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序章

神かくし?

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「はぁ、、、せっかくここまで平和な度だったのに、、アレやっぱり狙ってるみたいですね」


 先ほど山の中腹にあった気配が、すぐそばまで来ている事に気づいていたさな子は、このままやり過ごす事もできたが、付近を歩く旅人の中にまだ幼い子供や老人が混ざっている事もあって、念のため歩く速度を抑えていたが、その予感は直ぐに正解だったとわかる。


  きゃぁぁぁっ


「いけないっ急がないとっ!」


 思ってたより後ろの方から聞こえる女性の叫び声に、振り返ったさな子が、後方に向かってかけ始める

 身体の弱い者はその場でうずくまり、元気な者は関所に向かって走り出す、そんな障害だらけの場所を風の如くすり抜けていくさな子


「おぉ、あのおなご、、なかなかの使い手じゃのう、しかも美人じゃ」


 街道ちかくの茂みまで降りて来ていたジジイが助けに向かおうとするさな子を見て、その力量を推し量ろうとする


「おいっさっさとこっちにこいっ!」

「ぁ、、ぁ、、」


 野盗に襲われ余りの恐怖に腰を抜かしてヘタリ込む女達


「てめぇが担ぎあげろ!馬鹿やろう!」
「へいっ!」


 お頭が子分に檄を入れると、子分達が身動き取れなくてなった女性2人を引き離し、それぞれ肩に背負おうとした時だった


「待ちなさい‼︎その人たちを今すぐおろせ‼︎」


 かけながら、長い髪を水平にゆらし、腰の物を握ると、2人の女性と野盗の間をさな子が、すり抜けると、、2人の女性には、チィィィィンっと、鈴の音のような音が聞こえ、

 女達に手を伸ばしていた野盗2人の腕がドサドサと地面に落ちた


「「へ、、、ぎゃっぎゃぁぁぁぁぁっ!!腕っ俺の腕がぁぁぁ‼︎」」

「くそ、あの女もう来やがったのか‼︎」


 さな子が、刀についた血糊を払い、振り返ったさな子と視線がぶつかると、お頭の額に汗が湧き出る、悪に容赦する必要などなく、刀は人の命を絶つものだと、父、重太郎の元で修行を開始する時にずっと教え込まれていた、さな子には微塵の気負いは無く、冷静にどう切るか?のみを考えているさな子に恐怖した


「なんとっ、、、うーーん、、あの涼し気な顔して、、大したもんじゃのう」


 既に茂みの外にまで出て来ていたジジイが感心していた。


「お前ら!あの女をやっちまえ!、、、お、おいジジイ‼︎」


 子分達に、さな子に向かわせ、自分はジリジリと山の方へと後ずさりするお頭が、ジジイに気がつき、駆け寄ろうとする


「ぁ、まっまて!」

「ん?ワシの事なんか気にせんで、さっさとその悪タレ共をやっつけてみせい」

「このっクソジジイが調子に乗るんじゃねぇ!」


 ジジイを捕まえようとするが、すんでの所でヒョイヒョイと交わすジジイの様子を見て、只者でわないと判断したさな子は一気に、子分達を切り捨てていく


「素晴らしい!コレはええ土産になるぞいっ」

「こっこっこのっちょこまかとっ、うぉぉぉぉぉっ!」


 両手を広げて、ジジイに突進を仕掛けようとするお頭にジジイは、


「メイドの土産に良いもんくれてやろう?ワシの魔法を見れるなんてそうそうないぞっ?」


 後ろに飛んだジジイが掌を突進してくるお頭にむけ、


「ワシも少しは良いところ見せたいからのう、、はぁぁっ!」


ジジイの手が赤く輝いて、、、、それだけだった


「は?、、、ふげぁぁぉぁ!」

「何が良いところだっ!クソジジイがこのまま首へし折ってやろうか?!」

「いててて、、なんでじゃ?なんで魔法が使えん!」

「マホウ?、なんだそりゃ?どんな武器だ?!」

「くぅぅ、お主ワシになんか構ってる暇あるんかい?」

「おっといけねえ、、、」


 おいっこのジジイの命を助けてほし、、、おれ、の、、から、、ら?、、

 お頭とジジイが問答してる内に、子分をすり抜け、お頭の所に一直線で走ったさな子は、お頭が振り返ると同時に、お頭の首だけをスパンと落としていた。


 胴と首が泣き別れしたと、お頭が気づいた時には既に絶命し


「ひいっ、お、、お頭がぁっ!に、にげろー!」


 20人から居た野盗は7人程まで減っており、散り散りに逃げ出していった


「ご老人、お怪我はありませんか?」


 地面に倒れたお頭の隣りで、地面に座るジジイはどう見ても腰を抜かしてるようにしか見えず、さな子が刀を鞘に収め近づくと手を差し出し、助け起こそうとした


「おぉ、、礼儀も兼ねておるか、、、あ、、いちちちち、すっすまんのう、ワシの連れが、あの辺におるから、連れてってくれんかのう?」


 腰を押さえながら辛そうに、ジジイが山の奥の方へと指を指す


「あんな所にお連れ様がいるんですか?」

「うむ、、アイツラニツカマッタンジャ?」


 なんか棒読みなジジイの言葉だが、
 なるほどと得心したさな子が、ジジイの前でしゃがみ込み、


「では、そこまで一緒に行きましょう、さ、どうぞ」

「ありがたいのう、、お主は本当に良い人じゃ」


ジジイを背負い、山の奥へと入っていくさな子とジジイだが、、

その日以降、さな子を見た人はいなかったという……
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