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瀬玲奈の章 ギャル気質なガールフレンド
誘惑と責任のせめぎ合い
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9月の最後の日曜日――。
中間試験のテスト期間に入ったため、僕は瀬玲奈の家で、一緒に試験勉強に取り組んでいた……はずだった。
「ねぇ彼方~、この英文ってどういう意味?」
「え……?えっと……」
ローテーブルに座っている瀬玲奈はすぐ横に座っている僕に英語の問題集を見せてくるも、僕は首をかしげる。
そう、僕も瀬玲奈も勉強が苦手だったのだっ!
瀬玲奈は両手で頭をグジャグジャにかくと、後ろに倒れて寝転がる。
「あ~も~!ウチ英語とか全然分かんないし!「てかさ、保育士になるのに英語って必要!?絶対いらないでしょ~!」
「それは僕に聞かれても分からないけど……少なくとも最低限の学力は求められるんじゃないかな……?」
「う……!」
僕の言葉に瀬玲奈は小さく声を上げると、渋々起き上がり再び問題集に目を向ける。
(はぁ……。こんなことなら、最初から亜希に頼んでおけばよかった……)
そう後悔するも、当の亜希は柊さんと試験勉強を行うと言って、図書館に行ってしまった。
瀬玲奈に亜希や柊さんに勉強を教えてもらおうかと聞いてはみたものの、「図書館なんてところにいたら頭が痛くなる!」と言われ今に至る……。
(でも、本当にどうしよう……)
苦手な教科は何も英語だけではない。
僕は数学が、瀬玲奈に至ってはほぼ全教科苦手らしく、問題集を開くたびに「こんなの分かんないし!」と叫んでいる。
このままだと……赤点、確定かも……。
僕は背中に冷や汗をかく。
「あ~も~!ムリ!ウチまじ無理!」
瀬玲奈はさじを投げたのか、再び寝転がる。
窓から差し込んでくる光が瀬玲奈の髪をキラキラと輝かせているが、今はそれどころじゃない。
「瀬玲奈、ちゃんとしないと本当に赤点になるよ?」
「だってウチ分かんないもん!……そうだ彼方!勉強なんて止めてウチとエリシアしようよ♡そのほうが絶対楽しいって!」
「え……?でも、勉強が……」
「分かんないのに悩んでるだけって、時間のムダじゃん?それに、試験当日にさ、ウチの隠された才能が開花して、いきなり天才モード入る可能性もあると思わないっ!?」
(瀬玲奈には悪いけど……それはないと思う)
瀬玲奈は目を輝かせて見つめてくるも、僕は苦笑することしかできなかった。
「という訳でさ!彼方遊ぼ!ネカフェ行こっ!?」
(だめだ……!ここは断らないと……っ!)
じゃないと……もし赤点を取ったら瀬玲奈との修学旅行の思い出が……!
「瀬玲奈……!」
僕は瀬玲奈の誘いを断ることを決意する!
◆◆◆
……決意したはずだったのに。
「彼方すごいじゃん!ヴァルキュリアの攻撃避けれるようになってるじゃん!」
「あれからかなり練習したからね!」
僕は今……瀬玲奈とネカフェに来ていた。
しかも、カップル席!
もちろん最初は断った……!
でも、「一緒にヴァルキュリア倒そ?彼方が頑張ったら……ウチ、ご褒美あげちゃうかも♡」その一言で、僕の決意はあっさり崩壊した。
結局僕は瀬玲奈に押し切られてしまっていた……。
「彼方、この調子でどんどん倒しちゃお♡」
「もちろん!」
僕は自キャラであるカナタを操作して、瀬玲奈のようなほぼ完全回避は無理にしても、自分で回復を行いながら次々とヴァルキュリアを倒していく。
もちろん頭の片隅には勉強しなきゃとは思うのだけど……瀬玲奈の遊ぶのが楽しくて止められない。
(このままでは赤点は避けられないかもしれない……でも、今だけ……今だけなら)
僕はそう自分に言い訳しながら、コントローラーを握る。
そして迎えた中間試験。
僕と瀬玲奈がどんな点数を取ったのかは——もう、言うまでもない。
中間試験のテスト期間に入ったため、僕は瀬玲奈の家で、一緒に試験勉強に取り組んでいた……はずだった。
「ねぇ彼方~、この英文ってどういう意味?」
「え……?えっと……」
ローテーブルに座っている瀬玲奈はすぐ横に座っている僕に英語の問題集を見せてくるも、僕は首をかしげる。
そう、僕も瀬玲奈も勉強が苦手だったのだっ!
瀬玲奈は両手で頭をグジャグジャにかくと、後ろに倒れて寝転がる。
「あ~も~!ウチ英語とか全然分かんないし!「てかさ、保育士になるのに英語って必要!?絶対いらないでしょ~!」
「それは僕に聞かれても分からないけど……少なくとも最低限の学力は求められるんじゃないかな……?」
「う……!」
僕の言葉に瀬玲奈は小さく声を上げると、渋々起き上がり再び問題集に目を向ける。
(はぁ……。こんなことなら、最初から亜希に頼んでおけばよかった……)
そう後悔するも、当の亜希は柊さんと試験勉強を行うと言って、図書館に行ってしまった。
瀬玲奈に亜希や柊さんに勉強を教えてもらおうかと聞いてはみたものの、「図書館なんてところにいたら頭が痛くなる!」と言われ今に至る……。
(でも、本当にどうしよう……)
苦手な教科は何も英語だけではない。
僕は数学が、瀬玲奈に至ってはほぼ全教科苦手らしく、問題集を開くたびに「こんなの分かんないし!」と叫んでいる。
このままだと……赤点、確定かも……。
僕は背中に冷や汗をかく。
「あ~も~!ムリ!ウチまじ無理!」
瀬玲奈はさじを投げたのか、再び寝転がる。
窓から差し込んでくる光が瀬玲奈の髪をキラキラと輝かせているが、今はそれどころじゃない。
「瀬玲奈、ちゃんとしないと本当に赤点になるよ?」
「だってウチ分かんないもん!……そうだ彼方!勉強なんて止めてウチとエリシアしようよ♡そのほうが絶対楽しいって!」
「え……?でも、勉強が……」
「分かんないのに悩んでるだけって、時間のムダじゃん?それに、試験当日にさ、ウチの隠された才能が開花して、いきなり天才モード入る可能性もあると思わないっ!?」
(瀬玲奈には悪いけど……それはないと思う)
瀬玲奈は目を輝かせて見つめてくるも、僕は苦笑することしかできなかった。
「という訳でさ!彼方遊ぼ!ネカフェ行こっ!?」
(だめだ……!ここは断らないと……っ!)
じゃないと……もし赤点を取ったら瀬玲奈との修学旅行の思い出が……!
「瀬玲奈……!」
僕は瀬玲奈の誘いを断ることを決意する!
◆◆◆
……決意したはずだったのに。
「彼方すごいじゃん!ヴァルキュリアの攻撃避けれるようになってるじゃん!」
「あれからかなり練習したからね!」
僕は今……瀬玲奈とネカフェに来ていた。
しかも、カップル席!
もちろん最初は断った……!
でも、「一緒にヴァルキュリア倒そ?彼方が頑張ったら……ウチ、ご褒美あげちゃうかも♡」その一言で、僕の決意はあっさり崩壊した。
結局僕は瀬玲奈に押し切られてしまっていた……。
「彼方、この調子でどんどん倒しちゃお♡」
「もちろん!」
僕は自キャラであるカナタを操作して、瀬玲奈のようなほぼ完全回避は無理にしても、自分で回復を行いながら次々とヴァルキュリアを倒していく。
もちろん頭の片隅には勉強しなきゃとは思うのだけど……瀬玲奈の遊ぶのが楽しくて止められない。
(このままでは赤点は避けられないかもしれない……でも、今だけ……今だけなら)
僕はそう自分に言い訳しながら、コントローラーを握る。
そして迎えた中間試験。
僕と瀬玲奈がどんな点数を取ったのかは——もう、言うまでもない。
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