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二章 〜下級魔物使い〜
六十九話 ご対面……
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簡単なあらすじ『漸く、クボタさんは自分に声を掛けた凄い人(?)とご対面します』
やっと動けるようになった俺はドアノブに手をかけ、扉を開いた。
とうとう声の主とのご対面だ。
俺の動作はとてもゆっくりとしたものであったが、それでも彼は急かす事なく、待っていてくれた。
そして、その姿を見た時……
「な……」
俺は無意識のうちに後退っていた。
更には足がもつれて床に崩れ落ち、尻餅をついてしまった。
そこにいたものに衝撃を受けたからだ。
何故……何故〝こんなもの〟がここにいるんだ!?
あれは……あの時俺を喰らおうとした、巨大な魔物ではないか!!
俺は再び動けなくなった。
尚且つ、現在そうなっている俺の胸では今、先程抱いていた恐怖の感情よりも、驚きの方が幅を利かせていた。
だが、それも当然……
扉の前にいたのが、空へと上昇しつつあった俺に大きな口を開け迫っていた、あの時の巨大な魔物だったのだから。
そして、俺の驚きはそれだけに対してではなかった。
その魔物の姿形にも、だ。
実際の所、魔物はそこまで大きくはなく、『2m以上、3m未満といった所』という程度なのだが……
彼の纏う気、オーラ、存在感……そう呼べるような、『見えない何か』が強大過ぎて、俺の目には彼がそういった意味でも非常に、非常に大きな、畏怖するべき存在のように映っていたのだ。
まあ、〝それだけ〟ならば俺はすぐに、彼へと自分のした非礼を詫びる事が出来たのかもしれないが……
だがしかし。それと共に魔物は、見た者に『邪悪さ』を覚えさせる、奇怪な姿をもしていたのだ。
首から下はただの黒鳥……カラスに近かった。
(恐らくそのせいで足音がいびつであり、扉を開ける事が困難だったのだろう)
だが、その上にあるものにはクチバシではなく唇が、鼻が、カラスの持つそれならば黒が大半を占めているはずの眼球には白い結膜が……黒い角膜と同程度の面積をもって存在している。
そう、その顔はまるで人間の持つそれのようであったのだ。
……改めて見てみると実に邪悪。
いや、珍妙な魔物だ。そう言った方がしっくりとくる。勿論、色々な意味でだ。
こんな魔物、驚くなと言う方が難しいだろう……
それにしても、このような生物が一体どうやって誕生したのだろうか?似たような魔物すら見た事がない。
これも異世界だから……などという理由で済まされて良いものなんだろうか?
〝そうか……今の君にとって私は、ただ自らに襲い掛かった凶暴な魔物でしかなかったのだな。
すまなかったな、あの時は一刻の猶予もなかったんだ。
先程も言ったが私は君に危害を加えるような事はしない。だから落ち着いてくれ。でないと、傷の治りも遅くなってしまうぞ?〟
などと考えていると、魔物が口を開いた。
その後で彼は果実、木の実等をどさりと俺の前に置く。
〝さあ、これを食べると良い〟
どうやら本当に敵意は無いようだ。
ただ、そう分かってはいても俺は硬直を続ける、いや、続けているしかなかったのだが……
「ありがとう、ございます…………
でも……その前に、僕ともう一人いたはずの人、それにじしょ……僕に入った魔物は、あの後一体どうなったんでしょう?もし知っていたら、教えて頂けませんか?」
口だけはどうにか動かせた。
そうして俺は遂に、彼へと質問する事が出来たのだった。
魔物は俺のした質問に全て答えてくれた。
それも丁寧にだ……
この魔物はやはりと言うべきか、見た目からは想像出来ない程に心優しい生物であるようだ。
順を追って話していくとしよう……
まず、サチエは無事であるそうだ。
本人が直接アトラン族の町まで送り届けたので間違いは無いと言う。
つまり、あの時俺からサチエを取り上げたのは彼だったのだ。
まあ少々……いや、かなり驚きはしたが、俺は大事な役目(?)で動く事が出来なかったのだから感謝すべきだろう。
ちなみに、その時町で彼の気のようなものに当てられても尚、意識を保っていた者達が数名いたんだと言う。
やはり戦闘民族……〝アレ〟を喰らってピンピンしている者がいるんだな。
それと、自称神様の方は俺へと身体を返却後、肉体の治療を終えるとそのまま何処かへ行ってしまったのだそうだ。
(『身体持ち』のアイツもあの時彼が回収したらしい)
「今は一人にしておいて欲しい」とだけ言い残して。
(ただ、彼の予測ではそこまで遠くに行ったワケではないはず……だそうだ)
恐らく、アルヴァークとの一件をまだ引きずっているのだろう。
内容は分からないが約束を交わす程の間柄だ。それがこの世を去った今、色々と思う所がある……のかもしれない。
とにかく、奴も無事だったようだ。
で、そのような感じで俺は肉体を取り戻しはしたものの、まだ治したばかりであり、その上傷もかなり深かったようので暫くは彼の元で療養……だからここにいるらしい。
(ちなみに、これは自称神様が彼に頼んだのだと言う……この魔物と自称神様はそんなに仲が良いのだろうか?)
そこまでの事を知り、一応安心出来た俺は今彼の前で食事をしていた。
……本当の事を言うと、さっきからしているのだがな。
〝話を聞くのは食べながらで良い〟
と彼が言ってくれたから……
〝君のした質問への答えはこのくらいだな。
…………すまなかったな。君をこんな事に巻き込んでしまって……〟
全て話し終えると、最後に彼はそう言った。
「いえ、謝らないで下さい。貴方には何の非も無いんですから」
漸く彼のオーラにも慣れてきた俺は、普段通りの口調でそう彼を宥めた。
事実でもあるしな。
むしろ俺にここまでしてくれている、彼が謝る必要など全くないのだ。
〝違うんだ……君がこうなってしまったのは、私にも責任があるんだ。
アルヴァークをそのままにしておいたんだからな。ドラゴンゾンビとなるまで……〟
「……図々しいお願いではありますが、もし良ければそのお話も聞かせてもらえませんか?」
少し、馴れ馴れしかっただろうか。
とは思いつつも、興味を惹かれた俺は彼にそう言っていた。
〝勿論だ。君にはそれを聞く資格がある〟
そう言うと、彼は話し始めた……
やっと動けるようになった俺はドアノブに手をかけ、扉を開いた。
とうとう声の主とのご対面だ。
俺の動作はとてもゆっくりとしたものであったが、それでも彼は急かす事なく、待っていてくれた。
そして、その姿を見た時……
「な……」
俺は無意識のうちに後退っていた。
更には足がもつれて床に崩れ落ち、尻餅をついてしまった。
そこにいたものに衝撃を受けたからだ。
何故……何故〝こんなもの〟がここにいるんだ!?
あれは……あの時俺を喰らおうとした、巨大な魔物ではないか!!
俺は再び動けなくなった。
尚且つ、現在そうなっている俺の胸では今、先程抱いていた恐怖の感情よりも、驚きの方が幅を利かせていた。
だが、それも当然……
扉の前にいたのが、空へと上昇しつつあった俺に大きな口を開け迫っていた、あの時の巨大な魔物だったのだから。
そして、俺の驚きはそれだけに対してではなかった。
その魔物の姿形にも、だ。
実際の所、魔物はそこまで大きくはなく、『2m以上、3m未満といった所』という程度なのだが……
彼の纏う気、オーラ、存在感……そう呼べるような、『見えない何か』が強大過ぎて、俺の目には彼がそういった意味でも非常に、非常に大きな、畏怖するべき存在のように映っていたのだ。
まあ、〝それだけ〟ならば俺はすぐに、彼へと自分のした非礼を詫びる事が出来たのかもしれないが……
だがしかし。それと共に魔物は、見た者に『邪悪さ』を覚えさせる、奇怪な姿をもしていたのだ。
首から下はただの黒鳥……カラスに近かった。
(恐らくそのせいで足音がいびつであり、扉を開ける事が困難だったのだろう)
だが、その上にあるものにはクチバシではなく唇が、鼻が、カラスの持つそれならば黒が大半を占めているはずの眼球には白い結膜が……黒い角膜と同程度の面積をもって存在している。
そう、その顔はまるで人間の持つそれのようであったのだ。
……改めて見てみると実に邪悪。
いや、珍妙な魔物だ。そう言った方がしっくりとくる。勿論、色々な意味でだ。
こんな魔物、驚くなと言う方が難しいだろう……
それにしても、このような生物が一体どうやって誕生したのだろうか?似たような魔物すら見た事がない。
これも異世界だから……などという理由で済まされて良いものなんだろうか?
〝そうか……今の君にとって私は、ただ自らに襲い掛かった凶暴な魔物でしかなかったのだな。
すまなかったな、あの時は一刻の猶予もなかったんだ。
先程も言ったが私は君に危害を加えるような事はしない。だから落ち着いてくれ。でないと、傷の治りも遅くなってしまうぞ?〟
などと考えていると、魔物が口を開いた。
その後で彼は果実、木の実等をどさりと俺の前に置く。
〝さあ、これを食べると良い〟
どうやら本当に敵意は無いようだ。
ただ、そう分かってはいても俺は硬直を続ける、いや、続けているしかなかったのだが……
「ありがとう、ございます…………
でも……その前に、僕ともう一人いたはずの人、それにじしょ……僕に入った魔物は、あの後一体どうなったんでしょう?もし知っていたら、教えて頂けませんか?」
口だけはどうにか動かせた。
そうして俺は遂に、彼へと質問する事が出来たのだった。
魔物は俺のした質問に全て答えてくれた。
それも丁寧にだ……
この魔物はやはりと言うべきか、見た目からは想像出来ない程に心優しい生物であるようだ。
順を追って話していくとしよう……
まず、サチエは無事であるそうだ。
本人が直接アトラン族の町まで送り届けたので間違いは無いと言う。
つまり、あの時俺からサチエを取り上げたのは彼だったのだ。
まあ少々……いや、かなり驚きはしたが、俺は大事な役目(?)で動く事が出来なかったのだから感謝すべきだろう。
ちなみに、その時町で彼の気のようなものに当てられても尚、意識を保っていた者達が数名いたんだと言う。
やはり戦闘民族……〝アレ〟を喰らってピンピンしている者がいるんだな。
それと、自称神様の方は俺へと身体を返却後、肉体の治療を終えるとそのまま何処かへ行ってしまったのだそうだ。
(『身体持ち』のアイツもあの時彼が回収したらしい)
「今は一人にしておいて欲しい」とだけ言い残して。
(ただ、彼の予測ではそこまで遠くに行ったワケではないはず……だそうだ)
恐らく、アルヴァークとの一件をまだ引きずっているのだろう。
内容は分からないが約束を交わす程の間柄だ。それがこの世を去った今、色々と思う所がある……のかもしれない。
とにかく、奴も無事だったようだ。
で、そのような感じで俺は肉体を取り戻しはしたものの、まだ治したばかりであり、その上傷もかなり深かったようので暫くは彼の元で療養……だからここにいるらしい。
(ちなみに、これは自称神様が彼に頼んだのだと言う……この魔物と自称神様はそんなに仲が良いのだろうか?)
そこまでの事を知り、一応安心出来た俺は今彼の前で食事をしていた。
……本当の事を言うと、さっきからしているのだがな。
〝話を聞くのは食べながらで良い〟
と彼が言ってくれたから……
〝君のした質問への答えはこのくらいだな。
…………すまなかったな。君をこんな事に巻き込んでしまって……〟
全て話し終えると、最後に彼はそう言った。
「いえ、謝らないで下さい。貴方には何の非も無いんですから」
漸く彼のオーラにも慣れてきた俺は、普段通りの口調でそう彼を宥めた。
事実でもあるしな。
むしろ俺にここまでしてくれている、彼が謝る必要など全くないのだ。
〝違うんだ……君がこうなってしまったのは、私にも責任があるんだ。
アルヴァークをそのままにしておいたんだからな。ドラゴンゾンビとなるまで……〟
「……図々しいお願いではありますが、もし良ければそのお話も聞かせてもらえませんか?」
少し、馴れ馴れしかっただろうか。
とは思いつつも、興味を惹かれた俺は彼にそう言っていた。
〝勿論だ。君にはそれを聞く資格がある〟
そう言うと、彼は話し始めた……
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