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澪の章 寡黙なクラス委員長
解けた誤解と澪の告白
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学園を出た僕は柊さんと100均を目指して商店街を歩く。
先日彼女とここを歩いていた時の楽しさとは違い、今日は、なぜか空気が重い。
この前ここを歩いたときの楽しさが嘘みたいに感じる。
少し前を歩く柊さんの背中が、遠く感じる。
声をかけようか迷いながら、ただ見つめることしかできなかった。
柊さんもまたただ前を向いて歩くだけで僕のほうを振り向くこともなく歩いている事もあり尚更空気が重く感じる……。
結局僕は柊さんに一言も話すことができないまま100均で手作りアクセサリーの材料を買って学園へと戻る……が、その途中雨が降り出してきた。
夕立だろうか、雨はすぐに激しさを増し、僕と柊さんは雨をしのげるところを探す。
そして商店街にある神社を見つけると僕は柊さんと共にそこへと向かった。
(はぁ~……、雨に打たれて、服も気持ちもずぶ濡れだよ……)
神社の軒下で恨めしそうに空をみあげる……。
柊さんからは避けられるし……雨に降られるし……本当に踏んだり蹴ったりだ……。
ところで、柊さんは大丈夫なのかな……?
彼女の事が気になり、隣にいる柊さんへと目を向けると僕は驚いた……!
「ひ……柊さん……っ!?」
柊さんの濡れた服が肌に張り付き、うっすらとグレーの下着の輪郭が浮かんでいた。
「……なに?」
「ご……ごめん……!」
無表情で見てくる彼女から僕は慌てて目をそらす。
やってしまった……不慮の出来事とは言え……雨で透けた女の子の下着をみてしまった……。
完全に嫌われた……。
僕はそう思った……。
「……御堂君はなんで目を逸らすの?」
「なんでって……柊さんのその……し……下着を見ちゃった訳だし……」
僕は顔を赤くしながら少しだけ柊さんへと目を向けると、彼女は僕の顔を無表情でじっと見つめてくる。
その表情からは柊さんが何を考えているのかうかがい知ることができなかった。
「わたしは気にしない……」
「僕が気にするよ……!」
僕は柊さんにツッコミを入れると少しだけ空気が軽くなったような気がする……。
「……そう」
柊さんはそれだけを言うと僕から視線を逸らす。
何にしろ……謝るなら今だ……!
僕は意を決して柊さんの方へと体を向ける。
「柊さん……!その……この前は本当にごめん……!僕……柊さんにキスしようとして……」
僕は柊さんへと謝罪の言葉を述べると、彼女は首をすこしだけ傾げながらキョトンとした表情で僕を見つめる。
「あの……柊さん……?」
「ああ……、この前の……。大丈夫、わたしは嫌じゃなかったから……。それより……わたしの方こそごめんなさい……、変に御堂君を避けるような事をしてしまって……」
すると一転、柊さんは申し訳なさそうな顔をしながら僕へと頭を下げる。
その様子に今度は僕が驚いた。
「あ……あの……、なんで僕のこと避けてたの……?よかったら教えてほしい……」
「……避けてた訳じゃない」
避けてた訳じゃない……?
どういう事だろう……。
僕はますます頭の中がこんがらがう。
「で……でも、僕から視線を逸らしたり逃げるように去ったりしてたのは……?」
「……だから」
「え……?」
柊さんは小声でボソッと呟くも何を言ったのか分からなかった。
「……御堂君の事が……好き……だから……、目が合ったりするのが……恥ずかしかった……から……」
柊さんは顔を赤くしながらそう告げる。
最初僕は意味がわからなかったけど、意味を理解すると僕の顔も赤くなるのを感じた。
それは紛れもない柊さんからの告白だった……!
「え……?えっと……それって……」
「何度も言わせないで、わたしは……御堂君の事が……彼方くんのことが好きなの……」
彼方くん……確かに柊さんはそう言った。
「え……?でも……、柊さんからの告白イベントには澪ポイントが足りないって……」
「そんなのとっくに足りてる……。それより……返事を聞かせてほしい……」
柊さんは手を握りしめ、不安と期待の混ざった目で僕を見つめる。
僕の答えは……もう決まっていた。
「柊さん……、僕も柊さんが好きだ……!」
「……いや」
「え……?」
告白の返事を返すとまさかの答えが返ってくる。
僕は呆気にとられながらも目の前が真っ暗になってくる……。
「"柊さん"はいや……、彼方くんには"澪"って呼んでほしい……」
あ……嫌ってそういう意味なのね……。
僕は安堵しながらも乾いた笑いを浮かべていた。
「じ……、じゃあ……改めて……僕も澪が好きだ……!僕と付き合ってください……!」
僕は右手を差し出すと澪へと頭を下げる。
外の雨の音が聞こえなくなり、自分の心臓の音がやけにうるさく聞こえる……。
澪の……澪の返事は……?
僕は顔を赤くしながらあげる。
すると……澪は僕の手を握るのではなく、抱きついてきた。
「わたしの方こそ……付き合ってほしい……」
僕は雨に濡れた澪の体をそっと抱きしめると、どちらからともなく顔を近づけて、そっと唇を重ねた。
雨音が遠ざかり、世界にふたりだけが残ったような気がした。
先日彼女とここを歩いていた時の楽しさとは違い、今日は、なぜか空気が重い。
この前ここを歩いたときの楽しさが嘘みたいに感じる。
少し前を歩く柊さんの背中が、遠く感じる。
声をかけようか迷いながら、ただ見つめることしかできなかった。
柊さんもまたただ前を向いて歩くだけで僕のほうを振り向くこともなく歩いている事もあり尚更空気が重く感じる……。
結局僕は柊さんに一言も話すことができないまま100均で手作りアクセサリーの材料を買って学園へと戻る……が、その途中雨が降り出してきた。
夕立だろうか、雨はすぐに激しさを増し、僕と柊さんは雨をしのげるところを探す。
そして商店街にある神社を見つけると僕は柊さんと共にそこへと向かった。
(はぁ~……、雨に打たれて、服も気持ちもずぶ濡れだよ……)
神社の軒下で恨めしそうに空をみあげる……。
柊さんからは避けられるし……雨に降られるし……本当に踏んだり蹴ったりだ……。
ところで、柊さんは大丈夫なのかな……?
彼女の事が気になり、隣にいる柊さんへと目を向けると僕は驚いた……!
「ひ……柊さん……っ!?」
柊さんの濡れた服が肌に張り付き、うっすらとグレーの下着の輪郭が浮かんでいた。
「……なに?」
「ご……ごめん……!」
無表情で見てくる彼女から僕は慌てて目をそらす。
やってしまった……不慮の出来事とは言え……雨で透けた女の子の下着をみてしまった……。
完全に嫌われた……。
僕はそう思った……。
「……御堂君はなんで目を逸らすの?」
「なんでって……柊さんのその……し……下着を見ちゃった訳だし……」
僕は顔を赤くしながら少しだけ柊さんへと目を向けると、彼女は僕の顔を無表情でじっと見つめてくる。
その表情からは柊さんが何を考えているのかうかがい知ることができなかった。
「わたしは気にしない……」
「僕が気にするよ……!」
僕は柊さんにツッコミを入れると少しだけ空気が軽くなったような気がする……。
「……そう」
柊さんはそれだけを言うと僕から視線を逸らす。
何にしろ……謝るなら今だ……!
僕は意を決して柊さんの方へと体を向ける。
「柊さん……!その……この前は本当にごめん……!僕……柊さんにキスしようとして……」
僕は柊さんへと謝罪の言葉を述べると、彼女は首をすこしだけ傾げながらキョトンとした表情で僕を見つめる。
「あの……柊さん……?」
「ああ……、この前の……。大丈夫、わたしは嫌じゃなかったから……。それより……わたしの方こそごめんなさい……、変に御堂君を避けるような事をしてしまって……」
すると一転、柊さんは申し訳なさそうな顔をしながら僕へと頭を下げる。
その様子に今度は僕が驚いた。
「あ……あの……、なんで僕のこと避けてたの……?よかったら教えてほしい……」
「……避けてた訳じゃない」
避けてた訳じゃない……?
どういう事だろう……。
僕はますます頭の中がこんがらがう。
「で……でも、僕から視線を逸らしたり逃げるように去ったりしてたのは……?」
「……だから」
「え……?」
柊さんは小声でボソッと呟くも何を言ったのか分からなかった。
「……御堂君の事が……好き……だから……、目が合ったりするのが……恥ずかしかった……から……」
柊さんは顔を赤くしながらそう告げる。
最初僕は意味がわからなかったけど、意味を理解すると僕の顔も赤くなるのを感じた。
それは紛れもない柊さんからの告白だった……!
「え……?えっと……それって……」
「何度も言わせないで、わたしは……御堂君の事が……彼方くんのことが好きなの……」
彼方くん……確かに柊さんはそう言った。
「え……?でも……、柊さんからの告白イベントには澪ポイントが足りないって……」
「そんなのとっくに足りてる……。それより……返事を聞かせてほしい……」
柊さんは手を握りしめ、不安と期待の混ざった目で僕を見つめる。
僕の答えは……もう決まっていた。
「柊さん……、僕も柊さんが好きだ……!」
「……いや」
「え……?」
告白の返事を返すとまさかの答えが返ってくる。
僕は呆気にとられながらも目の前が真っ暗になってくる……。
「"柊さん"はいや……、彼方くんには"澪"って呼んでほしい……」
あ……嫌ってそういう意味なのね……。
僕は安堵しながらも乾いた笑いを浮かべていた。
「じ……、じゃあ……改めて……僕も澪が好きだ……!僕と付き合ってください……!」
僕は右手を差し出すと澪へと頭を下げる。
外の雨の音が聞こえなくなり、自分の心臓の音がやけにうるさく聞こえる……。
澪の……澪の返事は……?
僕は顔を赤くしながらあげる。
すると……澪は僕の手を握るのではなく、抱きついてきた。
「わたしの方こそ……付き合ってほしい……」
僕は雨に濡れた澪の体をそっと抱きしめると、どちらからともなく顔を近づけて、そっと唇を重ねた。
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