私が愛した人は、教師(おじさん)でした。

竜ヶ崎彰

文字の大きさ
2 / 2

恋した少年②

しおりを挟む
「ん~って、あれ?ここは?」

静は目が覚めると見知らぬ場所にいた。
辺りを見回すとそこは、ホテルの一室のようだった。

しかも驚く事に、既に朝を向かえていた。

「え?なんで、なんでホテルに!?」

「あ…。起きちゃった…?」

「え!?」

静の目の前には想いを寄せている例の少年がいた。

少年は目を合わせたと思うとなんと、その場でをした。

「ごめん!夕べは家に送ろうと思ったんだけど、君が悪酔いして埒があかなくなって、住所教えてくれなくて、そしたらいきなりこのホテルに無理やり入ってきて、ま、まさかこんなことになるなんて!?あ~どうしよう!君、だよね?こんなのがバレたら…俺の人生おしまいだよ~!仕事無くしちゃうよ~!」

少年はまるで間違いを犯してしまったかのような絶望感溢れる焦った表情で困惑していた。

「い、いや、でも、私達未成年同士なんだから、そこまで深刻になんないで…、ホテルここに入っちゃったのはともかく…さすがに…え、?」

静は一瞬硬直した…。
少年の口にした「仕事」という単語に…。

「えっと、あなた、幾つ?」

渋々静は少年に年齢を聞いてみた。
すると少年の口から驚くべき返事が返ってきた。

「俺…"27"…だけど?」

「・・・・・に、27!?」

静はと呼べるほどまでに顔が変わるほど物凄く驚いていてた。
だが静はここで我に返って冷静に考えていた。

「う、嘘なんでしょ?27歳って?だって、どう見たって若いじゃん?これなに、ドッキリ?」

信じられない静に少年はある物を彼女に見せる。
それは自身の運転免許証だった。

そこには少年の顔写真に名前、ちゃんとした生年月日も書かれていて、静香はまたも呆然としていた。

山崎やまざきみなと…平成10年2月14日生…マジか~…」

静はようやく理解が追い付いた。

少年もとい山崎湊がただのなだけの27歳のおじさんだという事を…。

(まさか私が恋していたのは、童顔のおじさんだったなんて…)

「あの、ごめんね…なんか俺、で、でも、これだけは信じて!俺、君にはなんにもしていないから!ただ君が酔っぱらって連れ込んだってのは本当だけど…、それに乗せられた俺も俺だから、ごめんね!」

「い、いいんです…あの、湊さん…でしたよね、今回の事はお互いに忘れませんか?」

「?」

「あなたが私に何もしていないのは信じます…ですが、ここに入ってしまった以上もし私達のだれか知っている人に会った場合は言い訳できるか分かりませんが、それに、私もがついたので…」

「踏ん切り?」

「いえ、何でもありません…」

そして、朝日が昇った時間に、2人は ホテルから抜けた。
支払いは湊にしてもらい、互いにその後は顔を合わせずに別れた。

静は少しだけ幻滅していた。
恋した相手が年上の童顔おじさんだったという事に・・・。


(これで、私の恋も終りね…)


ーーーーー



時は流れて4月上旬。
季節は入学・進学シーズンを迎えていた。

静は高校3年生へと進学した。

静は未だに湊の事を根に持っていたが、「もう会う事も無い」と諦めていた。

新学期を迎えた今日は始業式で、新しい先生の紹介がされていた。

だが、静はまたも驚く事になった。

『初めまして、理科を担当します山崎やまざきみなとと申します!』

「え!?」

なんと、挨拶していた新しい先生は、先日ホテルで一晩をすごした湊であったから…。

(え!?だったの!?)

静は再び落ち着きのない時間を過ごす事になるのだった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

密会~合コン相手はドS社長~

日下奈緒
恋愛
デザイナーとして働く冬佳は、社長である綾斗にこっぴどくしばかれる毎日。そんな中、合コンに行った冬佳の前の席に座ったのは、誰でもない綾斗。誰かどうにかして。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...