白衣の下2 イケメン営業マンとアラフォー理系女のエッチな関係

高野マキ

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度重なる偶然

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結局 白井ユミの膝下にも近づけず 完敗のまま朝出かける時に開けた玄関の扉を再度開けた。

上手くいかなかった仕事を誤魔化す明るい声色で「ただいまっ」と
発声した。


「あなたっお帰りなさーい。お疲れになったでしょう?お風呂 それともお食事になさいます?」



可愛く走り寄りながら笑顔を振り撒く良家のお嬢様。
健気に 着替えを手伝い 湯加減はいかが と聴いてくる。


何も考えず バスタブに身を沈めてぼんやりと浴室に視線を泳がせる。幸せ… それ以外の何ものでもない 

     これが 幸せ…と言う事か


「あなた お背中流しましょうか?」


「ああ お願いするよ 」


新妻は半袖の白いTシャツにハーフタイプのリゾートパンツ その上からピンク色のエプロン姿で浴室の折り戸を開けて入ってきた。


浅いバスタブに全身を横たえ首をバスタブの縁に当てながら 妻の姿を見た。


 最初に視界に入るのは短いリゾートパンツから出た白いむっちりした二本の足。

見上げるような視線の先で彼女の太腿からその上のデリケートゾーンが僅かに覗く。

「さあ あなた 出てください お背中流しましょう」


波彦はだらりと身体を湯に沈めたまま その腕だけを覗き込む彼女に向けて伸ばした。


「まぁ ウフフ 起こすの?」


彼女が波彦の手を握った瞬間 波彦は肘を曲げた。

彼女がバランスを崩してバスタブに落ちる事を見越した行動だった。


「いゃ~ん 」


咄嗟に出る声すら お嬢様だ。


急にこの無垢なお嬢様をめちゃくちゃにしたいと思う衝動のままバスタブに彼女を引きづり込み自身は半回転して 彼女を組み敷いた。




「あなた 波彦さん …」


怪訝そうに見上げるびしょ濡れの妻の唇を塞ぎ 荒々しく舌を捩じ込み彼女の口の中を舐め回すと 

声にならない彼女の呻く音が浴室内で反響する。


ガッチリと細いウエストを抱きしめながら 唇を離すと
涙目になった妻の瞳が 可愛らしく 愛おしく波彦の目に映る。

「いい? このまま君と繋がっていい?」


波彦が囁く。 紅潮した色白の顔が僅かに下に傾く。



それからは 早かった。
あっという間に エプロンもTシャツも剥ぎ取られ 剥き出したFカップサイズの乳房は浮力てぽっかり浮かんだのをいいことに 波彦の大きな手のひらで ムギュッと鷲掴まれ 先端の乳輪と小ぶりな乳首が掴んだ手からはみ出した。


波彦は 両方を交代で口に含み強く吸った。


 浴室に艶かしい悶え声がひびく。


「あぁぁ ぁぁ 感じるぅ もっと もっとぉ 」

乳房を攻めたてている間に妻の下半身はだらしなく開かれる。
そして良家のお嬢様でありながら波彦の怒り狂った下半身に自らの秘部を擦り上げてきた。



「あなた おねがい…もう 我慢できないの」


結婚して1年 この日のような激しい夜の営みは 二人が初めて体験したものだった。妻は恥じらいと慎みを忘れて夫を求め、夫は今まで出世の為の結婚と割り切って表面的な夫婦の営みに終始していたが この夜は獣のように妻の体を貪った。


妻の陰部を激しく掻き回し 溢れる粘液を潤滑油代わりに、獣が発情期に交尾行動するように 四つ這いの妻の背後から自らのペニスを突き立て ピストンを繰り返した。


波彦の下腹部は妻の臀部に何度も打ち付けられ その音がパンパンと浴室内に響く。


妻は羞恥心を忘れて 嬌声を張り上げ何度も昇天を繰り返した。


慎み深い良家のお嬢様は実はセックスに非常に貪欲な性分だったと知り、 波彦は 本心を隠したまま妻の躰に溺れた。



本心… 
組み敷いた女が 白井ユミなら
俺はこんなに冷ややかに情交の相手を力尽くで蹂躙できるだろうか…





研究開発センターの出入り業者選抜の第一次審査(書類審査)通過の認定通知が本社営業部開発プロジェクトチームに届いたのは センター開所式から1ヶ月以上経ったある日だった。

「大楠次長っ 通過ですよ! 一次審通過」

部下が波彦のデスクに白い通知のA4紙を差し出した。

波彦は研究開発センター開所式出席時は仮の役職として、開発プロジェクトチームリーダーの肩書きだったが正式に役員会で、部長待遇次長の辞令を受け取っていた。

「そんなに 大喜びすると 最終審査で落とされた時のショックが後を引くぞっ 今回はトータルに判断して吉田君に任せたから 次の審査の準備怠るなよ! 責任は俺がとるから プレゼンは思いっきり実力発揮してくれっ」


「ねぇ 吉田さん 次長自ら出陣しないつもりかしら?」

「どうかなぁ… 俺は任された以上全力を尽くす!」


「そんな事 当たり前でしょ? わざわざ宣言しなくても…くやしいなぁ K大教授のお爺ちゃんだっら 私だったわ きっとプレゼンは!」


「そうだね  君は新規研究室開拓頼むよ!センターと繋がってもモノ(売り上げ)は余り期待できないから、あくまでもネームバリューを上げて超大手の独占を阻止するためだからね」



「吉田さん 今夜どうよ 一杯 明日は休みだし 」



「わりぃ 今夜は子供の相手 家内が同窓会でさ」



「あー 嫁の同窓会って やばくない?」



「何が?」



「だってさぁ 昔の彼氏と   なんて」


「あー ウチの女子校 」



「えー つまんないのぉ」



「くだらない事考えてないで 仕事しな」



「あなたぁ じゃ 行ってきます。少し遅くなるかも、余り遅くなりそうだったら実家に泊まってきます。」





「ああ  楽しんで来なさい もしあちらに泊まるようならメールいれてな、心配するから 」



「もちろん メールします。」




波彦の妻は機嫌よく 同窓会に出かけた。

この時はまだ、上司と部下の嫁達の偶然の関係が、波乱の展開へと進む事など誰も予想だにしていない。


  
やれやれっ 久しぶりにのんびりできる…


「ただいまぁ~」


吉田の妻は同窓会から午後11時過ぎに帰宅した。


「お帰り」


「リサは?」



「寝た寝た あっけないくらい8時にネンネ」



「あなた 一杯のまない?」


「どうした? 珍しいな 深夜の酒は太るんじゃなかったか?」


「今夜は、ねぇ ちょっと飲みたい気分」


吉田は 妻のために冷えた缶ビールをわざわざグラスに注いで手渡した。



ビールを一気に飲み干す妻を眺めながら

「どうした 君らしくないじゃん 」



「あー美味しい! ちょっとね 酔わなきゃあなたに話せない事があって…」



「まぁ ゆっくり もう一杯どうぞ 」


妻が差し出すガラスコップに、ビールを再び注いだ。
それに少し口をつけると、


「知らなかったわ まさか 貴方の上司の奥さん 同窓だったの」


「えっ 大楠次長?」



「そうよ その人旧姓は萩原って苗字だったんだけど 大楠って…」



「大楠って苗字だけで 何で 次長の奥さんだとわかるんだ?」


吉田は妻のコップのビールをゴクッと飲み干した。


「ヤダ 自分のコップで飲みなさいよっ…」



「悪りぃ 悪りぃ 早く 教えてくれよ!」




「あのね  萩原さん達とあたし達はあまり接点が無かったのよ。
あたしたちは どちらかと言うと体育界系? 萩原さん達はお嬢様系なわけよ」




「真逆って事だよな 」


「まぁ ね…あの子達、やれブランドだ、やれランチだって 最終的には 旦那だ 子供だの話しで盛り上がってたみたいよ  でー…」



「萩原さんが 自慢した? 若くして部長待遇の次長って?」


「うん!」



「悪かったなぁ 俺みたいな鳴かず飛ばずで…」


「違うのよ! 違うの… 二次会の後、すごい外車に乗った男性が迎えに来たのよ」


「ヘェ~」 
他人事の様にチータラを口にしている旦那に



「皆は 素敵なご主人 とか さすがセレブとか 言って羨ましがってたけど、大楠さんじゃなかった!
貴方に見せてもらった開発チームの集合写真の次長じゃなかったわ!」


吉田はビールを飲むと


「見間違いじゃねぇー? 兄貴か 弟?」


「姉妹よ  彼女は荻原姉っ」



「じゃ   従兄弟?」



「おかしいわねぇ~従兄弟が腰に手を回す?」



ビールを手酌でコップに注ぐと吉田の妻は ゴクゴクと喉を鳴らした。



    ええっ… まさか?



