112 / 223
澪の章 寡黙なクラス委員長
母公認の関係
しおりを挟む
高藤は不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと歩み寄る……。
先生はその姿を警戒するように睨んでいた。
「高藤……、何のようだ……?」
「いえ……、先ほどの一部始終を録画したものがあるので是非とも先生に見ていただければと思いまして……」
高藤はスマホの画面を先生に差し出す。
そこには、先ほどの一部始終が鮮明に映っていた。
「これは……おいお前らこれはどういうことだ……っ!?」
先生は動画を見終えると先輩たちを睨む。
「く……、これはその……」
先輩たちはバツが悪そうにたじろいでいた。
「先生!この三人が柊さんの腕を無理やり引っ張ってました!」
と、その時亜希が声をあげる。
「ウチもみました!御堂くんが柊さんを助けようとしていました!」
更に早乙女さんをはじめとしたクラスメイトたちが声を上げると、教室の空気は一気に変わった。
「俺も見てた!御堂は柊を守ろうとしてたんだ!」
「生徒会の先輩たちが無理やり連れて行こうとしてたの、間違いないです!」
証言が次々と重なり、教室の空気が一気に澄み渡っていく。
先生は腕を組みながら、先輩たちをじっと見据えた。
「……お前たち、何か言い訳はあるか?」
「……っ」
先輩たちは何も言えず、ただ俯いていた。
その姿は、さっきまでの威圧的な態度が嘘のようだった。
「御堂……おまえを信じてやることができずすまなかった。君たちに非がないことは、これで明らかだ」
優しげな表情を浮かべた先生の言葉に、僕は胸の奥が少しだけ軽くなった気がした。
「……ありがとうございます」
澪が小さく頭を下げる。
その声は震えていたけれど、確かに届いていた。
「さて……お前らは生徒指導室でミッチリと話を聞かせてもらおうか!」
生徒指導室の先生は先輩たちを連れこの場を離れていくと、澪が心配げな表情で僕へと駆け寄ってくる。
「彼方くん……!大丈夫……っ!?」
「澪、僕は平気だよ。それより高藤本当に助かったよ」
僕は高藤へとお礼を述べると彼は肩を竦めながら不敵な笑みを浮かべていた。
「気にするな。友を助けるのに理由はいらん。それより……あちらの女性も何やらお前たちに用事があるみたいだが……?」
高藤は人差し指で僕の後ろを指す。
振り向くとそこには一人の女性の姿があった。
その女性は、澪にどこか似た雰囲気をまとっていた。
「お母さん……?」
お母さん……澪がそう言うとその女性は僕たちの方へと駆け寄ってくる。
「澪……あなた大丈夫……っ!?」
「お母さん……うん、彼方くんが助けてくれたからわたしは大丈夫……」
「そう……、あなたが御堂くん……?一部始終は見たけど……人を投げ飛ばすなんて、どういうつもりなの!?そんな乱暴な子と澪を付き合わせるわけにはいかないわ!」
「いえ……、そんな僕は……」
澪のお母さんに睨まれ、僕は思わずたじろぐ……。
「お母さんやめて……!彼方くんはわたしを助けようとしてくれたの……!」
「澪は黙っていなさい!私はあなたのような乱暴を働く人を許さないわよ……!」
僕は澪のお母さんに責められやるせなさを感じていた……。
僕は……澪を助けたかった……、でも……その結果がこれだなんて……。
「……少しよろしいですかな?」
そんな時声を上げたのは高藤だった。
「あなたは……?」
「申し遅れました、私はそこの御堂と娘さんの級友である高藤と申します。あなたは先ほど一部始終を見ていたと申されましたが、もしあの時……御堂が娘さんを助けなければどうなっていたか……あなたはお分かりになりますか?」
「それは話し合いで……!」
「御堂は話し合いによる解決をしようと試みました……が、結果は一方的に暴力を振るわれただけ……。御堂は娘さんを助けんとするため、あくまで必要最低限の力で相手を制しただけです。もし御堂が手を出さなければ今ごろ娘さんはどうなっていたか……、それこそ娘さんも、貴女も傷つくこととなった事でしょう」
澪のお母さんは高藤の言葉に押し黙ると再び僕へと目を向ける……。
「あの……確かに暴力を振るうことは悪いことだとは思います……。でも……僕は澪を助けたかった、守りたかったんです……!それだけは分かってください……!」
「澪……」
「お母さん……なんで彼方くんのことを信じてくれないの……?わたし……彼方くんと別れたくない……ずっと一緒にいたい……。彼方くんを信じてくれないお母さんなんて……わたし、もう……嫌い……」
澪は涙を流しながらお母さんを見つめる……。
すると、お母さんは僕の手を握ってくる。
「……御堂くん、ごめんなさい。私はあなたのことを見誤ってたみたい。許してくれるかどうか分からないけど……今後も澪のこと……よろしくね……?」
「はい……!」
僕はお母さんの言葉に力強く頷くと彼女は澪へと優しく視線を向ける。
その目には、少しだけ涙が滲んでいた。
「澪、いい彼氏を見つけたわね」
「……うん!わたしの自慢の彼氏!」
澪はそう言うと僕の頬へと軽くキスをしたのだった。
先生はその姿を警戒するように睨んでいた。
「高藤……、何のようだ……?」
「いえ……、先ほどの一部始終を録画したものがあるので是非とも先生に見ていただければと思いまして……」
高藤はスマホの画面を先生に差し出す。
そこには、先ほどの一部始終が鮮明に映っていた。
「これは……おいお前らこれはどういうことだ……っ!?」
先生は動画を見終えると先輩たちを睨む。
「く……、これはその……」
先輩たちはバツが悪そうにたじろいでいた。
「先生!この三人が柊さんの腕を無理やり引っ張ってました!」
と、その時亜希が声をあげる。
「ウチもみました!御堂くんが柊さんを助けようとしていました!」
更に早乙女さんをはじめとしたクラスメイトたちが声を上げると、教室の空気は一気に変わった。
「俺も見てた!御堂は柊を守ろうとしてたんだ!」
「生徒会の先輩たちが無理やり連れて行こうとしてたの、間違いないです!」
証言が次々と重なり、教室の空気が一気に澄み渡っていく。
