白衣の下 スピンオフ 若き日の黒崎先生の日記より〜

高野マキ

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早瀬ヒカルの恋 〜ロサンゼルスでの出来事

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事故から二週間…俺は杖で歩行出来るまでに回復してきた。

行動範囲も病棟から中庭へ広がった。

まぁ いつもの事だが、誰かしら女が近くにいて世話を焼きにくる。
 
 世話してもらって嫌な気はしないので、時々可愛い子なら軽くハグして 頬を寄せてやる。

「thank you」

何となくその日は、一人でベンチに腰掛けて秋の空を見上げていた。
飛行機雲が 真っ青なカンヴァスに白く長い帯を描く。視線は空から
伸びる飛行機雲の尖端を追う。

だらし無くベンチにもたれ、頭の後ろで腕を組み、雲の帯が 病院の建物で途切れ  すぐ下の2階の窓のガラスに映っているのを見ていた。

    ラボの食堂か…?



視線の先に……窓際の席  左側は空席のままDrララハート.ミラーが秋空を見上げていた。
   
 
   泣いてるのか?…まさかね、あの女傑が…

俺はガラス越しのララを凝視した。


事故で運ばれたあの日、手荒い治療で俺に恥をかかせた女医…

*~~*~~*~~*~~*~~

――『ああ 折れちゃってるよ…』
「…でっ!」

『ごめんねぇ …ぼうや ちょっと痛いけど辛抱してね』

『ララ 此処で整復するぅ?  』


『仕方ないでしょ 人いないし』

『整形呼んで来ようか?』

『いいわ  骨大工いらない ……』
――――――――――――――――――

―グキッ ―ギャアアア――ッ
 …‥
―『あら…失神したみたいよ  ララ』


*~~*~~*~~*~~*~~



あの時の情けない姿を思いだした。
俺って……………………だっせー!クハッ…ゥクッ ククク





彼女から目が離せ無い……。


直ぐに彼女の周りには、同僚達が集まってきた。



     ………俺は他所に視線を移した。


『ヒカル っうぅっ』
Drナオミが食堂の窓を開け、辺りかまわず俺の名を叫び手を振る。



  …っち…やめてくれ…おばちゃん


俺は無視を決め込んだ。


窓ガラスに映るDrララハートの向かい側の男


ちぇっ…気にいらねぇな




  彼女の向かいに座っている馴れ馴れしい男、誰なんだ…

俺は不意に立ち上がり、中庭の芝の真ん中に入って 2人を近くで観てやろと思った。

ギプスで固定された重い右足と、靴を脱ぎすてた左足。両足で立ってみる。

ずーんと右足に痛みが走る。身体がぐらつく。


『ララハート・ミラーァーーーッ!おまえっ何なんだ!』


杖を高く放り投げた。



「 LooK at only me‼︎  」(俺だけ見ろ!)


  …………………………………………



ぐらついたまま芝の上に倒れ込み、そのま芝生の上で大の字に寝転んだ。

 アハハハハ  スッキリしたっ
俺はアイツが好きだっ このモヤモヤはあの女のせいだ。
きっちり 折れた足と一緒に始末つけてもらう。





2階から降りてきた女性研究員達は俺がした奇行に、

『ララに 告ってるじゃん…』

……………………………………………………


それからすぐ
Drララハート・ミラーの姿は無かった。




俺の視界に入った
飛行機雲は跡形もなく消えて





『ヒカルっ…! ヒカルっ』




…………………… Drララハート! 何なんだよ?
何故ここにいるんだ…………………  …………………………………… 頭がくらくするぞ…言葉が出てこない…  発声をわすれちまったか?  俺?

ララと 話しがしたい
  
 言葉が出ないーーーーーーーーーー…ヤバいな…



Drララハートの声が聞こえる。

『水をたくさん 飲ませて頂戴…食事は取れてるの?』

『それが、朝から食べれてません』



『じゃ点滴追加して…………………それから、明日以降でいいからベッド空き次第多床室に移して!』


『今後は 私かナオミ以外の指示書は無効よ!徹底してねっ』




『貴方がいけないのよ……あんなやんちゃな事をするから…』

彼女の手のひらが俺の頬を挟んでいる。

二度目の近距離


『明日には 楽に話せるようになるから今日は ナースの言う事を聞いてね…ベイビィ…』





『ナオミ ここは任せたわ』





(ーー行くな…傍にいて…)







俺は どうやら 白人至上主義者の怒りを買ってしまったらしい…


通常は使わない精神安定剤(抗不安薬)を、ララへ杖を投げつけた暴挙の罰則として極右の医師に投薬された。

その結果二日間は意識が朦朧とし識別できるようになっても呂律が回らないなどの障害に見舞われた。


ララの適切な処置で  男としての機能を失う事も無く、健全な性欲と精神を取り戻し体調は順調に回復してきた 。

あの日以来  Drナオミ.Wはほぼ毎日必ず様子を見に来るが、Drララハートは一度も病室に来なかった。


…クッソったれ!




ギプスは既に外しシーネ(副木)に変わっている。

ナオミは俺のベッドの端に座り手首で脈を取る。


『明日 診察して 問題無かったら 退院できるから』

……………………………………



ナオミは単純な性格だ。直ぐに気持ちが表情にでる。

 退院したら、もうおばさんと会う事も無いな…

副木だけになった俺の右足の指先の血行を調べようとベッドから降りようとしたナオミを 俺なりの方法で 感謝の意を表させてもらった。

「……gee 」(ヒャッ)

ナオミの手首を引っ張り、強く抱きしめ 耳に唇を寄せ、

「Thanks for   everything.」(今までありがとう)

どうよ! 俺のセクシーなサプライズは!

「…aha…hmmm  」(アハァ…フーン)

ナオミはうっとりしながら囁いてきた…

「 I want you to   Kiss me.」 (キスして…)


「…sure 」(もちろん)

 彼女の薄い小さな唇を目一杯俺の唇で塞ぎ、熱く吸った。

さすが、アメリカン キスが上手い! 俺の股間がキスだけで反応した。ヤバいっ!



「…痛てぇっ!!」

彼女のグラマラスな体重が右足に乗っかってるっ


「  darn.!!!」(くっそーッ)
彼女は思わず下品に舌打ちし、 続きをやめた。

俺も一瞬だけ 反応したが 痛みには勝てない。


   しかたがない。



ラボと病棟の間の中庭  
建物に沿ったテラコッタの敷石の中央は、手入れの行き届いた芝生が敷き詰められ、昼休みは このメディカルセンターに出入りする人々が集う。


俺はというと、もう杖は必要無く芝生の上を歩く事が出来る。
左手首はほぼ完治状態で可動域制限も無い。

ラボの食堂の窓際にDrララハート.Mの姿を見つけていた。ララが肘を突き視線をこちらに向けているのが判る。

 よくも、俺を無視しやがって…見てろっ

彼女の視界の中で逆立ちをした。



俺は逆立ちのまま 一歩  二歩と脚でバランスを取りながら進み始める。

  おかげで手首も完治したぜっ…









俺は限界までバランスをとりながら逆立ち移動したが 

あっ っちぃっ! 無理っ

受け身をとりながら芝生に仰向けに倒れ込んだ。




またか….


俺の視界から食堂の窓際に居るはずのララの姿が消えていた。



「…darn (ちぇッ) the end .か…」



俺はそのまま 腕を後頭部で組み瞼を閉じる。
明日退院が決まり次第予定通り南米へ渡る決心がついた。



「 Silly…」( おばかさん)


えっ! はぁ?

俺の隣に白衣の金髪美人が座る。俺は太陽で眩しい中 薄目を開けてみた。

逆光で表情がわからない。そのままわからない顔が近づく。


………………………………………………………………


俺たちは芝生の真ん中で、抱き合い熱いキスを交わした。




ララの情熱的なキスは俺の脳みそを麻痺させ ハートを翻弄する。   
   ゥッハァ…


舌に絡み付く 淫秘なララの舌使いは、俺の下腹部の欲情を強烈に競り上げる。歯列をなぞりながら唇が自然と吸い付き何度も角度と位置を変え塞ぐ。息が出来ず朦朧としてくる。

    

俺の胸板にむっちりと脂肪が乗った二つの塊がピタリと押し付けられて馬乗りになった彼女が唇を離した時には、俺はカッとにのぼせ上がっていた。  


 スゲェ… ヤバい とろけそうだ…
     もうこのまま 青姦したい…


    ……ハァァ


『ヒカル…初めて逢った時から無視できなかったわ…』



   『ハァ…ずっと無視したくせに…』

……………………………………


   俺は嫉ましげにララを見つめた。



『無視しようと努めたの…………だって…』



     ララを力任せに引き寄せ 体勢を反転させ がむしゃらに抱きしめると、言葉がついてでる。


  「Look at me    forevr.」  (僕をずっと見て…)


ララを組み敷き 上から手首を押さえ指を絡める。真っ直ぐな瞳が
ララに懇願する。


      …ヒカル…

「I'm crazy for you.」(君に夢中だ)


激情のままに乱暴なキスを繰り返し 白衣のしたのスクラブの隙間から覗く豊満な胸の谷間に顔を埋める。


  「I need you.」 (君が…欲しい)


『…うふぅぅ』


  ララは瞼をとじて俺を、俺の全てを丸ごと胸に抱きとめてくれた
……………………………このまま……………死んでも…
     …悔いはない!


俺は、生まれて初めて恋に堕ちた…





『ヒカル…ごめん 』………………

俺から退けるように彼女は体をずらした。


『はぁ!何言ってるんだ…意味わかんねぇ…』

腕から擦り抜けた彼女を目で睨んだ。

……………………………


『貴方が、凄く‘ クール’  だったから………、つい…グッと、…ここに…ね…………………』


彼女は 白衣の上から左側の胸をポンと叩く。  そして…苦し気な表情から一転………、俺の瞳を見据え…ニッと、不敵な笑みを浮かべた。   いつもの強い Drララハート・ミラーに戻ってしまった。



『 最近…男っ気無かったからさ、ちょっと飢えてたんだよね……………ん、ヒカルの若い フェロモン 頂いたってわけ、凄くセクシー………素敵なキスだった………、明日の診察 忘れないでね!』

俺の肩を押し退け Drがその場を立ち上がる。

   俺はただ 呆気にとられて茫然と彼女を見上げた。


『ヒカル…………じゃあね~』


スクラブパンツについた枯れ草をパンパンとはたき 、振り向く事もなくラボに戻っていく。

――――――――――――――

「くそっ!!!」
芝生をむしり取りな投げつける。

「っんだァ――ざけんなっ!ウワ――――ッ」


……………


  …何ぃ! あんた一人で  完結してんだよ… …!!!







俺は 約一ヶ月近くの入院生活を送り退院した。


その後、南米  から オーストラリアへと渡り歩き 、春休み中の妹、黒崎ミチコとカリフォルニアで落ち合い、二人揃って日本に帰国することにした。



5ヶ月前…
事故で搬送されたメディカルセンターでの手酷い   失恋…。
相手は年上のドクター。 手も足も出ない大人の女性だった。どうしてももう一度逢いたい。  逢いたい気持ちが俺をメディカルセンターへ向かわせる。





  女々しくてもいい。逢って…本心をもう一度確かめたい…



日本に帰国すれば、おそらく一生逢えないかもしれない…こんな苦しい感情を抱いたまま帰国できない… 戸惑いより先に行動に移さずにはいられなかった。メディカルセンターから直接  研究所の受付にむかった。


面会を申し込む。受付の職員が困惑しながら、内線電話でラボに問い合わせている。


    『 しばらくお待ち下さい 』


俺は 研究所の一階から中庭を見つめながら、あの女の姿を思い浮かべた。




        逢いたい…逢いたい

                              …………


抱きしめたい






研究所のロビーの窓越しに 中庭で休憩中の職員や入院中の患者達を虚ろに眺める。研究所内を行き交う職員達は、俺の事を覚えていた。  しかし、誰もが俺に批判的な視線を投げかけるだけ…


