罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド

守る彼方と揺れる瀬玲奈

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 勝負に勝った早乙女さんは上機嫌で笑みを浮かべ、銃をカチャンと戻した。

「ウチ、こうやって一緒にゲームできる男子って、御堂君が初めてかも~。それじゃ、ウチが勝ったから御堂君、飲み物ゴチになるね♪そこにある自販機のヤツでいいからさ」

「分かった、そういう約束だったからね」

 僕は早乙女さんと共にゲームセンターの隅にある自販機に向かおうとすると、他校の男子生徒3人が僕たちの方に近付いてきた。

「ねえ、可愛いじゃん。こんな地味なヤツと遊んでるなんてもったいないって。俺らと来なよ」

 早乙女さんを狙ったナンパだった。
 僕はふと彼女の顔を見ると明らかに戸惑っていた。

 ……守らなきゃ、僕が彼女を。

「すみません、今彼女は僕と遊んでいるんで」

「お前は邪魔なんだよ!」

「うぐ……!」

 僕は早乙女さんを庇うように前に立つと、3人のうちの一人から殴られ頬に鈍い衝撃が走り、視界が一瞬揺れた。

「御堂君……!ちょっと!いきなり人に手を上げるなんて最低だし!ウチあんた達と遊ぶ気なんてないからっ!」

「へ!気の強い女は嫌いじゃないぜ?」

 早乙女さんは僕を殴った男子を睨むと、その男子が彼女の腕を掴もうと手を伸ばしてくる。

(この手だけは使いたくなかったけど……!)

 でも、このままでは早乙女さんが危ない!

 僕は男へと立ち向かうと早乙女さんを掴もうとしていた腕を掴んで体を引き寄せ、足元を払うと男はバランスを崩して派手に倒れ込んだ。

「な……っ!?」

 相手は何が起こったのか理解できないでいる。

「これ以上まだ何かするというのなら僕は容赦しない!」

「それにもう警察に通報したし!」

 早乙女さんはスマホを手に持ちどこかへ電話をかける。

「……ち!」

 他校の3人は舌打ちをすると逃げるようにこの場を去っていく。

(ふう……、助かった……)

 僕は肩の力を抜くと、ゲームセンターの騒音と共に早乙女さんが僕の近くに寄ってくる。

「御堂くん……マジ強いんだね。ウチのために体張ってくれて……ほんと、ありがと」

「中学まで柔道習ってたからね。それより……早乙女さんは大丈夫だった?」

 殴られたところがまだ少し痛むけど、それよりも早乙女さんのことのほうが僕は気がかりだった。

「うん、ウチは全然大丈夫!御堂くんのおかげで何も怖くなかったよ。柔道やってたんだ…すごすぎ!」

「そんな、たいしたことないよ」

 早乙女さんは自分は無事だと伝えると、ようやく本当の意味でホッとして肩の力を抜く。

「そんなことないよ!御堂くん、ホントにすごいよ!ウチ、めっちゃ感動してる。あんな怖い人たちに立ち向かってくれて……ホントマジ感謝って感じ!お礼に御堂君のお願い、一つだけ聞いたげちゃう!」

 な……なんだってっ!?

 僕のお願いを聞いてくれる……?

(……どこまでならセーフ?いや、アウト?)

 ゲームセンターのネオンの輝きに染まる茶髪と、少し赤く染まった彼女の頬を見て僕の頭の中で様々な妄想が繰り広げられる。

(て、ダメだダメだ!それじゃあ、さっきの連中と同レベルじゃないか……!)

「それじゃあ……連絡先の交換をお願いしてもいい?」

「もちろんOK!ウチ、御堂くんともっと話したいなって思ってたんだ~。これからよろしくね!」

 笑顔を浮かべながら嬉しそうにスマホを操作する早乙女さんと、なんだか距離が少しだけ縮まったような気がした。

「それと、ジュースの奢りよろしくね♪」

 ……前言撤回、ちゃっかりしてた。


 ~サイドストーリー~


 ──瀬玲奈──


 御堂君とゲーセンで別れたあと、ウチはいつも通り家に帰った。

「あ、瀬玲奈お帰りなさい、母さんこれから仕事に行ってくるから。夕飯はいつも通りテーブルに置いてるからね」

「うん、いってら~」

 ウチは仕事に出かける母さんにひらひらと手を振ると、家に入る。

 父さんは不定休で交代制の仕事、母さんは夕方から夜中までのパート。

(仕事もいいかもしんないけど、ちょっとは年頃の娘も気にしてほしいっての)

 ウチは愚痴りながら二階の自分の部屋に入ると、ベッドに寝転がる。

 ベッドに横になりながら、スマホを握りしめて登録された御堂君の名前を見つめながら、ふっと微笑む。

「今日はホントに色々あったなぁ……」

 目を閉じれば今日一日の出来事、特にゲーセンで一緒に遊んだことが思い浮かぶ。
 特にウチを庇って他校の生徒の前に立ってくれたこと……。

 ウチのためにあそこまでしてくれるなんて本当にカッコよすぎる。

「なんか亜希やミオっちが好きになるのもわかる気がするな……」

 ウチはスマホを握った手を胸に当てると、胸の奥が、トクン……トクン……と静かに高鳴っていく。

 だめ……、ウチは御堂君を好きになったらダメ……!
 それって、友達が大事にしてる気持ちを踏みにじることになるかもしんない。

 でも……一緒に遊ぶくらいなら、セーフ……だよね?

 ウチは自分の中に芽生えつつある感情を押し殺すとベッドから起き上がる。

「よし!明日もいい一日になるような気がする!」

 明日もまた御堂君と遊べるかな。

 ウチは軽やかな足取りで部屋を出る。
 明日が、ちょっとだけ楽しみになってきた。
 そう思いながら、一階のリビングに置かれている冷えた夕飯をレンジで温めて食べることにした。
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