アストラル・チューニング・ソリューションズ

Gaku

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第5話 アイドル失踪と周波数の密室

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 橘ひかりが、研修生としてATSに出入りするようになってから、一週間が過ぎた。
 七月も半ばに差し掛かり、梅雨は最後の意地を見せるかのように、ぐずぐずとした曇り空を川口の上空に広げている。だが、時折、雲の切れ間から覗く太陽の光は、もはや疑いようもなく「夏」のそれだった。アスファルトに反射する光は白く鋭く、事務所の窓を開ければ、もわりとした湿気と共に、遠くで響く子供たちの声や、青々とした草いきれの匂いが流れ込んでくる。季節は、着実に、しかし少しじれったいほどの速度で、次のステージへと移り変わろうとしていた。

 そして、このATSという俺の職場もまた、新たなステージに突入していた。
「さ、佐藤せんぱい! 来ました、来ましたよ!」
「おお、よしよし、いいぞひかりちゃん! もっとだ、もっとこっちに引き寄せるんだ!」
 事務所の休憩スペースで、俺はエクト・スイーパーを構え、ひかりは満面の笑みで立っている。彼女がにこりと笑うたびに、その天使のようなオーラに引き寄せられて、どこからともなくキラキラとした小型エクト『キラポコ』たちが、ぽわぽわと空間から湧き出してくるのだ。
 これは、ひかりの特異体質を利用した、画期的な『エクトおびき寄せ訓練』である。

「きゅるるる~」「ぴゅい!」
 無邪気にひかりの周りを飛び交うキラポコたちを、俺は心を鬼にしてスイーパーで吸引していく。「ごめんな、悪気はないんだ…これも仕事なんだ…」と、まるでアイドルのファンクラブを強制的に解体しているかのような、途方もない罪悪感に苛まれながら。
 この光景を、ソファに座る鬼頭さんと田中住職が「ほっほっほ、若いのう」と孫を見るような目で見守り、壁際の姫川さんは「もっと効率よくやれんのか、てめえらは」と呆れ、隅っこの犬飼さんは…相変わらず天井の配管と交信していた。平和だ。俺の精神的苦痛を除けば。

 そんな、奇妙だがすっかり日常と化した昼下がり。
 オペレーションルームの電話が、けたたましく鳴り響いた。普段の依頼とは明らかに違う、鋭く、そしてどこかヒステリックなベルの音だ。
 電話を取った周防さんの、いつもはポーカーフェイスな顔が、僅かに目を見開く。
「…はい、アストラル・チューニング・ソリューションズです。…ええ。…はい。…失踪、ですか?」
 失踪。その物騒な単語に、休憩室の空気が一瞬で張り詰めた。
 受話器を置いた周防さんは、こちらへ向き直ると、極めて事務的な、しかしどこか楽しげな声色で告げた。
「皆さん、超ド級の依頼です。クライアントは、西園寺財閥のご令嬢、西園寺かおり様。依頼内容は、国民的アイドル・星野キララさんの捜索。…どうやら、密室から人間が忽然と消えたようです」

***

 俺たちが、場違いという言葉を全身で体現しながら立っていたのは、東京都港区にある、天を突くかのようなタワーマンションのエントランスだった。
 床から天井まで続くガラス窓、磨き上げられた黒大理石の床、コンシェルジュが立つ豪奢なフロントデスク。空調から吹き出す風は、俺の安アパートのそれとは違い、たぶんマイナスイオンとか、なんかそういう健康に良さそうなものが添加されているに違いない。
 ATSのロゴが入った作業着姿の俺たちは、まるで高級フレンチレストランに、泥だらけの長靴で乗り込んできたかのような、圧倒的アウェー感を醸し出していた。

「遅いじゃない。五分も待たせたわよ」
 俺たちの前に現れたのは、シャネルのスーツを完璧に着こなした、気の強そうなお嬢様だった。ウェーブのかかった長い髪に、猫のように吊り上がった大きな瞳。手にしたバーキンのバッグで、俺の月給くらいなら余裕でぶん殴れそうだ。
 西園寺かおり。西園寺財閥の跡取り娘にして、今回失踪したアイドル・星野キララの大親友であり、最大のスポンサー。
「あなたがたね。神代の紹介で連絡したけど、本当にこんな場末の清掃業者みたいな連中に、キララを見つけられるのかしら?」
 開口一番、毒舌全開である。
 俺は「お黙りなさい、お嬢様。そのバーキンで一体何人の人間が救えるとお思いですこと?」と心の中で最大限の敬意を込めて毒づいた。

