異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました

おーるぼん

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二章 〜下級魔物使い〜

百四十四話 新たなスタートは別れと共に……? その4

簡単なあらすじ『クボタさん&アルワヒネ帰宅中……』



そうして俺達は帰路に就き、そして着き、つまりは家に帰って来た。

今の時刻はおよそ正午前、というくらいであろうか。

だがしかし、怒れるコルリスが怖くて扉を開ける事はまだ出来ていない。

そんな俺は現在、アルワヒネと共に家の裏手にある草むらにて中の様子を窺っている最中だった。

ちなみに。
その草むらの近くで何もせずにぷるぷるしていたケロ太とたまたま鉢合わせたので、アイツも一緒にいるぞ。

それと、ケロ太郎も一緒だ。
コイツはただ単にこの辺りをウロウロとしていたのだが、今は何故か俺の背後にて立ち止まっている。

まあ、それはどうでも良いか。
ではそんな事はさておいて、再び中の様子を確認するとしよう。

まあぶっちゃけ言うと、あまりよく見えないのだけれども……

と、その時。

何者かが俺達のいる方へと近付いて来ているであろう、割に軽快な大地を踏む音が聞こえてきた。

それを耳にした俺は慌て、そんな俺を目にしたアルワヒネも慌て……いや憐れ、かな。そのような表情で目の前にてあたふたしている男を眺めている。

だが、そんな事をしている間にも足音は迫り……
遂にその主が姿を現した。

…………それはルーであった。
彼女は俺達を発見し、「むむ」と短く呟く。

が、ケロ太を見つけると今度は「むむ!」と高らかに声を発し、何故だかは分からないがすぐにそれを掴み上げて表の方に走り去っていった。

何だか、遠くまで飛ばしてしまったサッカーボールを回収しに来た小学生のようだ……それはともかく、魔物達が表の方で何かしているのかもしれないな。

それに少し興味を惹かれ、ルーの消えた方向へと静かに、ゆっくりと、そして身を隠しながら、俺達は移動を開始した。

……別に、コルリスに怒られるのが嫌だから、少しでもそれを先延ばしにしようとしているワケではないぞ?



移動し終えた後でまた近くの草むらに身を隠す俺達。

一応言っておくと、その移動先は家の庭……つまり表の方だ。ルーがこちらへと消えて行ったからな。

(ケロ太郎は付いて来なかったのでいないぞ)

そこで俺は周囲を見回す。
すると、視界には……

エリマ、ルー、そしてプチ男というメンバーが、いつもと同じように練習をしている姿が映り込んだ。

その近くではケロ太がまだぷるぷると震えている。
恐らく、アイツはこのバトルロワイヤル形式での練習中に吹き飛ばされてしまい、あんな所にいたのだろう。

(その犯人は多分、ルーだと思う)

あのようにぷるぷるしているのも多分……その時のショックで気絶しているから、とか?

まあでも、一応生きてはいるようだから大丈夫なはずだ。

しかし……
プチスライム達がそうしているのは見た事があるが、魔物達全員で、それも自主的にトレーニングしているのは初めて見たような気がする。

少し嬉しいような、応援したくなるような……感慨深いとでも言えば良いだろうか?そんな気分だ。

だが、何故今になって……あ。

もしかすると彼等は『VSキングさん』時に全力を発揮出来なかった事を悔やみ、次こそはと練習に励んでいるのかもしれない。

まあ、〝あれ〟はな……
あれはかなり、課題が見つかった試合だったとは俺自身も思っている。

魔物達個々の動き、そしてチームワーク……それに俺の指示も散々だったし、そう言えばせっかく覚えた魔法も扱い切れているかいないかの前に、全く使用する事すら出来なかった。

いや、そうする余裕も無かったかのように思う。

でもまあ、魔法は割りに練習したと言ってもまだまだ急拵えのようなレベルではあるし……むしろあの時に使わなくて正解だったかもな。

……そう考えていると、また視界に何かが飛び込んで来た。

それはプチ男であり、しかも奴は本当の意味でこちらに飛び込んで来た。俺とアルワヒネは素早く頭を下げてそれを躱す。

また、脱落者が出たようだな……
どちらにぶっ飛ばされてしまったのだろうか。

俺は草むらから顔を出し、残り二匹となったバトルロワイヤルの様子を再び観察する。

そこにいるエリマ、ルーはどちらも戯れるよりもやや強めくらいの攻撃を繰り出し、互いに一歩も譲らない戦いを繰り広げていた……

それがなかなか、マジなレベルでの練習だと言う事は見ればすぐに分かった。

特にエリマは気合が入っているようだ。
彼は俺の教えた技の他に、翼で前方を払い、そしてその回転を利用して逆側からは素早い尾の一撃をルーに浴びせている……

等という風に、試合でやった『火を吐くばかり』のような、練習で教えたものではない闇雲な戦法とも言えぬ戦法……そのような戦いぶりとは打って変わって、非常に実践向きな戦い方をしていたのがとても印象的だった。

確かに、昇格試合でのエリマはあまり活躍出来なかったようにも思えたが……それを見れば奴もしっかりと成長しているという事は一目瞭然だ。

あれは相手が悪かった……いや悪過ぎたのと、そのせいで焦ってしまったからというだけで、コイツもなかなかやるな。

しかも、その上まだこうして努力し続けているのだから、きっとエリマは更に強くなる事だろう。

ただ、翼と尾は攻撃に使うなと言っておいたはずだが……まあ、今は自主練だから見なかった事にしておいてやるか。



アルワヒネの頭の葉がひらひらとしている。

まあ、それは良いとして。
バトルロワイヤルはルーの勝利で終わった。

……が、優勝者が決まった直後に敗北した魔物達が皆立ち上がり、また中央へと集まり出した。

これはもしや、二回戦を始めるつもりだろうか。

そう思っていると、やはりそれは開始された。
俺は再び観客となり観戦を続ける。その隣でまた、アルワヒネの葉がひらひらと動いたような気がした。

それにしても、今日のエリマは良い動きをしているな……もう少し成長したら、『あの制約』は撤廃しても良いのかもしれない。

というか、良い戦いぶりなのはエリマだけではなく、全員そうだと思う。

ルーは普段の事ながら素早く、かつパワフルな動きを見せ、エリマは先程のように気合い充分に、プチスライム達は〝あの時〟にキングさんから教わった方法を活かして……

と、皆が皆の出せる全力で戦い、それは素晴らしいとしか言えぬものだった。

だが……
それでもまだ足りないのだろうな。

今こうして見ればかなりのレベル……まあ俺達にとっては実際そうなのだろうが。

それでもまだまだ上はあり、そこにいる者と対峙すればたちまちのうちに彼等のこの戦いは遊戯レベルにも思えてきてしまうのだろう。

……アルワヒネ。
次の高みに上るには、彼女の助けがあればどんなに心強い事か。

やはり、俺達にはまだ彼女が必要だ。

今頭の葉を揺らしている少し生意気で無駄に強く、それでいて面倒見が良く、俺の魔物でもないのに俺の事を信頼してくれている、この植物少女が……

「あのさ、アルワヒネ……」
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