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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド
恋と友情のケジメ
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瀬玲奈と付き合い始めて、数日が経ったある日。
クラスでは、近づく学園祭に向けて出し物の話し合いが進められていた。
「今ここに上がってるのは……お化け屋敷と喫茶店、アクセサリーショップ……。他には何かある……?」
クラス委員長の柊さんは教壇の前に立ち、ホワイトボードに提案された出し物を書くと無表情でクラスを見つめる。
(うーん……他に何かって言われても、特に思いつかないな……)
僕は机で頬杖をつきながら考えるも特にこれといった案は思いつかない。
と、その時瀬玲奈が手を挙げる。
「はいは~い!ウチ、街の風景写真とかどつかなって思うけどみんなどうっ!?」
瀬玲奈は笑顔で立ち上がると新たな案を出す。
「街の風景写真……?」
瀬玲奈の提案に柊さんは少し首をかしげる。
「だってさ、毎年似たようなのばっかじゃん?もっとウチららしいのがいいって思って!それぞれ自分達が気に入っている場所の写真を撮って展示するのもいい感じじゃないっ!?」
「なるほど、早乙女の案も一理あるな」
瀬玲奈の説明に高藤が頷く。
僕も瀬玲奈の案には頷けるけど……高藤はまた何かやらかすのではないかと、少し不安にもなる。
「……あとはない?なければこれで多数決を取る」
柊さんはホワイトボードに「風景写真」と書き込むと、再びクラスを見渡して言った。
これ以上案が出ることもなく、出し物は多数決の結果、風景写真と決まった。
そして放課後……。
「彼方!写真撮りに行こ!」
帰り支度をしていると、瀬玲奈が笑顔で駆け寄ってきた。
彼女の背中には既に通学用のリュックが背負われており、僕の手を取ると急かしてくる。
「ち、ちょっと待ってよ!」
「もぅ~、早く~!」
僕は瀬玲奈に急かされながら帰り支度を終えると、通学用のリュックを背負う。
その様子を、隣の席の亜希がじっと見つめていた。
その視線は、どこか言いたげで——でも、何も言わなかった。
亜希の視線に気づいたのか、瀬玲奈はほんの一瞬だけ目を伏せた。
「瀬玲奈……?」
「う、ううん!ほんとに、なんでもないって!……それよりさ、彼方、先に校門で待ってて!ウチ急用を思い出したから!」
「う……うん……」
僕は頭に「?」を浮かべながらも教室を出ると校門に向かうことにした。
──瀬玲奈──
彼方を見送ったウチは、すぐ近くにいる亜希と少し離れたところにいるミオっちに声を掛けた。
「亜希、ミオっち。少し話があるんだけどいいかな……?」
「……わかったわ」
「うん……」
ウチは亜希とミオっちを連れて屋上に向かう。
屋上に出ると、夏の日差しがじりじりと照りつける中、ウチは亜希とミオっちの方に振り向くと深く頭を下げた。
「亜希!ミオっちゴメン!ウチ……彼方と付き合うことになった……!」
ウチが頭を下げると亜希とミオっちは少し驚いた様子でお互いの顔を見ると、ウチに目を向けてくる。
(きっと何か言われる……。絶交されるかもしれない……。でも……ウチはふたりに彼方とのことを話さない訳にはいかない。これはウチなりのふたりに対するケジメ……)
「……彼方を取られたのは癪だけど、瀬玲奈なら仕方ないかなって感じよ」
「わたしも……。他の人に御堂君を取られるのはイヤだけど……、早乙女さんなら諦めもつく……」
亜希はため息をつきながら、ミオっちは諦めにも似たような感じでウチを見つめる。
「ふたりとも怒らないの……?」
「え、怒ったら彼方くれるの? じゃあ、今から怒るわ!」
「わたしも……!」
ふたりは笑ってないのに笑顔で、腕を組んだままじわじわと詰め寄ってくる。
「だ……ダメだし!彼方はウチのだし……!」
ウチは慌てながら後ろに下がっていくと、ふたりは笑みを浮かべる。
「冗談よ。悔しいのは本当だけど、でもおめでとう瀬玲奈」
「だけど、ちゃんと御堂君を捕まえておかないと……、隙を見せたらわたし達が御堂君を取りに行く……」
「亜希……ミオっち……」
亜希とミオっちの言葉にウチの胸の中が熱くなっていくのを感じる。
(ふたりとも、本当は悔しいはずなのに……)
このふたりと友達で本当によかった……そう実感する。
「それで……瀬玲奈は彼方とどこまで進んだのかしら?説明くらいはしてくれるわよね?」
「そこは気になる……。早乙女さん教えて……」
「え……っ!?いや……それは恥ずかしいっていうか……!」
「彼方を譲るんだからいいじゃない。キスはしたの?初体験はどこ?」
「は……初体験って……な……なに……?」
「とぼけてもムダ……“セ”で始まって、2文字目は小さい“ッ”のつく4文字のアレ……。ここまで言えばわかるはず……」
ミオっちの言葉にウチの顔は真っ赤になる。
せ……セのつく4文字って……!
