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第二章 球体の楽園
①
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闇……。
暗い……闇……。
体が闇に……溶け込む……。
前にも体験した………闇………。
「う、う~ん…」
「目が覚めたかい?」
葵はうっすらと目を開けた。
明るい……。しかし、空には何もない……。
わかってはいたが、さすがに驚かされる。
体の感覚は……ある……。この感じはコンクリートではない……少し柔らかい。手で確認すると、芝だった。
葵はゆっくり体を起こし、先程の声を確認した。
先程の声の主は、歩だった。
葵が起きたのを確認して歩が言った。
「厄介な事になったよ…」
歩はそう言うと、ある方向に指差した。
歩の指す方向を見ると……葵は思わず呟いた。
「どうして?」
そこには五月がいた。五月はまだ倒れている。
歩が言った。
「厄介だろ?さっき確認したけど、異常は無かったから、じきに目を覚ますだろうけど、なんでここに?」
葵が言った。
「カメラか……」
「カメラ?」
「ええ……彼女はカメラにWebアドレスを撮っていたんですよ…」
歩は理解した。
「なるほど……それを見て、11時にアクセスをしたってわけか…」
「はい……だからあんなにも、あっさり引き下がったんですよ…」
歩は呆れるのを通り越して、感心している。
「やるねぇ…彼女も…」
「執念の塊のような人です。ある意味感心します…」
やがてその、執念の人…五月が目を覚ます。
「う~ん…なに……これ?」
葵が五月に声をかけた。
「お目覚めですか?ストーカーさん…」
葵の姿を見た五月は仰天した。
「ギャーっ!つ、月島葵っ!なんで!?」
葵は呆れて言った。
「それはこっちのセリフです……。あなた、Webアドレスを盗み撮りしましたね?」
五月はバツの悪そうな表情をした。
「な、なんの事?」
「とぼけても無駄です。あなたがここにいるのが証拠なんですから…」
五月は話を変えるように言った。
「そんな事より、ここ何処?まさか……あんたが私を誘拐したんじゃ…」
「あなたは、本当にめでたい人です。呆れて言葉も出ませんよ…」
「なに~っ!あっ、そうか……夢よ、夢……私夢を見てるのよっ!そうに決まっているわ…」
歩も呆れて言った。
「もう夢でも、何でもいいから……決して俺達から離れないように、わかった?」
五月は納得できない感じで言った。
「なんで自分の夢の中なのに、自由じゃないわけ?まぁいいけど…」
葵は立ち上がって辺りを見渡した。
一面が芝になっており、方角はわからないが……視線の先に、屋敷のような物が建っている。
その反対方向を確認すると……巨大なビニールハウスがある。
植物でも植えているのか?
葵は二人に言った。
「とりあえず、あの屋敷に向かいましょう…」
歩が言った。
「ここにいても仕方がないか……」
3人は屋敷に向かうことにした。
屋敷に近づくと、屋敷から誰かが出てきたのが確認できた。
五月は少し怯んで言った。
「だ、だ、誰か来ますよ…」
葵が言った。
「うろたえないで下さい…」
屋敷から出てきた人物は近づくにつれ、誰だかわかってきた。
歩が言った。
「九条……」
屋敷から出てきた人物は、九条だった。
葵達を確認すると、九条は言った。
「やはり……来たんだね…」
葵は言った。
「お久し振りです、九条さん。有紀さんもここにいますね…」
九条は苦笑いした。
「そうだよ…」
すると五月が騒ぎだした。
「く、く、九条……つ、司っ!」
九条は五月を見て言った。
「誰だいこの娘は?知り合いかい?」
歩は言った。
「えっ、まぁ……そんなとこかな…」
五月が言った。
「私の夢に九条司がっ!感激!」
九条は顔をしかめた。
「元気な娘だなぁ…」
歩は五月を宥める。
「五月ちゃん……少し落ち着いて…」
九条が言った。
「葵君……なんなんだい?この娘は?」
「気にしないで下さい……。ただのストーカーです。それより状況を…」
「ああ……そうだね。とにかく屋敷に行こう……片岡さんも待ってる…」
屋敷に向かうと、近づくにつれその全貌が明らかになってきた。
「大きなお屋敷ですねぇ…」
五月がそう言うように、それは立派な洋風の屋敷……と言うより洋館だった。
芸術家が住んでそうな、クラシカルな建物で、見た感じは居心地が良さそうだった。
九条は屋敷の豪華な扉を開いた。
中に入ると、外観の豪華さに比べて、以外と地味だ。
屋敷は2階建のようで、中央のホールを囲うような階段があり2階に通じている。
1階の右の奥に扉がある。
九条はその扉を指して言った。
「あの扉の奥に、食事する場所と、厨房がある。皆はそにいる、行こう…」
九条につれられ3人は奥の部屋に入った。
中には大きな長方形のテーブルに、それを囲うように椅子が備え付けてある。
席には九条を除き5人が座っている。その中に有紀もいた。
