【R18】 その娼婦、王宮スパイです

ぴぃ

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第二章

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 貴族パーティーの翌日、エレンは仕事終わりにリリー宅へ約束の報酬と茶菓子を持って訪れた。遅い時間に訪れてしまった為、渡す物だけ渡したら直ぐに帰るつもりだったのだがそこに影の一員であるメルと爺が突然訪問して来たのだ。

彼らは訪問するなり当たり前のようにシャワーを浴びたり茶を飲むなりと寛ぎ、終いにはリリーと一緒のベッドで眠った。

どういう事?一緒に暮らしてるの?と質問するが顔を横に振るリリー。

リリーは来たい時に来ればいいとエレンに言った。

その後何回か足を運ぶが毎回誰かしらがリリー宅にやって来て寛いでいる事がわかった。リリー宅は影のたまり場になっていたのだ。

それから居心地の良さに早朝からの仕事がない日以外、いつの間にかエレンもリリー宅で寛ぐ事になっていたのだ。最初はソファで眠っていたが、今となってはリリーと一緒のベッドで眠るほどに。

こうしてリリーと一緒に過ごす事はエレン自身の為でもあった。

色気だだ漏れイケメンの影の一員であるロビン、猫目で筋肉質でイケメンな影の一員であるレン、そして美少年のシルヴィ。この三人が来た時は気が気じゃない。リリーと二人きりにさせたくないと思い通い続けるエレン。その理由はーー。


***

*色気だだ漏れイケメンのロビンの場合。

リリーと二人でお茶を飲んでいたエレン。
突然ロビンが玄関から入って来た。

「シャワー浴びる」

それからシャワーを浴び終えたロビンは上半身裸のままリリーの隣で寛ぎ、就寝時に一緒のベッドへ入ろうとした。リリーの隣で横になっていたエレンは慌ててリリーを抱え壁際に移動させ、リリー、エレン、ロビンの順でベッドに横になる。

だが暫く時間が経ちリリーが眠るのを確認したロビンはリリーを抱え上げエレンの体を蹴飛ばし彼だけ壁へ追いやった。

痛いと文句を言おうと顔を向けると、驚く事にロビンが眠っているリリーを組み敷いてキスをしていた。

「なにして・・・!」

慌てて止めに入るがロビンに力強く片手で顔を掴まれ身動きが取れなくなるエレン。

「邪魔しちゃダメだよ。いつもやってる事だから」


***

* 猫目で筋肉質でイケメンな影の一員であるレンの場合。

リリーとソファで寛いでいるとその男は突然現れた。

「風呂入るぞ」
「さっき入ったから大丈夫」
「うるさい。脱がす」

ぽいぽいと素早い動きでリリーの服を脱がしたレンはエレンが居るにも関わらず自分の衣服を脱いだ。

「乾燥しちゃう」
「ボディクリーム塗ってやるよ」

そのままリリーを抱えてシャワー室へ向かおうとするレンを慌てて服を脱いで追いかけたエレン。

シャワー室は大人が三人入るとそれなりに狭い。
勢いよくシャワー室へ連れ込んだくせに何も喋らないレンは俯いていた。そんな彼の頭を撫でるリリー。

「・・・さっきめっちゃ人殺した」
「うん」

俯いたままリリーを抱き締めたレン。
その姿は落ち込んでいる様子でエレンも同情してしまった。

影はやりたくない仕事もこなさなければいけない。彼は殺したくない相手を殺してしまい罪悪感にかられているのかも。

「慰めろ」
「どうやって?」
「こうやって」

レンはリリーの顔を掴み持ち上げ食らいつくようにキスをした。貪りつくような激しいキスに足の力が入らなくなったリリーが崩れ落ちそうになったのをレンが抱え、リリーの背をエレンに預けた。

「お前抱えてろ」
「なんで僕が、それよりやめてくれないかな」
「っるせぇ。お前はリリーのここでも触ってろ」

くちゅり

「っーー!」

レンに手を動かされリリーの陰部を触らされたエレン。濡れた蜜に指が当たり顔に熱が集中する。結局エレンはリリーの陰部に指を当てたまま動かす事が出来ず顔を真っ赤にさせただけだった。

満足したレンはシャワー室から出ると下腹部にタオルを巻いたままドカッとソファに座り目の前にリリーを立たせた。

「俺が前塗るからお前は後ろな」
「・・・わかったよ」

レンに言われた通りリリーの裸体背面にボディクリームを塗るエレン。足を塗っているとポタッと床に蜜が垂れた。見ないようにしていたのにリリーの陰部に釘付けになる。

(リリーすごく濡れてる)

カアアッと一気に顔を赤くしたエレン。
そんなエレンをジト目で見る猫目のレン。

「お前童貞か?」
「ち、違うよ!」


***

*シルヴィの場合

「あれ?エレン今日も来たの?」

ノックをしたら返事を待たずに玄関の扉を開けるようになってしまったエレン。他の影達がそうしているからかいつの間にか自分の常識が変わってしまった。

今夜はリリーとシルヴィがお茶を飲んでいた。
一緒にお茶を共にしたエレン。
やがてリリーが船を漕ぎ始めたのを見てベッドへリリーを運んだ後シャワーを浴びに部屋を離れた。シャワーから戻ったエレンは薄暗くなった部屋に違和感を覚え慌てて戻ると驚愕する。

なんとシルヴィが眠っているリリーの下半身を持ち上げ陰部を舐めていたのだ。

「シルヴィなにしてるの!?」

慌てて肩を掴み止めろうとするがシルヴィの華奢な体はビクともせずリリーの陰部を舐めしゃぶっていた。

「・・・ん・・・っ・・・ぁ・・・」

だんだんとリリーの頬が赤く染まり、一瞬体が跳ね痙攣している。

イッたのか・・・?
それでも全然起きる気配がなく深い眠りに落ちているリリー。なにかおかしくないか?

「リリー大丈夫?」

心配で声をかけるが無反応のリリー。
やはり眠っているのか?

「無駄だよ。強い睡眠剤飲ましたから朝まで起きない」

ニッコリと良い笑顔を向けてくるシルヴィに呆れて何も言えなくなってしまったエレンは眉間に皺を寄せ頭を抱えてしまった。

もはや常識がわからない。
リリーに対する影の関わり方が異常過ぎて自分の考えがおかしいのかと思ってしまう。

ボロンッと可愛い顔に似合わない巨根をズボンから取り出したシルヴィがリリーの蜜口にそれを当てがったのを見てエレンはギュッとシルヴィの腕を力強く握った。

「それはダメ。それだけは絶対にダメ」

先程とは変わって瞳に光を無くし強く冷めた表情で見下ろすエレンの顔を見たシルヴィはニヤッと余裕の笑顔で見上げた。

「良い顔するようになったね。安心して?素股するだけで挿れないから。僕リリーさんに挿れる時は結婚後って決めてるの。僕の邪魔しないならエレンも交ざっていいよ。イってる時のリリーさんの顔すごく可愛いから三人で楽しもうよ」

リリーの芽肉の摘みながら激しく腰を動かすシルヴィ。寝ながら快楽の刺激に耐え顔を歪め蕩けた表情のリリーを見つめるエレンは興奮してしまっている自分の感情に驚き戸惑っていた。


***

 この三人が来た時はエレンは警戒している。だが三人は決まって行為を最後まてする事はない。暗黙のルールでもあるのだろうか。その事だけが唯一の救いだが極力この三人のうち誰かとリリーが二人きりにならないように通える範囲で通い続けているエレン。

 そして今夜、仲間の騎士達がリリー宅を訪ねる数時間前、エレンに試練が訪れていた。

リリー宅に着くなり、いつも通り出迎えてくれたリリーが今日はやたらと眠そうだ。昨晩は仕事だから来ても居ないと言われた。だから今夜来たのだが、一昨日からリリーは眠っていないらしい。可哀想と思ったエレンは直ぐに寝るように促した。

ずっと欠伸が止まらないリリーの服を脱がし、自分も服を脱ぎシャワーを一緒に浴びた。リリーの服を選ぶ時間が勿体ないと思い、いつの間にか置きっぱなしにしていた自分のシャツをリリーに着せ甲斐甲斐しく髪を乾かしベッドに寝かせると直ぐに眠ってしまったリリー。

警戒心の欠片もないなとため息を吐いたエレンは時間に余裕が出来てしまいどうしようか悩んだ。今日のところは帰ろうか、でも折角二人きりだし誰も来ないうちは二人の時間を楽しみたい。

エレンはリリーの隣へ寝そべった。
すやすやと眠るリリーの顔を覗き込む。

可愛い顔。

あどけなさを残した寝顔は綺麗で可愛くてドキドキと胸を高鳴らせる。

キスがしたい。あのパーティーの時みたいなキスがしたい。

他の影達からキスをされるリリーを見て、抵しないリリーを見て凄く苛立っていた。でもリリーは自分の恋人じゃない。誰のものでもない人だから我慢した。

リリーはキスをされても怒らない。
きっと自分がしても怒らない。

キスがしたい。
欲はあるのに緊張して出来ない。

どうして出来ないのだろう。
居酒屋の時も、他の場面でも、初対面でも、他の女性となら簡単に出来る行為なのにリリーが相手だと緊張してしまう。

でも、今しかない。
邪魔者がいない今しかない。

固唾を飲んだエレンは、緊張する胸の高鳴りを抑え、顔を近付けゆっくりと唇を合わせた。

ちゅ

柔らかい。

ちゅ ちゅ

気持ちいい。甘くて痺れる。
もっと、もっとリリーを感じたい。

リリーの唇だけに触れていたエレンの唇は次第に耳へ、首筋へ移動していった。

ピクッと体が反応するリリー。

かわいい。起きてほしい。起きて舌を絡めたい。自分の行為で反応するリリーをもっとみたい。

どうしよう・・・以前シルヴィが言った通りになってしまった。リリー沼に嵌っている。

コンッ コンッ

玄関の扉がノックされ全身で驚いたエレン。
慌ててリリーの隣へ寝直した。
律儀に扉をノックする相手と言えば爺かメルかティアラだろうか。寝たフリをしながら訪問者を考えるエレンだったが、一向に扉が開かないのを感じ体を起こした。

影じゃないのだろうか。
だとしたらこんな時間に誰だ?男か?
まさかリリーにそんな相手・・・。

嫌な胸騒ぎのまま玄関の扉を開けたエレン。
見知った仲間達の意外な訪問に変な緊張がおさまりきょとんとしてしまった。


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