯そう!』
『優勝者には、有名カフェ「Café de l'avenir(カフェ・ド・ラヴニール)」にて、一ヶ月間の、商品化を確約!』

有名カフェ。商品化。その、あまりにも華やかで、プロフェッショナルな単語の羅列に、私の頭はくらくらとした。画面をスクロールすると、審査員の欄には、テレビや雑誌で見たことのある、日本を代表するような有名なパティシエや、笑顔の素敵な女性料理研究家の名前が、ずらりと並んでいる。そこは、私が今までいた、温かく優しい趣味の世界とは、次元が違う場所だった。

こんな、すごい、コンテスト。私が、出るなんて、そんな。場違いにもほどがある。

メッセージは、こう締めくくられていた。

『花巻さんのような方にこそ、挑戦していただきたい、と直感的に感じました。あなたのフィルターを通して表現される「希望」を、ぜひ見てみたいです。突然の、そして、大変お節介なご連絡、失礼いたしました』

私は、スマートフォンの画面が真っ暗になるまで、ただ、呆然と見つめていた。
嬉しい。雲の上の存在だと思っていた、あの橘さんから、認められた。その事実は、心の底から素直に、嬉しかった。天にも昇るような気持ちだった。
だが、それと同時に、いや、それ以上に、得体の知れない巨大な恐怖が、私の心をじわじわと支配していくのを感じていた。

プロの世界。そこは、私のいる、この温かくて優しい、守られた趣味の世界とは全く違う。勝者と敗者が明確に分かれ、厳しい評価の目に、容赦なく晒される場所。私なんかが、足を踏み入れていい場所じゃない。私の、この不格好でいびつな、愛情だけが取り柄のお菓子が、冷たい評価のナイフで切り刻まれる光景が目に浮かぶようだった。

私は、スマートフォンの電源を、そっと切った。そして、冷たくなってきた床の上で、膝を抱えて小さく丸くなった。窓から差し込む秋の優しい日差しが、やけに眩しく、そして残酷に感じられた。

その日の夕暮れ時。茜色の光が部屋の壁を染め上げる頃、私は意を決して、隣の部屋のドアを叩いていた。私の住むアパートの大家であり、私の人生の指南役でもある、女王陛下の部屋のドアを。

「ほう。コンテスト、ですって?」

事の経緯を、途切れ途切れに話すと、女王陛下は、秋の夜長にふさわしいボルドー色の、深いベルベットのドレスの胸元で優雅に腕を組み、面白そうに目を細めた。その瞳は、すべてを見透かしているかのように、静かに輝いている。

「素晴らしいでは、ありませんか。汝の、その、小さな、ひよこ豆の殻を、いよいよ内側から突き破る、絶好の機会ですわ」
「でも、私なんて、絶対に無理です。橘さんみたいに才能もないし、プロの人たちの中で、恥をかくだけです」

弱々しく俯く私に、女王陛下は、ふぅ、と一つ、長い溜息をついた。それは呆れではなく、慈しみに満ちた溜息だった。

「汝は、まだ、分かっていないようですわね。汝の作るお菓子が、すでに、どれほど多くの、そして強力な魔法を持っているかということを」

彼女は、ソファから静かに立ち上がると、私の目の前に立った。ふわりと、上質な香水の香りが鼻をかすめる。

「汝の物語を、汝だけの、その安全な庭の中だけで完結させるのですか? それとも、世界という名の、広大で、時に厳しい荒野に出て、その価値を、堂々と問うてみるのですか? 決めるのは、他の誰でもありません。汝自身ですわ、こむぎさん」

