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澪の章 寡黙なクラス委員長
目覚めたフードファイター
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湯上がりの余韻をまといながら、僕たちはジャージ姿でレストランホールへ向かった。
広間には班ごとに席がよういされていて、僕たち六人は一つのテーブルに腰を下ろす。
澪は無表情のまま、まだ少し濡れたロングヘアを手早くポニーテールにまとめる。
その隣で亜希と早乙女さんの視線は明らかに悠人へと向けられていた。
「……友達から聞いたんだけど、真壁君、男湯覗いたんだって?」
「あはは……そんな趣味があったなんてウチ知らなかったよ……」
「それは誤解だぁぁぁーーーっ!」
例の札流石にもう首から外されているようだけど、亜希の冷ややかな目と早乙女さんからの苦笑を受け、悠人は正座していたとき以上に縮こまりながら涙目となっていた。
「そんなことよりお腹すいた……わたし料理をとってくる……」
澪は悠人の言葉をスルーするように席を立つ。
ここの食事はビュッフェ形式のようで、好きな料理を好きなだけ食べれるようだ。
「……なあ、最近柊さんって俺に対して冷たくないか?」
「さ……さあ、そんなことはないと思うけど……」
……たぶん。
心の中でそう付け加えながら悠人に苦笑すると僕もまた席を立って料理を取りに行く。
料理を持ってきた僕は真向かいに座る澪を見て驚いた。
澪のお皿には蟹やイカのバター焼き、ホタテのバター醤油焼き、ザンギ、ジンギスカン、そしてご飯は海鮮丼と豚丼のふたつが並べられていた。
(フードファイター澪復活っ!?)
僕は心の中で衝撃を受ける。
亜希や悠人たちも同じなのか、澪のお皿を見て唖然としていた。
澪がこんなに食べるのは学園祭の時が最後だったはず……、僕と付き合いだしてからはフードファイターは鳴りを潜めていたのに……。
「あの……澪その量は一体……」
僕は息を呑みながら澪のお皿を指さす。
「彼方くん……、今日のわたしはリミッターを解除する……!」
「え……?ちょ……!澪大丈夫……っ!?」
「大丈夫……!」
僕が彼女に声を掛けると、澪は親指を立てて黙々と料理に向き合い始めた。
その集中ぶりは、まるで試合中のアスリートのようだった。
「……ミオっちがこんなに食べるなんてウチ知らなかったし」
その様子を早乙女さんは目を丸かくくして驚いていた。
しかし、僕は澪が美味しそうに食べる姿を見て胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。
(澪が美味しそうに食べてるだけで、こんなに嬉しくなるなんて——幸せって、案外こういうことなのかもしれない)
澪が食べるたびに、僕の視線は自然と彼女に吸い寄せられていた。
澪が食べ始めること十数分……お皿が空になると再び彼女は立ち上がる。
「おかわり持ってくる……」
「え……?ちょ……!柊さん大丈夫っ!?」
「ふむ……今の柊はまさにフードファイターだな……」
おかわりを取りに行く澪に亜希と高藤はただただ驚いていた。
そして澪が戻って来ると、お皿には生ハムメロン、生チョコタルト、チーズタルト、生クリームプリン、ハスカップゼリーなどのスイーツがお皿いっぱいに盛られていた。
(……流石に多すぎじゃないのかなぁ)
「あの……澪そんなに食べて大丈夫……?」
「まだ行ける……、彼方くんはわたしを信じて……」
澪は再び親指を上げるとスイーツを食べ始める。
(いや……何を信じろと……?)
僕は苦笑しながらも、美味しそうに澪が食べる様子を眺めていると、胸の奥が温かくなってくるのを感じる。
僕はそんなちょっとした幸せを感じながら自分の料理に箸を伸ばした。
広間には班ごとに席がよういされていて、僕たち六人は一つのテーブルに腰を下ろす。
澪は無表情のまま、まだ少し濡れたロングヘアを手早くポニーテールにまとめる。
その隣で亜希と早乙女さんの視線は明らかに悠人へと向けられていた。
「……友達から聞いたんだけど、真壁君、男湯覗いたんだって?」
「あはは……そんな趣味があったなんてウチ知らなかったよ……」
「それは誤解だぁぁぁーーーっ!」
例の札流石にもう首から外されているようだけど、亜希の冷ややかな目と早乙女さんからの苦笑を受け、悠人は正座していたとき以上に縮こまりながら涙目となっていた。
「そんなことよりお腹すいた……わたし料理をとってくる……」
澪は悠人の言葉をスルーするように席を立つ。
ここの食事はビュッフェ形式のようで、好きな料理を好きなだけ食べれるようだ。
「……なあ、最近柊さんって俺に対して冷たくないか?」
「さ……さあ、そんなことはないと思うけど……」
……たぶん。
心の中でそう付け加えながら悠人に苦笑すると僕もまた席を立って料理を取りに行く。
料理を持ってきた僕は真向かいに座る澪を見て驚いた。
澪のお皿には蟹やイカのバター焼き、ホタテのバター醤油焼き、ザンギ、ジンギスカン、そしてご飯は海鮮丼と豚丼のふたつが並べられていた。
(フードファイター澪復活っ!?)
僕は心の中で衝撃を受ける。
亜希や悠人たちも同じなのか、澪のお皿を見て唖然としていた。
澪がこんなに食べるのは学園祭の時が最後だったはず……、僕と付き合いだしてからはフードファイターは鳴りを潜めていたのに……。
「あの……澪その量は一体……」
僕は息を呑みながら澪のお皿を指さす。
「彼方くん……、今日のわたしはリミッターを解除する……!」
「え……?ちょ……!澪大丈夫……っ!?」
「大丈夫……!」
僕が彼女に声を掛けると、澪は親指を立てて黙々と料理に向き合い始めた。
その集中ぶりは、まるで試合中のアスリートのようだった。
「……ミオっちがこんなに食べるなんてウチ知らなかったし」
その様子を早乙女さんは目を丸かくくして驚いていた。
しかし、僕は澪が美味しそうに食べる姿を見て胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。
(澪が美味しそうに食べてるだけで、こんなに嬉しくなるなんて——幸せって、案外こういうことなのかもしれない)
澪が食べるたびに、僕の視線は自然と彼女に吸い寄せられていた。
澪が食べ始めること十数分……お皿が空になると再び彼女は立ち上がる。
「おかわり持ってくる……」
「え……?ちょ……!柊さん大丈夫っ!?」
「ふむ……今の柊はまさにフードファイターだな……」
おかわりを取りに行く澪に亜希と高藤はただただ驚いていた。
そして澪が戻って来ると、お皿には生ハムメロン、生チョコタルト、チーズタルト、生クリームプリン、ハスカップゼリーなどのスイーツがお皿いっぱいに盛られていた。
(……流石に多すぎじゃないのかなぁ)
「あの……澪そんなに食べて大丈夫……?」
「まだ行ける……、彼方くんはわたしを信じて……」
澪は再び親指を上げるとスイーツを食べ始める。
(いや……何を信じろと……?)
僕は苦笑しながらも、美味しそうに澪が食べる様子を眺めていると、胸の奥が温かくなってくるのを感じる。
僕はそんなちょっとした幸せを感じながら自分の料理に箸を伸ばした。
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