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澪の章 寡黙なクラス委員長
澪の意外な一面
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週末——僕は、澪を迎えるために部屋の掃除に励んでいた。
(今日は澪が来るんだ……、きちんと掃除をしておかないと……!)
僕は少し散らかっていた本や部屋の隅の埃を取り除く。
そして——思春期男子の“相棒”とも言えるアダルトコミックはベッドの奥へと厳重に封印!
「ふう……、こんなものかな……?」
掃除を終えた僕は自分の部屋を見渡す。
(この前、澪の部屋に行ったとき……あんなに綺麗だったもんな……僕の部屋が汚かったら、幻滅されるかもしれない……でも、これなら大丈夫かな……?)
時計を見るともうすぐ澪を迎えに行く時間だ。
僕は出る前に部屋の最終確認を行う……。
ゴミなし!埃なし!危ないモノなし……!
「よしっ!」
僕はズボンのポケットに財布とシャツのポケットにスマホを入れると澪を迎えに行く。
◆◆◆
家を出た僕は待ち合わせ場所である青葉ケ丘学園に向かう途中の道で澪を待つ。
(少し早く着いちゃったかな……?)
スマホで時間を確認すると、約束より10分以上も早く着いていた。
「ま……気長に待つか……」
僕はスマホでマンガを読もうとすると、一台の車が目の前で止まった。
(なんだろう……?)
僕はその車を見ていると、中からグレーのノースリーブのシャツと膝まである白いスカートを履いた澪が降りてきた。
「彼方くん、おはよう……」
「澪おはよう」
「今日はお母さんが出かける用事があるからってついでに乗せてきてもらった……」
運転席に目をやると、澪のお母さんが笑顔でこちらを見ていた。
「おはよう彼方君」
「あ、おはようございます」
僕は澪のお母さんへと頭を下げると彼女は笑みを浮かべる。
「それじゃあ彼方君、澪のことお願いね。それじゃあね澪、帰る時電話てくれたら迎えに行くから」
「うん、ありがとうお母さん……」
澪のお母さんは手を振るとそのまま車で走り去る。
「それじゃあ澪、行こうか」
「うん……」
僕は澪と手をつないで家へと向かった。
◆◆◆
家へと戻ると、玄関で真奈美さんが笑顔で澪を出迎える。
「あら柊さんいらっしゃい」
「お邪魔します……」
「真奈美さん、僕は澪と自分の部屋に行ってるね」
僕は靴を脱いで玄関を上がろうとすると不思議そうな顔で澪が見つめてくる……。
「ねえ、彼方くん……どうして“お母さん”って呼ばないの?」
「え……?」
澪の問いに、僕は一瞬言葉を失った。
「えっと……、真奈美さんは父さんの再婚相手で……」
「それは知ってる……。でも、彼方くんの新しいお母さんでしょ……?」
う……、澪の的を得た言葉に僕は言葉に詰まる。
すると、真奈美さんが澪の肩へと手を置くとうんうんと何度も頷く。
「よく言ってくれたわ柊さん……!彼方くんったら私が何度もお母さんって呼んでって言ってもちっとも呼んでくれないのよ?」
「彼方くん、それはいけないと思う……。お父さんの再婚相手でも新しい家族ならそれ相応の呼び名で呼ぶべき……」
「うぐ……!」
澪の正論が僕の胸に突き刺さる……!
「柊さんもっと言ってやって……!」
「……お母さんも“くん付け”って、心のどこかで距離を置いてる証拠だと思う。本当に家族になるなら、そういう呼び方はやめたほうがいい。親なのにくん付するということは心のどこかで一線を引いている状態……、本当に彼方くんの親になるのならくんはいらないと思う……」
「う……!」
今度は澪の正論が真奈美さんな突き刺さる……!
……澪ってもしかして理論武装するタイプ?
「ち……ちょっと彼方くん……どういう事……?この子メッチャ正論で押してくるんだけど……!」
真奈美さんが小声で僕に話しかけてくる。
「い……いや僕もこれは知らなかった……」
そん僕と真奈美さんとのやりとりを澪がじっと見つめてくる……。
「はい、彼方くんは"お母さん"って、お母さんは"彼方"って呼んでみて……」
「えっとその……か……母さん……」
「な……なに……?彼方……」
僕と真奈美さん……もとい母さんはなれない呼び方にお互い少し顔が赤くなる。
その僕たちを見て澪は無表情ながらも満足気にうなずいていた。
(澪と口喧嘩するのだけは絶対にやめよう……)
僕は心の中で、静かに誓った。
澪の手を引きながら、僕は階段を上がった。
玄関の空気が背中に残る中、澪は無言のまま僕の後ろを歩いていた。
「澪、ここが僕の部屋……」
ドアを開けると、白を基調とした静かな空間が、澪の瞳に映り込む。
亜希や由奈ちゃんが僕の部屋に来たことはあるけど、"彼女として"自分の部屋に通すのは澪が初めてだ。
(掃除はきちんとしてはいるけど、やっぱり緊張する……)
僕は息を呑みながら隣にいる澪へと目をやる……。
「ここが彼方くんの部屋……」
澪は僕の部屋へと入るとローテーブルの前に座り辺りを見渡している……。
彼女が部屋に入ってくれたことに一先ず安堵した。
「取り敢えずエアコンを付けるね……」
エアコンのスイッチを入れると澪の横に座るも、内心、心臓がバクバクしていた。
澪が隣にいるだけで、部屋の空気が妙に重く感じる。
(うう……なんだろう……、いつもなら普通に話とか出来るのに、自分の部屋に澪がいるってだけでなんかすごく緊張して何を話せばいいのか分からなくなる……)
と、その時部屋のドアがノックされる。
「か……彼方~、ちょっとドア開けてくれる?」
声からして真奈美さん……もとい母さんのようだ。
「な……なに、母さん……」
うう……まだ真奈美さんのことを母さんって呼ぶのに慣れてないから変に緊張する……。
「これ飲み物とお菓子ね。柊さんと一緒に食べなさい。あと、もう少ししたら私でかけるから。それと亜希と由奈ちゃんも出かけるって言ってたし、あとは二人でゆっくりしてなさい♪」
「ちょ……!」
僕はお菓子と飲み物が乗ったお盆を受け取るも、母さんの含みのある物言いに顔が赤くなる……。
変な気を遣われるほうがよっぽど恥ずかしいよ……!
「それじゃあ私はこれで」
母さんは笑顔で手を振ると部屋のドアを閉める。
(全く……、真奈美さんは……)
僕は心の中でブツブツと文句を言いながら受け取ったお菓子と飲み物が乗ったお盆をローテーブルの上へと置く。
「澪、母さんから飲み物とお菓子の差し入れ」
「うん……、ありがとう……。それより彼方くんの部屋って白を基調としてるのね……」
「うん、なんとなく白が好きだから……」
「そう……。白は清潔感のある色でいいと思う……。でも、少し寂しい気もする……」
「そ……そうかな……?」
「うん……、だから彼方くんの部屋にわたしの好きなグレーを少しだけ混ぜたい……」
「え……?」
突然の澪の提案に僕の目が点になる。
「入れたい……だめ……?」
澪が僕の顔をじっと見つめてくる。
な……なんとなくだけど……無言の圧を感じる……。
「い……いいけど……」
澪に気圧されるかたちで僕は頷く。
「ありがとう……、それじゃあ買い物に行こ……」
「え……?でも今僕の家に着いたばかりだよ……?」
「行こ……」
「……はい」
僕は澪に押し切られる形で買い物へと出かけることになった。
(澪って押しが強いんだな……)
なんというか……この調子だと、僕は将来確実に澪の尻に敷かれそうな気がする……。
そんな未来がほんの少しだけ見えた気がした……。
(今日は澪が来るんだ……、きちんと掃除をしておかないと……!)
僕は少し散らかっていた本や部屋の隅の埃を取り除く。
そして——思春期男子の“相棒”とも言えるアダルトコミックはベッドの奥へと厳重に封印!
「ふう……、こんなものかな……?」
掃除を終えた僕は自分の部屋を見渡す。
(この前、澪の部屋に行ったとき……あんなに綺麗だったもんな……僕の部屋が汚かったら、幻滅されるかもしれない……でも、これなら大丈夫かな……?)
時計を見るともうすぐ澪を迎えに行く時間だ。
僕は出る前に部屋の最終確認を行う……。
ゴミなし!埃なし!危ないモノなし……!
「よしっ!」
僕はズボンのポケットに財布とシャツのポケットにスマホを入れると澪を迎えに行く。
◆◆◆
家を出た僕は待ち合わせ場所である青葉ケ丘学園に向かう途中の道で澪を待つ。
(少し早く着いちゃったかな……?)
スマホで時間を確認すると、約束より10分以上も早く着いていた。
「ま……気長に待つか……」
僕はスマホでマンガを読もうとすると、一台の車が目の前で止まった。
(なんだろう……?)
僕はその車を見ていると、中からグレーのノースリーブのシャツと膝まである白いスカートを履いた澪が降りてきた。
「彼方くん、おはよう……」
「澪おはよう」
「今日はお母さんが出かける用事があるからってついでに乗せてきてもらった……」
運転席に目をやると、澪のお母さんが笑顔でこちらを見ていた。
「おはよう彼方君」
「あ、おはようございます」
僕は澪のお母さんへと頭を下げると彼女は笑みを浮かべる。
「それじゃあ彼方君、澪のことお願いね。それじゃあね澪、帰る時電話てくれたら迎えに行くから」
「うん、ありがとうお母さん……」
澪のお母さんは手を振るとそのまま車で走り去る。
「それじゃあ澪、行こうか」
「うん……」
僕は澪と手をつないで家へと向かった。
◆◆◆
家へと戻ると、玄関で真奈美さんが笑顔で澪を出迎える。
「あら柊さんいらっしゃい」
「お邪魔します……」
「真奈美さん、僕は澪と自分の部屋に行ってるね」
僕は靴を脱いで玄関を上がろうとすると不思議そうな顔で澪が見つめてくる……。
「ねえ、彼方くん……どうして“お母さん”って呼ばないの?」
「え……?」
澪の問いに、僕は一瞬言葉を失った。
「えっと……、真奈美さんは父さんの再婚相手で……」
「それは知ってる……。でも、彼方くんの新しいお母さんでしょ……?」
う……、澪の的を得た言葉に僕は言葉に詰まる。
すると、真奈美さんが澪の肩へと手を置くとうんうんと何度も頷く。
「よく言ってくれたわ柊さん……!彼方くんったら私が何度もお母さんって呼んでって言ってもちっとも呼んでくれないのよ?」
「彼方くん、それはいけないと思う……。お父さんの再婚相手でも新しい家族ならそれ相応の呼び名で呼ぶべき……」
「うぐ……!」
澪の正論が僕の胸に突き刺さる……!
「柊さんもっと言ってやって……!」
「……お母さんも“くん付け”って、心のどこかで距離を置いてる証拠だと思う。本当に家族になるなら、そういう呼び方はやめたほうがいい。親なのにくん付するということは心のどこかで一線を引いている状態……、本当に彼方くんの親になるのならくんはいらないと思う……」
「う……!」
今度は澪の正論が真奈美さんな突き刺さる……!
……澪ってもしかして理論武装するタイプ?
「ち……ちょっと彼方くん……どういう事……?この子メッチャ正論で押してくるんだけど……!」
真奈美さんが小声で僕に話しかけてくる。
「い……いや僕もこれは知らなかった……」
そん僕と真奈美さんとのやりとりを澪がじっと見つめてくる……。
「はい、彼方くんは"お母さん"って、お母さんは"彼方"って呼んでみて……」
「えっとその……か……母さん……」
「な……なに……?彼方……」
僕と真奈美さん……もとい母さんはなれない呼び方にお互い少し顔が赤くなる。
その僕たちを見て澪は無表情ながらも満足気にうなずいていた。
(澪と口喧嘩するのだけは絶対にやめよう……)
僕は心の中で、静かに誓った。
澪の手を引きながら、僕は階段を上がった。
玄関の空気が背中に残る中、澪は無言のまま僕の後ろを歩いていた。
「澪、ここが僕の部屋……」
ドアを開けると、白を基調とした静かな空間が、澪の瞳に映り込む。
亜希や由奈ちゃんが僕の部屋に来たことはあるけど、"彼女として"自分の部屋に通すのは澪が初めてだ。
(掃除はきちんとしてはいるけど、やっぱり緊張する……)
僕は息を呑みながら隣にいる澪へと目をやる……。
「ここが彼方くんの部屋……」
澪は僕の部屋へと入るとローテーブルの前に座り辺りを見渡している……。
彼女が部屋に入ってくれたことに一先ず安堵した。
「取り敢えずエアコンを付けるね……」
エアコンのスイッチを入れると澪の横に座るも、内心、心臓がバクバクしていた。
澪が隣にいるだけで、部屋の空気が妙に重く感じる。
(うう……なんだろう……、いつもなら普通に話とか出来るのに、自分の部屋に澪がいるってだけでなんかすごく緊張して何を話せばいいのか分からなくなる……)
と、その時部屋のドアがノックされる。
「か……彼方~、ちょっとドア開けてくれる?」
声からして真奈美さん……もとい母さんのようだ。
「な……なに、母さん……」
うう……まだ真奈美さんのことを母さんって呼ぶのに慣れてないから変に緊張する……。
「これ飲み物とお菓子ね。柊さんと一緒に食べなさい。あと、もう少ししたら私でかけるから。それと亜希と由奈ちゃんも出かけるって言ってたし、あとは二人でゆっくりしてなさい♪」
「ちょ……!」
僕はお菓子と飲み物が乗ったお盆を受け取るも、母さんの含みのある物言いに顔が赤くなる……。
変な気を遣われるほうがよっぽど恥ずかしいよ……!
「それじゃあ私はこれで」
母さんは笑顔で手を振ると部屋のドアを閉める。
(全く……、真奈美さんは……)
僕は心の中でブツブツと文句を言いながら受け取ったお菓子と飲み物が乗ったお盆をローテーブルの上へと置く。
「澪、母さんから飲み物とお菓子の差し入れ」
「うん……、ありがとう……。それより彼方くんの部屋って白を基調としてるのね……」
「うん、なんとなく白が好きだから……」
「そう……。白は清潔感のある色でいいと思う……。でも、少し寂しい気もする……」
「そ……そうかな……?」
「うん……、だから彼方くんの部屋にわたしの好きなグレーを少しだけ混ぜたい……」
「え……?」
突然の澪の提案に僕の目が点になる。
「入れたい……だめ……?」
澪が僕の顔をじっと見つめてくる。
な……なんとなくだけど……無言の圧を感じる……。
「い……いいけど……」
澪に気圧されるかたちで僕は頷く。
「ありがとう……、それじゃあ買い物に行こ……」
「え……?でも今僕の家に着いたばかりだよ……?」
「行こ……」
「……はい」
僕は澪に押し切られる形で買い物へと出かけることになった。
(澪って押しが強いんだな……)
なんというか……この調子だと、僕は将来確実に澪の尻に敷かれそうな気がする……。
そんな未来がほんの少しだけ見えた気がした……。
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