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王子の鎧、あるいは泥だらけの王冠
第3話:砕け散る偶像、夕暮れの断罪
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十月。空は高く、残酷なほどに青かった。 金木犀の甘い香りが風に乗って漂ってくる。それは普段なら秋の訪れを告げる心地よい香りだが、今日に限っては、僕の胃の腑を締め付ける不快な刺激でしかなかった。
全国高校サッカー選手権、県予選準決勝。 グラウンドを取り囲む全校生徒の視線。ブラスバンドの重低音。黄色い歓声。それらすべてが、巨大な圧力となって僕の身体にのしかかっていた。
「颯太先輩、頑張ってください!」 「冬馬、お前ならいける!」
わかっている。 僕は冬馬颯太。このチームのエースストライカー。僕が点を取らなければ、三年生の夏は終わる。僕がヒーローでなければ、この物語はハッピーエンドにはならない。 僕の足は、いつものように軽くはなかった。まるで泥沼の中を走っているかのように重い。それでも僕は走った。完璧なコース取り、完璧なトラップ、完璧なパス。観客席からどよめきが起きるたび、僕は「完璧な冬馬くん」を演じ続けることができた。
だが、現実はドラマの脚本通りには進まない。 後半終了間際、ロスタイム。スコアは0対1。 一点ビハインドの絶望的な状況で、僕たちはPK(ペナルティキック)のチャンスを得た。
審判の笛が鳴り、ボールをセットする。 白いペナルティスポット。そこからゴールまでの距離は、わずか十一メートル。 普段なら、目をつぶっていても決められる距離だ。 しかし、今の僕には、そのゴールマウスが針の穴のように小さく、遥か彼方にあるように見えた。
(決めれば、同点。外せば、終わり)
静寂。 数百人の視線が、僕の背中に突き刺さる。 怖い。 初めて、明確にそう思った。足が震えそうになるのを、必死に太ももに力を入れて抑え込む。僕はヒーローだ。ヒーローは震えない。
助走をつける。 キーパーの重心が、左に動いたのが見えた。 逆だ。右隅。そこに流し込めば、入る。
インパクトの瞬間。 芝生に足を取られたわけではない。風が吹いたわけでもない。 ただ、僕の身体が、一瞬だけ、恐怖で硬直した。
ボールは僕の足から離れ、キーパーの指先をすり抜けた。 ――そして、ゴールの右ポストの、わずか数センチ外側を、虚しく通過していった。
「あ……」
誰かの、息を呑む声が聞こえた気がした。 ボールがゴールの裏のネットではなく、フェンスに当たって跳ね返る音。 直後、試合終了のホイッスルが、秋空を引き裂くように響き渡った。
終わった。 僕のせいで。
グラウンドに崩れ落ちるチームメイト。号泣する三年生の先輩たち。 僕は、膝をつくことさえ許されなかった。呆然と立ち尽くす僕の周りに、重苦しい空気が沈殿していく。
「ドンマイ、冬馬くん!」 「惜しかったよ! 颯太くんのせいじゃない!」 「感動をありがとう!」
観客席から、そして泣いているチームメイトから、次々と「優しい言葉」が投げかけられる。 やめてくれ。 責めてくれよ。怒鳴ってくれよ。「お前のせいで負けたんだ」と、胸ぐらを掴んで殴ってくれよ。 その優しさは、僕を「悲劇のヒーロー」という檻の中に閉じ込めるための、残酷な鎖だった。僕は泣くことも、叫ぶこともできず、ただ能面のような顔で、「すみません」と頭を下げることしかできなかった。
その時だった。 その、吐き気がするほど優しい空気を切り裂いて、とんでもなく無神経な声が響いたのは。
「――おい、冬馬ァ! 今の、ダッセーぞ!」
時が止まった。 グラウンド中の視線が、声の主――朝陽輝に集中する。 彼は、スタンドの最前列で、メガホンも使わずに叫んでいた。
ダッセー。 一番、言われたくない言葉だった。 一番、僕が恐れていた評価だった。 周囲からは「ひどい」「空気読め」と非難の声が上がる。でも、僕はなぜか、その言葉を聞いた瞬間、凍りついていた心臓が、ドクン、と大きく脈打つのを感じた。
放課後。 誰もいなくなった夕暮れのグラウンド。 僕はユニフォームのまま、泥だらけになって、一人でボールを蹴っていた。帰れなかった。このまま家に帰って、温かい風呂に入り、親に慰められるなんて、許されるはずがなかった。
「おい。一対一、やろうぜ」
