罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド

特別な日曜日

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 学園祭の翌日、日曜の昼——。
 僕はキッチンで昼食の支度をしていると突然玄関のインターホンが鳴った。

(誰だろう……?)

 僕はそう思いながら壁に設置されているドアホンのモニターに映っていたのは、なんと瀬玲奈だった。
 彼女は日傘を手に持ち、白いシャツを着て、立っていた。

「せ……瀬玲奈っ!?」

『あ、その声は彼方?やっほ~!玄関あけてくれないかな?』

「分かった!」

 突然彼女が遊びに来た!
 僕は逸る気持ちを抑え、玄関に向かう!

 そして玄関の鍵を開けドアを開けると、白いシャツに緑のホットパンツ、肩には少し大きめのカバン。
 瀬玲奈は笑顔で、ヘアゴムをつけた手を振っていた。

「彼方、遊びに来たよ♡」

「突然どうしたの……?」

「亜希と遊ぶ約束してるんだよ」

「……えっ?」

 僕は思わず目が点になる。

(……だよね。僕に会いに来たなら、事前に連絡くらいあるはずだよな)

 第一ここは僕の家であると同時に亜希の家でもある。
 瀬玲奈が亜希と遊ぶ約束をしていても何ら不思議はない。

 僕はガックシと肩を落とすと、瀬玲奈がニヤっと笑みを浮かべた。

「なになに?彼方はウチが突然会いに来てくれたと思ってたのかな~?可愛い♡」

「そ……そりゃ彼女が突然会いに来てくれたのかなって思うと嬉しいに決まってるよ。あれ……?でも、今亜希いないよ……?」

 確か亜希は由奈ちゃんと出かけていたはずだけど……。
 ついでに言えば父さんと真奈美さんも出かけていて家にいるのは僕一人。

「うん、知ってるよ。ウチ、ホントは今日は彼方に会いに来たんだよ?」

「……え?」

 僕は思わず顔を上げる。

「亜希と遊ぶのはホントだけど、時間は夕方から。だから、それまで彼方と一緒にいようかな~って思って♡」

 瀬玲奈はそう言って、にこりと笑った。  
 その笑顔がまぶしくて、僕は思わず目を逸らしてしまう。

「そ、そうなんだ……。びっくりしたよ……」

「ふふっ、ちょっと意地悪だったかな?でも、彼方の反応が可愛くてつい♪」

 瀬玲奈は靴を脱ぎながら、家の中に上がってくる。  
 僕は慌ててスリッパを差し出すと、彼女は履いていたサンダルを脱ぎ、「ありがと♡」と小さく笑って受け取った。

「で、何作ってたの?いい匂いしてたけど」

「あ、うん。簡単にパスタでも作ろうかなって……」

「やった~!ウチ、お腹空いてたんだよね~。彼方の手料理、楽しみにしてるね♪」

 瀬玲奈は肩にかけていたカバンを置くと、リビングのソファにちょこんと座る。
 ホットパンツから伸びる彼女の脚につい目がいってしまう。

「……あ、あのさ、瀬玲奈。なんか大きめなカバン持ってたけど、どうしたの?」

「え?ああ、これ?えへへ~、今日ここにお泊まりすることになってるんだ♡着替え覗かないでよ?」

「し、しないよっ!」

 僕が慌てて否定すると、瀬玲奈はまたクスクスと笑った。
 て言うか、お泊りって……そんな話一言も聞いてませんよ亜希さんっ!?

 僕は心の中で不在の亜希にツッコミを入れる。

「冗談だってば~。でも、彼方ってホント分かりやすいよね。顔、真っ赤だよ?」

「う……」

 僕は何も言い返せず、キッチンに戻る。  
 でも、心の奥では、嬉しさがじんわりと広がっていた。

(瀬玲奈が……僕に会いに来てくれた……)

 鍋にお湯を沸かしながら、僕はさっきの彼女の笑顔を思い出していた。  

(……なんか、デートみたいだな)

 そんなことを考えていたら、自然と口元が緩んでしまった。


 茹で上がったパスタを、フライパンで炒めたアサリとベーコンに絡め、仕上げに醤油バターで香ばしく味付けして本日の昼食が完成する。

「瀬玲奈、昼食ができたけどよかったら食べてみる?」

 僕はリビングのテーブルにアサリとベーコンのパスタをフォークと共に置くと、瀬玲奈は目を輝かせてテーブルへと移動してきた。

「わぁ~!メッチャ美味しそうっ!いただきま~す♡」

 瀬玲奈は手につけていたヘアゴムで髪を束ねるとフォークを使って食べ始める。

「どうかな……?」

「これ、ほんとに美味しい!彼方って料理上手なんだ~。……ポイント、爆上がりかも♡」

 ……ポイントってなに?
 なんか褒められてるのは分かるけど、どう反応すればいいのか分からない……。

 ちょっと照れくさくなりながら、自分の分を持ってきて、瀬玲奈と並んで昼食をとった。
 笑いながらフォークを動かす彼女の横顔を見ていると、胸の奥がじんわりと温かくなる。
 いつもの日曜なのに、今日はちょっと特別な気がした。
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