10 / 80
第010話(初期登録?!)
しおりを挟む
所有者登録とやらを決心した俺に、濃紫色のメイド服を着て、頭にはひらひらのカチューシャを付けた幼女?が依頼してくる。身長は80cmくらいなのだが、頭身が2.5頭身なので、まるでSDキャラみたいだ。
「承知いたしました。では所有者登録シーケンスに入ります。機密保持の問題があるので、少し後ろを向いていてもらえますでしょうか?」
「あ、あぁ」
促されるまま、俺は後ろを向くと、ドガガガガガッッ!ドスン!という何かを破壊するようなバカでかい音がしたので、ビックリして後ろを向いてしまう。
「後ろを向いてと言っていたのに、少しの間も我慢できないのか、このカス!です!」
「んあ?!」
思わず後ろを振り向いた俺に罵声が飛んでくる。声が綺麗なのに、言葉が汚くてとてもギャップがある。そして、機械が乱雑に置かれていた部屋の一角に、何故かベッドが現れ、幼女?がイソイソと中にはいっていくのが見えた。
「何やってんの?」
俺は唖然としながら幼女?に問う。所有者登録すると言っていたのに、何故ベッドに入る必要があるのかと。
「所有者登録には遺伝子レベルでの登録が必要です。なので所有者のちっちゃいアレを私のヌルヌルのアレにアレして貰う必要があります。本機は雰囲気を大事にしてもらいたいので、やっぱり初めてはベッドでしてもらいたいのです」
俺は掌を頭に当てて肩を落として、溜息を吐く。そして、どうやってベッドを取り出したか知らないが、無理やり取り出したせいで、様々な機器がグッチャングッチャンに破壊されている。そしてその機械群の各所から火花が飛び散っており……
ドガガガガガァァァァァンッッッッ!!
と大爆発を起こすのだった。俺の小さい体も爆風に飛ばされて、ゴロゴロと隠し部屋から、『Caretaker Preparation Room』とやらの通路を転がり、入口付近の壁にぶつかってようやく止まる。
「いたたたた……」
俺は腕を抑えて立ち上がる。隠し部屋からはもうもうと煙が出ており、中にいた幼女?は、とても無事とは思えない状況になっている。
「あいたたたです。初めてのアレが爆発とか、この所有者は変わった趣味を持っているようなのです」
もうもうと上がった煙の中から、何事もなかったかのように平気な顔をした幼女?が服をパンパンと払いながら出てくる。
「あ、所有者怪我をされていますね。あの程度の衝撃で怪我とかクラゲ並の防御力なのです」
チョコチョコと小走りでやってきた幼女?が、僕の腕を取って傷口を確認する。
「ちょうどいいです。治癒するにも所有者登録が必要ですし、さっさと登録してしまうのです!」
そう言うと、幼女?が僕の傷口に口を近づけていき、チュッと接吻する。
「所有者登録シーケンス起動……Complete……生体情報登録……Complete……種族:星を識る者、性別:男、年齢:5歳?……生命連結……Complete……」
俺の血を舐めた幼女?が、再びシステムっぽい言葉を紡いでいく。ん?星を識る者?人間じゃないのか?とか思っていると、グンッと体の中の何かが吸い出される。何か一瞬疲れたような気になったが、すぐに元に戻る。
「所有者登録がほぼ完了しました。後は所有者登録の名前と、本機の名前を設定するだけです。しかし小さい小生意気なガキにも関わらず、質の高い魔力なのです。コレなら少量の魔力をもらうだけで動作できそうなのです!」
どうやら無事に登録ができたようだ。
「名前、名前ね。こっちの名前は特にわからないから、あっちの名前でいいか。俺の名前は荒神慎。英語圏の並びで言うと、シン アラガミだ」
「所有者名登録……シン アラガミ……Complete……では本機の名前もお願いします」
「と言ってもなぁ……そういや、起動したときのハスル オポーネントとかって何だったっけ?」
「Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115ですか?本機の型名です」
「なんか良くわからない型名だな」
「頭の弱い所有者にわかりやすく言うと、敵対生物殲滅メイド タイプ115という意味ですが」
「何?その物騒な名前。凄く怖いんですけど」
「大丈夫です。小人のような矮小な所有者は殲滅しませんから、ご安心を」
「全く安心できる気がしないんだが。頭文字を取るとHope……希望か。でもチョット似合わないんだよな。すごく可愛いのに言葉遣いが残念だし……頭文字をチョット変えて……Pome……ポメだな」
頭の中で閃いた名前がポンコツメイドのポメだなんて事は、秘密にしておこう。
「ポメ……ポメ……何か大人の女性感がまったくない名前で、非常に理不尽ですが、とりあえず良しとしておきましょう……本機名称登録:ポメ……Complete……」
そしてポメと名付けられた幼女?は両手でこめかみを押さえながらウンウンと唸り、やがてパッとこちらを向いて宣言する。
「所有者登録が終わりました。これからポメは、ハナタレ小僧のシン アラガミを御主人様として誠心誠意仕えるであります!」
こうして俺は、口の悪い敵対生物殲滅メイドという物騒なメイドのポメを仲間とするのであった。
「承知いたしました。では所有者登録シーケンスに入ります。機密保持の問題があるので、少し後ろを向いていてもらえますでしょうか?」
「あ、あぁ」
促されるまま、俺は後ろを向くと、ドガガガガガッッ!ドスン!という何かを破壊するようなバカでかい音がしたので、ビックリして後ろを向いてしまう。
「後ろを向いてと言っていたのに、少しの間も我慢できないのか、このカス!です!」
「んあ?!」
思わず後ろを振り向いた俺に罵声が飛んでくる。声が綺麗なのに、言葉が汚くてとてもギャップがある。そして、機械が乱雑に置かれていた部屋の一角に、何故かベッドが現れ、幼女?がイソイソと中にはいっていくのが見えた。
「何やってんの?」
俺は唖然としながら幼女?に問う。所有者登録すると言っていたのに、何故ベッドに入る必要があるのかと。
「所有者登録には遺伝子レベルでの登録が必要です。なので所有者のちっちゃいアレを私のヌルヌルのアレにアレして貰う必要があります。本機は雰囲気を大事にしてもらいたいので、やっぱり初めてはベッドでしてもらいたいのです」
俺は掌を頭に当てて肩を落として、溜息を吐く。そして、どうやってベッドを取り出したか知らないが、無理やり取り出したせいで、様々な機器がグッチャングッチャンに破壊されている。そしてその機械群の各所から火花が飛び散っており……
ドガガガガガァァァァァンッッッッ!!
と大爆発を起こすのだった。俺の小さい体も爆風に飛ばされて、ゴロゴロと隠し部屋から、『Caretaker Preparation Room』とやらの通路を転がり、入口付近の壁にぶつかってようやく止まる。
「いたたたた……」
俺は腕を抑えて立ち上がる。隠し部屋からはもうもうと煙が出ており、中にいた幼女?は、とても無事とは思えない状況になっている。
「あいたたたです。初めてのアレが爆発とか、この所有者は変わった趣味を持っているようなのです」
もうもうと上がった煙の中から、何事もなかったかのように平気な顔をした幼女?が服をパンパンと払いながら出てくる。
「あ、所有者怪我をされていますね。あの程度の衝撃で怪我とかクラゲ並の防御力なのです」
チョコチョコと小走りでやってきた幼女?が、僕の腕を取って傷口を確認する。
「ちょうどいいです。治癒するにも所有者登録が必要ですし、さっさと登録してしまうのです!」
そう言うと、幼女?が僕の傷口に口を近づけていき、チュッと接吻する。
「所有者登録シーケンス起動……Complete……生体情報登録……Complete……種族:星を識る者、性別:男、年齢:5歳?……生命連結……Complete……」
俺の血を舐めた幼女?が、再びシステムっぽい言葉を紡いでいく。ん?星を識る者?人間じゃないのか?とか思っていると、グンッと体の中の何かが吸い出される。何か一瞬疲れたような気になったが、すぐに元に戻る。
「所有者登録がほぼ完了しました。後は所有者登録の名前と、本機の名前を設定するだけです。しかし小さい小生意気なガキにも関わらず、質の高い魔力なのです。コレなら少量の魔力をもらうだけで動作できそうなのです!」
どうやら無事に登録ができたようだ。
「名前、名前ね。こっちの名前は特にわからないから、あっちの名前でいいか。俺の名前は荒神慎。英語圏の並びで言うと、シン アラガミだ」
「所有者名登録……シン アラガミ……Complete……では本機の名前もお願いします」
「と言ってもなぁ……そういや、起動したときのハスル オポーネントとかって何だったっけ?」
「Hostile Opponent Progressive Expulsion Maid Type 115ですか?本機の型名です」
「なんか良くわからない型名だな」
「頭の弱い所有者にわかりやすく言うと、敵対生物殲滅メイド タイプ115という意味ですが」
「何?その物騒な名前。凄く怖いんですけど」
「大丈夫です。小人のような矮小な所有者は殲滅しませんから、ご安心を」
「全く安心できる気がしないんだが。頭文字を取るとHope……希望か。でもチョット似合わないんだよな。すごく可愛いのに言葉遣いが残念だし……頭文字をチョット変えて……Pome……ポメだな」
頭の中で閃いた名前がポンコツメイドのポメだなんて事は、秘密にしておこう。
「ポメ……ポメ……何か大人の女性感がまったくない名前で、非常に理不尽ですが、とりあえず良しとしておきましょう……本機名称登録:ポメ……Complete……」
そしてポメと名付けられた幼女?は両手でこめかみを押さえながらウンウンと唸り、やがてパッとこちらを向いて宣言する。
「所有者登録が終わりました。これからポメは、ハナタレ小僧のシン アラガミを御主人様として誠心誠意仕えるであります!」
こうして俺は、口の悪い敵対生物殲滅メイドという物騒なメイドのポメを仲間とするのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる