76 / 223
由奈の章 甘えたがりな義妹
好きだから……苦しくなる……
しおりを挟む
翌日……あたしは目を覚ますと部屋を出て一階にある洗面台へと向かうため階段を下りる。
(なんか昨日は中々寝れなかったよ……)
頭の中で様々な考えが巡り、あたしはほとんど寝ることができなかった……。
(……やっぱり、あたしは“妹”でしかないのかな)
彼方さんが昨日お姉ちゃんへと向けていた笑顔、ミオリネさんと楽しそうにしていたゲーム……。
(彼方さん……あたしって彼方さんの恋人じゃなかったの……?なんであたしにだけ笑顔を向けてくれないの……?)
自分でもどんどん嫌な子になっていってるという自覚はある……。
でも……彼方さんのことを思えば思うほど自分だけの彼方さんでいて欲しいという思いもまた大きくなっていた。
(あたし……ホントイヤな子になっちゃってる……)
はぁ……。
あたしは心の中でため息を付きながらリビングの入り口を通り過ぎようとすると彼方さんとお母さんの話し声が聞こえてくる。
「彼方くん、本当に料理上手ねぇ~……。私職場で自慢してもいいかしら?」
「やめてくださいよ、真奈美さん……」
楽しそうに話している彼方さんとお母さんを見ているとまた胸がズキっと痛くなり心が何か真っ黒な雨雲のようなモヤモヤに覆われていくのがわかる……。
"お母さん……!あたしの彼方さんから離れてよ……!"
心の中でそんな声が聞こえてくると、あたしはハッとした。
(あたし……お母さんにまで嫌なこと考えちゃってる……)
あたしは心の中の声をかき消すよに顔を洗った……。
◆◆◆
朝食を食べ終えたあたしは彼方さんの腕に抱きつきながら上機嫌で登校していた。
「彼方さん♡」
あたしは腕にしがみつかながら頬をスリスリとこすりつける。
自分でも分かってる。
これって、まるで動物が“自分のもの”って印をつけてるみたい。
でも……それくらいしないと、彼方さんは誰かに取られちゃいそうで。
「ちょっと……由奈歩きにくいよ……」
彼方さんは苦笑しながらも腕を無理に引き抜くことなくそのままでいてくれている。
(はあ……、やっぱり彼方さんはすっごく優しい……)
朝の心のモヤモヤはどこへやら……。
今のあたしの心は今日の天気のように晴れ渡っていた。
「ええ~、いいでしょ?だって放課後まで会えないんだもん……。今のうちにこうやって彼方さん成分を補充しておくの♪」
あたしはさらに腕にしがみつくと、自分の胸を彼方さんの腕へと押し当てる。
「ちょ……!由奈……っ!?」
彼方さんは顔を赤くしながらあたしを見る。
たぶん、胸が当たってるって言いたいんだろうけど、もちろんこれはわざと当ててる。
あたしは彼方さんが自分を見てくれていることに嬉しさを感じていた。
しかし……別れの時はやって来る……。
「それじゃあ由奈、帰りに付属の方に迎えに行くね」
「……うん」
付属中学と本校の分かれ道……。
彼方さんは笑顔であたしへと手を降ってくれるも、あたしは少しさみしげに手を振り返す……。
(あ~あ……、付属中学が本校のすぐ隣にあればいいのに……)
あたしは心の中でボヤきながら付属中学へと歩こうとすると一人の女の先輩とすれ違った。
その先輩は黒い髪を揺らしながら彼方さんを見つけると、駆け寄っていく。
「おはよう、御堂君……、よかったら一緒に学校に行かない……?」
「おはよう、柊さん。まあいいよ、一緒に行こうか」
え……?
その瞬間、あたしと彼方さんの間に、深くて暗い崖ができた気がした。
「彼方さん……その人……だれ……?」
あたしは一人ポツリと呟く……。
「そういえば……あのラノベの二巻全部読んだ……」
「読んだんだね、どうだった……?」
「新スキルを得るのはいいけど……あのやり方はどうかと思う……」
「……確かにそれは僕も思った」
二人は楽しそうにラノベの話をしながら本校へと向かう。
それを見たあたしは目の前が真っ暗になって、足元がふらついた。
この世の終わりって、きっとこういう感じなんだと思った。
でも……誰にも言えなかった。
(なんか昨日は中々寝れなかったよ……)
頭の中で様々な考えが巡り、あたしはほとんど寝ることができなかった……。
(……やっぱり、あたしは“妹”でしかないのかな)
彼方さんが昨日お姉ちゃんへと向けていた笑顔、ミオリネさんと楽しそうにしていたゲーム……。
(彼方さん……あたしって彼方さんの恋人じゃなかったの……?なんであたしにだけ笑顔を向けてくれないの……?)