「神代くんから、話は聞いております」鬼頭さんが、いつもの人の良さそうな笑顔で応じた。「科学でオカルトを解明する、ヤバい連中、でしたかな」
「フン。あの子も、変なことにばかり首を突っ込んで…。でも、もう警察は当てにならない。藁にもすがる思いで、あなたたちに頼るしかないのよ。いいこと? 成功報酬はいくらでも払うわ。でも、失敗したら…どうなるか、分かるわよね?」
 その瞳は、笑っていなかった。本気で親友を心配しているのだ。なるほど、ツンデレというやつか。面倒くさそうだな、と俺の第六感が告げている。

 案内されたのは、最上階のペントハウス。星野キララが住む、城のような一室だった。
 リビングは、白を基調とした、いかにも女の子らしいファンシーな空間だった。フリルのついた巨大なクッションが、ソファに山のように積まれている。あれ、絶対なだれが起きたら窒息死するレベルだ。ガラスのテーブルの上には、飲みかけのハーブティーと、ファッション雑誌が置かれたまま。部屋の隅のアロマディフューザーからは、俺の濁ったオーラとは化学反応を起こして毒ガスになりそうな、甘く清浄な香りが漂っていた。
 数時間前まで、ここにいたはずの国民的アイドルの気配が、生々しく残っている。だが、今は、主を失ったその空間は、がらんとして、どこか寂しげだった。

「警察の鑑識は終わったわ。指紋一つ、荒らされた形跡もなし。監視カメラにも、キララが出入りした記録は一切ない。完全に、密室よ」
 かおりさんが、悔しそうに唇を噛む。
「僕の解析でも、セキュリティログに不正な侵入の形跡は全くありませんでした」
 不意に、リビングに置かれた大型モニターの電源が入り、そこに、プラチナブロンドの生意気な顔が映し出された。天才ハッカー、神代玲だ。どうやら、リモートで参加するらしい。
「つまり、これは物理的にありえない、まさしく『ゴースト』の仕業ってことになりますね。…面白いじゃないですか」
 モニターの向こうで、神代が不敵に笑った。

***

 俺たちは、早速調査を開始した。
「佐藤、ひかりちゃん、現場を頼む。犬飼は結界展開。姫川は俺と機材のチェックだ」
 鬼頭さんの指示に従い、俺とひかりちゃんは、スペクターゴーグルを装着して、キララの部屋を隅々まで見て回ることにした。
「は、はい! 頑張ります、先輩!」
 ひかりちゃんが、ぶんぶんと子犬のように尻尾を振らんばかりの勢いで頷く。その純粋さが、汚れきった俺の心には眩しすぎる。

 ゴーグル越しの世界は、しかし、予想に反して、驚くほど「クリーン」だった。
「…おかしいな。エクトの反応が、ほとんどありません」
 俺の報告に、モニターの向こうの神代が「だろ?」と頷く。
「このマンション、最新の電磁シールドが施されてるんですよ。外部からの不要な周波数を、ほとんどシャットアウトする。エクトも、入り込みにくい構造のはずです」
「じゃあ、一体どうやって…」

 俺は、部屋の奥にある、ウォークインクローゼットへと足を踏み入れた。ブランド物の洋服やバッグが、整然と並べられている。その空間だけ、アイドルの甘い香りがひときわ強く残っていた。
 そして、そのクローゼットの、一番奥。姿見の鏡が置かれた、その一角で、俺は、見覚えのある「違和感」に気づいた。
「…鬼頭さん。これ…」
「どうした?」
「功徳院の時と、似てます。エクトはいない。でも、空間が…ほんの少しだけ、水面みたいに揺らいでる。ピントが合わない感じがします」