歩は有紀を見つけて言った。
「有紀……無事だったか…」
有紀は笑って言った。
「ふふふ、やはり来たか……まぁ来るとは思ったが…」
有紀を見て驚いている者がいる……五月だった。
「なんで?病院にいた人が?なんで私の夢に?」
有紀は不思議そうに五月を見て言った。
「この娘は何を言ってるんだ?まだ何も知らないのか?」
葵が言った。
「面倒なので、夢って事にしています…」
歩が言った。
「ちょっと事情がややこしくて…ついてきちゃった…」
九条が呆れて言った。
「ついてきたって……君と葵君が着いていながら…」
有紀も九条に賛同した。
「全くだ……。歩はともかく、葵…お前らしくもない…」
葵は言った。
「彼女の粘り勝ちです…」
九条が言った。
「まぁいい、とにかく自己紹介をしよう…」
九条はテーブルに座っている他の人物の紹介を始めた。
女性が3人に男性が1人いる。
小柄で黒髪を、巻き髪にしている…女性は、 三木谷祥子 、24歳で職業は画家。
白をベースにした、ふわふわなワンピースを着ている……ゴスロリってやつだ。
その隣に座っているのは、江守愛、27歳で職業は教師。長い髪を後ろで束ねている。
服装はシンプルで、Tシャツにジーンズを履いている。
その隣に座っている男性は、立花陸、22歳でサッカースクールのコーチをやっているそうだ。
見た目は、短髪で茶色、色黒でスポーツマンな感じだ。
そしてその隣には和服の女性が座っている。
「堂島亜美です……。24歳です」
自己紹介を終えた亜美を見て、歩は言った。
「堂島……それにその顔は…」
九条が言った。
「そうだよ彼女は、堂島先生の娘さんだよ…」
歩が言った。
「やっぱり……世間は狭いというか、なんだかなぁ…夫人の面影があるよ…」
葵と五月、そして歩も自己紹介を済ませた。五月が自己紹介の時、「オカルトミステリー研究会の美人代表」と、言ったのは言うまでもない。
とにかく、九条と有紀が無事だった事に安堵した。
葵が言った。
「後は……調査ですね…」
九条が言った。
「ある程度は僕と片岡さんで調べたけど…」
有紀が言った。
「私が葵を案内しよう。九条氏と歩は今後の相談をしておいてくれ…」
こうして葵は有紀と調査する事になった。
前回とはうって変わって、自然に囲まれてそうなこの場所……。
ただ共通するのは、太陽が無いことだった。
暗い……闇……。
体が闇に……溶け込む……。
前にも体験した………闇………。
「う、う~ん…」
「目が覚めたかい?」
葵はうっすらと目を開けた。
明るい……。しかし、空には何もない……。
わかってはいたが、さすがに驚かされる。
体の感覚は……ある……。この感じはコンクリートではない……少し柔らかい。手で確認すると、芝だった。
葵はゆっくり体を起こし、先程の声を確認した。
先程の声の主は、歩だった。
葵が起きたのを確認して歩が言った。
「厄介な事になったよ…」
歩はそう言うと、ある方向に指差した。
歩の指す方向を見ると……葵は思わず呟いた。
「どうして?」
そこには五月がいた。五月はまだ倒れている。
歩が言った。
「厄介だろ?さっき確認したけど、異常は無かったから、じきに目を覚ますだろうけど、なんでここに?」
葵が言った。
「カメラか……」
「カメラ?」
「ええ……彼女はカメラにWebアドレスを撮っていたんですよ…」
歩は理解した。
「なるほど……それを見て、11時にアクセスをしたってわけか…」
「はい……だからあんなにも、あっさり引き下がったんですよ…」
歩は呆れるのを通り越して、感心している。
「やるねぇ…彼女も…」
「執念の塊のような人です。ある意味感心します…」
やがてその、執念の人…五月が目を覚ます。
「う~ん…なに……これ?」
葵が五月に声をかけた。
「お目覚めですか?ストーカーさん…」
葵の姿を見た五月は仰天した。
「ギャーっ!つ、月島葵っ!なんで!?」
葵は呆れて言った。
「それはこっちのセリフです……。あなた、Webアドレスを盗み撮りしましたね?」
五月はバツの悪そうな表情をした。
「な、なんの事?」
「とぼけても無駄です。あなたがここにいるのが証拠なんですから…」
五月は話を変えるように言った。
「そんな事より、ここ何処?まさか……あんたが私を誘拐したんじゃ…」
「あなたは、本当にめでたい人です。呆れて言葉も出ませんよ…」
「なに~っ!あっ、そうか……夢よ、夢……私夢を見てるのよっ!そうに決まっているわ…」
歩も呆れて言った。
「もう夢でも、何でもいいから……決して俺達から離れないように、わかった?」
五月は納得できない感じで言った。
「なんで自分の夢の中なのに、自由じゃないわけ?まぁいいけど…」
葵は立ち上がって辺りを見渡した。
一面が芝になっており、方角はわからないが……視線の先に、屋敷のような物が建っている。
その反対方向を確認すると……巨大なビニールハウスがある。
植物でも植えているのか?
