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由奈の章 甘えたがりな義妹
あたしだけを見てほしいのに……
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──由奈──
彼方さんと恋人になって、あたしは毎日が少しずつ輝いて見えるようになった。
今まで以上に優しくしてくれるし、あたしのことをすごく気にかけてくれる。
でも……、その優しさはあたしだけに向けてほしい……。
そんな風に思うようになっていた。
ある日のこと……お姉ちゃんは戸棚の上にある箱を取ろうとしていた。
「ん……!よ……!と……取れないわね……!たしか……この中に入れてたと思うんだけど……!」
お姉ちゃんは必死になって背伸びをして箱を取ろうとしていた。
(大人しく踏み台かなにか使えばいいのに……)
あたしはそう思いながらお姉ちゃんの様子を眺めていると彼方さんがやった来た。
「どうしたの?亜希」
「あ……、彼方……。あの戸棚の上の箱が取れないのよ……」
「これだね」
彼方さんはひょいと箱を取るとお姉ちゃんへと手渡す。
「ありがとう、彼方。助かったわ」
「ありがとう、彼方。助かったわ」
彼方さんは、何でもないみたいに笑って箱を持っていくのを見る。
その笑顔が、あたしの胸の奥をズキッと刺した。
「どういたしまして。ところで、その中何が入ってるの?」
彼方さんの問いにお姉ちゃんは箱を開けると中から個別吠えそうされたクッキーが入っていた。
「ああ、貰い物のお菓子よ。引っ越す前に貰ったんだけど、確か賞味期限がちかかったと思って……。取ってくれたお礼に彼方にもあげるわ」
「ありがとう、亜希。ところで、これまた戻すの?」
「戻すとまた忘れそうだからお皿に入れて置いておくわ。そうすれば誰か食べるでしょ」
お姉ちゃんはお皿へと個別包装されたクッキーをお皿へと入れるとテーブルの上へと置いた。
「そうだね。ならこの箱は僕が潰して今度ゴミの日に出しておくよ」
「ありがとう彼方、助かるわ」
お兄ちゃんは空になった箱を手に持ち、お姉ちゃんへと笑顔を向けるとリビングを去っていく。
(なんで、お姉ちゃんにそんな顔するの?その笑顔は……あたしだけに向けてくれるものじゃなかったの……?)
あたしは心の中がモヤッとするのを感じていた……。
◆◆◆
夜。宿題を終えて、少しだけ気分転換しようと部屋を出て、一階へ向かう途中——
彼方さんの部屋から笑い声が聞こえた。
何してるんだろう……?
そう思ったあたしは彼方さんの部屋を覗くと、エリシアをしているのを見かけた。
しかも、ミオリネさんと楽しそうに笑いを交えてチャットしながら……。
「あははは……!え~柊さん、それホントに……っ!?」
チャットの文章まではここからでは分からないけど、柊さんって確か彼方さんと同じクラスの女子だったと思う……。
(彼方さん……あたしとじゃなくて、柊さんって人とゲームで遊でるんだ……)
心の奥がじわじわと重くなり、そしてそれがトゲトゲとしたものへと変わっていくのを感じる……。
黒い感情が、静かに……そして確かにあたしの心の中で渦を巻いて広がっていた。
あたしはお茶を飲むのを辞めると部屋へと戻りベッドへと寝転がると、枕に顔をうずめる。
「もうヤダ……」
自分の心の中でモヤッとした気持ちと共にトゲトゲとした気持ちを感じていたあたしは、誰に言う訳でもなく一人ポツリと呟く……。
「折角彼方さんと付き合えたのに……なんで彼方さんさんはあたし以外の人に優しくするの……?他の人をより……あたしを見てよ……」
気がつけば目からは涙が流れていた……。
と、その時ドアをノックする音が聞こえてくる。
「由奈、もしよかったら一緒にエリシアしない?」
その声を聞いた瞬間、胸が跳ねた。
(彼方さんと……ゲーム……!)
でも——ミオリネさんの笑顔が頭をよぎる。
(もしかして、ミオリネさんがログアウトしたからその代わり……?)
期待と疑念がぶつかって、言葉が喉につかえる。
「由奈、もしよかったら一緒にエリシアしない?」
彼方さんとゲーム……!
その言葉を書いた瞬間あたしはガバっと体を起こして二つ返事で部頷こうとするとふと、ミオリネさんとのことが頭をよぎった……。
(もしかして彼方さん……、ミオリネさんがログアウトしたから代わりにあたしとってこと……?)
なぜだか自分でもよく分からないけどそんな考えが頭をよぎる……。
「ごめん……今日はそんな気分じゃないから……」
そして気がつけばあたしは彼方さんからのゲームの誘いを断ってしまっていた。
「そう……?うん、分かったよ」
彼方さんはそう言いあたしの部屋の前から去っていく足音が聞こえてくると、あたしは後悔の念に包まれる……。
(なんであたしあそこで折角の彼方さんの誘いを断っちゃったんだろう……?)
こんなの……まるでお姉ちゃんみたいだよ……。
あたしは唇を噛みながら枕をギュッと抱きしめたのだった……。
~サイドストーリー~
──彼方──
自分の部屋へと戻った僕は、チャットでミオリネさんと会話する。
『ユーカナリアを誘ってみたけど断られちゃった……』
『残念です……折角カナタさんと付き合い始めたって聞いたから祝福と、あと少し冷やかしをと思ったのですが……』
僕はミオリネさんに由奈と付き合い始めたことを伝えると、お祝いをしてあげたいと言ってくれていた。
でも、からかうのはどうかと思うけど……。
『ごめんね……?』
『別に……カナタさんのせいではありませんし……。わたしはこれで落ちます。あとは彼女の傍にいてあげてはどうですか……?手を出したら……アウトですよ……?』
柊さんは最後に僕へと誂うような言葉を残すとログアウトした。
「全く……余計なお世話だよ……!」
僕は落ちたミオリネを見ながら愚痴をこぼす。
(それにしても……今日の由奈どうしちゃったんだろう……?)
僕もまたログアウトすると隣にある由奈の部屋へと目を向けたのだった……。
彼方さんと恋人になって、あたしは毎日が少しずつ輝いて見えるようになった。
今まで以上に優しくしてくれるし、あたしのことをすごく気にかけてくれる。
でも……、その優しさはあたしだけに向けてほしい……。
そんな風に思うようになっていた。
ある日のこと……お姉ちゃんは戸棚の上にある箱を取ろうとしていた。
「ん……!よ……!と……取れないわね……!たしか……この中に入れてたと思うんだけど……!」
お姉ちゃんは必死になって背伸びをして箱を取ろうとしていた。
(大人しく踏み台かなにか使えばいいのに……)
あたしはそう思いながらお姉ちゃんの様子を眺めていると彼方さんがやった来た。
「どうしたの?亜希」
「あ……、彼方……。あの戸棚の上の箱が取れないのよ……」
「これだね」
彼方さんはひょいと箱を取るとお姉ちゃんへと手渡す。
「ありがとう、彼方。助かったわ」
「ありがとう、彼方。助かったわ」
彼方さんは、何でもないみたいに笑って箱を持っていくのを見る。
その笑顔が、あたしの胸の奥をズキッと刺した。
「どういたしまして。ところで、その中何が入ってるの?」
彼方さんの問いにお姉ちゃんは箱を開けると中から個別吠えそうされたクッキーが入っていた。
「ああ、貰い物のお菓子よ。引っ越す前に貰ったんだけど、確か賞味期限がちかかったと思って……。取ってくれたお礼に彼方にもあげるわ」
「ありがとう、亜希。ところで、これまた戻すの?」
「戻すとまた忘れそうだからお皿に入れて置いておくわ。そうすれば誰か食べるでしょ」
お姉ちゃんはお皿へと個別包装されたクッキーをお皿へと入れるとテーブルの上へと置いた。
「そうだね。ならこの箱は僕が潰して今度ゴミの日に出しておくよ」
「ありがとう彼方、助かるわ」
お兄ちゃんは空になった箱を手に持ち、お姉ちゃんへと笑顔を向けるとリビングを去っていく。
(なんで、お姉ちゃんにそんな顔するの?その笑顔は……あたしだけに向けてくれるものじゃなかったの……?)
