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概念使いの憂鬱と言語化不能な太陽
第2話:特異点(シンギュラリティ)による因果律干渉
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五月。 大気中の水分含有量が上昇し、紙媒体の保存状態に深刻な懸念が生じ始めるこの季節。教室内の湿度とともに、スクールカースト上位層の「他者への干渉欲求」もまた、不快指数と比例して上昇傾向にあった。
昼休み。それは僕にとって、一日の中で最も警戒レベルを引き上げなければならない時間帯(レッド・ゾーン)だ。 僕は自席で、コンビニで購入した栄養補給物質(おにぎり)を摂取しながら、視線を斜め45度の机上に固定していた。そこには、展開された結界――ライトノベル『星詠みの魔導騎士』第7巻がある。 周囲のノイズを遮断し、意識をテクストの彼方へとダイブさせる。それだけが、この過酷な現実空間で自我を保つ唯一の防衛術式(プロトコル)だった。
だが、その日は違った。 不穏な影が、僕の聖域(サンクチュアリ)に落ちた。
「なあ、秋葉ー。お前さあ、またそんなオタクみたいなの読んでんの?」
心拍数が急上昇する。背後からの接近を許した。敵性存在の識別信号――クラスのヒエラルキー上位に位置する、いわゆる「イケてる」男子三人組。 彼らの放つ嘲笑の周波数が、僕の鼓膜を不快に震わせる。
(……反応してはいけない。これはただの環境ノイズだ。嵐が過ぎ去るのを待つ植生のように、ただ耐えるんだ)
僕は脊髄反射で防御態勢(サイレント・モード)に入った。身体を硬直させ、視線を落とす。反論などという選択肢は、僕のコマンドリストには存在しない。彼らの目的は「コミュニケーション」ではなく、「優越感の搾取」なのだから。
「つーかさ、カバンのこれ、何? このピンク頭の女」
――ッ!? あろうことか、彼らの穢れた指先が、僕の鞄にぶら下げていた聖遺物(アーティファクト)に触れた。 それは、ヒロイン・リリアンヌの限定アクリルキーホルダー。僕が始発列車に乗り込み、極寒の待機列という試練を乗り越えて手に入れた、魂の結晶だ。
「うわ、なにこれ。絵じゃん。こんなのに興奮してんの? ロリコンじゃん。やっべー、マジ引くわー」
思考回路が白熱する。 違う。それは単なる「絵」ではない。彼女は、高潔な精神と過酷な運命を背負った、尊ぶべき存在なのだ。それを、お前たちごときが、汚い言葉で定義するな。 だが、声が出ない。 喉の奥で言葉が凝固し、呼吸すら浅くなる。 悔しさ、恐怖、そして何より、自分の大切なものを守る言葉ひとつ紡げない己の無力さへの絶望。それらが混ざり合ったどす黒い感情が、胃の腑で渦を巻く。
(……誰か。誰か、この理不尽なイベントをスキップしてくれ)
視界の端に、斜め後ろの席の水無月さんが映った。彼女もまた、食事の手を止め、石像のように固まっている。 そうだ。誰も助けてなどくれない。彼女も、僕も、この教室という生態系においては、捕食されるのを待つだけのプランクトンに過ぎないのだ。
僕の世界が、灰色に塗りつぶされようとしていた、その時。
「――お前ら、何してんの?」
その声は、重苦しい空気を一刀両断するビームサーベルのように、鮮やかに響いた。 朝陽輝。 あの、理解不能な太陽が、いつの間にか僕たちの傍らに立っていた。
(……終わった) 僕は絶望的な未来予測演算(シミュレーション)を完了した。 カースト頂点の彼が加われば、嘲笑の火力は倍増する。僕は教室という居場所を完全にロストし、リスポーン不可能なダメージを負うだろう。
しかし。 彼は、僕の予測演算を、根底から覆した。
「へえ、そのアニメ、面白そうじゃん! 俺、見たことねえや。なんていうタイトルのやつ?」
……は? 時が止まった。 いじめっ子たちも、水無月さんも、そして僕自身も。全員のCPUが同時にフリーズした。 彼は、いじめっ子たちを咎めるでもなく、僕を憐れむでもなく。 ただ純粋に、僕のキーホルダーを――リリアンヌを、まるでショーケースの宝石でも見るような、キラキラした瞳で覗き込んでいたのだ。
「な、なんだよ、朝陽……。俺をからかうのは、やめろよ……」
僕の口から漏れたのは、情けないほどの疑心暗鬼だった。信じられない。この世界に、僕の趣味(サンクチュアリ)に対して、そんな純度100%の好意的関心を向ける「陽キャ」が存在するはずがない。これは高度なトラップだ。
「からかってねえよ。マジで。だってさ、その子、なんかすげーでかい武器持ってんじゃん。何それ、剣? もしかしてビームとか出るの?」
本気(ガチ)だ。 彼の瞳孔が開いている。興味のベクトルが、完全に「僕というオタク」ではなく「コンテンツそのもの」に向いている。 いじめっ子たちが、毒気を抜かれたように去っていく気配がした。彼らの形成していた「嘲笑のフィールド」が、輝という規格外の質量を持つ天体の接近によって、霧散したのだ。
後に残されたのは、僕の目の前で、リリアンヌの剣を指差し、少年のように目を輝かせる太陽だけ。
「で、どうなの? 結局、このピンク髪の子、強いの?」
その問いかけが、僕の心の奥底にある、分厚い扉をノックした。 語りたい。 誰かに、彼女の、この作品の素晴らしさを、共有したい。 そんな、オタクとして根源的な欲求が、恐怖というリミッターを解除させた。
「……え、あ……うん。彼女は、星詠みの魔導騎士、リリアンヌ・フォン・シュバルツシルト……。この聖剣『アストラルゲイザー』は……」
早口になる。止まらない。 普段なら絶対に口にしない専門用語(ジャーゴン)が、堰を切ったように溢れ出す。 輝くんは、それを引くどころか、「すげえ!」「カッケー!」と、相槌という名の燃料を投下し続ける。 なんだ、この空間は。 こんな優しい世界線が、3次元に存在していいのか。
僕が「因果を断ち切る」という概念について熱弁を振るっていると、不意に、輝くんが背後を振り返った。
「なあ、水無月! お前も聞いとけよ! このリリアンヌって子、マジでヤバいぞ! 聖剣から、因果を断ち切るビームが出るんだって!」
巻き込まれたのは、石化していたはずの水無月さんだった。 彼女は、あろうことか、僕の狂った講義の断片を、反芻した。
「……因果を、断ち切る……」
その時の彼女の表情は、困惑とも、呆れともつかないものだったが、拒絶の色はなかった。 そして輝くんは笑った。「俺の赤点の因果も断ち切ってほしい」と。
その瞬間、僕は悟った。 朝陽輝という存在は、僕の警戒していた「リア充」などというカテゴリに収まる器ではない。 彼は、あらゆる属性(ジャンル)の壁を無効化する、ユニバーサル・インターフェースなのだ。 僕の聖域(サンクチュアリ)は、侵略されたのではない。 彼によって、「外の世界」へと接続(コネクト)されたのだ。
昼休みが終わる予鈴が鳴る。 僕の胸の高鳴りは、恐怖による頻脈から、未知の興奮による鼓動へと、完全に置換されていた。
昼休み。それは僕にとって、一日の中で最も警戒レベルを引き上げなければならない時間帯(レッド・ゾーン)だ。 僕は自席で、コンビニで購入した栄養補給物質(おにぎり)を摂取しながら、視線を斜め45度の机上に固定していた。そこには、展開された結界――ライトノベル『星詠みの魔導騎士』第7巻がある。 周囲のノイズを遮断し、意識をテクストの彼方へとダイブさせる。それだけが、この過酷な現実空間で自我を保つ唯一の防衛術式(プロトコル)だった。
だが、その日は違った。 不穏な影が、僕の聖域(サンクチュアリ)に落ちた。
「なあ、秋葉ー。お前さあ、またそんなオタクみたいなの読んでんの?」
心拍数が急上昇する。背後からの接近を許した。敵性存在の識別信号――クラスのヒエラルキー上位に位置する、いわゆる「イケてる」男子三人組。 彼らの放つ嘲笑の周波数が、僕の鼓膜を不快に震わせる。
(……反応してはいけない。これはただの環境ノイズだ。嵐が過ぎ去るのを待つ植生のように、ただ耐えるんだ)
僕は脊髄反射で防御態勢(サイレント・モード)に入った。身体を硬直させ、視線を落とす。反論などという選択肢は、僕のコマンドリストには存在しない。彼らの目的は「コミュニケーション」ではなく、「優越感の搾取」なのだから。
「つーかさ、カバンのこれ、何? このピンク頭の女」
――ッ!? あろうことか、彼らの穢れた指先が、僕の鞄にぶら下げていた聖遺物(アーティファクト)に触れた。 それは、ヒロイン・リリアンヌの限定アクリルキーホルダー。僕が始発列車に乗り込み、極寒の待機列という試練を乗り越えて手に入れた、魂の結晶だ。
「うわ、なにこれ。絵じゃん。こんなのに興奮してんの? ロリコンじゃん。やっべー、マジ引くわー」
思考回路が白熱する。 違う。それは単なる「絵」ではない。彼女は、高潔な精神と過酷な運命を背負った、尊ぶべき存在なのだ。それを、お前たちごときが、汚い言葉で定義するな。 だが、声が出ない。 喉の奥で言葉が凝固し、呼吸すら浅くなる。 悔しさ、恐怖、そして何より、自分の大切なものを守る言葉ひとつ紡げない己の無力さへの絶望。それらが混ざり合ったどす黒い感情が、胃の腑で渦を巻く。
(……誰か。誰か、この理不尽なイベントをスキップしてくれ)
視界の端に、斜め後ろの席の水無月さんが映った。彼女もまた、食事の手を止め、石像のように固まっている。 そうだ。誰も助けてなどくれない。彼女も、僕も、この教室という生態系においては、捕食されるのを待つだけのプランクトンに過ぎないのだ。
僕の世界が、灰色に塗りつぶされようとしていた、その時。
「――お前ら、何してんの?」
その声は、重苦しい空気を一刀両断するビームサーベルのように、鮮やかに響いた。 朝陽輝。 あの、理解不能な太陽が、いつの間にか僕たちの傍らに立っていた。
(……終わった) 僕は絶望的な未来予測演算(シミュレーション)を完了した。 カースト頂点の彼が加われば、嘲笑の火力は倍増する。僕は教室という居場所を完全にロストし、リスポーン不可能なダメージを負うだろう。
しかし。 彼は、僕の予測演算を、根底から覆した。
「へえ、そのアニメ、面白そうじゃん! 俺、見たことねえや。なんていうタイトルのやつ?」
……は? 時が止まった。 いじめっ子たちも、水無月さんも、そして僕自身も。全員のCPUが同時にフリーズした。 彼は、いじめっ子たちを咎めるでもなく、僕を憐れむでもなく。 ただ純粋に、僕のキーホルダーを――リリアンヌを、まるでショーケースの宝石でも見るような、キラキラした瞳で覗き込んでいたのだ。
「な、なんだよ、朝陽……。俺をからかうのは、やめろよ……」
僕の口から漏れたのは、情けないほどの疑心暗鬼だった。信じられない。この世界に、僕の趣味(サンクチュアリ)に対して、そんな純度100%の好意的関心を向ける「陽キャ」が存在するはずがない。これは高度なトラップだ。
「からかってねえよ。マジで。だってさ、その子、なんかすげーでかい武器持ってんじゃん。何それ、剣? もしかしてビームとか出るの?」
本気(ガチ)だ。 彼の瞳孔が開いている。興味のベクトルが、完全に「僕というオタク」ではなく「コンテンツそのもの」に向いている。 いじめっ子たちが、毒気を抜かれたように去っていく気配がした。彼らの形成していた「嘲笑のフィールド」が、輝という規格外の質量を持つ天体の接近によって、霧散したのだ。
後に残されたのは、僕の目の前で、リリアンヌの剣を指差し、少年のように目を輝かせる太陽だけ。
「で、どうなの? 結局、このピンク髪の子、強いの?」
その問いかけが、僕の心の奥底にある、分厚い扉をノックした。 語りたい。 誰かに、彼女の、この作品の素晴らしさを、共有したい。 そんな、オタクとして根源的な欲求が、恐怖というリミッターを解除させた。
「……え、あ……うん。彼女は、星詠みの魔導騎士、リリアンヌ・フォン・シュバルツシルト……。この聖剣『アストラルゲイザー』は……」
早口になる。止まらない。 普段なら絶対に口にしない専門用語(ジャーゴン)が、堰を切ったように溢れ出す。 輝くんは、それを引くどころか、「すげえ!」「カッケー!」と、相槌という名の燃料を投下し続ける。 なんだ、この空間は。 こんな優しい世界線が、3次元に存在していいのか。
僕が「因果を断ち切る」という概念について熱弁を振るっていると、不意に、輝くんが背後を振り返った。
「なあ、水無月! お前も聞いとけよ! このリリアンヌって子、マジでヤバいぞ! 聖剣から、因果を断ち切るビームが出るんだって!」
巻き込まれたのは、石化していたはずの水無月さんだった。 彼女は、あろうことか、僕の狂った講義の断片を、反芻した。
「……因果を、断ち切る……」
その時の彼女の表情は、困惑とも、呆れともつかないものだったが、拒絶の色はなかった。 そして輝くんは笑った。「俺の赤点の因果も断ち切ってほしい」と。
その瞬間、僕は悟った。 朝陽輝という存在は、僕の警戒していた「リア充」などというカテゴリに収まる器ではない。 彼は、あらゆる属性(ジャンル)の壁を無効化する、ユニバーサル・インターフェースなのだ。 僕の聖域(サンクチュアリ)は、侵略されたのではない。 彼によって、「外の世界」へと接続(コネクト)されたのだ。
昼休みが終わる予鈴が鳴る。 僕の胸の高鳴りは、恐怖による頻脈から、未知の興奮による鼓動へと、完全に置換されていた。
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