葵は二人に言った。
「とりあえず、あの屋敷に向かいましょう…」
歩が言った。
「ここにいても仕方がないか……」
3人は屋敷に向かうことにした。
屋敷に近づくと、屋敷から誰かが出てきたのが確認できた。
五月は少し怯んで言った。
「だ、だ、誰か来ますよ…」
葵が言った。
「うろたえないで下さい…」
屋敷から出てきた人物は近づくにつれ、誰だかわかってきた。
歩が言った。
「九条……」
屋敷から出てきた人物は、九条だった。
葵達を確認すると、九条は言った。
「やはり……来たんだね…」
葵は言った。
「お久し振りです、九条さん。有紀さんもここにいますね…」
九条は苦笑いした。
「そうだよ…」
すると五月が騒ぎだした。
「く、く、九条……つ、司っ!」
九条は五月を見て言った。
「誰だいこの娘は?知り合いかい?」
歩は言った。
「えっ、まぁ……そんなとこかな…」
五月が言った。
「私の夢に九条司がっ!感激!」
九条は顔をしかめた。
「元気な娘だなぁ…」
歩は五月を宥める。
「五月ちゃん……少し落ち着いて…」
九条が言った。
「葵君……なんなんだい?この娘は?」
「気にしないで下さい……。ただのストーカーです。それより状況を…」
「ああ……そうだね。とにかく屋敷に行こう……片岡さんも待ってる…」
屋敷に向かうと、近づくにつれその全貌が明らかになってきた。
「大きなお屋敷ですねぇ…」
五月がそう言うように、それは立派な洋風の屋敷……と言うより洋館だった。
芸術家が住んでそうな、クラシカルな建物で、見た感じは居心地が良さそうだった。
九条は屋敷の豪華な扉を開いた。
中に入ると、外観の豪華さに比べて、以外と地味だ。
屋敷は2階建のようで、中央のホールを囲うような階段があり2階に通じている。
1階の右の奥に扉がある。
九条はその扉を指して言った。
「あの扉の奥に、食事する場所と、厨房がある。皆はそにいる、行こう…」
九条につれられ3人は奥の部屋に入った。
中には大きな長方形のテーブルに、それを囲うように椅子が備え付けてある。
席には九条を除き5人が座っている。その中に有紀もいた。
歩は有紀を見つけて言った。
「有紀……無事だったか…」
有紀は笑って言った。
「ふふふ、やはり来たか……まぁ来るとは思ったが…」
有紀を見て驚いている者がいる……五月だった。
「なんで?病院にいた人が?なんで私の夢に?」
有紀は不思議そうに五月を見て言った。
「この娘は何を言ってるんだ?まだ何も知らないのか?」
葵が言った。
「面倒なので、夢って事にしています…」
歩が言った。
「ちょっと事情がややこしくて…ついてきちゃった…」
九条が呆れて言った。
「ついてきたって……君と葵君が着いていながら…」
有紀も九条に賛同した。
「全くだ……。歩はともかく、葵…お前らしくもない…」
葵は言った。
「彼女の粘り勝ちです…」
九条が言った。
「まぁいい、とにかく自己紹介をしよう…」
九条はテーブルに座っている他の人物の紹介を始めた。
女性が3人に男性が1人いる。
小柄で黒髪を、巻き髪にしている…女性は、 三木谷祥子 、24歳で職業は画家。
白をベースにした、ふわふわなワンピースを着ている……ゴスロリってやつだ。
その隣に座っているのは、江守愛、27歳で職業は教師。長い髪を後ろで束ねている。
服装はシンプルで、Tシャツにジーンズを履いている。
その隣に座っている男性は、立花陸、22歳でサッカースクールのコーチをやっているそうだ。
見た目は、短髪で茶色、色黒でスポーツマンな感じだ。
そしてその隣には和服の女性が座っている。
「堂島亜美です……。24歳です」
自己紹介を終えた亜美を見て、歩は言った。
「堂島……それにその顔は…」
九条が言った。
「そうだよ彼女は、堂島先生の娘さんだよ…」
歩が言った。
「やっぱり……世間は狭いというか、なんだかなぁ…夫人の面影があるよ…」
葵と五月、そして歩も自己紹介を済ませた。五月が自己紹介の時、「オカルトミステリー研究会の美人代表」と、言ったのは言うまでもない。
とにかく、九条と有紀が無事だった事に安堵した。
葵が言った。
「後は……調査ですね…」
九条が言った。
「ある程度は僕と片岡さんで調べたけど…」
有紀が言った。
「私が葵を案内しよう。九条氏と歩は今後の相談をしておいてくれ…」
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