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しおりを挟む「・・・きて・・・リリー・・・リリー起きて!」
うるさい。
リヒャルトの声で目が覚めたリリー。
まだ起きるには早すぎるのに何だと言うのだと目を擦るが動こうとはしない。
まだ仕事開始の時間じゃないと決めつけたリリーは温かいリヒャルトの胸元に頬擦りをし再び眠ろうとした。
「トイレ!まじ限界だからっ起こしてごめん!」
なんだ。だったら引っペ剥がせばいいのに・・・。
徐にリリーがリヒャルトの上からどくと、彼は駆け足で離れた。
暖を失ったリリーは葉っぱ布団に包まり身を縮ませる。
リヒャルトの騒ぎで起きてしまった騎士達はそっとリリーに近付き囲いだした。
ただでさえ彼らより小さいリリーは縮まる事でより小さく見える。
普段から無表情のその寝顔はあどけなく、穏やかに眠っており、こうして見ると普通の女性だ。自分達より強いなんて信じられないくらい。
「おい、起き・・・・・・ろ」
ガバッとリリーを包んでいた葉っぱ掛布団をルークが取った。リリーの姿に瞠目する騎士達。
そうだ、彼女は服を着ていなかったんだ。
キャミソールとショーツ姿のリリー。
スラリとした白い脚、桃色の紐ショーツはレース生地となっていて可愛らしい小尻を魅力的に引き立たせていた。
じっと見つめてしまっていた騎士達だが、リリーが寒さで震えたのを見て我に返る。
「寒そう。可哀想だよ?」
「ルーク、返してやれ」
エレンとウィルフレッドが葉っぱ布団を返してやれと訴えた。
ルークは返すか悩んでいる。どうせもう眠れないのだからこのまま起こした方がいいのでは?そんな事を考えていたらリリーが猫の様に体を伸ばした。
目を擦り、薄目を開けて布団を奪ったルークを見たリリーは文句でも言いたそうに片頬を膨らまして両手を彼へ伸ばした。
起こしてよ。
「え・・・?」
ルークにはこの訴えが伝わらなかったようで沈黙が続いた中、リヒャルトが帰ってきた。
「さむっ!早く温まりたい・・・・・・なにリリー囲ってんの?」
戻って来たリヒャルトは異様な光景に不思議がるが、裸の彼は寒過ぎてそれどころでは無い。
直ぐにリリーの隣へ寝転がった。
「まだ起きるには早すぎでしょ?リリー、おいで」
腕枕をする体勢をとったリヒャルトは空いている空間を手で叩きリリーを呼んだ。
そうだ、まだ早過ぎるだろう。
四つん這いになりながら当たり前のようにリヒャルトのそばへ行こうとするリリーの体をひょいっとエレンが持ち上げた。
「いい事思いついちゃった。リリー、ここ入って?」
エレンは自身の上着の裾を広げ、そこにリリーを入れた。天幅が狭く襟から顔は出せないがあまりの温かさに心地良くなったリリーはエレンの服の中で彼を抱き締めた。
「これで温かいね」
満面の笑顔のエレン。
ズロローッとリリーの足首を掴んだリヒャルトが彼女をエレンの服の中から滑り出した。
「返せよ!俺の暖!」
「リリーが温まる事しか考えてなかった。ごめんごめん」
なんの悪びれもなく笑顔で謝るエレン。
「リリーのこと興味無いって言ってたくせに!」と文句を言うリヒャルト。
「救済活動だよ?」平然と答えるエレン。
ルークから葉っぱ布団を取ったノエルがリリーの体をそれで包み抱き寄せた。
「リリー寒かったよね」
よしよしと頭を撫でるノエル。
ノエルいい人。
リリーは大人しくノエルに身を預けた。
そんな彼女に近付いたのはウィルフレッドだ。
「そろそろ時間だ」
「・・・仕事?」
「ああ」
リリーは切り替えるべく自分の頬をぎゅーっと抓った。痛さで覚醒するといつもの無表情リリーの完成である。
暖めてくれたノエルの頭を無言で撫で、着替えて出発の準備を進めた。
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