罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長

生徒会のお仕事

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 放課後、僕は“生徒会(仮)”の腕章をつけ、意気揚々と生徒会室の扉を開けた。

「お疲れ様です!」

 生徒会室の中には生徒会長の如月先輩、イオリとあとは女子が2人。
 1人は昨日プリントを運んだときに見たことあるけど、もう1人は……誰だろう?

「来たな御堂、まずは主要メンバーの紹介をしておこう。ミレイとイオリの事は知ってるだろうから省くとして、まずは書記の春野 紬はるの つむぎ、そして会計の姫野 咲良ひめの さくらだ」

 如月先輩の紹介で春野さんと姫野さんという2人の女子が席から立ち上がる。

「始めまして、私は1年の春野です。宜しくお願いします、御堂先輩」

 メガネをかけた黒髪のショートヘアの女の子、春野さんは僕へと簡単な自己紹介をするとペコリとお辞儀をする。

「あたしは3年の姫野よ、よろしくね」

 茶髪のロングヘアの先輩、姫野さんは僕へと気さくに手を降ってくれた。

「他にもメンバーはいるのだが、後はおいおい紹介するとして、まずは本日の活動内容を伝える」

 如月先輩の言葉に僕は息を呑む。

 僕の生徒会としての初仕事だ、どんな内容でも必ずやり遂げてみせる……!

 僕は先輩の次の言葉をじっと待つ……。

「本日は渡り廊下の蛍光灯の交換と校門の掃除、それと花壇の水やりだ」

「……え?」

 先輩から伝えられた内容に僕の目が点になる。

 え……?蛍光灯の交換?校門の掃除?花壇の水やり……?

 へ……?は……っ!?

「何だ御堂、不服そうだな……」

 動揺を隠せずにいると、如月先輩がジト目で睨んでくる。

「い、いえ……そういうわけでは……」

 僕は慌てて否定するも、肩透かしを食らった感は確かにある。

(生徒会ってもっとキラキラしたイメージがあるけど……実際は地味なんだな……)

 思い描いていた“生徒会像”が、音を立てて崩れていく気がした。

「御堂、実際生徒会の仕事は地味で目立たないことの積み重ねだ。しかし、この積み重ねがやがては信頼を築いていくことにつながる」

 イオリの言葉は冷静で、でもどこか芯のある響きを持っていた。

「……はい、分かりました」

 僕は小さく頷くと、腕章を見つめ直す。
 “仮”と書かれたその紙が、今の僕の立場を物語っている。


 ◆◆◆


 渡り廊下にやってきた僕は、脚立に登って蛍光灯の交換を行っていた。

「御堂、新しい蛍光灯だ、落とさないように気をつけろ。それと点灯管も一緒に交換しておけ」

「うん、わかった」

 脚立登り、切れた蛍光灯と点灯管を取り外すと新しいものと交換する。

「……これ、意外と落としそうで怖いな」

「落とさないように気をつけろよ。ケガの原因にもなるし、蛍光灯一つとっても経費がかかってるからな」

「気をつけるよ」

 僕は落とさないように気をつけながら蛍光灯の交換を行う。


 蛍光灯の交換を終えた僕は、次に春野さん一緒に校門の掃除を行う。

「御堂先輩、こっちの落ち葉、集めておきました」

「ありがとう、春野さん。……って、めっちゃ綺麗にまとまってる!」

「掃除は好きなんです。無心になれるので」

 春野さんは淡々と答えるが、その手際の良さに僕は驚く。

(……当然のことだけど、僕よりずっと“生徒会らしい”かも)


 花壇の水やりは姫野先輩と。

「御堂くん、ホースのバルブはゆっくり開けてね。いきなり全開にすると、花が吹っ飛ぶから」

「えっ、そんなことあるんですか!?」

「あるある。この前、ミレイがやらかしたのよ。花壇が水浸しになって、弟くんが無言でホースを引き抜いたのよね。ミレイって意外と抜けてるところがあるからね」

(……想像できる)

 現にエリシアゲームで身バレしてたからなぁ……。

 僕は心の中で苦笑しながら姫野先輩からホースを受け取ると慎重に水を撒く。
 そしてふと空を見上げると、夕焼けが校舎の窓に反射していた。

(地味だけど……なんか、悪くないかも)


 ◆◆◆


 作業を終えて生徒会室に戻ると、如月先輩が静かに言った。

「御堂お疲れ様、生徒会の初仕事はどうだった?」

「……正直、思ってたのとは違いました。でも……やってみると、意外と悪くなかったです」

「それが、生徒会の本質だ。目立たなくても、誰かのために動く。それが結果として信頼を生む。御堂、これからも引き続きよろしく頼むぞ」

「はい!これからも頑張りますっ!」

 如月先輩の笑顔と共に向けられた言葉に返事をすると、僕は先輩の言葉を胸に刻む。

(僕も……目立たなくても誰かの役に立てるような存在になりたい)

 “仮”の腕章を見つめながら、僕は静かに拳を握った。
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