ほろ酔いが吹っ飛んだ。




いよいよ研究開発センターの出入り業者選抜のプレゼンが始まる。

国内数百社、海外からも大手数十社の応募から この日までに三十社に絞られ絞られた各社がプレゼン内容を事前に選考委員会に文章で提出。書類選考で国内外10社に絞られた。



「次長来ないのかなぁ…俺ちょっとビビってきたわ」


「もぉ! 吉田さん 何を今更っ そんなだったら初めに辞退してよね  私がしたのにっ 」



「だよな… 悪かったよ… 」


会議室内は照明を落とし プレゼンターがハンドマイクを持って自在に自社製品 自社ブランドの優位性 有効性 
コストパフォーマンスや性能を解説していく。

時にユーモアとウィットに富んだアドリブは会場を沸かせ印象付けに成功したかのように思わせる。

しかし、売り込み先 つまり研究開発センターの研究者は何を必要としているのかを見誤ると それは失敗と言うしかない。

一社の持ち時間は10分間。この短い時間のパフォーマンスに 自社の命運がかかっている。


波彦の部下 吉田の順番が来た。



   よっしゃあー!

心の中で気合いを入れて スクリーンの前に立った。



吉田のプレゼンは 派手さは無いが 誠実だなと印象づける構成だった。スライド画像と彼のマイクパフォーマンスも違和感なくスムーズに展開されていた。



「良かったよ  吉田っ 」



「次長っ いらしてたんですかぁ~ 人が悪いなぁ…」

波彦はプレゼン会場の後ろの入り口付近で立ち見していた。



「俺がいてもいなくても する事は決まってるだろ?」


「まぁ そうですけど……」







「少しは 成長したのかしら? 」


    …!


あまりに突然 その声は波彦の背後から耳に届いた。一瞬 ドキッとする。



「しっ…白井教授!」

吉田が 驚いて 声を震わせた。


「貴方のプレゼン良かったわ  だから どちらの会社の方かと思っていたら…」



「白井先生 ご無沙汰いたしております。その節は大変失礼いたしました。」


「あらっ とっくに業界からフェードアウトしたのかなぁって思ってたわ、ムスカドメスティカ君」




ほんの数十秒間の再会だった。ユミは冷たく毒を吐くとその場から離れようとした。


「まっ 待って!」


波彦は咄嗟に 彼女の細い手首を掴む事が出来た。


「何? 痛いじゃない 」


「先生 久しぶりの再会なのに また蝿呼ばわりして去るんですか?私にも話させてください。少しお時間ください 」


「その手 力入りすぎ! 別に逃げも隠れもしないわ お離しなさい!」


「っ…スミマセン  … 」

おずおずと ユミの手首から手を引っ込めたが また離れていくだろうか と 後悔もした。


「さて、たしか貴方のお名前は …」


「大楠です。」

波彦は初めて ユミに名刺を差し出す。


ユミは差し出された名刺を受け取ると 

「後ほど 拝見します。次会う事があれば、よろしくお願いします。」




白井ユミは〝次会う事があったら〟と言葉を残して まだプレゼンが行われている照明を落とした会場の人混みに紛れて消えた。


「次長!  白井教授とお知り合いですか⁈」


「ムスカ何とかって 何ですか?何かの暗号?」


「ムスカドメスティカは イエバエ 」


「イエバエって? あの 蝿? 銀蠅とか黒蠅とか?」



「そうだよっ! オレ達は、研究者に群がる蝿なんだとさ」

波彦は自虐ネタで自らを卑しめた。



「ひど~い  せめて蜜に群がるカブトムシとか」

田中は本気とも冗談ともつかない例えを吐いた。


「ヒットソングかっ!」


「白井先生!さすがの貫禄でしたね 」

田中が感心すると

「仕事もクール 隙のない美人タイプだよなぁ~」


「あの人が気に入る 営業って?」


「キイロショウジョウバエの女王様だから、きっと蝿の王様クラスじゃ無いと太刀打ちできないさ」


「やだ~ 吉田さん それグロすぎるぅ~」





「さあ 帰るぞっ ここはやるだけやった。果報は寝て待てだ」


  はいっ 次長!








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