罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー

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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド

瀬玲奈の夢

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 昼食のあと、瀬玲奈が「彼方の部屋、見てみたいな~」と言い出したので、僕は彼女を自室に案内することにした。
 ……が。

「彼方の部屋って殺風景だね……」

「うぐ……!」

 白を基調とした無機質な部屋を見て瀬玲奈は苦笑い、僕は地味にダメージを受けた。

「彼方らしくていいのかもしんないけど、ちょっと味気ないっていうか~……。そうだ!お昼ごちそうになったお礼に、ウチが彼方の部屋を可愛くしてあげる♡」

「え……?いや……」

 断るのもなんだか悪いような気がした僕は、素直に好意を受け止めることにする。
 瀬玲奈は鼻歌交じりに僕の手を引くと、内心ドキドキしながら家を出て商店街に向かった。


 商店街にある雑貨屋にやって来ると、カラフルな陳列棚を前に瀬玲奈は目を輝かせていた。

「彼方の部屋、超可愛くしてあげるからね~♪ クッションとか可愛い置物とか買っちゃおーっと!ウチのセンス信じて任せてよ~」

「えっと、よろしくお願いします」

 瀬玲奈の勢いに押された僕は彼女の提案に頷く。

「彼方はどういうのがいいっていうリクエストみたいなのってある?」

「リクエスト……?う~ん……、ないかな……」

 あんまりこういう雑貨とかにこれと言ってこだわりが無い僕は何がいいかと言われても逆に困る……。
 尤もそれが瀬玲奈のいうところの僕の部屋が殺風景ということに繋がるんだろうけど……。

「それじゃあ、ウチが選んであげる!」

 瀬玲奈はカゴを手に、店内をくるくると楽しそうに歩き回るとクッションやプラスチック製の花瓶、造花などを手に取っては、まるで子供のようにはしゃいでいた。

「ねね、彼方の部屋ってローテーブルの上に何も敷いてなかったよね?」

「え?うん、そうだけど……」

「じゃあさ!こういうのはどうかな?」

 瀬玲奈はニカっと笑顔を浮かべると、緑色のテーブルクロスを広げると、僕に見せてくる。

「テーブルクロスは近々買おうとは思ってたところだよ」

「なら買っちゃおうよ!」

 瀬玲奈はテーブルクロスを手に持っていたカゴに入れる。
 カゴの中にはテーブルクロスの他に、クッションやプラスチックの花瓶、造花なども入っていたけど、気づけばカゴの中は緑色のアイテムでいっぱいになっていた。

「瀬玲奈、なんで色が緑のやつばかりなの?」

「ウチ、緑が好きなの!それに緑って落ち着くじゃん?彼方の雰囲気にも合ってると思うんだよね。だから彼方の部屋をウチ色に染めたげる♡」

 瀬玲奈は他にも緑色のマウスパッドや、なぜか緑色の恐竜っぽいやつまでカゴに入れるとレジに向かう。

「あ、お金は自分で出すよ」

「いいのいいの!お金はウチがだしたげる!昨日学園祭で彼方にお金出してもらったからそのお礼♡」

 瀬玲奈はレジを済ませると、僕はレジを手に、雑貨屋を後にした。


 家に向かって歩いていると、瀬玲奈は僕の手を握ってきた。
 何だろうと思って隣を歩く彼女を見ると、微笑みながら僕の顔を見ている。
 瀬玲奈の茶髪が陽の光を受けてきらめいて、僕は思わず見惚れてしまった。

「彼方の手ってあったかいよね。こうしてると安心するな~」

「そ、そうかな……?」

 瀬玲奈は嬉しそうにしているので僕としても嬉しい反面、恥ずかしさもある。

「……ねぇ、彼方。ちょっとだけ寄り道してもいい?」

「どうしたの?」

「この辺りにいい感じの公園があるんだけど、一緒にベンチに座らない?」

「構わないよ」

 瀬玲奈に公園に誘われるも、特に断る理由もないので僕は了承すると、彼女についていく。


 公園に入ると、瀬玲奈は僕の手を握ったままベンチに向かった。

「ふぅ~っ!着いたぁ~……。彼方、こっち来て座ろう?」

「え?う、うん……」

 瀬玲奈に言われるままベンチに座ると、彼女が横にぴったりとくっつくようにして座る。

 僕たちは寄り添いながらベンチに座っていると、何人もの子供たちが遊んでいるのが見えた。
 キャッキャと声を上げて遊ぶ姿を見て、微笑ましい気持ちになる一方、どこか懐かしい気持ちにもなる。

「ねぇ彼方、子供って……可愛いよね?」

 瀬玲奈の顔を見ると、優しげな眼差しで見つめていた。

「そうだね」

 それに対して僕は彼女の言っている真意が掴めずひとまず当たり障りのない返事を返す。

(まさか、子供が欲しいとか言わないよね……?)

 僕は内心ドキドキしながら瀬玲奈の言葉を待つ。

「ウチ、子供が好きなんだ。だから、将来保育士になりたいの」

「保育士……うん、いいと思うよ!」

 保育士となり、子供たちに囲まれる瀬玲奈……。
 目を閉じるとその光景が思い浮かぶ。

「そのとき、隣に彼方がいてくれたら……ウチ、すっごく嬉しいなって思うんだけど……どうかな?」

 今度は僕に優しげな笑みを浮かべると、思わずドキっとした。

「もちろん……僕はずっと瀬玲奈の傍にいるよ」

「ありがとう、彼方♡」

 瀬玲奈は僕にキスをする。
 ……ただ、キスの瞬間、子供たちの視線に気づいてしまって、僕は思わず顔を赤らめた。
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