【完結】時忘れの森

桜雨ゆか

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第十章 心

04

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 入り口を熱の塊で擦られるだけで身体が震えるほどの快感が走った。
 早く欲しくて子宮が切なく疼く。
 グレティアの秘処は期待に震え、涎を垂らすように蜜をあふれさせた。
 そんなグレティアの様子に気が付いたのか、シャルヴァはわざと肉竿の先端でゆるゆると割れ目を撫で上げていった。

「んんっ……♡ や、シャル、ヴァ……ッ♡」

 もどかしい刺激にグレティアは腰をくねらせる。
 シャルヴァはそんなグレティアを宥めるように下腹を撫で回した。

「ん? どうした?」
「ん、んぅっ……♡」

 一向に中へ進んでくれないことに、グレティアは彼の鳶色の瞳を訴えかけるようにじっと見つめた。
 シャルヴァが欲しい。今すぐに奥まで挿入れて掻き回してぐちゃぐちゃにして欲しい。
 そんな淫らな欲求に支配されたグレティアはもう我慢できなかった。

「ちゃんと言ってみろ」

 追い打ちをかけるシャルヴァの言葉に、グレティアの喉がひゅっと鳴る。

「おねが、い……ッ♡ 挿入れて……♡ おねが――……ッ♡ ああぁっ♡」

 言い終わる前にシャルヴァが一気に奥まで剛直を突き入れた。
 待ち望んでいたものを与えられ、グレティアは背をしならせて絶頂を迎えた。

「ひあぁっ♡ あっ、あぁっ♡」

 ぎゅっと強く中が締まり、内壁が蠢いて長く逞しい肉竿に絡みつく。そのせいで形がありありとわかってしまい、快感とともに圧倒的な充足感をグレティアに与えた。

「――っは。まったく、おまえは……っ」

 シャルヴァがなにかを耐えるように一つ息を吐き出した。
 グレティアの絶頂は長く続いてなかなか降りてこられなかった。
 そんな状態だというのに、シャルヴァはお構いなしに腰を打ち振るい始めた。

「あぁぁあっ♡ あ、あっ♡ ま、って……♡ い、ま、イッてぅ、からぁ……ッ♡」

 休む暇もなく押し寄せる快楽を散らしたくて、グレティア必死に頭を振った。しかしシャルヴァが止まることはなく、それどころかさらに強く激しい抽送が続く。
 それは愛蜜が飛沫を立てるほどで――淫猥な打擲音が部屋に響き渡った。

「んぉ♡ ああっ♡ ひっ♡ イッてぅ♡ だ、め♡ こわぇ、りゅっ、あぁっ♡」
「っ――壊れればいい……」

 シャルヴァがグレティアの耳元で低く囁いた。その声だけでぞくぞくとしたものが背筋を這い上がり、軽く達してしまう。
 身体の中に熱い楔がずぶずぶと挿入り込んでくる感覚がどうしようもなく気持ちいい。

「壊れて、俺なしでいられなくなればいい」
「ひっ♡ ん、えっ♡ な、んて……っ? シャルヴァ……んあぁっ♡ おくっ……♡」

 もうずっとイッてる。
 シャルヴァはそんな彼女の顎を掴むと、噛みつくような口付けをした。呼吸さえも奪われるような激しい口付けにくらくらする。

「んむぅっ♡ んんっ♡」
「グレティア……。愛してる」

 シャルヴァの剛直が子宮口を押し上げるたびに目の前に火花が飛び散るような感覚に陥る。

「ひ、あっ♡ おくっ、おく、しゅごいっ……♡ きもち、いいっ……♡」

 もはや自分がなにを口走っているのかすらわからなかった。

「は……っ、すごいな」

 シャルヴァが熱に浮かされたような声で呟く。そして一際強く突き上げたあと、ぴたりと動きが止まった。

「や……なんで……」

 グレティアは思わず落胆の声を上げた。もう少しでイけそうだったのに――そんな思いから無意識に腰を揺らしてしまう。
 そんなグレティアを見てシャルヴァが笑ったような気がした。けれどすぐに彼はまた律動を開始した。今度はゆっくりとした動きで中を探るように動く。シャルヴァが動くたびにぐちゅぐちゅと濁った水音が響いて、その音すらも興奮材料になった。

「ああっ、あっ……っ♡ んんっ……♡」

 不意にシャルヴァの指先が陰核に触れた。親指の腹で優しく擦られて、グレティアは身体をしならせた。その拍子に中に入っているものをぎゅっと締め付けてしまい、シャルヴァが小さく声を漏らす。

「うあ♡ シャ、ルっ……♡ シャルヴァ……ッ♡」

 はくはくと唇を動かして、グレティアはひたすらにシャルヴァの名を呼んだ。

「あっ、あぁっ♡ おく、ぅ……っ♡」

 シャルヴァの先端が最奥を押し上げた。今までで一番深い衝撃にグレティアは喉元を晒すように身体を反らせた。それでもまだ足りないというようにシャルヴァは執拗に奥を穿った。
 もう限界だった。

「もっ、だめ……♡ あたまへんになゅ……ッ♡ あ、あっ、あぁぁあっ♡」

 グレティアは身体をしならせて絶頂を迎えた。
 爪先が伸びて、足の指に力が入りシーツに波を作る。全身ががくがくと痙攣し、膣壁が中のものを搾り取るように蠢いた。

「――くっ」

 ほぼ同時、シャルヴァが低く呻いてぶるりと腰を震わせた。
 熱い飛沫を最奥に叩きつけられる。
 どくどくと脈打つ感覚さえも気持ち良くてグレティアはうっとりと目を細めた。

(あつい……)

 子宮の中が熱いもので満たされていく感覚に、グレティアは甘く吐息を漏らした。



 しばらくそのままの体勢でいたあと、シャルヴァがゆっくりと身体を起こした。

「んっ……」

 ずるりと引き抜かれていく感覚に、グレティアは思わず小さく声を漏らした。

「つらいところはないか?」
「うん……」

 シャルヴァのものが完全に抜け出たあともグレティアの中からは愛液と精液が流れ出し、尻を伝ってシーツを濡らした。

(いっぱい出てる……)

 ぼんやりとした頭でそんなことを思った。今まで経験してきた中で一番たくさん中に出されたような気がする。
 そんなことを思いながらグレティアはシャルヴァにそっと寄り添った。
 温かさがとても心地良い。こうして抱き合っているだけでも幸せだった。
 そんなグレティアの髪をシャルヴァが優しく撫でる。
 その感触が気持ち良くてグレティアはそっと目を閉じた。
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