『何しに来たんだ! あのJap』

『のうのうと、良く来れたもんだ』

露骨に陰口を言う職員もいる。


   …ちっ、こいつら 何なんだ っ

   怒りが爆発するのを押さえ…ララを待つしかない。

『ヒカル!』

ナオミ?…

振り返ると、そこにDrナオミ.Wが立っていた。


“ どうしようもないのよ  諦めて…”と、いきなり俺に訴えてきた。

『ララは 何処だ』

 ナオミは首を横に振る。




『ララは 退職したの…』




『ヒカル…ここはマズイから他へいきましょう』

ナオミは俺をラボの奥まった資料室へ連れて行った。



『ヒカル…ちょっと合わない 間に随分男っぽくなって…何処を彷徨って来たのぉ? 脚も完治だね…南米は何処まで行ったの……いつアメリカに戻って来たのよ?…』
………………

ナオミがララの話題を避けているのが見え透いているだけに 虚しさを憶えた。


『何なんだ!ララはどこへ行ったんだっ?  ここを辞めて他の病院にでもくら替えしたのか!』

怒りを通り越し 涙腺が崩壊しそうだ。


『ヒカル…』

   


『あの女に 逢いたいんだ!確かめたい事があるんだっ ナオミ!ここを辞めて…いったいどこに行った!  どこの病院だ…? お願いだ教えて…』 


   目から涙が溢れ落ちる。唇をかみ、俺は敢えて天井に目をやり流れた涙を払う。


      …ヒカル…

『泣くぅ⁈  あなた…どれだけララが好きなの…よっ …………』



…………………………………




『ナオミっ 何を隠しているんだ!ララは今、どこなんだ』


………………


『ヒカル………、ヒカルが退院してから 病院内でいろいろあって…
ララは … 傷害容疑で逮捕されたの…………』


『傷害容疑って!あいつ何やらかしたんだ…まさかの医療事故…』

『ララは 今何処にいる?』


ナオミは俯き加減に両方の手の平を広げ心配 要らないとゼスチャーする。

『大丈夫、いい弁護士つけているから すぐに保釈されたわ』

ナオミの硬い表情も和らぐ。


『逮捕って 原因は何?』

とりあえず保釈されている事実にホッとした。でも まだナオミは
何か隠してる…




『何聞かされても 驚かないから 話して欲しいナオミ!』

………………………………………

『ララ…ね … 医局のオニールってクズ野郎を、ぶん殴って鼻をへし折ったのよ…』

『…はぁ? なんだって‼︎ 』
俺はもう一度聴き直した。いくらなんでも 白人男の鼻をへし折るって…女のすることじゃねぇだろっ


『だから!男に怪我させて訴えられたの…‼︎ 』

ナオミが天井を仰ぐ。



『………てっ⁈ 何してんの? ん で 、失職…バッカじゃん!幾つなんだよっ   くっそっ!』


俺は足元の段ボールを思いっきり蹴飛ばした。

まさか俺を庇った事が原因だったとはこの時は全く気が付かなかった。

ナオミはしばらく口篭っていたが、俺の怒りを鎮める意味も込めたのか
事の成り行きを話してくれた。
(白衣の下 第一章 先生の恋に詳細記載)


喉の奥がひりつく。
俺はやっとの思いで 声を絞り出した。

『ナオミ………俺… に 何かできる事は無い…?……どんな事でもしたい…彼女のためなら…、』


ナオミは

『ジーザス………』
と天井を仰ぎ胸で十字をきると、


『ヒカル…今  貴方にできる事は何もない…、早く日本に帰って貴方がすべき事をしなさい……ララもそれをきっと望んでる、絶対に神様は、あなたたち二人を見捨てるはずないから、………』


ナオミの言葉は 俺の無力さをえぐりだした。何と愚かで身勝手な事をしたのか…1人の有能な医師を抹殺したも同然だった。


俺は自分自身が無能で生きてる価値もない 〝クズ〟だと 知った。


ミチコには全く関係ない。異母妹を不安にさせるわけにはいかない。


俺が窮地に追い込んでだ ララハートを見殺しにして 異母妹と帰国した。



                     まだ肌寒い3月上旬…



“  日本に帰って、貴方がすべき事をしなさい…ララもそれを望んる”



(もう…女は…いい )

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