ウチの顔は一気に熱くなって、思わず両手で頬を覆ってしまう。
「し……してないしっ!ウチまで彼方とはキスしかしてないし……!」
「つまり、キスはもう済ませたと……」
「早乙女さん、意外と手が早い……」
「でも、この後彼方と写真撮りに行くんでしょ?ふたりきりになる時間はいくらでもるわよね?」
「初体験済ませたら感想聞かせてほしい……」
「も……もう!いい加減にするし……!第一ウチがそんなことまで話さないといけないとかおかしいっしょっ!?」
「彼方を譲ってあげたでしょ?」
「早乙女さんに御堂君を譲ってあげた。だからわたし達には根掘り葉掘り聞く権利がある……」
ひ……ひぃ~……!
亜希とミオっちのふたりがウチににじり寄ってくる。
(このふたり、ほんと容赦ないし……!)
結局ウチが解放されたのはもうしばらく経ってからのことだった……。
クラスでは、近づく学園祭に向けて出し物の話し合いが進められていた。
「今ここに上がってるのは……お化け屋敷と喫茶店、アクセサリーショップ……。他には何かある……?」
クラス委員長の柊さんは教壇の前に立ち、ホワイトボードに提案された出し物を書くと無表情でクラスを見つめる。
(うーん……他に何かって言われても、特に思いつかないな……)
僕は机で頬杖をつきながら考えるも特にこれといった案は思いつかない。
と、その時瀬玲奈が手を挙げる。
「はいは~い!ウチ、街の風景写真とかどつかなって思うけどみんなどうっ!?」
瀬玲奈は笑顔で立ち上がると新たな案を出す。
「街の風景写真……?」
瀬玲奈の提案に柊さんは少し首をかしげる。
「だってさ、毎年似たようなのばっかじゃん?もっとウチららしいのがいいって思って!それぞれ自分達が気に入っている場所の写真を撮って展示するのもいい感じじゃないっ!?」
「なるほど、早乙女の案も一理あるな」
瀬玲奈の説明に高藤が頷く。
僕も瀬玲奈の案には頷けるけど……高藤はまた何かやらかすのではないかと、少し不安にもなる。
「……あとはない?なければこれで多数決を取る」
柊さんはホワイトボードに「風景写真」と書き込むと、再びクラスを見渡して言った。
これ以上案が出ることもなく、出し物は多数決の結果、風景写真と決まった。
そして放課後……。
「彼方!写真撮りに行こ!」
帰り支度をしていると、瀬玲奈が笑顔で駆け寄ってきた。
彼女の背中には既に通学用のリュックが背負われており、僕の手を取ると急かしてくる。
「ち、ちょっと待ってよ!」
「もぅ~、早く~!」
僕は瀬玲奈に急かされながら帰り支度を終えると、通学用のリュックを背負う。
その様子を、隣の席の亜希がじっと見つめていた。
その視線は、どこか言いたげで——でも、何も言わなかった。
亜希の視線に気づいたのか、瀬玲奈はほんの一瞬だけ目を伏せた。
「瀬玲奈……?」
「う、ううん!ほんとに、なんでもないって!……それよりさ、彼方、先に校門で待ってて!ウチ急用を思い出したから!」
「う……うん……」
僕は頭に「?」を浮かべながらも教室を出ると校門に向かうことにした。
──瀬玲奈──
彼方を見送ったウチは、すぐ近くにいる亜希と少し離れたところにいるミオっちに声を掛けた。
「亜希、ミオっち。少し話があるんだけどいいかな……?」
「……わかったわ」
「うん……」
ウチは亜希とミオっちを連れて屋上に向かう。
屋上に出ると、夏の日差しがじりじりと照りつける中、ウチは亜希とミオっちの方に振り向くと深く頭を下げた。
「亜希!ミオっちゴメン!ウチ……彼方と付き合うことになった……!」
ウチが頭を下げると亜希とミオっちは少し驚いた様子でお互いの顔を見ると、ウチに目を向けてくる。
(きっと何か言われる……。絶交されるかもしれない……。でも……ウチはふたりに彼方とのことを話さない訳にはいかない。これはウチなりのふたりに対するケジメ……)
「……彼方を取られたのは癪だけど、瀬玲奈なら仕方ないかなって感じよ」
「わたしも……。他の人に御堂君を取られるのはイヤだけど……、早乙女さんなら諦めもつく……」
亜希はため息をつきながら、ミオっちは諦めにも似たような感じでウチを見つめる。
「ふたりとも怒らないの……?」
「え、怒ったら彼方くれるの? じゃあ、今から怒るわ!」
「わたしも……!」
ふたりは笑ってないのに笑顔で、腕を組んだままじわじわと詰め寄ってくる。
「だ……ダメだし!彼方はウチのだし……!」
ウチは慌てながら後ろに下がっていくと、ふたりは笑みを浮かべる。
「冗談よ。悔しいのは本当だけど、でもおめでとう瀬玲奈」
「だけど、ちゃんと御堂君を捕まえておかないと……、隙を見せたらわたし達が御堂君を取りに行く……」
「亜希……ミオっち……」
亜希とミオっちの言葉にウチの胸の中が熱くなっていくのを感じる。
(ふたりとも、本当は悔しいはずなのに……)
このふたりと友達で本当によかった……そう実感する。
「それで……瀬玲奈は彼方とどこまで進んだのかしら?説明くらいはしてくれるわよね?」
「そこは気になる……。早乙女さん教えて……」
「え……っ!?いや……それは恥ずかしいっていうか……!」
「彼方を譲るんだからいいじゃない。キスはしたの?初体験はどこ?」
「は……初体験って……な……なに……?」
「とぼけてもムダ……“セ”で始まって、2文字目は小さい“ッ”のつく4文字のアレ……。ここまで言えばわかるはず……」
ミオっちの言葉にウチの顔は真っ赤になる。
せ……セのつく4文字って……!
ウチの顔は一気に熱くなって、思わず両手で頬を覆ってしまう。
「し……してないしっ!ウチまで彼方とはキスしかしてないし……!」
「つまり、キスはもう済ませたと……」
「早乙女さん、意外と手が早い……」
「でも、この後彼方と写真撮りに行くんでしょ?ふたりきりになる時間はいくらでもるわよね?」
「初体験済ませたら感想聞かせてほしい……」
「も……もう!いい加減にするし……!第一ウチがそんなことまで話さないといけないとかおかしいっしょっ!?」
「彼方を譲ってあげたでしょ?」
「早乙女さんに御堂君を譲ってあげた。だからわたし達には根掘り葉掘り聞く権利がある……」
ひ……ひぃ~……!
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