彼女の、その静かだが、鋼のように力強い言葉が、私の心の、一番柔らかくて弱い場所を、ぐっと強く押した。

そうだ。いつまでも、この居心地の良い、安全な場所に閉じこもっていて、いいのだろうか。失敗を恐れて、挑戦することから逃げ続けて、本当に後悔しないだろうか。

怖い。足がすくむほど、怖い。でも、それ以上に、知りたい。
私の作るお菓子が、どこまで通用するのか。
私の「希望」は、誰かの心を、少しでも動かすことができるのか。

私は、ゆっくりと顔を上げて、女王陛下の瞳をまっすぐに見た。
「やります」

自分でも驚くほど、力強い言葉が、口から飛び出した。

「私、このコンテストに、挑戦します!」

その言葉を聞いて、女王陛下は、満足そうに深く、そしてゆっくりと頷いた。その口元には、美しい笑みが浮かんでいる。

「よろしい。その覚悟、しかと聞き届けました。ならば、我が城の、すべての叡智を、汝に授けましょう!」

だが、その、メラメラと燃え上がるような私の決意は、翌日、コンテストの正式な課題が発表されたことで、いともたやすく、絶望の冷たい淵へと叩き落とされることになる。

課題は、『シュークリーム』。

「シュークリームですって!?」

私の悲鳴に近い声が、女王陛下の城、すなわち彼女の部屋のキッチンに響き渡った。

「ええ。お菓子の王道にして、最高難易度の一つ。シンプルが故に、一切のごまかしが効かず、作り手の技量のすべてが、白日の下に晒される、恐るべきお菓子」

女王陛下は、腕を組み、まるでこれから決戦に赴く将軍のような、厳しくも美しい顔つきで言った。

「シュー、とは、フランス語でキャベツを意味する言葉。その名の通り、不格好に、しかし力強く膨らみ、その身の内に大きな空洞という名の夢を抱く。そのメカニズム、汝に理解できますか?」
「え、ええと、ベーキングパウダーの、化学反応の力、とか……」

私の、あまりに素人な答えに、女王陛下は深く、深く、天を仰いで、悲劇のヒロインのように大袈裟なため息をついた。

「愚か者! シュー生地に、妖精の息吹(ベーキングパウダー)は、一切不要ですわ!」

彼女は、人差し指を、ぴん、と天に向けて立てた。その姿は、まるで生徒に教えを説く、厳格な教師のようだ。

「シューが膨らむ原理。それは、ただ一つ。生地に含まれた水分が、オーブンという名の灼熱地獄の中で一気に沸騰し、水蒸気となり、その爆発的な力で生地を内側から風船のように押し上げるのです。そして、その膨大なエネルギーを持つ水蒸気を外に逃さぬよう、生地の表面が焼き固められることで、あの奇跡の空洞が生まれる」

(水蒸気の、爆発……)

なんとも、物騒で、壮大な話だ。お菓子作りというより、まるで科学実験のようだ。

「小麦粉の場合、グルテンという名の、伸縮自在で強靭なゴム風船が、その水蒸気を難なく閉じ込めてくれる。だが、我らが米粉には、その便利なグルテンはない。つまり、我々は、強度も伸縮性もない、脆い和紙でできた風船を、爆発的な力で膨らませなければならない、ということですわ。その、無謀さ、その、絶望的なまでの困難さ、理解できましたか?」

私の顔は、完全に青ざめていた。ゴム風船と和紙の風船。その差は、あまりにも、大きい。

「成功の鍵は、ただ一つ。生地を鍋で火にかける工程。すなわち、『糊化(こか)』。米粉の主成分であるデンプン質を、熱と水分で完全にアルファ化させ、強力な粘りの膜を作ること。それだけが、我々に残された、唯一の希望なのです」

その日から、私の、シュークリームとの、長きに渡る、そしてあまりにも過酷な戦いの火蓋が、切って落とされた。

まず、第一の失敗。
ステンレスの鍋に、水、米油、そしてひとつまみの塩を入れ、火にかける。沸騰したところに、ふるっておいた米粉を一気に加え、木べらで手早く練り混ぜる。
「ここですわ! 火からおろしてはなりませぬ! 弱火にかけたまま、生地を絶えず練り続け、デンプンを完全に糊化させるのです! 鍋底に薄い膜が張るまで、手を休めてはなりません!」

女王陛下の檄が飛ぶ。しかし、私は焦げてしまうのが怖かった。鍋の底で、生地がチリチリと悲鳴のような音を立てている。香ばしい匂いを通り越して、焦げ臭い匂いがし始めている気がする。
(もう、いいだろう。これ以上は危険だ)
私は、女王陛下の指示に背き、早々に火から鍋をおろしてしまった。
そして、粗熱をとったその生地に、溶き卵を少しずつ加えていく。しかし、出来上がった生地は、なんだかさらりとしていて、粘りがなく、頼りない。
不安を抱えながらも絞り袋に入れ、天板に丸く絞り出す。そして、予熱したオーブンへ。

