罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

文字の大きさ
24 / 223
亜希の章 ツンデレな同居人

雑貨屋デートと偶然のペアチケット

しおりを挟む
 昼過ぎ……昼食を済ませたあと、僕は亜希と一緒に買い物へと来ていた。
 なんでも文房具を買いたいとかで、商店街にある雑貨屋へと訪れていた。

 まあ、僕としてもずっと家にいるよりはこうして買い物に出るのもいいかもしれない。

 そして、当の亜希はというと、シャーペンを手に取りかれこれ30分は悩んでいた……。

「あ……このウサギ柄のシャーペン可愛い~!こっちの猫の足跡柄のもいいわ~……どっちにしようか迷うわ……。ねえ、彼方はどっちがいいと思う?」

 ……どっちでもいいよ。

 正直そう思うのだけど、そんな事を言ったら亜希の機嫌を損ないそうだから真剣に選ぶ必要があるだろう……。

「そうだね……亜希はどっちがいいの?」

「そうね……、私はこのウサギ柄が可愛いと思うわ。でも、こっちの猫の足跡のも可愛いのよね……、それとこの犬の足跡のもいいわ」

 選択肢が増えたっ!?

 まさかの展開だった……!
 このままうかうかしていたらさらに選択肢が増えてしまいそうだ……。

 僕はふと目を文具の方へとやると一つの消しゴムが目に入る。
 それは猫の足跡柄のケースをしている。

「そうだね……、シャーペンはそのウサギ柄のにして、消しゴムをこの猫の足跡柄にしたらどうかな?」

「わぁ~、猫の足跡柄の消しゴムもあったのね……!彼方のおかげでいいものが見つけられたわ、ありがとうね」

「ま……まあ……、偶然見つけただけだよ……」

 僕はその消しゴムを手に取ると亜希は目を輝かせ、ニコリと笑みを浮かべる。
 その笑みにドキっとしてしまった僕は、照れ隠しでそっぽを向きながらぶっきらぼうに答えた。

「ところで彼方は何か買うものとかはないの?」

「そうだな……、そろそろマウスパッドを買い換えようかなとは思っていたところかな……」

「そう、ならお礼に私が見繕ってあげるわ。……これなんかどうかしら?」

 亜希はそう言うと一つのマウスパッドを手に取り僕へと手渡してくれた。
 そのマウスパッドはシンプルな形なのだけど、色がピンク色。

 ……なんでピンク?
 まあいいか……。

「ありがとう、亜希」

 僕はマウスパッドを受け取ると、ウサギ柄のシャーペンと猫の足跡柄の消しゴムを持った亜希と共にレジへと向かった。

 どうやら亜希は可愛いものが好きみたいだ。
 同居し始めてまだ日にちが経っていないとはいえ、亜希のことを僕はまだ全然知らないんだなと思う。

 レジへと向かう途中、僕はとあるものへと目が止まった。

「ん……?これは……」

 それは雑貨屋の一角にあるヴァリアント・ブレイドというアニメに出てくる楓というキャラクターのアクリルスタンドだった。
 そのキャラクターは赤に近いピンクの武装装甲を身にまとい、同じ色の髪色をしていた。

(なんかこれ……亜希やミアキに似てるような気がする……)

 僕はなんとなくそれを手に取ると、マウスパッドとアクリルスタンドのお金を払うためレジへと向かった。


 ◆◆◆


「なんか結局色々買っちゃったわね……」

「そ……そうだね……」

 夕日の差す商店街を僕と亜希は並んで歩いていた。

 それぞれの手にはいくつもの買い物袋が下げられている。
 雑貨屋のあと様々な店へと寄り、気がつけば色々と買ってしまっていた……。

 勿論お金はそれなりに使ったのだけど、それよりも亜希とこうして買い物に行ったということがなんとなく楽しかったし、意外な一面が知れたのはどこか嬉しかった。

 ていうかこれ……で……デート……なんじゃないかな……?

 そう思うと途端に僕の顔が赤くなるのを感じる。

「ところで彼方、この福引券どうしようか……」

 亜希の手には商店街でもらった福引券の補助券が何枚かある。
 僕のも合わせれば2回くらいは引けるのかな……?

「折角だし引いてみようか……」

「そうね」

 僕達は福引の補助券を握りしめて福引へと向かった……のだけど……。

「おめでとうございまーーすっ!3等のプールペアチケットの当たりですっ!」

 福引所のお兄さんの威勢のいい声と共に鐘が鳴らされ僕と亜希は呆気にとられていた……。

 最初僕が引いたのは残念賞のポケットティッシュ……しかし、亜希が引くとなんと3等のプールのペアチケットが当たってしまったのだっ!

 なんていうか……亜希って運が良すぎない……?

「いやぁ、お二人は運が良いですね!カップルでプール……!いやうらやましいっ!」

「な……!か……カップル……!」

 カップルと言われ亜希の顔が瞬時に真っ赤になる……。

「と……とりあえず亜希どうしようか……」

「う……う~ん……」

 僕はプールのペアチケットを見ながら亜希へと問うと彼女は腕組みをしながら悩んでこそいたけどその目は確かにペアチケットへと向かれていた。

「と……とりあえず一旦帰ろうか……」

「そ……そうね……!」

 プールのペアチケットを買い物袋へとしまうとはひとまず家へと帰ることにしたのだった……。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2026.2.22)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

処理中です...