罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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柚葉の章 ロリっ子で不器用な生徒会長

彼方の孤独と開いた柚葉との距離

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 学園祭の代休が明けた、久しぶりの登校日。
 通学路を歩いていると、少し前を歩く柚葉先輩の姿が目に入った。

 嬉しくなった僕は思わず小走りをして彼女の隣へと向かう。

「柚葉先輩、おはようございます」

「彼方か、おはよう」

 僕は柚葉先輩に挨拶をすると、彼女は笑顔で挨拶を返してくれた。
 その表情に僕の心はときめいていた。

「柚葉先輩、よければ一緒に学園に行きませんか?」

「そうしたいのは山々だが、学園祭の事後処理が残っているんだ、だからミレイは早く生徒会室に行かないといけないんだ」

「それなら僕も手伝いますよ。僕も仮とは言え、生徒会のメンバーですし……」

「気持ちは嬉しいが、彼方に頼めそうな雑務はないんだ。だからしばらくは生徒会のほうに顔を出さなくてもいいぞ」

(え……?)

 僕の提案に柚葉先輩は少し申し訳なさそうな顔を浮かべながら断ると、一人で先に学園へと向かってしまった。

 柚葉先輩は笑顔は変わらないのに、どこか"距離"を感じた。
 昨日までの甘さが、少しだけ遠くにあるような——そんな気がし、取り残された僕は一人先輩の背中を見送る他なかった……。


 昼休み、僕は柚葉先輩とお昼を食べようと電話するも、彼女は出ることはなかった……。
 教室では、高藤と悠人が笑いながら昼食を広げていた。  
 何度もスマホを見つめるも、画面は暗いまま。  
僕だけが箸も持たず、食欲もわかなかった事もありただ時間だけが過ぎていった。

 放課後、生徒会室の扉を叩いた僕に、イオリからは「悪いがお前の仕事はない」と言われ、扉を閉められた。

(僕……先輩と付き合ってるんだよね……?)

 学園祭での事が夢だったかのように思えてくる。


 ◆◆◆


 柚葉先輩と会えない日が何日も続いたある日の夕方、僕は深いため息をつきながら夕飯の支度をしていた。

「はぁ~……」

 僕、なにか柚葉先輩に嫌われるようなことしたのかなぁ……。
 そう言えば、告白する前も避けられてた時期があったし……理由は聞いてないけど、もしかして僕は先輩に遊ばれてただけなのかなぁ……。

 先輩への想いは、確かだったはずなのに——今は、それすら揺らいでしまいそうだった。

「はぁ……」

 僕はまたため息をつきながら包丁を握る。

「ねえ、お兄ちゃん。何作ってるの?」

 気づけば、由奈ちゃんが隣に立っていた。
 由奈さは不思議そうな顔で、僕の手元をじっと見ている。

「何って……肉じゃがだけど……」

「お兄ちゃんそれ、全部微塵切りになってるよ……?」

 由奈ちゃんは苦笑しながら僕の手元を指さすと、確かに肉もじゃがいもも、玉ねぎも——全部が細かく刻まれていた。

 どうやら自分が思っていた以上に僕は重症のようだ。
 僕は微塵切りにとなった食材を集めるとハンバーグに作り変える。

「ねえ、お兄ちゃん悩みがあるならあたしが相談に乗るよ?」

「いや、大丈夫だよ」

 由奈ちゃんは心配そうに顔を覗き込んでくるも、僕はそれを断る。

(付属中学の義妹に心配されるなんて僕はダメだな……)

 でも、これは僕の問題だ。
 明日こそ、ちゃんと話そう。
 先輩の気持ちも、自分の気持ちも——確かめるために。

 そう思いながら僕はハンバーグへと作り替えた元肉じゃがをフライパンで焼いていく。
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