罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

文字の大きさ
2 / 223
一章 突然始まる新生活

突然の同居生活っ!?

しおりを挟む
「ただい……ま……?」

「え……?」

 リビングへと向かうと、大きなL字型のソファに座っていた人物を見て僕は言葉を失った……。

 なんとL字型の長辺の端の方に座っていたのは罰ゲームとは言え、先ほど告白をして振られた相手……風原 亜希その人がいたのだっ!
 そしてその右隣には彼女の妹と思われる栗色の髪をツインテールに結んだ女の子がおり、その横に同じく栗色の髪をポニーテールへと結んだ見知らぬ大人の女性が座っていた。

 一方のL字型の短辺には僕と同じ黒い髪をした父、御堂 弘樹ひろきが座っている。

「な……なんでここに風原さんが……?」

「それはこっちのセリフよ……!なんでここに御堂君がいるのよっ!?」

「なんでって……ここ僕の家だし……」

「はあっ!?そんなの聞いてないわよっ!?ちょっとお母さんこれどういう事っ!?」

 風原さんは僕をキッと睨みつけたあとソファの前に置かれてあるテーブルを叩いて立ち上がると彼女の母親だと思われる見知らぬ女性へと声を張り上げた。

「ドッキリ大成功っ!驚かせちゃったかしら?この度お母さんはこちらにいる御堂 弘樹さんと再婚しちゃいました~!」

「はあっ!?」
「はあっ!?」

 突然の発表に僕と風原さんの声がハモる。

「はっはっは……っ!彼方も亜希ちゃんも声が揃って仲がいいな!最初は彼方が真奈美さんのところのお嬢さん達とはうまくやっていけるか心配だったが、これなら父さん達も一安心だ。とりあえず彼方、お前もこっちに座りなさい」

 いやいやいやいや……!僕も風原さんも困惑してるだけだから……!

 僕は“なんでこいつがここにいるの”と言いたげな風原さんの視線を感じながら、父さんの横へと座った。

「まあ、決まったものは仕方ないんだし?ここは自己紹介と言いましょうか。まずは私からね、私は風原……じゃなくてこれからは御堂だったわね、私は真奈美まなみ、亜希ちゃんと、由奈ゆなちゃんのお母さんよ。もちろんこれからは彼方くんのお母さんとして遠慮なく遠慮なく接してほしいわ♡」

「は……はあ……」

「では、次は俺だな、俺は御堂 弘樹、彼方の父親だったが、これからは亜希ちゃんや由奈ちゃんも俺の大切な娘だ。彼方共々仲良くしてく欲しい」

 父さんはそう言うと風原さんとその妹さんへと頭を深々と下げる。

「じゃあ、次はあたしね!あたしは由奈!青葉ケ丘学園付属中学の三年生だよっ!突然なことに驚いているけど、何にしろ新しいお父さんとお兄ちゃんが出来たことに嬉しく思っています!これからよろしくねっ!」

 由奈ちゃんは元気よく自己紹介を述べると最後にピースをしてみせた。
 多分人懐っこい性格なんだろう、彼女の自己紹介だけでそれが伺える。

「……私は亜希、お母さんが再婚するって話いきなり聞かされて戸惑っています!けど、こうなった以上受け入れるけど、御堂君とは仲良くする気はないので、以上っ!」

「まあまあ、亜希ちゃんったら冷たいのね……!でも彼方くんは優しい子だって弘樹さんから聞いているからきっと仲良くなれるわよ」

「……その可能性は微塵もないから」

「あは……あははは……」

 風原さんの言葉に僕は苦情する……。

 僕の名誉のために言うけど、確かに罰ゲームとは言え告白こそしたものの、僕が風原さんに特別何かしたという訳じゃない。

 彼女はクラスで人気だし、特に女子とは仲が良い。

 でも、男子とはどうかと言うと徹底的に壁を作っており、例外なく誰とも親しくなろうと言う気はないらしく、話しかけたとしても邪険にされる。

 それを考えるによく僕の時は邪険にもせずに屋上に来てくれたなと思わなくもない。

 さらに付け加えるなら、勉強も運動も出来る上に、お昼の弁当も自分で作り、制服のシャツにも自分でアイロンをかけていると言う話をしているのを聞いたことがある。
 そのため周囲からは完璧女子と噂されている。

「彼方、何を難しい顔をしてブツブツ言っているのか知らないが、みんなお前の自己紹介を待ってるぞ……?」

「え……?」

 声に出てた……?
 うわ……!恥ずかしい……!

 父さんに言われ周りを見渡すとみんなの視線が僕へと注がれている。
 しかし、風原さんだけは知らぬ顔をしてそっぽを向いていた。

「こ……こほん……、え……えっと……、彼方です。突然このような展開になって戸惑ってはいますがこれを期に仲良くなれればと思っています」

「よろしくね彼方くん♪」

「よろしくお兄ちゃん!」

 僕は当たり障りのない挨拶をすると真奈美さんと由奈ちゃんの拍手に包まれ、風原さんからは冷たい視線を向けられたのだった……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

処理中です...