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第038話(樹海踏破?!)
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クゥーン、クゥーン
何か悲しげな声が耳元でするので、僕はハッと目を覚ます。
「ファングに飛びかかられたくらいで気を失うとか、ドンだけヤワなんだかです!」
傍らで仁王立ちしたまま僕を見下ろしているのはポメだ。
「寝ている人の前で仁王立ちしているとパンツ見えるよ」
「ばっ!」
ボグゥッ!
僕の腹に鈍い音とともに激痛が走る。ポメが容赦無用に蹴り飛ばしたらしい。でも蹴った拍子にもっとよく見えてしまった。ナニがというかアレが。
2.5頭身の幼女のパンツを見て、ナニをときめくんだが……
僕がお腹を抑えて転がっていると、先程の鳴き声の主が僕の近くで心配そうな眼差しを送ってくる。
「大丈夫だよ、ファング。コレはあの毒舌暴力メイドロボのせいだから」
僕は痛む腹を抑えながら、近くにいるファングの頭を片手で撫でる。
「まっ!ポメの事をそんな悪しく行くなんて心外なのです」
「違うの?」
「概ね合って無いこともないです」
「そこは認めちゃうんだ……」
ようやく腹の痛みが引いてくると、後頭部がズキズキと鈍く痛んでくる。まぁ、我慢できないほどじゃない。ファングをコレ以上心配にさせないように、何事もない顔で立ち上がる。
周りの様子を見てみると、どうやら気絶していたのは一瞬だったようだ。
「しかし、ファング大きくなったね」
ガゥッ!ガゥッ!
僕が褒めると、ファングが嬉しそうな吠え声を上げる。寝っ転がったら僕よりファングのほうが大きいんだもんな。さっきまで僕のほうが大きかったのに。
ピッ!ピィッ!
僕がファングを褒めていると、抗議のような鳴き声が上がる。
「うんうん。ビークも大きく綺麗になったね」
鮮やかな紅玉珠色の体毛を持つカモメのような容姿のビークが、僕に褒められて誇らしげに胸を張る。特に嘴がスベスベしていて光を反射しているので、本当の紅玉珠のようだ。
「無事昇格進化も終わったので、さっさと出発するです。いつ他の領域主の気が変わって、様子を見に来るかわからないのです!」
「そういや、ここはそういう危険地帯だったっけ。色々ありすぎて頭から飛んでたよ」
「頭が非常に残念な御主人様なら当たり前の事なので、気にする必要はないのです」
「いや、そこは直す風に努力させるという方向で行こうよ……」
「ポメは超高性能メイドなので、やっても無駄な努力はしない主義なのです!ほら、さっさと出るのです!」
僕を蹴っ飛ばしそうな勢いだったので、大きくなったファングとビークを連れて、僕は小屋を出る。そして目の前に広がる湖を再度見て、綺麗だなと思うと同時に、やっちまったなぁと溜息をつくのだった。
辺り一面をふっとばして作った湖の向こう側は地面と木々が抉られたせいか、小さく草原が見えていた。
「あれ?この湖を迂回したら、樹海脱出?」
「そうなのです。やっとアーグ大樹海から脱出です。ココまでの5年に渡る大冒険は大変だったのです」
「5年?!いやいや2週間位だよね?!」
ガンッ!
「ポメが5年と言ったら5年なのです」
「無茶苦茶だ……」
ポメに脛を蹴られて涙ながらに僕が呟く。このメイドアンドロイド、一体どうなってるんだろう。マスターに毒舌吐くは暴力振るうわ、どっか壊れているに違いない。
「幸い周辺に敵性生物はいなさそうなのです。さっさと湖を迂回するのです」
そう言ってスタスタ歩き出すポメに僕と二匹はついていく。
湖は土砂を巻き上げて作ったので、まだ水と土砂が混じって濁っている。落ち着けば透き通った湖になるのだろう。でも魔法の暴走で作った湖だからしばらく生物は生息しないんだろうな。僕はそんな事を考えながらボーッとポメに付いて行っていると、ポメが不意に立ち止まる。
「どうしたの?」
「しっ!トン御主人様と二匹は森の中に入るのです」
僕がポメに聞くとポメは小さいながら鋭い声で、湖の向こう側を見ながら、僕に指示を出す。
「え?」
「いいから早く!」
ポメに急かされて、僕と二匹は森の中に入って、ポメの姿を伺う。ポメは木の陰に隠れながら、湖の向こう側の森の切れ目を鋭い目をして睨みつけている。
しばらくすると、視線をそらさずに少しずつ後退し、完全に湖の向こう側から見えなくなると、身体を僕達の方に向けて歩いてくる。
「湖の縁ではなく森の中を歩いていきましょう」
「どうしたの?」
「おそらくですが、近くの街の斥候部隊が様子を見に来たようです」
「人?!」
「しっ!」
ガンッ!
僕が思わず大きな声を出すと、間髪入れずポメの脚が僕の脛に飛ぶ。僕は再び涙目になりながら、脛を押さえて歯を食いしばる。
「大きな声を出すな!なのです。まだ味方かどうかもわからないのです。この世界の人間が御主人様に好意的かどうかなんてわからないのです。だから、ここは慎重に様子を見るのが得策なのです」
矢継ぎ早にポメはそう言うと、森の中ではあるけど湖を迂回するようなルートを進むのであった。
何か悲しげな声が耳元でするので、僕はハッと目を覚ます。
「ファングに飛びかかられたくらいで気を失うとか、ドンだけヤワなんだかです!」
傍らで仁王立ちしたまま僕を見下ろしているのはポメだ。
「寝ている人の前で仁王立ちしているとパンツ見えるよ」
「ばっ!」
ボグゥッ!
僕の腹に鈍い音とともに激痛が走る。ポメが容赦無用に蹴り飛ばしたらしい。でも蹴った拍子にもっとよく見えてしまった。ナニがというかアレが。
2.5頭身の幼女のパンツを見て、ナニをときめくんだが……
僕がお腹を抑えて転がっていると、先程の鳴き声の主が僕の近くで心配そうな眼差しを送ってくる。
「大丈夫だよ、ファング。コレはあの毒舌暴力メイドロボのせいだから」
僕は痛む腹を抑えながら、近くにいるファングの頭を片手で撫でる。
「まっ!ポメの事をそんな悪しく行くなんて心外なのです」
「違うの?」
「概ね合って無いこともないです」
「そこは認めちゃうんだ……」
ようやく腹の痛みが引いてくると、後頭部がズキズキと鈍く痛んでくる。まぁ、我慢できないほどじゃない。ファングをコレ以上心配にさせないように、何事もない顔で立ち上がる。
周りの様子を見てみると、どうやら気絶していたのは一瞬だったようだ。
「しかし、ファング大きくなったね」
ガゥッ!ガゥッ!
僕が褒めると、ファングが嬉しそうな吠え声を上げる。寝っ転がったら僕よりファングのほうが大きいんだもんな。さっきまで僕のほうが大きかったのに。
ピッ!ピィッ!
僕がファングを褒めていると、抗議のような鳴き声が上がる。
「うんうん。ビークも大きく綺麗になったね」
鮮やかな紅玉珠色の体毛を持つカモメのような容姿のビークが、僕に褒められて誇らしげに胸を張る。特に嘴がスベスベしていて光を反射しているので、本当の紅玉珠のようだ。
「無事昇格進化も終わったので、さっさと出発するです。いつ他の領域主の気が変わって、様子を見に来るかわからないのです!」
「そういや、ここはそういう危険地帯だったっけ。色々ありすぎて頭から飛んでたよ」
「頭が非常に残念な御主人様なら当たり前の事なので、気にする必要はないのです」
「いや、そこは直す風に努力させるという方向で行こうよ……」
「ポメは超高性能メイドなので、やっても無駄な努力はしない主義なのです!ほら、さっさと出るのです!」
僕を蹴っ飛ばしそうな勢いだったので、大きくなったファングとビークを連れて、僕は小屋を出る。そして目の前に広がる湖を再度見て、綺麗だなと思うと同時に、やっちまったなぁと溜息をつくのだった。
辺り一面をふっとばして作った湖の向こう側は地面と木々が抉られたせいか、小さく草原が見えていた。
「あれ?この湖を迂回したら、樹海脱出?」
「そうなのです。やっとアーグ大樹海から脱出です。ココまでの5年に渡る大冒険は大変だったのです」
「5年?!いやいや2週間位だよね?!」
ガンッ!
「ポメが5年と言ったら5年なのです」
「無茶苦茶だ……」
ポメに脛を蹴られて涙ながらに僕が呟く。このメイドアンドロイド、一体どうなってるんだろう。マスターに毒舌吐くは暴力振るうわ、どっか壊れているに違いない。
「幸い周辺に敵性生物はいなさそうなのです。さっさと湖を迂回するのです」
そう言ってスタスタ歩き出すポメに僕と二匹はついていく。
湖は土砂を巻き上げて作ったので、まだ水と土砂が混じって濁っている。落ち着けば透き通った湖になるのだろう。でも魔法の暴走で作った湖だからしばらく生物は生息しないんだろうな。僕はそんな事を考えながらボーッとポメに付いて行っていると、ポメが不意に立ち止まる。
「どうしたの?」
「しっ!トン御主人様と二匹は森の中に入るのです」
僕がポメに聞くとポメは小さいながら鋭い声で、湖の向こう側を見ながら、僕に指示を出す。
「え?」
「いいから早く!」
ポメに急かされて、僕と二匹は森の中に入って、ポメの姿を伺う。ポメは木の陰に隠れながら、湖の向こう側の森の切れ目を鋭い目をして睨みつけている。
しばらくすると、視線をそらさずに少しずつ後退し、完全に湖の向こう側から見えなくなると、身体を僕達の方に向けて歩いてくる。
「湖の縁ではなく森の中を歩いていきましょう」
「どうしたの?」
「おそらくですが、近くの街の斥候部隊が様子を見に来たようです」
「人?!」
「しっ!」
ガンッ!
僕が思わず大きな声を出すと、間髪入れずポメの脚が僕の脛に飛ぶ。僕は再び涙目になりながら、脛を押さえて歯を食いしばる。
「大きな声を出すな!なのです。まだ味方かどうかもわからないのです。この世界の人間が御主人様に好意的かどうかなんてわからないのです。だから、ここは慎重に様子を見るのが得策なのです」
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