【R18】 その娼婦、王宮スパイです

ぴぃ

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 夜中に目が覚めたウィルフレッド。
木々が生い茂る中に居る状況に、村から離れ再びジャングルへ入ったのだろうと察した彼は木に寄りかかり眠っている仲間達を見た。

体はすっかり楽になり肩の傷も痛くない。

「目が覚めたんですね。よかった・・・」

寝ていたと思っていたノエルが瞳を開け体調を伺ってきた。彼が自分を運んでくれたのだろうかと問うたウィルフレッドだが彼から告げられた者の名を聞いて瞠目する。

リリー。

彼女が運んでくれたとノエルが教えてくれた。
毒が回るなど顧みず血を吸った彼女の姿が頭から離れない。

木の枝で休んでいるのだろうと察したウィルフレッドは木を見上げた。

直ぐにリリーがどこにいるか分かった。ピンクアメジストの髪色が月明かりに照らされ輝いて見える。

声を掛けようとしたその時、彼女の姿が消えた。
どこへ行ったのかとキョロキョロと辺りを見回す。

端の方から水が流れる音がする。
音のする方向へ足を進めると、川があった。
川のほとりにリリーが佇んでいる。

声をかけようとしたが思わず隠れてしまった。
リリーが服を脱ぎ始めたから。

いつの間にかウィルフレッドの周囲には騎士達が全員やって来て皆リリーの様子を伺っていた。
騎士達は病み上がりのウィルフレッドがどこかへ行ってしまったので心配でついて来たのだが、まさかリリーが服を脱ぎ始めるとは思ってもみなかったのだ。

月夜に照らされ川の水面の反射を受けた彼女の裸体は色白く、ピンクアメジストの髪がキラキラと輝いていた。

ささやかな膨らみの胸に咲くピンク色の蕾。
小さなお尻はぷりっと上を向いていた。
何人もの美しい女性の裸体を見てきた騎士達にとっては少女とも見られる姿なのに、リリーの裸から目が離せない。

ザブンッ

リリーが川へ飛び込んだ。
深水なのか暫く経っても中々上がってこない。

心配になり救い出そうと動こうとした時、リリーが上がって来た。

水面に顔を出したリリーの顔に水が滴り落ち、泣いているかの様に見え、騎士達は固唾を飲んだ。

すると、ゴオォォォォ!!と呻き声が響いた。
水面から激しい水飛沫と共に現れた巨大クロコダイルがリリーを襲う。巨大な口を開け今にも彼女を捕食する勢いに焦る騎士達。

「危ないっ!!」

エレンが叫んだ。
だがクロコダイルは口を開けたまま白目を向き倒れてしまった。どうやったか分からないが、リリーが何かしらの攻撃をしてクロコダイルを倒したのだ。

「ひゃっほーー!」
「さすがリリーだぜ!」
「皮剥ぐぞー!!」

全く気配を感じ無かったのに一部始終を見ていた影達が一斉にジャングルから現れ、倒れたクロコダイルやリリーに駆け寄った。

ヴォルフガングが裸のリリーの肩を抱き褒めている。シルヴィが生脚最高と呟きながらリリーの脚を抱き締め頬擦りしている。

リリーは無反応でされるがままだ。

咄嗟にルークがリリーに駆け付け、着用していた上着を脱いでリリーに着せた。
その行動に不思議がり首を傾げるリリー。
ルークは何故か怒っていた。

「女という自覚を持て!男に易々と触れられるな!」

ぷりぷりしながらルークは戻って行った。
どうして?と疑問を抱いたリリーを含む影達。
シルヴィ達はリリーに礼を言い高額で売れるクロコダイルの皮を剥いで楽しそうにはしゃいでいる。

リリーは体を拭き、自分の服を着た。
脱いだルークの服を片手に彼を探す。

他の騎士達と集まり上半身裸のまま木に身を預けているルークの前に現れたリリーは、片膝を立て座っている彼に跨り、先程着せられた服をルークに着せ返した。

感謝の意味を込め彼の頬に両手を添え額と額をピタッと軽く合わせる。

「ありがとう」

ルークにしか聞こえない小声で感謝の気持ちを伝えたリリーは返事を待たずに姿を消した。
ルークはポカンと口を開け呆けている。
他の騎士達もリリーの行動に呆気に取られてしまった。

暗がりの中ルークの耳が赤くなっていることに本人も、仲間の騎士達も気付いていない。

またしても礼を言いそびれてしまったウィルフレッドだけが彼女を見つけようと視線を泳がせるが、結局見つけられないまま夜が明けた。

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