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第11話 川口デッドロック -絶望の鉄槌-
しおりを挟む神代玲が、敵の牙城に打ち込んだ反撃の楔。その情報が、一つの座標を指し示したのは、あのサイバー攻撃から一週間が過ぎた、八月下旬のことだった。
夏の終わりを告げるかのように、ツクツクボウシが鳴き始め、朝晩の風には、ほんの僅かだが、秋の涼やかさが混じるようになった。空に浮かぶ雲も、もくもくと力強い入道雲から、薄く引き伸ばされたような、どこか寂しげな巻雲へと、その主役を交代しつつあった。季節は、確かに、次の章へとページをめくろうとしている。そして、俺たちの戦いもまた、新たなフェーズへと移行しようとしていた。
「特定したぜ」
事務所の大型モニターに、川口市の詳細な航空写真と、赤く点滅する一つのポイントを映し出し、神代は、まるで獲物を見つけた鷹のように、鋭い笑みを浮かべた。
「敵のアジトは、ここだ。川口市北部、荒川沿いに位置する、旧・第一治水施設。二十年以上前に閉鎖された、巨大なコンクリートの塊だ。格好の隠れ家じゃねえか」
神代の言葉に、事務所の空気が、一気に熱を帯びた。
これまで、ずっと受け身だった俺たちが、初めて、こちらから仕掛けることができる。その事実は、俺たちに、十分すぎるほどの高揚感と、そして、かすかな緊張感を与えていた。
「よし!」姫川さんが、両腕のガントレットを、カシャン!と打ち鳴らした。「いよいよ、殴り込みだな! 私のこの『アイアンクロー改』が、火を噴くぜ!」
「姫川殿、それは、ただの電磁パルス発生装置では…」
「うるせえ、ご住職! 男のロマンが分からんのか!」
作戦決行は、三日後と決まった。それまでの間、俺たちは、それぞれの持ち場で、来るべき戦いに向けて、準備を進めることになった。
作戦決行前夜。
その日の夜は、不思議なほど、風が凪いでいた。湿気を含んだ夏の夜の空気が、街全体を優しく包み込んでいる。俺たちは、事務所の屋上で、ささやかな決起集会を開いていた。といっても、鬼頭さんが買ってきた、コンビニの線香花火をするだけだったが。
チリチリチリ…。
小さな、赤い火の玉が、儚い火花を散らし始める。その、あまりにもささやかで、美しい光を、俺たちは、ただ黙って見つめていた。
「…綺麗ですね、先輩」
隣に座るひかりちゃんが、ぽつりと呟いた。彼女の横顔が、線香花火の淡い光に照らされて、いつもより、少しだけ、大人びて見えた。
「ああ…そうだな」
「私…怖いです。明日、どうなるんだろうって思うと…。でも、不思議と、逃げ出したいとは思わないんです。みんなと一緒だから。…先輩と、一緒だから」
「…ひかりちゃん」
「私、絶対に、みんなの役に立ってみせますから!」
彼女の、まっすぐな瞳。俺は、その瞳から、視線を逸らすことしかできなかった。この子の、この想いに、俺は、応えられるだけの資格があるのだろうか。
パチッ、と、最後の火花が弾け、小さな火の玉が、ぽとりと、地面に落ちた。
後に残されたのは、火薬の匂いと、深い、夏の夜の静寂だけだった。
***
作戦決行当日。
空は、まるで俺たちの心の内を映したかのように、分厚い、鉛色の雲に覆われていた。時折、その雲の隙間から、ナイフのように鋭い太陽光が差し込み、地上に奇妙なまだら模様を描き出す。遠くで、ゴロゴロと、低い雷鳴が響いている。ゲリラ豪雨でも来るのか。じっとりとした、不快な風が、俺たちの頬を撫でていった。
ハイエースで向かった旧・第一治水施設は、荒川の土手沿いに、まるで巨大な怪物の死骸のように、ひっそりと横たわっていた。
高くそびえるコンクリートの壁は、雨風に晒され、黒く変色している。窓という窓は、分厚い鉄板で塞がれ、敷地の周りを囲む金網フェンスは、所々が錆びつき、伸び放題の雑草に飲み込まれかけていた。人の気配は、全くない。ただ、川を渡る風が、錆びた鉄扉を「ギィ…」と、気味悪く軋ませる音だけが、辺りに響いていた。
「…気味の悪い場所だな」
「ああ」鬼頭さんが頷く。「だが、隠れ家としては、これ以上ない。行くぞ」
今回の作戦は、二手に分かれる。
鬼頭さん、姫川さん、犬飼さん、そして俺の四人が、潜入・戦闘を担当する『アタックチーム』。
ひかり、周防、神代、そして、顧問として田中住職と、スポンサーとしてかおりさんが、ハイエース内の司令室で後方支援を担当する『サポートチーム』だ。キララは、万が一のことを考え、安全な場所で待機している。
『こちら神代。施設のセキュリティシステム、掌握した。メインゲートのロックを解除する。…いつでも、どうぞ』
インカムから、神代の声が聞こえる。
重い、重い鉄の扉が、ゆっくりと、地響きのような音を立てて開いていく。
俺たちは、その、暗い口を開けた獣の喉の奥へと、一歩、また一歩と、足を踏み入れていった。
施設内部は、想像以上に、静まり返っていた。
高い天井、だだっ広い、がらんとした空間。壁際には、今はもう動かない、巨大なポンプや、制御盤の残骸が、巨大な墓石のように並んでいる。床に溜まった水たまりが、天井の非常灯の赤い光を、不気味に反射していた。
「…おかしい」姫川さんが、訝しげに呟いた。「静かすぎる。エクトの反応も、ほとんどない」
「ああ。まるで、客人を歓迎しているかのようだ」
鬼頭さんの言葉。
その、言葉が終わるか、終わらないかの、瞬間だった。
ガシャァァァァン!!
