9 / 80
第009話(幼女起動?!)
しおりを挟む
『Caretaker Preparation Room』という部屋にあった隠し部屋にて、ようやく他の生存者らしき人を見つけることが出来た。濃紫色の服を着ていて、頭にはひらひらがついたカチューシャを付けている。いわゆるメイド風の衣装を着ている。
目を瞑っているのではっきりとはわからないが、とても可愛らしい幼女?のように見える。?と思っているのは、身長は70cmくらいはありそうなんだけど、どう見ても2.5頭身程しかないからだ。マンガやアニメで見ると、あまり違和感がないけど、現実で見てしまうと、なんか不思議な感じがする。
その幼女?は俺が入っていたのと同じような装置の中で眠っている。俺が入っていた装置は銀色だったが、この幼女?が入っている装置は金色で、とても特別な感じがする。
「うーむ。どうやって起こすんだ?」
俺は金色の装置の周りをウロウロしながら、起動スイッチのようなものを探す。隠し部屋は、その金色の装置以外にも、様々な機械がごちゃごちゃ置かれていて、ケーブルも縦横無尽に繋がっているので、何がなんだかわからない感じだ。
とりあえず、金色の装置の側面にある幾つかのボタンをポチポチ押して見る。大きめのボタンを押した時に反応があり、ガタンッと言う音と共にガラスの蓋が浮くように微かにスライドする。
そして開いた蓋の隙間から大量の蒸気が吹き出し、一瞬で俺の視界を塞ぐ。俺はびっくりしてしまい尻餅をついてしまう。
『Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115を起動します』
その装置の中から、凄い綺麗だがやけに機械的な声が俺の耳の中に飛び込んでくる。
「ハスル オポーネント、何だって?」
よく聞き取れない名前が告げられて、俺はオウム返しに聞くが、綺麗な声は俺の声に反応せずに勝手に言葉を紡いでいく。
『起動シーケンスを開始します……Operation Sysytem起動確認……Complete……各種センサー起動確認……Complete……各種マニピュレータ通電確認……Complete……時空間接続ユニット動作確認……Complete……アンチグラビティユニット動作確認……Complete……基礎人格設定初期化……Complete……基礎判断設定初期化……Complete……基礎行動設定初期化……Complete……』
綺麗な声で、と言ってもシステム起動っぽい単語をツラツラと喋っている。俺の馴染みがある言い回しに、この幼女?はもしかして、期待のアレなのだろうか?と思う。
『…………最適化を実施します。Satellite Systemによる接続……Complete……各種データを更新します。地形データ更新……Complete……気象データ更新……Complete……生物データ更新……Complete……生活データ更新……』
システム起動っぽい言葉を聞いていると、蒸気が晴れてきたので、俺は立ち上がろうとする。しかし、ちょうど力を入れて手をついたところにケーブルがあり、手を滑らしてしまう。そして、ケーブルを握りながら派手に倒れて、その拍子に何本かのケーブルを装置から引き抜いてしまう。
バチィッッッッッ!
幼女?が入っていた装置が、一瞬だけ派手に放電し、幼女?がビクンッと痙攣するのが見えた。
「や、やばっ!」
俺は慌ててしまうが、もう後の祭りだ。オタオタしていると、しばらく静止していた幼女?が、再び口を動かし始めて、システム起動っぽい言葉を紡いでいく。
「あ、危ねぇなぁ」
俺は胸を撫で下ろす。せっかく見つけた意思疎通ができそうな存在だ。情報を得るためにも壊れてもらっては困る。
『……回線異常。Databaseに軽度の障害。異常確認……Complete……データに一部欠損あり……深刻異常チェック……Complete……起動/動作に問題なし。起動シーケンスを継続します。戦闘データ更新……Complete……魔法データ更新……Complete……全ての最適化が完了。Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115稼働します』
その言葉が口から紡ぎ終わると、幼女?の目が開いていく。装置は斜めに立てられていたので、幼女?の視線は必然的に斜め上を見る。
俺の身体は100cmもない感じなので、全く視界に入らない。
幼女?は斜め上を見上げたまま、組んでいた腕をほどいて両腕を内・外と捻り、状態を確かめる。そして装置の縁に手をかけると状態を起こし、大きく首を回すと、装置の縁に立ち上がる。
「起動に問題なし。各種マニュピレーター正常起動。スタビライザー・バランサー問題なし。起動者確認」
可愛い幼女?が口から先程の綺麗な声を発しながら、左、右と首を動かして周辺を確認する。
「起動者不在。周辺の状況チェック。各種センサーを起動します……前方至近距離にて熱源センサー/生体センサーに反応あり」
その幼女?が視線を上下に動かし、下を向いた時に俺と視線が合う。
「……起動者らしき存在を発見。あまりに小さいので見逃していた模様」
視線があった途端、とても失礼な物言いで反応される。
「貴方が起動者でしょうか?」
「多分そうだと思う」
首を傾げながら、幼女?が問いかけてくるので、俺は即座に回答する。インヴォーカーの意味がわからなかったが。
「周辺を再度サーチ。他に起動できそうな存在を探索……該当者なし。貴方が起動者で間違いなさそうです。それでは所有者登録を開始します。よろしいでしょうか?」
「所有者登録?」
「はい。本機の所有者として登録します。所有者登録する事で、所有者以外に本機を使役できなくなります」
「所有者登録しないとどうなるんだ?」
「このまま起動しても意味がないので、シャットダウンして再び起動してもらうのを待ちます」
「それは困るな。知らないことばかりで色々教えてもらうつもりだったんだが……じゃぁ所有者登録っていうのをすればいいんだな?」
俺は話を聞いて、このまま意思疎通ができなくなるのは困るので、所有者登録っていうのをする事を決心するのであった。
目を瞑っているのではっきりとはわからないが、とても可愛らしい幼女?のように見える。?と思っているのは、身長は70cmくらいはありそうなんだけど、どう見ても2.5頭身程しかないからだ。マンガやアニメで見ると、あまり違和感がないけど、現実で見てしまうと、なんか不思議な感じがする。
その幼女?は俺が入っていたのと同じような装置の中で眠っている。俺が入っていた装置は銀色だったが、この幼女?が入っている装置は金色で、とても特別な感じがする。
「うーむ。どうやって起こすんだ?」
俺は金色の装置の周りをウロウロしながら、起動スイッチのようなものを探す。隠し部屋は、その金色の装置以外にも、様々な機械がごちゃごちゃ置かれていて、ケーブルも縦横無尽に繋がっているので、何がなんだかわからない感じだ。
とりあえず、金色の装置の側面にある幾つかのボタンをポチポチ押して見る。大きめのボタンを押した時に反応があり、ガタンッと言う音と共にガラスの蓋が浮くように微かにスライドする。
そして開いた蓋の隙間から大量の蒸気が吹き出し、一瞬で俺の視界を塞ぐ。俺はびっくりしてしまい尻餅をついてしまう。
『Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115を起動します』
その装置の中から、凄い綺麗だがやけに機械的な声が俺の耳の中に飛び込んでくる。
「ハスル オポーネント、何だって?」
よく聞き取れない名前が告げられて、俺はオウム返しに聞くが、綺麗な声は俺の声に反応せずに勝手に言葉を紡いでいく。
『起動シーケンスを開始します……Operation Sysytem起動確認……Complete……各種センサー起動確認……Complete……各種マニピュレータ通電確認……Complete……時空間接続ユニット動作確認……Complete……アンチグラビティユニット動作確認……Complete……基礎人格設定初期化……Complete……基礎判断設定初期化……Complete……基礎行動設定初期化……Complete……』
綺麗な声で、と言ってもシステム起動っぽい単語をツラツラと喋っている。俺の馴染みがある言い回しに、この幼女?はもしかして、期待のアレなのだろうか?と思う。
『…………最適化を実施します。Satellite Systemによる接続……Complete……各種データを更新します。地形データ更新……Complete……気象データ更新……Complete……生物データ更新……Complete……生活データ更新……』
システム起動っぽい言葉を聞いていると、蒸気が晴れてきたので、俺は立ち上がろうとする。しかし、ちょうど力を入れて手をついたところにケーブルがあり、手を滑らしてしまう。そして、ケーブルを握りながら派手に倒れて、その拍子に何本かのケーブルを装置から引き抜いてしまう。
バチィッッッッッ!
幼女?が入っていた装置が、一瞬だけ派手に放電し、幼女?がビクンッと痙攣するのが見えた。
「や、やばっ!」
俺は慌ててしまうが、もう後の祭りだ。オタオタしていると、しばらく静止していた幼女?が、再び口を動かし始めて、システム起動っぽい言葉を紡いでいく。
「あ、危ねぇなぁ」
俺は胸を撫で下ろす。せっかく見つけた意思疎通ができそうな存在だ。情報を得るためにも壊れてもらっては困る。
『……回線異常。Databaseに軽度の障害。異常確認……Complete……データに一部欠損あり……深刻異常チェック……Complete……起動/動作に問題なし。起動シーケンスを継続します。戦闘データ更新……Complete……魔法データ更新……Complete……全ての最適化が完了。Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115稼働します』
その言葉が口から紡ぎ終わると、幼女?の目が開いていく。装置は斜めに立てられていたので、幼女?の視線は必然的に斜め上を見る。
俺の身体は100cmもない感じなので、全く視界に入らない。
幼女?は斜め上を見上げたまま、組んでいた腕をほどいて両腕を内・外と捻り、状態を確かめる。そして装置の縁に手をかけると状態を起こし、大きく首を回すと、装置の縁に立ち上がる。
「起動に問題なし。各種マニュピレーター正常起動。スタビライザー・バランサー問題なし。起動者確認」
可愛い幼女?が口から先程の綺麗な声を発しながら、左、右と首を動かして周辺を確認する。
「起動者不在。周辺の状況チェック。各種センサーを起動します……前方至近距離にて熱源センサー/生体センサーに反応あり」
その幼女?が視線を上下に動かし、下を向いた時に俺と視線が合う。
「……起動者らしき存在を発見。あまりに小さいので見逃していた模様」
視線があった途端、とても失礼な物言いで反応される。
「貴方が起動者でしょうか?」
「多分そうだと思う」
首を傾げながら、幼女?が問いかけてくるので、俺は即座に回答する。インヴォーカーの意味がわからなかったが。
「周辺を再度サーチ。他に起動できそうな存在を探索……該当者なし。貴方が起動者で間違いなさそうです。それでは所有者登録を開始します。よろしいでしょうか?」
「所有者登録?」
「はい。本機の所有者として登録します。所有者登録する事で、所有者以外に本機を使役できなくなります」
「所有者登録しないとどうなるんだ?」
「このまま起動しても意味がないので、シャットダウンして再び起動してもらうのを待ちます」
「それは困るな。知らないことばかりで色々教えてもらうつもりだったんだが……じゃぁ所有者登録っていうのをすればいいんだな?」
俺は話を聞いて、このまま意思疎通ができなくなるのは困るので、所有者登録っていうのをする事を決心するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる