ちびっこ無双 ~手加減しないと環境破壊しちゃう過剰魔力を持った僕と、ちびっこい仲間達で異世界を無双しちゃいます~

もるもる(๑˙ϖ˙๑ )

文字の大きさ
56 / 80

第056話(依頼受注?!)

しおりを挟む
 依頼クエストについて説明してくれたクーフェさんが掲示板から剥がした依頼票を持って、そのままカウンターの受付側に回り込み、手続きを始める。

「えっと、シン君、ポメちゃんギルドカードを出して頂戴」
 僕達はクーフェさんの言う通りギルドカードを差し出す。

「シン君の冒険者番号は3632064、ポメちゃんの番号は3632065ね」
 ギルドカードに書かれた数字を確認するクーフェさん。

「えっと依頼番号は……363206022、これね。で受注者は3632064、3632065っと。はい、これで正式に受注できたわよ」
 そしてギルドの帳簿みたいな冊子に載っている依頼番号を探して、その隣に僕達の番号を書き込んでいく。この帳簿で依頼クエストを管理しているようだ。

「えっと、依頼クエストランクFの仕事だと、依頼を受注する際の手数料はギルドが負担するので掛からないけど、ランクE以上になると手数料が発生するわ。手数料はクエストを取り消しキャンセルしても失敗しても返金されないから気をつけてね」
 帳簿に書き込んで説明しながら僕達のギルドカードを返してくれる。

依頼クエストランク?」
「あぁ、そこら辺の説明がまだだったわね。依頼クエストランクは基本的にA~Fまであるわ。上は国家規模の作戦だったり、世界危機レベルの依頼クエストになるとS~SSSトリプルSまであるけど、まぁまずお目にかかることはないわ。そして冒険者は冒険者ランクの一つ上以下、パーティの場合、パーティランクの二つ上以下までの依頼を受ける事が出来るの。シン君たちは冒険者ランクがFだからランクEとFの仕事。パーティを組むんだったらランクDとEとFの依頼が受けられるわ」
「なるほど、ではパーティはどうやって組むんですか?」
「パーティは3人~6人の冒険者が集まって作れて、パーティランクはパーティを結成したときの平均冒険者ランクで登録されるわ」
「ふむふむ。では冒険者ランクはどうやって上げるんですか?」
依頼クエストを成功させると、その成功度によって1~20ポイントが加点されるの。普通に達成すると10ポイント、倍の成果を出すと+2ポイント加点されるといった感じにボーナスが付くけど、依頼クエストが不完全達成の場合は減点対象になるわ。そしてランクFは100ポイント、ランクEは200ポイント、ランクDは400ポイント、ランクCは800ポイント、ランクBは1600ポイント、ランクAは3200ポイントを消費すれば上のランクに上がることが出来るの。そして一つ上のランクで依頼クエストを達成した場合は、2倍のポイントが入り、二つ上の依頼クエストを達成すると3倍のポイントが入るわ。ちなみにランクSの冒険者なんてこの国でも2組しかいないから、中々なれるものじゃないと考えたほうが良いわよ」
「なるほど、となるとパーティを組めば、一回の依頼クエストで最大60ポイントが入るんですね。ちなみにその2組のランクSの冒険者って?」
聖光の剣ソルリオン・ブレイド女神の雫ユティエナ・ドロップね」
「すごく痛々しい名前なのです!」
「ちゅ、厨二病っぽい……」
「え?格好良いと思うけど……特に聖光の剣ソルリオン・ブレイドは勇者様のパーティなのよね。憧れちゃうわ」
 ちょっと遠い目になるクーフェさん。この世界にも勇者っているんだなぁと思うけど、僕とは全く関係のない事だろうと意識の外に捨ててしまう。
 とりあえずEランクの依頼クエストを5つこなせば、ランクアップできるのか。確か掲示板を見た時に、Eランクで幾つかの討伐依頼と素材納品があったから、素材採取のついでに狩ることが出来れば、一気にランクアップできるかもしれない。

「ありがとうございます。色々参考になりました」
「外に出るときはくれぐれも気をつけるのよ」
 色々教えてくれたクーフェさんに頭を下げると、僕達は冒険者ギルドを後にする。初めての冒険に胸がドキドキする。アーグ大樹海と比べて、ここらへんの敵はそんなに強くなさそうなので、アーグ大樹海を踏破してきた僕達には簡単な仕事になるとは思うけど、油断は禁物だ。
 外に出れる事を理解しているのかファングとビークもご機嫌だ。

「お、シン君か。外に出るのか?」
「おや、昨日の少年じゃないか。外は危険だよ」
 門の前まで来ると、キリクさんと門番のオジサンが声をかけてくる。

「冒険者ギルドの依頼クエストを受けたんです」
「君のような小さい子が冒険者ギルドの依頼クエスト?あぁ、その子達がいるからか」
 門番のオジサンが一瞬怪訝な顔をしたが、ファングとビークを見て納得する。

「その二匹がいるなら、ここいらの草原は問題なく行動できるだろう。だけど、あの奥の森の中に入ったらいかん。あそこは凶悪な魔獣がはびこる魔の森だからな」
 オジサンは遠くの方に見えるアーグ大樹海を指差して僕達に警告する。

「はい。あっちの方に行く予定はありません」
「ここら辺でも凶暴な動物はいるからくれぐれも気をつけるんだよ」
「姉さんが悲しむから、怪我なんてしないでくれよ」
 親切に声をかけてくれるオジサンとキリクさんに見送られて、僕達は門を出る。

 門をくぐって草原に出ると、広い空、広大な草原が広がっていて、なんか開放されたような気分になる。町中の安心感はあるけど、外の開放感も捨てがたい。安全な場所ではないのだけれども、草原を走る澄んだ空気を肺いっぱいに吸い込むと、とても気分が良くなった。
 それは僕だけでなく、ファングとビークも同様で、ファングは開放されたかのように草原を元気よく駆け回り、ビークは空に昇っていく。

 そうして気持ちの良い草原に飛び出した僕達は依頼クエストを達成すべく駆け出すのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

処理中です...