あたしは心の中がモヤッとするのを感じていた……。
◆◆◆
夜。宿題を終えて、少しだけ気分転換しようと部屋を出て、一階へ向かう途中——
彼方さんの部屋から笑い声が聞こえた。
何してるんだろう……?
そう思ったあたしは彼方さんの部屋を覗くと、エリシアをしているのを見かけた。
しかも、ミオリネさんと楽しそうに笑いを交えてチャットしながら……。
「あははは……!え~柊さん、それホントに……っ!?」
チャットの文章まではここからでは分からないけど、柊さんって確か彼方さんと同じクラスの女子だったと思う……。
(彼方さん……あたしとじゃなくて、柊さんって人とゲームで遊でるんだ……)
心の奥がじわじわと重くなり、そしてそれがトゲトゲとしたものへと変わっていくのを感じる……。
黒い感情が、静かに……そして確かにあたしの心の中で渦を巻いて広がっていた。
あたしはお茶を飲むのを辞めると部屋へと戻りベッドへと寝転がると、枕に顔をうずめる。
「もうヤダ……」
自分の心の中でモヤッとした気持ちと共にトゲトゲとした気持ちを感じていたあたしは、誰に言う訳でもなく一人ポツリと呟く……。
「折角彼方さんと付き合えたのに……なんで彼方さんさんはあたし以外の人に優しくするの……?他の人をより……あたしを見てよ……」
気がつけば目からは涙が流れていた……。
と、その時ドアをノックする音が聞こえてくる。
「由奈、もしよかったら一緒にエリシアしない?」
その声を聞いた瞬間、胸が跳ねた。
(彼方さんと……ゲーム……!)
でも——ミオリネさんの笑顔が頭をよぎる。
(もしかして、ミオリネさんがログアウトしたからその代わり……?)
期待と疑念がぶつかって、言葉が喉につかえる。
「由奈、もしよかったら一緒にエリシアしない?」
彼方さんとゲーム……!
その言葉を書いた瞬間あたしはガバっと体を起こして二つ返事で部頷こうとするとふと、ミオリネさんとのことが頭をよぎった……。
(もしかして彼方さん……、ミオリネさんがログアウトしたから代わりにあたしとってこと……?)
なぜだか自分でもよく分からないけどそんな考えが頭をよぎる……。
「ごめん……今日はそんな気分じゃないから……」
そして気がつけばあたしは彼方さんからのゲームの誘いを断ってしまっていた。
「そう……?うん、分かったよ」
彼方さんはそう言いあたしの部屋の前から去っていく足音が聞こえてくると、あたしは後悔の念に包まれる……。
(なんであたしあそこで折角の彼方さんの誘いを断っちゃったんだろう……?)
こんなの……まるでお姉ちゃんみたいだよ……。
あたしは唇を噛みながら枕をギュッと抱きしめたのだった……。
~サイドストーリー~
──彼方──
自分の部屋へと戻った僕は、チャットでミオリネさんと会話する。
『ユーカナリアを誘ってみたけど断られちゃった……』
『残念です……折角カナタさんと付き合い始めたって聞いたから祝福と、あと少し冷やかしをと思ったのですが……』
僕はミオリネさんに由奈と付き合い始めたことを伝えると、お祝いをしてあげたいと言ってくれていた。
でも、からかうのはどうかと思うけど……。
『ごめんね……?』
『別に……カナタさんのせいではありませんし……。わたしはこれで落ちます。あとは彼女の傍にいてあげてはどうですか……?手を出したら……アウトですよ……?』
柊さんは最後に僕へと誂うような言葉を残すとログアウトした。
「全く……余計なお世話だよ……!」
僕は落ちたミオリネを見ながら愚痴をこぼす。
(それにしても……今日の由奈どうしちゃったんだろう……?)
僕もまたログアウトすると隣にある由奈の部屋へと目を向けたのだった……。
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