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藍川夢の懺悔   背徳の牧師

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フロントで運転代行業者を待っている間に女将がやって来た。


  「あらっ、ヒカルさん、もうお帰り?…今夜はてっきり泊まってくれるものと思っていたのに」

夕食の繁忙時間になりゆっくり息子と話しも出来ないカヲルに、



  「まだこれから寄る所がありまして…せっかく温っちゃんとも会えたのですが………また、ゆっくりお邪魔しますよ、」


  「坊ちゃまぁ、代行さん来ましたよぉ」



  「じゃ、お母さん、また来ます。」



  「えっええ、そうして頂戴ね…貴方も早く落ち着いてくれなくっちゃ…ふぅ…」



  (…落ち着いてますがね~)



  「はい、そのうち」




(…温子さんじゃ…駄目だったのかしら…)



息子がいつまでも死んだ妻の事が忘れられず独身でいることに気を揉む母親がそこにいた。



  「旦那さん、どちらまで…?」



  「そうだなぁ…とりあえず修善寺まで頼むか…」


先生は行こうかどうしようか珍しく迷っている。


  (…最悪車中泊か~)

  「はい、わかりました」

先生の車が修善寺へ向かうとそのあとから代行事業所の軽自動車がぴたりと付いて来る。


  「旦那さん、今夜は修善寺でお泊りですか?」



  「いや…まだ決めてないんだ…」

先生はゆっくりと助手席のシートを倒した。


 「そうですか…今からだと、旅館探すのも手間ですよ何なら…………あ…寝ちゃってますか…?」





  …………………

時差ぼけは無いにしても36時間でニューヨークから伊豆半島往復は流石の黒崎先生もお疲れの様子だった。



“おいっ、何やってんだっ…やめろっ状況を判断しろっバカヤロー”



“駄目ですっ先生っ、私が行きます!っ、行かなくちゃっ”




“お前一人が行ったところで、どうにもならんっ、無駄に命を粗末にするんじゃないっ”



“離して下さいっ”




“待てっ!”



   「待てよっ!」


先生は夢を見ていた。戦場で言い争っていた相手の顔は判らない。
ただ冷静な判断力を欠いた相手が突っ走るのを引き止めていた。


  「お客さん、大丈夫ですか?随分うなされてましたよ」


  「そうか…ったくろくでもない夢だったよ、」


      
    ………………




   
  「そろそろ、修善寺駅ですが…もう9時過ぎてますからね……どこかお泊りのあてでもあるんですか?」

代行業者の運転する先生の車が修善寺駅の道路標識を過ぎたところで


  「この住所まで運んでくれるか…」

先生は手持ちのレシートの裏側に行き先の住所を書き運転手に手渡した。


    「はい…」

カーナビゲーションに住所を入力すると目的地まで12分の距離とモニターに表示された。



再びシートを倒し瞼をそっと閉じる。
さっきまでの光景は出てこない…


真っ暗な闇と車のウインカーの規則正しい電子音が聞こえるだけだった。


   「お客さんっ、ご希望の住所に着きましたよっ…お客さん」



  「おっ、有り難うっよっ、ここでいいよ…ここで」

先生が助手席から見渡した辺りの風景は温泉郷とは程遠い住宅街の一角だった。


  「この壁沿いに車止めてくれるか…」


  「はぁ…お住まい…この辺りですか?」


  「いや…代金は?」

  「すみません…高速料金も含めまして…3万7千円です」



   「カードで頼む」

先生が懐からカードケースを出す前に、


      「お客さんっ…申し訳ないですが、うちはカード決済出来なくて…」

運転手が困り顔で先生を見た。


  「マジかぁ…!…こりゃ困ったなぁ…………………」


先生は助手席から下りると層3階建て三角屋根の箱形の建物の門扉まで歩いて行った。

インターフォンのブザーを何度か連打した。


  「はい、どちら様でしょうか…」



  「ゆっ、夢ちゃんかぁ俺っ、俺だぁっ、」

先生の情けない声が21時過ぎの住宅地に響く。



   「あの…どちら様?」




   「俺だよっ!黒崎ぃ!」

   大声に変わっていた…



  「…そんなに大声出さなくても、聞こえてますよ、こんな夜半にどうなさったのですか?」

最初にインターフォンに出た女性の声と明らかに違う声。
インターフォンの向こう側の声が余りに冷静過ぎて腹立たしくなって来た先生は

「つべこべ言わずにっ4万円貸してくれっ…さっさと出てこいよっ」


「先生っ、おっしゃっている意味が理解出来ませんが…どうしてお金が入り用なんですか?」

    「だからぁ!…カード決済出来ないらしいんだよぉっ…!!代行がぁっ」

先生は今にもインターフォン本体に噛み付きそうな勢いで怒鳴った。

   

   「先生っ、落ち着いて…そんなに大声出さないで下さい…ご近所にご迷惑ですから…今行きますから、少しだけお待ち下さい。」


やり取りを見ていた代行業者の一人が



「おいっ、このお客さんさぁ…呑んだくれて教会に借金頼んでんのかぁ?」
「さぁ…もしや…神父さん?まさか神父が借金?」


   「おいっ、こらっ!誰が飲んだくれだっ!誰が神父だ!…俺は医者っ!…教会とは無縁だよっ」


「無縁だって…今教会に金のむしんしていたくせに…」


「しっ!黙れっ…」

門扉の奥の暗がりから夜具に小さな躯を包んだ藍川牧師が懐中電灯を手に近づいて来た。


   「先生…どうなさったんですか?こんな夜中に…真っすぐ診療所へお帰りにならなかったのですか!」




  「おおっ!!!夢ちゃんっ!頼む、代行業者に代金払ってくれ…」


  「ご自分でお支払い下さいっ…はいっ4万円」


夢は鉄柵門の隙間から腕を伸ばし先生にお金を手渡した。


  「悪かったな、待たせた詫びだ…釣りは要らないよ…」


代行業者を見送った後、先生は藍川牧師に今晩の宿を頼んだ。




 「先生、随分とお酒を召し上っていますね……………とりあえず、御入り下さい」


藍川牧師はワードローブを羽織った姿のまま黒崎先生を門の中に導いた。

 「悪りぃ、悪りぃ、夢ちゃんがまだ日本に居てくれて助かったわ」

 酔った先生はふらふらと足取りもおぼつかない。
 

  「足元暗いですから気をつけください!」

夢は先生の足元の先に懐中電灯の明かりを当てる。


 「藍川先生、どうかなさいましたか」
外の騒ぎでシスターが自室から出てきた。



 「シスター、すみませんが外に駐車している黒崎先生の車を車庫に入れて、門扉に施錠をお願いします」



 「はい、先生…」





「へぇ~夢ちゃんはここでは、先生なんだ…指導者って事か…?」

ほろ酔い気分で藍川夢に、助けられた先生はご機嫌だった。


「いえ、そんなご大層な意味では無いです、ただ牧師と呼ぶか先生と呼ぶか、お兄さんお姉さんと呼ぶニュアンスに近いですよ」



   「全く、黒崎先生はいつも予測のつかない行動をされるので、うちのシスター達もさぞびっくりしている事でしょう…」

藍川夢は古めかしい牧師舘の木製扉を開け先に先生を舘内へ導いた。



「ほぉ…これが由緒ある牧師館か、イメージはアルプスの山荘だなっ」

先生は天井の梁が剥き出しで壁も漆を雑に塗っただけの粗末さに驚いた。

「何ですか?アルプスの山荘って? 先生のイメージも何かと勘違いされてませんか? 一応…あちら側の建物がお客様用ですが、あいにく宿泊する部屋がございません。こちらはあくまでも私達のプライベートスペースですが、先生さえ宜しければ、空室をご用意いたします。」


夢は入口を入って裸電球が剥き出しで照らす廊下を進み右手にある三つの扉を素通りして正面の扉を開けた。

小さなダイニングと奥にキッチンが備わっている。大人二、三人が入ると窮屈な程のスペース。

  「これはまたぁ…アーミッシュの暮らしを彷彿とさせる程の古めかしさだな…」

先生はまるで博物館にでも来たかのようにダイニングを見渡した。

  「はい…確か創建は明治25年頃…と聞いていますが…昔のままだと重要文化財級の近代建築様式だとか…残念ながら、当時のままは骨組みとこのダイニングだけ…キッチンは何度も手を入れ直してます」

話しながら、夢は先生に紅茶と手作りのアイスボックスクッキーを出した。


「正真正銘の由緒正しい教会ってわけだ!」

気持ち悪いほどご機嫌な黒崎先生を藍川夢は未だかつてお目にかかったことがなかった。

  「先生…薄気味悪いですょ…」


「何を言ってるんだよ、今夜は夢ちゃんは俺の命の恩人だぞっ 夢ちゃんが留守だったら…俺 無賃乗車で豚箱行きだったよ…」




「こんな事で、お役に立てるのなら光栄です…」

夢は自分のティーカップを持ちながらダイニングの椅子に腰をかけて

「由緒正しいかどうかはわかりませんが先生がイメージされているほど厳しい教えは無いですよ…結婚も離婚も信徒の自由ですし、夫婦揃って信徒である必要もございません。」


ダイニングの柔らかい昼光色に照らされた夢の顔が余りに美しい事に先生は初めて気がついた。思えば先生が普段見ている彼女は、常に働いている姿だけだった。



    「ははぁ…ほぉ…」

先生は穴のあくほど夢の顔形をじろじろと見回した。


「なんですかっ… “ははぁ、ほほぉ”って…私の顔に何か書いてありますか? 堅物女とでも書いています?…」

夢は大して怒っているふうでも無く、ゆっくりと紅茶で喉を潤していた。


   「いやあ…初めて夢ちゃんの普段着の顔を拝ませて貰て、感激したんだ」


  「何を感激することがあるんですか?またお得意の皮肉でしょうか…」

   

  「皮肉っ…? とんでもないっ、今気がついたよ…夢ちゃん美人だなぁ!」




(……なっ…何を言い出すんだかっ!このっ不良おやじっ…)


夢は先生のペースに巻き込まれ無いように用心しながら、



「それは…褒めて頂いていると解釈してよろしいんでしょうか?」


  「勿論だ!…さぞかし昔は男がほって置かなかっただろぅ?」

      ………
 
 「先生…元より、先生が下世話な話題がお好きなのはわかっておりましたが今、此処で私の告白話しに振りますか?……
渡米前… 先生は、私が取り乱しても 何も感じなかった筈ですのに、今更 私の事を知ってどうするんですか? 先生にとってはこれっぽっちの価値もない くだらない話しですっ もう終わった事です」



夢の表情は変わらない。

「知りたくなったんだ、非常に興味があるんだ…実を言うと…」

先生は目の前の小柄な女性の本心が何処にあるのか…知りたかった。
わざわざ危険な紛争地域へ行く真意…


「興味を持っていただける事は有り難い事ですが、私の昔話しは 先日お話しした姉との関係が全てです。 …
先生がアメリカから興信所を使って姉の居所、職場を教えて下さったた事には、両親共々感謝申し上げます。あれから姉とは一度東京で会うことができました。姉は…迷惑そうでしたが… 渡欧前に心残りが一つ解消できました」



「そうか……それを聴けて、俺だってあのブロンズ像を気兼ねなく手元に置いておけるよ…何せ 今ニューヨークの美術界じゃ 町田の彫刻は天井知らずの高値で取り引きされてるからな…いい財産だ」


「先生、あちらで町田君と会えたんですか?」

やっと藍川夢の表情が人間味を帯びてきたと先生は感じた。


 「会うも会わないも 、娘がさ、町田にぞっこんなんだよ…参ったよ、半同棲状態で、町田もどうやら本気みたいなんだ、」


 
「先生っ!…それをお許しになってきたんですか?」


驚きを隠せない夢はやや批判的に先生を見つめた。




「夢ちやん…せめてネットニュースくらい見ろよっ…実は、……
町田柊士は末期のマーゲンクレブスで 俺か急遽オペしてあいつの胃をほぼ全摘してきたんだよ」



  
  「えっ…胃癌…ターミナル?」

   
   (町田くん…が!)


 
「まぁ…そうなんだ、俺様が切ってやったんだ、五年は必ず生存させてやるっ そのうち娘と結婚させりゃ 俺は一生婿の著作権のお余りで暮らせていけそうだからな…」


先生は手元の程よく冷めた紅茶を一気に飲み干した。



「先生…葡萄酒があるのですが、飲みませんか?
私…何だか 今夜は急に飲みたい気分です。」


「おっ いーなぁ 飲もう 飲もうっ」


(…どうしたんだ 藍川…また過去の呪縛か? 町田は過去と、おさらばするぞ1000万$で…)


「さあ…先生、眠れない夜の気付け薬です、神もお許しになられるでしょう…………………先生と私の最後の晩餐ですか…ら…」


   

「たしか、最後の晩餐ではイエスが葡萄酒を血、パンは体と思えと言って12使徒に分け与えるんだよな…」



きりこガラスのコップに注がれる紅い液体がまろやかな丸みをたたえて器を満たしていく。


  「先生…良くご存知ですね」


 夢がニッコリと微笑んだ。

  
  「ミラノで見たよ…ミケランジェロの絵だっ…」


先生は真っすぐな夢の視線を避けた。

 

 「そうなんですね…………………残念ながら…お世話になった先生に、今の私は血も肉も分け与える事はできませんが…………………あるのは感謝の一言です」



夢は紅い葡萄酒で満たされたコップを掲げた。


(…夢ちゃん…苦しいって心の声が聞こえてくるぞ…)



「おいっ…まてよっ 一人で完結するんじゃねぇよっ」


  「えっ…この出会いと、今この時間を御与え下さった神に感謝申し上げるだけですよ…完結など、とんでもない」

かぶりを左右にゆっくり振りながら夢は否定した。


  「いや違うよ…俺が聞きたい事をまだ話してないじゃないか」

手元のコップの葡萄酒が微かに揺れる。



  「先生が知りたい事……」

女牧師はコップの葡萄酒を半分ほど飲むと、覚悟を決めて先生を見た。

神の御前で嘘はつけない。


「何故、あえて危険を冒すんだ?…今のままでも夢ちゃんは大勢の人間を救っているじゃないか、今の暮らしに不満があるのか」



「…その事ですか…先生はとおに御理解下さっているものとばかり…ミチコ先生からも、ご紹介の折にお聞きになられているはず…内戦状態の国に住む人々は、飢えで亡くなる。病を治せないで亡くなる。戦禍に巻き込まれて亡くなる、…生き延びる事が奇跡的な環境で懸命に暮らしている一方で、私達は豊かさの中で生まれて大切なものを失った…神はこの地上になにゆえにこんな地獄をつくられたのでしょう……………私は今もこうして自分だけが安穏と過ごせている事が苦しくて仕方が無いんです。」



   (…ったくぅ…青臭い事を言いやがって…今更かよっ!…)



「町田君は、先生に懺悔して救済されたんでしょう?姉が苦しむのをわかっていて弄んで捨て去って…」




先生はいらつきながら手元のコップが空だと見ると自分で葡萄酒を注ぎ一口だけ飲み、

 

  「俺に言わせれば、お前の姉ちゃんも町田も同罪だっ…若気のいたりで済ませてしまえねぇ罪を犯してる。しかし、ニューヨークで会った町田は少なくとも、今のお前や お前の姉ちゃんのように事実から逃げたり目を逸らしてはいなかった。あいつなりの命懸けの懺悔を俺が見定めてきた。だから奴が死のうが娘が奴の世話をするのを黙認する事にしたんだよ。
だが 藍川夢の懺悔は黙認できない。目の前の苦しむ人間も、紛争地域で生死をさ迷う人々も環境は違おうが苦悩からの救済に違いの無いことを夢ちゃんは判っているはずだろ…本当の理由は、お前さんの心の奥にあるんじゃないのか…」


  

牧師の表情から一瞬、不安を抱える女性の表情に変化した。


  

 「そこから逃げていては、本当に人々を救済した事にはならないぞ…まずは自分の救済をすべきじゃ無いのか?」


     ……………



「…先生、先生に懺悔すれば私はこの暗闇から救済されますか…この苦しみから、私の穢れた魂で…神の身許に近づけると……」




(知るかっ…神なんか…元々居ないんだよっ)



  「神の存在を一番疑っている医師に対する愚問だな。但し、心理領域において自己開示する事ができたら重荷から解放されるかもしれないが、な」


俯いたままの夢の表情は伺い知ることはできないが額のまえで組んだ両手の指が微かに震えている。




  「私が紛争地域をわざわざ選んで布教活動の場としているのは…真実から逃げたい為…その真実を先生がお知りになったら、先生はきっと私を心底、汚らしく穢れた者と思われるに違いないでしょう?」



  「何を言ってるんだ? 言いたい事の意味がさっぱりわからん」



使い込んだ木製テーブルの天板にぽとりと落ちた水滴が丸いシミを作る。


先生はテーブルを挟んだ向かい側の小さな女性の肩を落とす姿が声もかけられない程の悲壮感に包まれているように見えた。


「せ、先生……先生が渡米前、私が取り乱した時もまるで今夜と同じような展開になって、先生は私の話しを遮られました。あの時の私の落胆は多分先生にはご理解いただけないでしょう。
今夜は最期の晩餐。耳を塞がず私の懺悔をお聴きください。

………………

…高校に入学したばかりの頃、夕方から雨が降り出し、傘を持たずに出た姉の帰りが遅いので、駅近くの商店街まで迎えに行きました。その時駅から数人の男性が 酩酊した状態で真正面から近づいてきて、一瞬恐怖を感じ 私は踵を返して走りました。
しかし、彼らも走り出す私に気がつくと まるで犬が飼い主を追いかけ回すように走り迫ってきました。それから、乱暴に髪の毛を掴まれ
躰を羽交締めにされて商店街から外れた人通りの無い場所で数人にレイプされました……輪姦です…今も何人と姦淫におよんだのかすら覚えていません…気がついたら病院のベットに寝かされていました………それから、数ヶ月は…記憶も曖昧で…ずっと精神科の治療を受けていました…」







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