凄まじい轟音と共に、俺たちが入ってきた鉄の扉が、分厚いシャッターで完全に封鎖された。同時に、施設内の全ての出口が、次々と閉鎖されていく。
『鬼頭さん! 罠です!』周防さんの悲鳴のような声が、インカムに響く。『施設全体が、強力な周波数結界で覆われました! 外部からの干渉は、不可能です!』
「…やはりな」
鬼頭さんが、苦々しげに吐き捨てた。
「まんまと、誘い込まれたってわけか…!」
***
それは、もはや、罠というより、処刑場だった。
俺たちの退路が断たれた、その瞬間。
それまで、空っぽだったはずの空間の、四方八方の壁から、天井から、床から、まるで、黒い染みが滲み出すかのように、無数の『黒いエクト』が、その姿を現したのだ。
その数は、この前の商業施設の比ではない。千は、下らないだろう。
さらに、俺たちを、絶望の淵へと叩き落とす事態が発生した。
『ぐっ…! スペクターに、強烈なノイズが…!』
俺のゴーグルの視界が、砂嵐のように乱れ、敵の姿を正確に捉えることができない。
「くそっ、この施設全体が、俺たちの装備を無力化するための、妨害装置になってやがる!」
姫川さんのキャプチャーガンも、青白い光が弱々しく明滅し、本来の威力が出ないようだった。
そして、その、絶望的な光景を、見下ろすように。
施設の最上階のキャットウォークに、一体の、人影が、すっと現れた。
それは、物理的な体を持たない、半透明の、ホログラムか、あるいは精神投射体のようなものだった。だが、その顔は、鬼頭さんが、そして、俺たち全員が、知っている顔。
長い黒髪を風に遊ばせ、白衣のようなコートを身にまとった、天才科学者。
夜月景。
「——やあ、待っていたよ、鬼頭。そして、ATSの諸君」
夜月の声は、穏やかだった。だが、その響きには、神の視点から、愚かな人間を見下すかのような、絶対的な傲慢さが含まれていた。
「君たちが、私の仕掛けた、ささやかな罠に、気づいてくれると信じていたよ。君たちのサイバー戦能力、そして、私のスパイウェアを発見するまでの時間。その全てのデータは、私の予測通りだった。素晴らしい。実に、素晴らしいよ」
「夜月…! てめえ!」鬼頭さんが、憎しみを込めて叫ぶ。
「まあ、そう興奮するな。今日は、君たちと、少し、ゲームがしたくてね」
夜月は、まるで、指揮者がタクトを振るうかのように、優雅に、その手を動かした。
「この場所は、君たちを葬るために、私が用意した、特別な実験場だ。君たちの能力、戦術、そして、極限状態に追い込まれた時に見せる、その『本気』。その全てのデータを、私は、ここで、完璧に収集させてもらう。私の、新たなる世界の、礎となってもらうためにね」
こいつの目的は、最初から、俺たちをおびき寄せ、その戦闘データを、根こそぎ奪い取ることだったのだ。
そして、用が済めば、ここで、俺たちを、皆殺しにするつもりなのだ。
***
そこからの戦闘は、もはや、地獄という言葉ですら、生ぬるかった。
数の暴力。能力の無効化。そして、敵の、完璧に統率された、冷酷な戦術。
俺たちは、なすすべもなく、じわじわと、追い詰められていった。
「くそっ! ガントレットの出力が、30%まで落ちてやがる!」
姫川さんの攻撃は、黒いエクトの硬い装甲に、弾かれてしまう。
「結界が…持ちません…!」
犬飼さんの防御結界も、四方八方からの集中攻撃を受け、今にも砕け散りそうだった。
俺にできることなど、もはや、何もなかった。エクト・スイーパーは、ただの重い鉄の塊と化し、俺は、先輩たちの後ろで、震えながら、歯を食いしばることしかできない。
「そうだ…! もっと、もっとだ、鬼頭!」
キャットウォークの上から、夜月の、恍惚とした声が響く。