背後から声がした。輝だった。 彼は制服のまま、ズカズカとグラウンドに入ってきた。 「……なんだよ。笑いに来たのか」 「は? んなわけねーだろ。公式戦で負けたからって、俺相手でも、また負けるのが怖いのか?」
挑発。 僕の中の何かが、プツリと切れた。 「……いいよ。やってやるよ」
そこからは、サッカーではなかった。 ただの、取っ組み合いのようなボールの奪い合い。 彼は、遠慮も手加減もなく、身体をぶつけてきた。僕も、なりふり構わず、彼を押しのけ、ボールを追った。 綺麗なドリブルなんていらない。戦術なんて関係ない。ただ、目の前のこいつに負けたくない。その本能だけで、僕は走った。
「どうした、冬馬! 全然、楽しくなさそうじゃんか!」 輝が、息を切らしながら叫ぶ。 「お前、誰のためにサッカーやってんだよ! 学校のためか!? ファンの女子か!? 先輩のためか!?」
その言葉が、僕の喉元まで出かかっていた蓋を、完全に吹き飛ばした。
「……うるさい!」
僕は吠えた。こんな大声を出したのは、生まれて初めてだったかもしれない。
「お前に、何がわかるんだよ! 俺が外したせいで、全部終わったんだぞ! 俺がエースだから! 俺が決めなきゃいけなかったんだ!」
叫びながら、僕は右足を振り抜いた。 ゴールなんて見ていなかった。ただ、自分の中にあるドロドロとした感情の塊を、すべてボールに乗せて叩きつけた。
ボールは、唸りを上げてゴールネットに突き刺さった。 今日一番の、いや、僕の人生で一番の、強烈なシュートだった。
僕は、その場に崩れ落ちた。 肩で息をする。肺が焼けるように熱い。 視界が滲む。汗なのか、涙なのか、わからなかった。 輝も、大の字になって僕の横に倒れ込んだ。
「……ははっ」 輝の笑い声が聞こえた。 「やっぱ、お前、すげえな。あのシュート、マジでビビったわ」
彼は、空を見上げたまま言った。 「……今の顔、さっきの試合の、百万倍、いい顔、してんぜ」
その言葉を聞いた瞬間、僕の目から、堰を切ったように涙が溢れ出した。 「う、あああ……っ!」 嗚咽が止まらない。みっともない声が出る。顔もぐちゃぐちゃだ。 でも、輝は笑っていた。僕も、泣きながら、気づけば笑っていた。
「はは……あははは!」
泥だらけのユニフォーム。すりむいた膝。 そこにはもう、「学校のヒーロー」も「完璧な王子様」もいなかった。 ただの、サッカーが好きで、負けるのが悔しくてたまらない、十七歳のガキがいるだけだった。
空には一番星が光っていた。 僕は、初めて、本当の意味で呼吸ができた気がした。 重かった鎧は、いつの間にか、砕け散って足元に転がっていた。
全国高校サッカー選手権、県予選準決勝。 グラウンドを取り囲む全校生徒の視線。ブラスバンドの重低音。黄色い歓声。それらすべてが、巨大な圧力となって僕の身体にのしかかっていた。
「颯太先輩、頑張ってください!」 「冬馬、お前ならいける!」
わかっている。 僕は冬馬颯太。このチームのエースストライカー。僕が点を取らなければ、三年生の夏は終わる。僕がヒーローでなければ、この物語はハッピーエンドにはならない。 僕の足は、いつものように軽くはなかった。まるで泥沼の中を走っているかのように重い。それでも僕は走った。完璧なコース取り、完璧なトラップ、完璧なパス。観客席からどよめきが起きるたび、僕は「完璧な冬馬くん」を演じ続けることができた。
だが、現実はドラマの脚本通りには進まない。 後半終了間際、ロスタイム。スコアは0対1。 一点ビハインドの絶望的な状況で、僕たちはPK(ペナルティキック)のチャンスを得た。
審判の笛が鳴り、ボールをセットする。 白いペナルティスポット。そこからゴールまでの距離は、わずか十一メートル。 普段なら、目をつぶっていても決められる距離だ。 しかし、今の僕には、そのゴールマウスが針の穴のように小さく、遥か彼方にあるように見えた。
(決めれば、同点。外せば、終わり)
静寂。 数百人の視線が、僕の背中に突き刺さる。 怖い。 初めて、明確にそう思った。足が震えそうになるのを、必死に太ももに力を入れて抑え込む。僕はヒーローだ。ヒーローは震えない。
助走をつける。 キーパーの重心が、左に動いたのが見えた。 逆だ。右隅。そこに流し込めば、入る。
インパクトの瞬間。 芝生に足を取られたわけではない。風が吹いたわけでもない。 ただ、僕の身体が、一瞬だけ、恐怖で硬直した。
ボールは僕の足から離れ、キーパーの指先をすり抜けた。 ――そして、ゴールの右ポストの、わずか数センチ外側を、虚しく通過していった。
「あ……」
