ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

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第023話(急激成長?!)

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 不思議な珠を触った瞬間に力が流れ込み、その力の奔流に耐えきれなくなった僕は意識を失った。意識を失った僕は一面薄暗くて何もない空間に立っていた。

 周りを見渡してみても周りは靄がかっているように薄ぼんやりとしているだけで、何があるわけではない。キョロキョロと周りを見渡すと、ぼんやりと靄が霞む中、遠くの方に光が見えたので、取り敢えずそれに向かって歩いていく事にする。

「しかし、ここはどこなんだろ」
 そんな事を呟きながら歩いていると、遠くの方の光と僕との間に、巨大な生物のシルエットが見える。遠くの光に対して逆光になっているのでシルエットしかわからない。

「さっき倒した蜘蛛かな?」
 さっきの巨大蜘蛛と同じ大きさ形をしているのだが、ただ静かにソコに佇んでいるだけだ。僕に対しての敵意がないようにみえる。

 僕が近づいていくと、巨大蜘蛛は僕に反応して首をかしげるように捻った後、槍のように尖った両前脚を恭しく捧げてくる。すると槍のような前脚が輝き始め、続いて前顎、そして残り6本の足、そして身体と順に輝きを帯びていく。

 それぞれ部位が輝きながら光の粒になり、僕の中に吸い込まれていく。そして首をかしげていた蜘蛛が恭しく頭を垂れたかと思うと、全ての光の粒となり僕の身体に溶け込み消えていく。

 蜘蛛が消えた後は、周りの靄が集まり、ぼんやりとした人の形が形作られる。その人型の何かが僕に向けて腕を広げながら語りかけてくる。

伝説級レジェンダリィ・魔蟲インセクト深淵の蜘蛛アトラク=ナクアを討伐しました。討伐主には贈呈装備ギフトとして深淵の鎧アビス・メイルが授与されます。また深淵の蜘蛛アトラク=ナクアより潜在能力アビリティに深淵適性、樹金適正、猛毒適性、毒無効、酸無効、戦闘武術アーツ空中機動エアリアル・ムーブ上腕槍化アーム・ランス妖弦スレッド・操糸マニュピレート技能スキルに猛毒攻撃、深淵魔法が授与されました』

 その人型の何かが事務的かつ機械的に僕にその事実を伝えると、また靄のように霧散して消えていく。それと同時に機械的な声が僕の頭に鳴り響く。

『レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がりました。レベルが上がレベルが上がレベルが上がレベルが上がレベルが上がレベルがレベルがレベルがレベルがレベルがレベレベレベレベレベレベレベ…………』

 レベルが上がりましたと言われる度に身体が何かに置き換わっていくような感覚がする。べつに痛かったり気持ち悪かったりする訳ではないのだけれども、何か自分ではない何かになっていくような感覚は好きにはなれないような気がする。

『レベレベレベレベレベレベレベ…………レベルが上がりました。』
 暫く続いた声がやっと止まる。一体どんだけレベルが上ったのだろうか。というか、この世界だとレベルが上ったのを教えてくれるようで、まるでゲームみたいだ。
 僕は身体に不調がないか確認するかのように、飛んだり跳ねたりしてみるけど、身体の動きには何も問題はないようだ。

「どうやって、ココから出るんだろう?あそこの光の下に行けば出られるのかなぁ?」
 僕は身体の調子を確かめながら、遠くの光を眺める。すると遠くにあった光の点がどんどん大きくなりながら僕を飲み込んでいく。

クゥーン、クゥーン。

 僕の耳元で悲しそうな鳴き声がしたので、僕はそちらを向きながら目を開ける。僕の目の前には僕を心配そうに眺める、碧玉珠エメラルド色の綺麗な毛並みを持つ狼の子供がいた。

「ほら、だから大丈夫だと言ったのです!ポメの言うことに間違いはないのです!」

ガゥッ!ガゥッ!

 いつもの偉そうな態度と、それに逆らうような吠え声。間違いなくポメとさっき助けた小狼だろう。僕は身体を起こそうと勢いをつけて起き上がろうとすると、起き上がるどころかそのまま前にゴロゴロと転がっていってしまう。そして目の前の岩に激突して止まる。

「痛てててて……」
 その岩の溝を握って立ち上がろうとすると、ピシピシと岩に亀裂が走る。

「バカ御主人様マスター、注意するです。急激なレベルアップに意識が身体能力についていってないのです!」
「そ、そんなこと言ったって……うわっ!」
 握っていた岩の突起が砕けて、僕は足を滑らせて尻餅をついてしまう。

「このポンコツ御主人様マスター!とにかく一旦落ち着くのです!」
 僕のあんまりな挙動に、ポメから厳しい言葉が飛ぶ。そして、そんな僕を心配そうな眼差しでもる小狼。訳がわからなくなって混乱する僕は、ポメの言葉通り一旦落ち着いて話を聞くことにするのだった。
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