チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー

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八章 決意する少女

スケルトンナイトとの戦い

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 真ん中へと進んでいくと、スケルトンナイトは地面へと突き刺していた抜き、私へと切っ先を向けてくる。

 相手は片刃の大剣、それに全身鎧フルプレートアーマーを身に纏っているので動きはそう早くはないはず。

 手数で押し切れば行けるかもしれない……。

 私はそう思い、地面を蹴ってスケルトンナイトナイトへと走り出すっ!

「はあっ!!」

 スケルトンナイトの懐へと入り込むと一気に剣を振るう……が、あっさりと避けられてしまった!

 早いっ!?

 スケルトンナイトは回避を終えると両手で持った大剣を上へと振りかざす!

 相手は大剣、リーチこそ長いがその分重くそこまで素早くは振り回せないはず!
 そう思っていたのだが、攻撃がやけに早い……っ!

「く……っ!?」

 ギリギリの所で斬撃を回避するが、相手の大剣は石で出来た地面へと突き刺さり、砕いていた。

 あれをまともに受けていたらと思うとゾットする……。
 しかし、攻撃するなら今がチャンス!

 私は剣を握る手に力を込め、剣を振るおうとすると、ものすごい速さでスケルトンナイトナイトの大剣が横へと薙ぎ払われてきたっ!

「カナ!危ないっ!!」

「え……?きゃあ……っ!?」

 そのフィーリエの声で、咄嗟に攻撃を盾で防いだが、その衝撃は凄まじく、私の身体はいとも簡単に吹き飛ばされ、地面を何度も転がりながらようやく仰向けの大勢で止まった。

「うぅ……、く……くぅ……!」

 私はどうにか身体を起こす……。
 何度も地面を転がったせいで身体が痛む……。

 フィーリエの言った通り、盾は破壊されることなく攻撃を防ぐことは出来た……。

 しかし、その重い一撃を防ぐには私の身体は軽すぎた。

 どうにか大勢を整えようとすると、スケルトンナイトは物凄い速さで迫ってくるっ!
 まるで鎧を重さを感じさせないかのような動きだ!

 生身の身体ではなくなり、重さを感じないからだろうか、スケルトンナイトは片手で重たいはずの大剣をまるで片手剣のように軽々と扱いながら私へと攻撃を繰り出してくる!

 私はそれを盾で防いだり剣で弾き返したりするも、その重量差は覆せず、私な身体は何度も吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる……。

「なんでっ!?あたしの作った剣ならあんな大剣すぐに斬れるはずなのに……っ!?」

『ふむ、あの大剣にも魔力を感じるな。何者かと言ってもザインしかおらぬが、あやつがあの大剣に魔力を込めておるのじゃろう』

「で……でも、あたしの作った盾や鎧は大丈夫だよね……っ!?」

『今のところは……の。じゃが、何度も何度もあのスケルトンナイトの攻撃を受け続ければ……』

「そんな……!ならあたしが援護に……っ!」

『やめておけ!フィーリエの武器では奴の大剣は防げぬ!それに、斬られればお前さんは防御ごと簡単に斬られてしまうわいっ!』

「そんな……、ならアレクが援護してあげてよっ!」

『無茶を言うな……。あれだけ二人が接近していては変に魔法を撃つとカナに当たるわい』

 フィーリエとアレクさんの会話を聞きながらスケルトンナイトへと、私は対峙している。

 聞こえてきた話ではあの大剣も魔力を付与された魔力剣らしい。

 それに、あの動きはどこかで見覚えがある。
 重い鎧を身に纏い、大剣を軽々と扱うその姿はジェストさんに見えなくもない……。

 仮にあのスケルトンがジェストさんの本当の身体だったとしたら……、私はジェストさんと戦っていることになる。
 もしそうだとしたら、私はあのジェストさんと戦って勝てるのだろうか……?

 いや、悩んでいる暇はない、ザクスを救うためにあの敵を倒さないといけないのだ。

 しかし、スケルトンナイトの持つ大剣は私の持つ片手剣よりもリーチが長く、しかもそれを片手剣のように軽々と扱ってくる。
 そのため、攻撃に打って出るどころか、防戦を強いられる一方だ。

 さらに言えば、このスケルトンナイトの力が強く、大剣の重さも重なって一撃がかなり重たい。
 そのため、盾や剣で防いでも私のほうが弾き飛ばされてしまうのだ。

 このままでは、鎧や盾を破壊されて殺されるか、吹き飛ばされた衝撃で死ぬかの2つにひとつとなってしまう……。

(どうした、カナ。ザクスを助けたくないのか?助けたいのなら俺を超えてみせろっ!)

 心なしかジェストさんの声が聞こえてくるような気がする……。
 このままでは、ジリ貧だ……、なら一か八か打って出るっ!!

(むんっ!!)

 スケルトンナイトの縦斬りを避けると懐に入り込むべく一気に走り出すっ!
 この一瞬に賭ける……っ!!

「はあ……っ!!」

(甘いっ!!)

 しかし……。

「がは……っ!?」

 しかし、私の剣が届く前にスケルトンナイトによる大剣の薙ぎ払いが私の横腹へと直撃し、吹っ飛ばされた私は壁へと強く体を打ちつけられ意識を失った……。
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