ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

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第026話(兎肉料理?!)

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血塗れウサギブラッディ・ラビット、レベル10程度で中級冒険者でも油断すると危ないレベルの魔獣なのですが、このアーグ大樹海にいる魔獣の中では最低ランクの魔獣なのです」
血塗れウサギブラッディ・ラビットって物騒な名前のウサギだなぁ。魔獣ってことは経験珠が出る?」
「出るはずなのです」
 そうポメが答えるので、先に包丁の一撃で頸動脈を切断したウサギを眺めていると、死体から魔素が立ち昇り経験珠になっていくのが見える。

「あれに触ると気絶するんだよなぁ」
「そんなのは、常識知らずのヘボ御主人様マスターだけです!あんな伝説級レジェンダリィ・魔蟲インセクトの経験珠なんかを取り込むから急激なレベルアップの余波で気絶したのです!普通は上がっても1レベルなので、そんな事にはならないのです!」
「ふーん。そうなのか。じゃぁ、ファング。あれに触れてきて」

ガウッ!

 僕が白いウサギの経験珠を指差すと、ファングは素直に経験珠のもとに駆けていくと、パクっと経験珠を食べてしまう。すると、ファングの身体が発光して一回り大きくなったように見える。

「無事レベルが上ったみたいなのです」
「へぇ、魔獣はレベル上がった時も大きくなるのか」
「そうなのです。魔獣は普通に成長して大きくなる他に、レベルアップにより大きくなったり、種族が変わったりするのです」
 どうやらファングはレベル10のウサギの経験珠を得たことにより微進化したようだ。

「じゃぁ、こっちのも」
 そしてファングが倒した茶色いウザギの経験珠を指差すと、先程と同様に食いついて経験の肥やしにする。

「さてと、魔法で周辺を固めて安全になっているから、ここいらで食事にしようか」
「では、先程のウサギの下拵えをするのです」
 僕が食事の提案をすると、包丁を片手にポメがウキウキしながらウサギの死体に向かっていく。こういう食事の準備を嬉しそうにする所なんかは、確かにメイド風なのかもしれないと思う。

「チン○ス御主人様マスター!なにか失礼なことを考えているのをキャッチしたのです!」
「いやいや、ポメは優秀なメイドだなって思っただけだから」
「そうなのです!役立たずの御主人様マスターと違って、ポメは超優秀な高性能アンドロイドメイドなのです!」
 僕の不埒な考えに瞬時に反応しながらも、褒めたような言い訳をすると、すぐ図に乗るポメ。なんかチョロいんだよなぁ。

 その場で地面に座る僕の脚に寄り掛かるように、一仕事終えた風のファングが体を預けてくる。僕はそんなファングの背を撫でながら、嬉々としてウサギを解体するポメを眺めるのだった。

 空を見上げると、真っ青な空が広がり、空に浮かぶ薄い色をした2つの月が、僕のいた世界と違うことを告げる。
 過酷な世界に転生して、5歳児の身体で一人ぼっちになったけど、こうしてポメとファングという仲間ができて、この世界でも何とか生きていけそうだ。そんな事を考えながら空を流れる雲を眺めていると、解体したウサギの脚に串を指して、ドコからともなく取り出した魔導コンロで焼き始める。
 あたりに肉の香ばしい匂いが漂い、食欲を刺激される。血塗れウサギブラッディ・ラビットは体長が1m近くあったので、その足の肉も相当なサイズだ。また剥いだ毛も毛足が長く、非常に柔らかなので、防寒具などにも使用出来そうだった。

「美味しく焼けましたー♪」
 いい頃合いになった血塗れウサギブラッディ・ラビットの脚を見て、心の奥底に眠る何かが思わず口から漏れてしまった。
 ポメはそんな僕の行動を不審な人を見るようなジト目をこちらに向けると、スパイスらしき粉をドバドバ振り掛ける。

「相変わらず、頭が残念な御主人様マスターなのです。」
 ポメが僕を見下すような目をしながら、真っ赤なスパイスまみれの血塗れウサギブラッディ・ラビットの脚を持ってくる。何のスパイスかはわからないけど漂ってくる肉の焼ける匂いとスパイスが調和した香りは、かなり食欲をそそる匂いだ。

「いただきまーす」
 僕はそう言うと、肉に齧り付く。

「%$#%#¥!!!!????」
 言葉にならない言葉と同時に、僕はかじった肉を吐き出し、地面を転げ回る。

「みずみずみずみずみみみみずずずずずっ!!!」
「ミミズ?」
「みず!みず!みず!」
 僕の口内は焼けるように痛み、言葉を発するのも辛いが、このまま耐える事もできないので、苦しみながら水を要求する。

 ポメは面倒くさそうな表情を浮かべて後ろを振り向くと、ドコからともなく水袋を取り出して、僕に手渡す。

 僕は水袋の中の水を口に含むと、口を洗いで水を吐き出す。吐き出した水にはたっぷりのスパイスが含まれていて、僕は何度も口を洗いで、口内にあるスパイスを全部吐き出す。

「な、な、何てものを食わせるんだーっ!!!」
 僕はポメに対し、スパイスまみれの肉を突き出して烈火の如く怒りを向けて怒鳴る。一連の無我夢中の動作中でも、肉を手放さなかったらしい。

「ん?ウサギのスパイス焼きですなのです!」
「そうじゃなくて、辛すぎてこんなの食べれないよ!!」
「そうなのです?」
 僕の怒りの声を何も痛痒に感じないかの如く、首を傾げながら肉をシゲシゲと眺めるポメ。

「スパイスは古代エンシェントドラゴンが卒倒するレベルしか使ってないですよ?」
「そんな危険物を僕に食わすなぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

 僕の怒りの絶叫が樹海に響くのであった。

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