「もっと、君の、その奥に隠している、醜く、そして、美しい『力』を、見せてくれ! あの日のように!」
「うおおおおおおおおっ!」
鬼頭さんが、ついに、吠えた。
仲間の窮地を前に、彼の体から、あの、赤黒い、禍々しいオーラが、奔流となって、噴き出した。
「犬飼、アレを使うぞ…!」
「鬼頭さん、ダメだ! それは、夜月の思う壺だ!」
犬飼さんの制止も、もはや、鬼頭さんの耳には届いていない。彼の瞳は、怒りと、憎しみで、赤く染まっている。
鬼頭さんは、キャプチャーガンの、禁断のリミッターへと、その手を、伸ばした。
そうだ、それが見たかったんだ! と、夜月が、歓喜の声を上げようとした、その時。
「——リーダーに、全部、背負わせるんじゃ…ないわよッ!!」
叫び声と共に、俺の目の前に、姫川さんが、飛び込んできた。
彼女は、鬼頭さんを庇うように、その前に立ちはだかった。
「姫川! よせ!」
「あんたが、それを使ったら、あんたは、もう、元には戻れない…。だったら、あたしが…!」
彼女は、破損したガントレットを、無理やり、最大出力で暴走させた。
「喰らいやがれぇぇぇぇ!」
ガントレットから、凄まじい光が放たれ、前方の黒いエクトの群れを、一瞬にして、吹き飛ばした。
だが、その、一瞬の隙。
背後から忍び寄っていた、別のエクトの、鋭い、鎌のような一撃が、無防備になった彼女の、その脇腹を、深く、深く、貫いた。
——ザシュッ。
鈍い、肉を裂く音。
スローモーションのように、姫川さんの体が、ゆっくりと、崩れ落ちていく。
彼女の口から、真っ赤な、血が、こぼれ落ちた。
「…が…はっ…」
「ひめ…かわ…?」
鬼頭さんの、呆然とした声。
「姫川さーーーーーーーーん!!」
俺の、絶叫が、虚しく、その、絶望的な空間に、響き渡った。
***
「…撤退する!!」
姫川さんが倒れたことで、鬼頭さんは、ギリギリのところで、我に返った。
「全員、何としてでも、生きてもう一度、ここに来るぞ! 聞こえるか、周防、神代! 強制的に、この結界に穴を開けろ! 何でもいい! やれ!」
『…了解!』
ハイエースの司令室も、パニック状態だった。
『施設のメイン電源に、ありったけのウイルスを送り込む! 暴走させて、オーバーロードさせる! 一瞬しか、持たないぞ!』
神代が、悲痛な声で叫ぶ。
『ひかり! キララ! あんたたちの周波数を、最大で、外にいるエクトにぶつけろ! 陽動だ!』
数秒後。
施設全体が、地響きと共に、激しく揺れた。電源が暴走し、照明が火花を散らして弾け飛ぶ。そして、俺たちを閉じ込めていた結界の一部に、ほんの一瞬だけ、亀裂が入った。
「今だ! 行けえええええ!」
鬼頭さんが、倒れた姫川さんを担ぎ上げる。犬飼さんが、俺の腕を掴んで、引っ張る。
俺たちは、文字通り、満身創痍で、命からがら、その地獄から、転がり出た。
背後で、夜月の、残念そうな、しかし、満足げな声が、聞こえた気がした。
『素晴らしいデータだったよ、鬼頭…。また、遊ぼうじゃないか』
事務所に戻った時、空は、すっかり、暗くなっていた。
姫川さんは、幸い、一命は取り留めた。だが、その傷は、あまりにも、深く、彼女は、しばらく、戦線から離脱せざるを得なくなった。
チームは、初めて、本当の意味での『敗北』を喫した。
事務所には、これまでにないほどの、重く、冷たく、そして、絶望的な空気が、立ち込めていた。
俺は、ただ、自分の無力さを、噛み締めることしかできなかった。
自分の、血の味がする唇を、強く、強く、握りしめることしか、できなかった。
俺たちの、短い夏は、今日、ここで、終わったのだ。
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