【R18】 その娼婦、王宮スパイです

ぴぃ

文字の大きさ
16 / 89

16

しおりを挟む


「・・・きて・・・リリー・・・リリー起きて!」

うるさい。

リヒャルトの声で目が覚めたリリー。
まだ起きるには早すぎるのに何だと言うのだと目を擦るが動こうとはしない。

まだ仕事開始の時間じゃないと決めつけたリリーは温かいリヒャルトの胸元に頬擦りをし再び眠ろうとした。

「トイレ!まじ限界だからっ起こしてごめん!」

なんだ。だったら引っペ剥がせばいいのに・・・。

徐にリリーがリヒャルトの上からどくと、彼は駆け足で離れた。

暖を失ったリリーは葉っぱ布団に包まり身を縮ませる。

リヒャルトの騒ぎで起きてしまった騎士達はそっとリリーに近付き囲いだした。

ただでさえ彼らより小さいリリーは縮まる事でより小さく見える。

普段から無表情のその寝顔はあどけなく、穏やかに眠っており、こうして見ると普通の女性だ。自分達より強いなんて信じられないくらい。

「おい、起き・・・・・・ろ」

ガバッとリリーを包んでいた葉っぱ掛布団をルークが取った。リリーの姿に瞠目する騎士達。

そうだ、彼女は服を着ていなかったんだ。
キャミソールとショーツ姿のリリー。
スラリとした白い脚、桃色の紐ショーツはレース生地となっていて可愛らしい小尻を魅力的に引き立たせていた。

じっと見つめてしまっていた騎士達だが、リリーが寒さで震えたのを見て我に返る。

「寒そう。可哀想だよ?」
「ルーク、返してやれ」

エレンとウィルフレッドが葉っぱ布団を返してやれと訴えた。

ルークは返すか悩んでいる。どうせもう眠れないのだからこのまま起こした方がいいのでは?そんな事を考えていたらリリーが猫の様に体を伸ばした。

目を擦り、薄目を開けて布団を奪ったルークを見たリリーは文句でも言いたそうに片頬を膨らまして両手を彼へ伸ばした。

起こしてよ。

「え・・・?」

ルークにはこの訴えが伝わらなかったようで沈黙が続いた中、リヒャルトが帰ってきた。

「さむっ!早く温まりたい・・・・・・なにリリー囲ってんの?」

戻って来たリヒャルトは異様な光景に不思議がるが、裸の彼は寒過ぎてそれどころでは無い。
直ぐにリリーの隣へ寝転がった。

「まだ起きるには早すぎでしょ?リリー、おいで」

腕枕をする体勢をとったリヒャルトは空いている空間を手で叩きリリーを呼んだ。

そうだ、まだ早過ぎるだろう。

四つん這いになりながら当たり前のようにリヒャルトのそばへ行こうとするリリーの体をひょいっとエレンが持ち上げた。

「いい事思いついちゃった。リリー、ここ入って?」

エレンは自身の上着の裾を広げ、そこにリリーを入れた。天幅が狭く襟から顔は出せないがあまりの温かさに心地良くなったリリーはエレンの服の中で彼を抱き締めた。

「これで温かいね」

満面の笑顔のエレン。
ズロローッとリリーの足首を掴んだリヒャルトが彼女をエレンの服の中から滑り出した。

「返せよ!俺の暖!」

「リリーが温まる事しか考えてなかった。ごめんごめん」

なんの悪びれもなく笑顔で謝るエレン。
「リリーのこと興味無いって言ってたくせに!」と文句を言うリヒャルト。

「救済活動だよ?」平然と答えるエレン。

ルークから葉っぱ布団を取ったノエルがリリーの体をそれで包み抱き寄せた。

「リリー寒かったよね」

よしよしと頭を撫でるノエル。

ノエルいい人。

リリーは大人しくノエルに身を預けた。
そんな彼女に近付いたのはウィルフレッドだ。

「そろそろ時間だ」

「・・・仕事?」

「ああ」

リリーは切り替えるべく自分の頬をぎゅーっと抓った。痛さで覚醒するといつもの無表情リリーの完成である。

暖めてくれたノエルの頭を無言で撫で、着替えて出発の準備を進めた。


しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...