誰かの、息を呑む声が聞こえた気がした。 ボールがゴールの裏のネットではなく、フェンスに当たって跳ね返る音。 直後、試合終了のホイッスルが、秋空を引き裂くように響き渡った。
終わった。 僕のせいで。
グラウンドに崩れ落ちるチームメイト。号泣する三年生の先輩たち。 僕は、膝をつくことさえ許されなかった。呆然と立ち尽くす僕の周りに、重苦しい空気が沈殿していく。
「ドンマイ、冬馬くん!」 「惜しかったよ! 颯太くんのせいじゃない!」 「感動をありがとう!」
観客席から、そして泣いているチームメイトから、次々と「優しい言葉」が投げかけられる。 やめてくれ。 責めてくれよ。怒鳴ってくれよ。「お前のせいで負けたんだ」と、胸ぐらを掴んで殴ってくれよ。 その優しさは、僕を「悲劇のヒーロー」という檻の中に閉じ込めるための、残酷な鎖だった。僕は泣くことも、叫ぶこともできず、ただ能面のような顔で、「すみません」と頭を下げることしかできなかった。
その時だった。 その、吐き気がするほど優しい空気を切り裂いて、とんでもなく無神経な声が響いたのは。
「――おい、冬馬ァ! 今の、ダッセーぞ!」
時が止まった。 グラウンド中の視線が、声の主――朝陽輝に集中する。 彼は、スタンドの最前列で、メガホンも使わずに叫んでいた。
ダッセー。 一番、言われたくない言葉だった。 一番、僕が恐れていた評価だった。 周囲からは「ひどい」「空気読め」と非難の声が上がる。でも、僕はなぜか、その言葉を聞いた瞬間、凍りついていた心臓が、ドクン、と大きく脈打つのを感じた。
放課後。 誰もいなくなった夕暮れのグラウンド。 僕はユニフォームのまま、泥だらけになって、一人でボールを蹴っていた。帰れなかった。このまま家に帰って、温かい風呂に入り、親に慰められるなんて、許されるはずがなかった。
「おい。一対一、やろうぜ」
背後から声がした。輝だった。 彼は制服のまま、ズカズカとグラウンドに入ってきた。 「……なんだよ。笑いに来たのか」 「は? んなわけねーだろ。公式戦で負けたからって、俺相手でも、また負けるのが怖いのか?」
挑発。 僕の中の何かが、プツリと切れた。 「……いいよ。やってやるよ」
そこからは、サッカーではなかった。 ただの、取っ組み合いのようなボールの奪い合い。 彼は、遠慮も手加減もなく、身体をぶつけてきた。僕も、なりふり構わず、彼を押しのけ、ボールを追った。 綺麗なドリブルなんていらない。戦術なんて関係ない。ただ、目の前のこいつに負けたくない。その本能だけで、僕は走った。
「どうした、冬馬! 全然、楽しくなさそうじゃんか!」 輝が、息を切らしながら叫ぶ。 「お前、誰のためにサッカーやってんだよ! 学校のためか!? ファンの女子か!? 先輩のためか!?」
その言葉が、僕の喉元まで出かかっていた蓋を、完全に吹き飛ばした。
「……うるさい!」
僕は吠えた。こんな大声を出したのは、生まれて初めてだったかもしれない。
「お前に、何がわかるんだよ! 俺が外したせいで、全部終わったんだぞ! 俺がエースだから! 俺が決めなきゃいけなかったんだ!」
叫びながら、僕は右足を振り抜いた。 ゴールなんて見ていなかった。ただ、自分の中にあるドロドロとした感情の塊を、すべてボールに乗せて叩きつけた。
ボールは、唸りを上げてゴールネットに突き刺さった。 今日一番の、いや、僕の人生で一番の、強烈なシュートだった。
僕は、その場に崩れ落ちた。 肩で息をする。肺が焼けるように熱い。 視界が滲む。汗なのか、涙なのか、わからなかった。 輝も、大の字になって僕の横に倒れ込んだ。
「……ははっ」 輝の笑い声が聞こえた。 「やっぱ、お前、すげえな。あのシュート、マジでビビったわ」
彼は、空を見上げたまま言った。 「……今の顔、さっきの試合の、百万倍、いい顔、してんぜ」
その言葉を聞いた瞬間、僕の目から、堰を切ったように涙が溢れ出した。 「う、あああ……っ!」 嗚咽が止まらない。みっともない声が出る。顔もぐちゃぐちゃだ。 でも、輝は笑っていた。僕も、泣きながら、気づけば笑っていた。
「はは……あははは!」
泥だらけのユニフォーム。すりむいた膝。 そこにはもう、「学校のヒーロー」も「完璧な王子様」もいなかった。 ただの、サッカーが好きで、負けるのが悔しくてたまらない、十七歳のガキがいるだけだった。
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