 俺の報告に、鬼頭さんの表情が険しくなる。
「空間の歪み…か。やはり、ただの失踪事件じゃなさそうだな」
 その時、インカムから、事務所で古文書を調べている田中住職の声がした。
『鬼頭殿、一つ、気になる記述を見つけましたぞ』
「なんです、ご住職」
『古くから伝わる『神隠し』の伝承です。それによると、『天の川が最も濃くなる夏の夜、そして、特定の星々が直列する刻限に、この世とあの世を繋ぐ『隠り世(かくりよ)の門』が、一瞬だけ開く』とあります。人々は、その時刻には、決して暗い場所や、鏡のある場所に近づいてはならぬ、と…』

 神隠し。隠り世の門。ファンタジーがすぎる。
 だが、その直後、今度は神代が、興奮した声で叫んだ。
「ビンゴ! 見つけましたよ! キララさんが失踪した推定時刻、昨夜の23時11分! このマンション全体で、わずか0.5秒間だけ、原因不明の電力異常が発生しています! 停電というほどじゃない、ごく微弱な周波数の乱れだ! 誰も気づかないレベルの!」

 オカルトと科学。二つの情報が、一つの可能性を示唆していた。
 全ての情報を聞いていた周防さんが、オペレーションルームで、静かに、しかし断定的に結論を下した。

『…理解しました。これは、複合的な要因による、極めて稀な周波数災害です。第一に、田中様のおっしゃる、天体配置による特殊な宇宙線と、地球の地磁気の相互作用。第二に、神代様の発見した、マンションの電気系統の偶発的な周波数サージ。この二つが、昨夜23時11分、このウォークインクローゼットの一点で、奇跡的、あるいは悪魔的な『共鳴』を引き起こしたのです』
「共鳴…?」
『はい。結果として、この場所に、ごく限定的ながら、我々の三次元空間とは位相が完全にズレた、別の空間…一種のポケットディメンションが、一瞬だけ形成された。いわば、『周波数の密室』です。星野キララさんは、その瞬間、偶然にもその場所にいたため、異空間に取り残されてしまった。これが、今回の事件の全容です』

 しーん。
 リビングに、気まずい沈黙が流れた。
 周防さんのあまりにSFな説明に、かおりさんはポカンとし、ひかりちゃんは頭の上に「?」を浮かべている。俺も、半分くらいしか理解できていない。
 沈黙を破ったのは、かおりさんの、震える声だった。
「…そ、それって、つまり…キララは、まだ、その…異空間? とやらに、いるっていうこと!?」
「その可能性が、極めて高いです」と、鬼頭さんが頷いた。

「助けられるの!?」「助けられるんですか!?」
 かおりさんとひかりちゃんの声が、綺麗にハモった。
 鬼頭さんは、ニヤリと、熊のように笑った。
「もちろんです。ATSの仕事は、ズレた周波数を、元に戻すこと。…つまり、『調律』ですからね」

***

 救出作戦は、壮大かつ、輪をかけてドタバタだった。
「いいか! ゲートをこじ開けられるのは、昨夜と同じ、23時11分からの、わずか一分間だけだ!」
 鬼頭さんの檄が飛ぶ。
 周防さんの立てた作戦は、こうだ。
 まず、異空間へのゲートを再び開くため、昨夜以上の莫大なエネルギーで、空間の歪みを強制的に増幅させる。そのためのエネルギーを、神代が外部から供給する。
 そして、ただエネルギーを注ぐだけでは、ゲートは安定しない。そこで、ひかりの持つ特殊な生体周波数を「触媒」として、空間の歪みに直接干渉し、ゲートを安定化させる。
 開いたゲートに、鬼頭さんと姫川さんが突入し、キララを救出する。
 …無茶苦茶だ。まるで、文化祭で巨大ロボットを作る、みたいなノリである。

「電力会社のメインサーバーに侵入完了!」モニターの向こうで、神代が叫ぶ。「いつでもやれますよ! でも、バレたら僕、国際指名手配犯ですけどね!」
「案ずるな、若いの。捕まったら、わしが身元引受人になってやる」と、田中住職が茶をすすっている。いや、そういう問題じゃない。
「ひかり、いけるか?」俺が尋ねると、ひかりちゃんは、こくこくと、力強く頷いた。
「はい! 私、頑張ります!」
 彼女は、空間が歪んでいるクローゼットの前に立つと、両手を胸の前で合わせた。彼女の体から、ピンクと金色のオーラが、これまで以上に強く、そして眩しく放たれる。

「23時10分! 各員、最終準備!」
 周防さんのカウントダウンが始まる。
「神代くん、エネルギー注入、10秒前! 5、4、3、2、1…今!」
「喰らえぇぇぇ! これが僕の愛だ、キララァァァ!」
 神代の絶叫と共に、マンションの照明が一瞬、強く輝いた。びりびり、と空気が震えるのが分かる。
「ひかりちゃん、今だ!」
「はあああああああっ!」
 ひかりのオーラが、空間の歪みへと注ぎ込まれる。すると、何もなかったはずの空間が、まるで水面に石を投げ込んだかのように、ぐにゃりと歪み、黒い円形の『穴』が、じわじわと開き始めた。

「ゲート展開! 安定まであと15秒!」
「よし、行くぞ姫川!」
「おう!」
 鬼頭さんと姫川さんが、ゲートの前で突入のタイミングを計る。
 だが、その時だった。開いたゲートから、黒い靄のようなものが溢れ出し、蛇のように、触媒となっているひかりちゃんに襲いかかろうとした。
「しまっ…!」
「させん!」
 俺と犬飼さんが、同時に動いた。俺はひかりちゃんを突き飛ばして庇い、犬飼さんは、ゲートとの間に割って入って、防御結界を展開した。
「ぐっ…!」犬飼さんの顔が苦痛に歪む。

「ゲート安定! 突入!」
 周防さんの声が響く。
「あとは頼んだぜ、お前ら!」
 鬼頭さんと姫川さんが、躊躇なく、その黒い穴の中へと飛び込んでいった。

 ゲートの向こうは、奇妙な空間だった。
 色という概念がなく、すべてがモノクロームの濃淡だけで構成されている。音もなく、空気の流れも感じない。まるで、時間が停止した、古い白黒フィルムの中に迷い込んだかのようだ。
 その無音の世界の中心で、一人の少女が、膝を抱えてうずくまっていた。
「キララ!」
 鬼頭さんの声に、彼女はゆっくりと顔を上げた。国民的アイドル、星野キララ。その顔は、絶望と恐怖に彩られていた。
「…鬼…頭…さん…?」
 なぜ名前を? 鬼頭は一瞬いぶかしんだが、今はそれどころではない。
「助けに来た! 行くぞ!」
 鬼頭さんが彼女の手を掴み、姫川さんが周囲を警戒する。そして、三人は、再びゲートへと向かって走り出した。

***

 数分後。
 俺たちの目の前のゲートから、鬼頭さん、姫川さん、そして、気を失ったキララを抱えた三人が、転がり込むように帰還した。
 その直後、ゲートは、まるで役目を終えたかのように、静かに、そして急速に収縮し、跡形もなく消え去った。

「…キララ! しっかりして!」
 かおりさんが、親友の元へ駆け寄る。
「…ん…かおり…ちゃん…?」
 キララは、ゆっくりと目を開けると、現状を理解し、かおりさんに抱きついて、子供のように泣きじゃくった。
 それを見て、俺たちは、誰ともなく、安堵の息を漏らした。

 事務所への帰り道。
 ハイエースの車内は、奇妙な達成感と、心地よい疲労感に満ちていた。
 後日、西園寺かおりから、俺の生涯年収を軽く超える額の成功報酬が振り込まれたらしい。そして、彼女はATSの活動の最大のスポンサーになることを宣言し、一命を取り留めた星野キララもまた、「私にも、何か手伝えることはありませんか?」と、目を輝かせて言ってきたという。

 天才ハッカーに、知識豊富な住職、エクト惹きつけ体質の女子高生。
 そして、今度は、大富豪の令嬢と、国民的アイドル。
 俺は、後部座席で静かに天を仰いだ。

「なんで俺の周り、どんどん濃いキャラが増えていくんだ…? 俺、ただ、平穏に五十万稼ぎたいだけなんですけど…」

 俺の嘆きは、夏の夜の騒音に、虚しく溶けて消えていった。

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