結果は、無残だった。

オーブンの中で、生地は少しも膨らむことなく、ただ平たく、まるで溶けたように広がり、焼き固められただけだった。それはシュークリームではなく、少し湿気たクッキーのような、名状しがたい物体。

「典型的な糊化不足ですわ。生地に、爆発する水蒸気を閉じ込めるだけの粘りの膜がなかった。これでは、ただの、かわうそのフンですわね」

女王陛社の、あまりに的確で、そして無慈悲な評価が、私の心を鋭くえぐった。

第二の挑戦。
今度は、教えの通り、鍋の上で生地を徹底的に、執拗なまでに練り続けた。腕が棒のようになり、額には汗が滲む。やがて生地が一つにまとまり、鍋肌からつるりと離れるようになった。鍋底には、女王陛下の言った通り、薄い膜が張っている。よし、完璧だ。
自信を取り戻し、溶き卵を加えていく。今度は、粘りのある、艶やかな美しい生地が出来上がった。
天板に絞り出し、オーブンへ。私は、ガラス窓にかじりついて、中の様子を固唾を飲んで見守った。
すると、どうだろう。
生地が、みるみるうちに、魔法のように膨らんでいく! まるで小さな生き物が息を吹き込まれたかのように、ぷっくりと。
(やった! できた!)
私は歓喜の声を上げかけた。これだ、これこそがシュークリームだ。

だが、焼き上がりの十分後。オーブンから、勝ち誇った気持ちで天板を取り出した、その瞬間。

しゅぅぅぅ……。

私の希望は、小さな穴の空いた風船から空気が抜けるような、情けない音と共に、目の前でゆっくりとしぼんでいった。あれほど誇らしげに、天に向かって膨らんでいたシューは、みるみるうちにシワシワの、まるで百年の時を生きた老人のような、無残な姿になってしまったのだ。

「焼き不足。あるいは、厳禁とあれほど言ったのに、途中でオーブンの扉を開けるという愚行を犯しましたか? 生地の骨格が完全に焼き固まる前に外の冷気に触れさせてしまったため、水蒸気の圧力を失い、自らの重みに耐えきれなくなったのです。ようやく立ち上がった勇者が、その場で膝から崩れ落ちた、というわけですな」

女王陛下は、そのシワシワの亡骸を、指でつまみ上げ、深いため息をついた。

三度目、四度目、五度目。
失敗は、悪夢のように続いた。

今度は、見事に膨らむが、てっぺんがまるで火山の噴火口のように、無残にひび割れてしまう。
「卵の加えすぎです。生地が緩くなりすぎたために、膨らむ力に耐えきれず、自壊したのですわ」

またある時は、最初の失敗と同じく、全く膨らまない。
「今度は、卵が少なすぎます。生地が硬すぎて、水蒸気が持ち上げる力が足りなかったのです。卵の量が、生地の生死を分けるのです」

シンクには、失敗作の、シュー生地の残骸が、まるで小さな塚のように、山と積み上がっていく。キッチンには、焦げた匂いと、私の深い、深いため息だけが、重く満ちていた。
もう、何個の卵を無駄にしただろう。何グラムの米粉を、ただの塊に変えてしまっただろう。私の心は、度重なる失敗によって、完全に折れていた。

プロの世界の厳しさ。その、あまりに高く、あまりに険しい壁を、私は今、身をもって知っていた。憧れだけでは、決して越えられない壁が、そこにはあった。

夕暮れが、迫っていた。
秋の日は、つるべ落とし。窓の外は、すでに深いオレンジ色と紫色が混じり合った、物悲しい色に染まっている。
私は、カタン、と力なく、泡立て器をステンレスのカウンターの上に置いた。その無機質な音が、静まり返ったキッチンにやけに大きく響いた。
そして、目の前に積み上げられた、無数の失敗作の山を見つめながら、か細い声で、呟いた。

「私には、無理なのかも、しれない」

その声は、窓の隙間から吹き込んできた冷たい秋風に、かき消されそうなくらい、小さく、そして深い絶望に、満ちていた。

---
*第五話(前編)は、こむぎがシュークリームという大きな壁にぶつかり、絶望するところで幕を閉じます。失敗の原因と、それを乗り越えていく過程は、後編で、より詳しく、ドラマチックに描かれます。そのため、今回は、あえて、完成版のレシピは掲載いたしません。こむぎと共に、試行錯誤の苦しみを、味わっていただければ幸いです。*
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