自分でもどんどん嫌な子になっていってるという自覚はある……。
でも……彼方さんのことを思えば思うほど自分だけの彼方さんでいて欲しいという思いもまた大きくなっていた。
(あたし……ホントイヤな子になっちゃってる……)
はぁ……。
あたしは心の中でため息を付きながらリビングの入り口を通り過ぎようとすると彼方さんとお母さんの話し声が聞こえてくる。
「彼方くん、本当に料理上手ねぇ~……。私職場で自慢してもいいかしら?」
「やめてくださいよ、真奈美さん……」
楽しそうに話している彼方さんとお母さんを見ているとまた胸がズキっと痛くなり心が何か真っ黒な雨雲のようなモヤモヤに覆われていくのがわかる……。
"お母さん……!あたしの彼方さんから離れてよ……!"
心の中でそんな声が聞こえてくると、あたしはハッとした。
(あたし……お母さんにまで嫌なこと考えちゃってる……)
あたしは心の中の声をかき消すよに顔を洗った……。
◆◆◆
朝食を食べ終えたあたしは彼方さんの腕に抱きつきながら上機嫌で登校していた。
「彼方さん♡」
あたしは腕にしがみつかながら頬をスリスリとこすりつける。
自分でも分かってる。
これって、まるで動物が“自分のもの”って印をつけてるみたい。
でも……それくらいしないと、彼方さんは誰かに取られちゃいそうで。
「ちょっと……由奈歩きにくいよ……」
彼方さんは苦笑しながらも腕を無理に引き抜くことなくそのままでいてくれている。
(はあ……、やっぱり彼方さんはすっごく優しい……)
朝の心のモヤモヤはどこへやら……。
今のあたしの心は今日の天気のように晴れ渡っていた。
「ええ~、いいでしょ?だって放課後まで会えないんだもん……。今のうちにこうやって彼方さん成分を補充しておくの♪」
あたしはさらに腕にしがみつくと、自分の胸を彼方さんの腕へと押し当てる。
「ちょ……!由奈……っ!?」
彼方さんは顔を赤くしながらあたしを見る。
たぶん、胸が当たってるって言いたいんだろうけど、もちろんこれはわざと当ててる。
あたしは彼方さんが自分を見てくれていることに嬉しさを感じていた。
しかし……別れの時はやって来る……。
「それじゃあ由奈、帰りに付属の方に迎えに行くね」
「……うん」
付属中学と本校の分かれ道……。
彼方さんは笑顔であたしへと手を降ってくれるも、あたしは少しさみしげに手を振り返す……。
(あ~あ……、付属中学が本校のすぐ隣にあればいいのに……)
あたしは心の中でボヤきながら付属中学へと歩こうとすると一人の女の先輩とすれ違った。
その先輩は黒い髪を揺らしながら彼方さんを見つけると、駆け寄っていく。
「おはよう、御堂君……、よかったら一緒に学校に行かない……?」
「おはよう、柊さん。まあいいよ、一緒に行こうか」
え……?
その瞬間、あたしと彼方さんの間に、深くて暗い崖ができた気がした。
「彼方さん……その人……だれ……?」
あたしは一人ポツリと呟く……。
「そういえば……あのラノベの二巻全部読んだ……」
「読んだんだね、どうだった……?」
「新スキルを得るのはいいけど……あのやり方はどうかと思う……」
「……確かにそれは僕も思った」
二人は楽しそうにラノベの話をしながら本校へと向かう。
それを見たあたしは目の前が真っ暗になって、足元がふらついた。
この世の終わりって、きっとこういう感じなんだと思った。
でも……誰にも言えなかった。
20
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
田舎に帰ったら従妹が驚くほど積極的になってた話
神谷 愛
恋愛
久しぶりに帰った田舎には暫くあっていない従妹がいるはずだった。数年ぶりに帰るとそこにいたのは驚くほど可愛く、そして積極的に成長した従妹の姿だった。昔の従妹では考えられないほどの色気で迫ってくる従妹との数日の話。
二話毎六話完結。だいたい10時か22時更新、たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる