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外遊する王女 ウォルフ王国編
ステラ、危機一髪!
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あたしは早速水に浸かった町中を歩きながらセイラスへと話しかけた。
「さて、まずは何から始めましょうか?」
「……帰りたいです」
「あなた……、やる気あるの……?」
「だって、僕は最初からこんな事をする気じゃ無かったんですよ……っ!?僕はただルーナさんをこのモルガンへと案内する事だけを言われただけで、この町の復旧をしに来たんじゃないんです……!」
……姉上、こんな人をウォルフの騎士団に置いておいていいの?
流石に全部が全部この国の騎士達がこんなのじゃないとは思うのだけど、あたしは他国のことながら少々この国のことが心配になる。
「……分かったわよ、イヤなら帰りなさい。イヤイヤされても町の人も喜ばないし、邪魔にしかならないわ」
「……そうさせてもらいます」
あたしはセイラスに対して邪険な態度を取りながら手で追い払うような仕草をすると、本当にセイラスは帰ってしまった……。
ふん、何よ……!
この国の騎士は随分と腑抜けね……!
トリエステの騎士団にはあんなのは一人として居ないわっ!
あたしはセイラスに対して憤りを感じ、肩を怒らせて膝上まである水に脚を濡らしながら川か道かも分からない所を歩く。
セイラスへの怒りから一転、気持ちを落ち着かせてから改めてこの町の状況を整理する。
「まずは、この水をどうにかする前に川から流れ込んでいる水をどうにかしないと行けないわね……」
そう思ったあたしは水が流れ込んでいる方向へと歩いていくと、段々と水かさが増していっていることに気が付く。
最初膝上しかなかった水が股下まで、そして今ではお腹の辺りまで水に浸かっていた。
それに、段々と川に近付けば近付くほど水の勢いも増してきている……!
「く……!流石にこれ以上進むのは危険ね……っ!」
身の危険を感じたあたしは引き返そうとするも、水に足を取られ倒れてしまった!
「きゃあ……っ!?」
転んでしまったあたしの身体は水に押し流されながら何処かへと転がっていく!
オマケに水も濁っているため前が待ったく見えない……!
「がぼ……!がぼぼぼ……っ!!」
あたしは必死に何かへと掴まろうと手を伸ばすも何も掴めない。
も……もうだめ……!
息が……もたない……っ!
もうダメだ……!
そう思ったその時あたしの手に何かが触れた!
あたしは最後の力を振り絞るように触れたものをしっかりと握りしめると、どういう訳かあたしの身体は水面へと引き上げられた。
「げほ……!げほげほ……っ!」
あたしは咳き込みながらも胸いっぱいに空気を吸い込む。
どうやら助かったみたいだ……。
「ルーナさん!大丈夫ですかっ!?」
あたしが必死になって掴んでいたもの、それはセイラスの手だった。
「セイラス……?どうしてここに……?」
「どうしてって……あれから考えたんですけど、やっぱり僕もこの国の騎士の端くれですから。それに他国の人に、しかも女性に任せて僕一人逃げ出す訳にもいきませんから」
「セイラス……」
どうやらさっきのあたしの考えがセイラスにも伝わっていたみたいね……。
「……ありがとう」
あたしは助けてくれたセイラスにお礼を言うも、直ぐに顔を逸らした。
「ルーナさん?どうかしましたか?」
「べ……別に……何も言っていないわよ……!」
「そうですか……?」
そう、あたしがセイラスから顔を逸らした理由は簡単、あんな事言った後でお礼を言うのが恥ずかしかったからだ。
それはさておき、まずはこの水をどうにか止めないと話にならない……。
しかしどうやって……?
下手に水の中を歩いて川に近付こうものならさっきの二の舞になるし……。
あたしはウンウンと頭を悩ませているとなぜかセイラスの視線を感じる。
「ん……?どうしたのよ、セイラス……?」
「いえ……その……」
「何よ、歯切れが悪いわね……。はっきり言ってごらんなさいよ」
「はい……、では……。あの、ルーナさんの服が濡れて下着が透けていますよ……?」
「へ……?きゃあぁ……っ!?」
セイラスに言われて自分の身体を見ると確かに服が濡れた影響で下着が透けて見えていた為、あたしは顔を赤くしながら両手を使って透けて見えてしまっているブラジャーとパンツを隠すも、相変わらずセイラスの視線があたしへと向けられる。
「な、なによ……っ!じっと見たりして……この変態……っ!」
あたしは慌てて下着が見えないように彼へと背中を向ける。
セイラスも男の子だからあたしの下着が見えて嬉しいのかもしれないけど、こちらとしてはかなり恥ずかしい。
助けてもらった恩があるとは言え、それとこれとは話が別よ……っ!
全く、これだから男ってやつは……!
「……ルーナさん」
「なによ……っ!?」
「あの水を止めに行きましょう!」
「簡単に言うけどどうやって止めに行くのよ?下手に近付けば水に流されて今度こそ命の保証は無いわよ……っ!?」
「遠回りになりますが町の外から堤防の上を通っていけば比較的安全に行けるはずです」
「なるほど……」
堤防の上を通ってか……、なるほどそれは気が付かなかったわ。
「よし、ならその案で行きましょう!」
「はい!」
あたしは町の外へと出ると堤防の上へと向かったのだった。
「さて、まずは何から始めましょうか?」
「……帰りたいです」
「あなた……、やる気あるの……?」
「だって、僕は最初からこんな事をする気じゃ無かったんですよ……っ!?僕はただルーナさんをこのモルガンへと案内する事だけを言われただけで、この町の復旧をしに来たんじゃないんです……!」
……姉上、こんな人をウォルフの騎士団に置いておいていいの?
流石に全部が全部この国の騎士達がこんなのじゃないとは思うのだけど、あたしは他国のことながら少々この国のことが心配になる。
「……分かったわよ、イヤなら帰りなさい。イヤイヤされても町の人も喜ばないし、邪魔にしかならないわ」
「……そうさせてもらいます」
あたしはセイラスに対して邪険な態度を取りながら手で追い払うような仕草をすると、本当にセイラスは帰ってしまった……。
ふん、何よ……!
この国の騎士は随分と腑抜けね……!
トリエステの騎士団にはあんなのは一人として居ないわっ!
あたしはセイラスに対して憤りを感じ、肩を怒らせて膝上まである水に脚を濡らしながら川か道かも分からない所を歩く。
セイラスへの怒りから一転、気持ちを落ち着かせてから改めてこの町の状況を整理する。
「まずは、この水をどうにかする前に川から流れ込んでいる水をどうにかしないと行けないわね……」
そう思ったあたしは水が流れ込んでいる方向へと歩いていくと、段々と水かさが増していっていることに気が付く。
最初膝上しかなかった水が股下まで、そして今ではお腹の辺りまで水に浸かっていた。
それに、段々と川に近付けば近付くほど水の勢いも増してきている……!
「く……!流石にこれ以上進むのは危険ね……っ!」
身の危険を感じたあたしは引き返そうとするも、水に足を取られ倒れてしまった!
「きゃあ……っ!?」
転んでしまったあたしの身体は水に押し流されながら何処かへと転がっていく!
オマケに水も濁っているため前が待ったく見えない……!
「がぼ……!がぼぼぼ……っ!!」
あたしは必死に何かへと掴まろうと手を伸ばすも何も掴めない。
も……もうだめ……!
息が……もたない……っ!
もうダメだ……!
そう思ったその時あたしの手に何かが触れた!
あたしは最後の力を振り絞るように触れたものをしっかりと握りしめると、どういう訳かあたしの身体は水面へと引き上げられた。
「げほ……!げほげほ……っ!」
あたしは咳き込みながらも胸いっぱいに空気を吸い込む。
どうやら助かったみたいだ……。
「ルーナさん!大丈夫ですかっ!?」
あたしが必死になって掴んでいたもの、それはセイラスの手だった。
「セイラス……?どうしてここに……?」
「どうしてって……あれから考えたんですけど、やっぱり僕もこの国の騎士の端くれですから。それに他国の人に、しかも女性に任せて僕一人逃げ出す訳にもいきませんから」
「セイラス……」
どうやらさっきのあたしの考えがセイラスにも伝わっていたみたいね……。
「……ありがとう」
あたしは助けてくれたセイラスにお礼を言うも、直ぐに顔を逸らした。
「ルーナさん?どうかしましたか?」
「べ……別に……何も言っていないわよ……!」
「そうですか……?」
そう、あたしがセイラスから顔を逸らした理由は簡単、あんな事言った後でお礼を言うのが恥ずかしかったからだ。
それはさておき、まずはこの水をどうにか止めないと話にならない……。
しかしどうやって……?
下手に水の中を歩いて川に近付こうものならさっきの二の舞になるし……。
あたしはウンウンと頭を悩ませているとなぜかセイラスの視線を感じる。
「ん……?どうしたのよ、セイラス……?」
「いえ……その……」
「何よ、歯切れが悪いわね……。はっきり言ってごらんなさいよ」
「はい……、では……。あの、ルーナさんの服が濡れて下着が透けていますよ……?」
「へ……?きゃあぁ……っ!?」
セイラスに言われて自分の身体を見ると確かに服が濡れた影響で下着が透けて見えていた為、あたしは顔を赤くしながら両手を使って透けて見えてしまっているブラジャーとパンツを隠すも、相変わらずセイラスの視線があたしへと向けられる。
「な、なによ……っ!じっと見たりして……この変態……っ!」
あたしは慌てて下着が見えないように彼へと背中を向ける。
セイラスも男の子だからあたしの下着が見えて嬉しいのかもしれないけど、こちらとしてはかなり恥ずかしい。
助けてもらった恩があるとは言え、それとこれとは話が別よ……っ!
全く、これだから男ってやつは……!
「……ルーナさん」
「なによ……っ!?」
「あの水を止めに行きましょう!」
「簡単に言うけどどうやって止めに行くのよ?下手に近付けば水に流されて今度こそ命の保証は無いわよ……っ!?」
「遠回りになりますが町の外から堤防の上を通っていけば比較的安全に行けるはずです」
「なるほど……」
堤防の上を通ってか……、なるほどそれは気が付かなかったわ。
「よし、ならその案で行きましょう!」
「はい!」
あたしは町の外へと出ると堤防の上へと向かったのだった。
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