先生は腕を組みながら、先輩たちをじっと見据えた。
「……お前たち、何か言い訳はあるか?」
「……っ」
先輩たちは何も言えず、ただ俯いていた。
その姿は、さっきまでの威圧的な態度が嘘のようだった。
「御堂……おまえを信じてやることができずすまなかった。君たちに非がないことは、これで明らかだ」
優しげな表情を浮かべた先生の言葉に、僕は胸の奥が少しだけ軽くなった気がした。
「……ありがとうございます」
澪が小さく頭を下げる。
その声は震えていたけれど、確かに届いていた。
「さて……お前らは生徒指導室でミッチリと話を聞かせてもらおうか!」
生徒指導室の先生は先輩たちを連れこの場を離れていくと、澪が心配げな表情で僕へと駆け寄ってくる。
「彼方くん……!大丈夫……っ!?」
「澪、僕は平気だよ。それより高藤本当に助かったよ」
僕は高藤へとお礼を述べると彼は肩を竦めながら不敵な笑みを浮かべていた。
「気にするな。友を助けるのに理由はいらん。それより……あちらの女性も何やらお前たちに用事があるみたいだが……?」
高藤は人差し指で僕の後ろを指す。
振り向くとそこには一人の女性の姿があった。
その女性は、澪にどこか似た雰囲気をまとっていた。
「お母さん……?」
お母さん……澪がそう言うとその女性は僕たちの方へと駆け寄ってくる。
「澪……あなた大丈夫……っ!?」
「お母さん……うん、彼方くんが助けてくれたからわたしは大丈夫……」
「そう……、あなたが御堂くん……?一部始終は見たけど……人を投げ飛ばすなんて、どういうつもりなの!?そんな乱暴な子と澪を付き合わせるわけにはいかないわ!」
「いえ……、そんな僕は……」
澪のお母さんに睨まれ、僕は思わずたじろぐ……。
「お母さんやめて……!彼方くんはわたしを助けようとしてくれたの……!」
「澪は黙っていなさい!私はあなたのような乱暴を働く人を許さないわよ……!」
僕は澪のお母さんに責められやるせなさを感じていた……。
僕は……澪を助けたかった……、でも……その結果がこれだなんて……。
「……少しよろしいですかな?」
そんな時声を上げたのは高藤だった。
「あなたは……?」
「申し遅れました、私はそこの御堂と娘さんの級友である高藤と申します。あなたは先ほど一部始終を見ていたと申されましたが、もしあの時……御堂が娘さんを助けなければどうなっていたか……あなたはお分かりになりますか?」
「それは話し合いで……!」
「御堂は話し合いによる解決をしようと試みました……が、結果は一方的に暴力を振るわれただけ……。御堂は娘さんを助けんとするため、あくまで必要最低限の力で相手を制しただけです。もし御堂が手を出さなければ今ごろ娘さんはどうなっていたか……、それこそ娘さんも、貴女も傷つくこととなった事でしょう」
澪のお母さんは高藤の言葉に押し黙ると再び僕へと目を向ける……。
「あの……確かに暴力を振るうことは悪いことだとは思います……。でも……僕は澪を助けたかった、守りたかったんです……!それだけは分かってください……!」
「澪……」
「お母さん……なんで彼方くんのことを信じてくれないの……?わたし……彼方くんと別れたくない……ずっと一緒にいたい……。彼方くんを信じてくれないお母さんなんて……わたし、もう……嫌い……」
澪は涙を流しながらお母さんを見つめる……。
すると、お母さんは僕の手を握ってくる。
「……御堂くん、ごめんなさい。私はあなたのことを見誤ってたみたい。許してくれるかどうか分からないけど……今後も澪のこと……よろしくね……?」
「はい……!」
僕はお母さんの言葉に力強く頷くと彼女は澪へと優しく視線を向ける。
その目には、少しだけ涙が滲んでいた。
「澪、いい彼氏を見つけたわね」
「……うん!わたしの自慢の彼氏!」
澪はそう言うと僕の頬へと軽くキスをしたのだった。
20
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。
東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」
──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。
購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。
それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、
いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!?
否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。
気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。
ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ!
最後は笑って、ちょっと泣ける。
#誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。
ルピナス
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。
そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。
物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。
※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。
※1日3話ずつ更新する予定です。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編4が完結しました!(2026.2.22)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる