ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

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第009話(幼女起動?!)

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 『Caretaker Preparation Room』という部屋にあった隠し部屋にて、ようやく他の生存者らしき人を見つけることが出来た。濃紫色の服を着ていて、頭にはひらひらがついたカチューシャを付けている。いわゆるメイド風の衣装を着ている。

 目を瞑っているのではっきりとはわからないが、とても可愛らしい幼女?のように見える。?と思っているのは、身長は70cmくらいはありそうなんだけど、どう見ても2.5頭身程しかないからだ。マンガやアニメで見ると、あまり違和感がないけど、現実で見てしまうと、なんか不思議な感じがする。

 その幼女?は俺が入っていたのと同じような装置の中で眠っている。俺が入っていた装置は銀色だったが、この幼女?が入っている装置は金色で、とても特別な感じがする。

「うーむ。どうやって起こすんだ?」
 俺は金色の装置の周りをウロウロしながら、起動スイッチのようなものを探す。隠し部屋は、その金色の装置以外にも、様々な機械がごちゃごちゃ置かれていて、ケーブルも縦横無尽に繋がっているので、何がなんだかわからない感じだ。

 とりあえず、金色の装置の側面にある幾つかのボタンをポチポチ押して見る。大きめのボタンを押した時に反応があり、ガタンッと言う音と共にガラスの蓋が浮くように微かにスライドする。
 そして開いた蓋の隙間から大量の蒸気が吹き出し、一瞬で俺の視界を塞ぐ。俺はびっくりしてしまい尻餅をついてしまう。

『Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115を起動します』
 その装置の中から、凄い綺麗だがやけに機械的な声が俺の耳の中に飛び込んでくる。

「ハスル オポーネント、何だって?」
 よく聞き取れない名前が告げられて、俺はオウム返しに聞くが、綺麗な声は俺の声に反応せずに勝手に言葉を紡いでいく。

『起動シーケンスを開始します……Operation Sysytem起動確認……Complete……各種センサー起動確認……Complete……各種マニピュレータ通電確認……Complete……時空間接続ユニット動作確認……Complete……アンチグラビティユニット動作確認……Complete……基礎人格設定初期化……Complete……基礎判断設定初期化……Complete……基礎行動設定初期化……Complete……』
 綺麗な声で、と言ってもシステム起動っぽい単語をツラツラと喋っている。俺の馴染みがある言い回しに、この幼女?はもしかして、期待のアレなのだろうか?と思う。

『…………最適化ローカライズを実施します。Satellite Systemによる接続……Complete……各種データを更新アップデートします。地形データ更新……Complete……気象データ更新……Complete……生物データ更新……Complete……生活データ更新……』
 システム起動っぽい言葉を聞いていると、蒸気が晴れてきたので、俺は立ち上がろうとする。しかし、ちょうど力を入れて手をついたところにケーブルがあり、手を滑らしてしまう。そして、ケーブルを握りながら派手に倒れて、その拍子に何本かのケーブルを装置から引き抜いてしまう。

バチィッッッッッ!

 幼女?が入っていた装置が、一瞬だけ派手に放電し、幼女?がビクンッと痙攣するのが見えた。

「や、やばっ!」
 俺は慌ててしまうが、もう後の祭りだ。オタオタしていると、しばらく静止していた幼女?が、再び口を動かし始めて、システム起動っぽい言葉を紡いでいく。

「あ、危ねぇなぁ」
 俺は胸を撫で下ろす。せっかく見つけた意思疎通ができそうな存在だ。情報を得るためにも壊れてもらっては困る。

『……回線異常エラー。Databaseに軽度の障害。異常確認エラーチェック……Complete……データに一部欠損あり……深刻異常チェック……Complete……起動/動作に問題なし。起動シーケンスを継続します。戦闘データ更新……Complete……魔法データ更新……Complete……全ての最適化ローカライズが完了。Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115稼働します』

 その言葉が口から紡ぎ終わると、幼女?の目が開いていく。装置は斜めに立てられていたので、幼女?の視線は必然的に斜め上を見る。
 俺の身体は100cmもない感じなので、全く視界に入らない。

 幼女?は斜め上を見上げたまま、組んでいた腕をほどいて両腕を内・外と捻り、状態を確かめる。そして装置の縁に手をかけると状態を起こし、大きく首を回すと、装置の縁に立ち上がる。

「起動に問題なし。各種マニュピレーター正常起動。スタビライザー・バランサー問題なし。起動者インヴォーカー確認」
 可愛い幼女?が口から先程の綺麗な声を発しながら、左、右と首を動かして周辺を確認する。

起動者インヴォーカー不在。周辺の状況チェック。各種センサーを起動します……前方至近距離にて熱源センサー/生体センサーに反応あり」
 その幼女?が視線を上下に動かし、下を向いた時に俺と視線が合う。

「……起動者インヴォーカーらしき存在を発見。あまりに小さいので見逃していた模様」
 視線があった途端、とても失礼な物言いで反応される。

「貴方が起動者インヴォーカーでしょうか?」
「多分そうだと思う」
 首を傾げながら、幼女?が問いかけてくるので、俺は即座に回答する。インヴォーカーの意味がわからなかったが。

「周辺を再度サーチ。他に起動できそうな存在を探索サーチ……該当者なし。貴方が起動者インヴォーカーで間違いなさそうです。それでは所有者マスター登録を開始します。よろしいでしょうか?」
所有者マスター登録?」
「はい。本機の所有者として登録します。所有者マスター登録する事で、所有者マスター以外に本機を使役できなくなります」
所有者マスター登録しないとどうなるんだ?」
「このまま起動しても意味がないので、シャットダウンして再び起動してもらうのを待ちます」
「それは困るな。知らないことばかりで色々教えてもらうつもりだったんだが……じゃぁ所有者マスター登録っていうのをすればいいんだな?」
 俺は話を聞いて、このまま意思疎通ができなくなるのは困るので、所有者マスター登録っていうのをする事を決心するのであった。
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